オリヅルランは、常緑多年草です。初心者でも育てやすい観葉植物として人気があります。細長い茎を伸ばしてその先に子株をつけるのですが、それが折鶴がぶら下がっているように見えることから“オリヅルラン”という名前がつきました。ランと付きますが、ラン科の植物ではありません。
NASA(アメリカ航空宇宙局)による研究で、オリヅルランに空気中のホルムアルデヒドを吸収する作用があることがわかりました。米国国立医学図書館に貯蔵されている書籍にもその研究結果が紹介されたものがあります。
オリヅルランは、空気清浄機能の強い観葉植物なのです。
オリヅルランの原産地は?
アフリカとインドを中心とした熱帯地方です。
オリヅルランの品種の種類とその特徴
- ソトフオリヅルラン:葉が硬く緑色地に乳白色の覆輪斑が入る品種です。
- ナカフオリヅルラン:硬い葉の中央部に乳白色の斑が入ります。
- ナカフヒロハオリヅルラン:葉は柔らかく中央部に大きく乳白色の斑が入ります。
- シャムオリヅルラン:葉は濃緑色地で乳白色の覆輪斑が入る種類。冬に葉が枯れます。
- “ボニー”:葉はナカフオリヅルランと同様だが、葉が内側にカールしているのが特徴です。
- “シャルロット”:葉は薄く濃緑色地に淡黄色の中斑が入ります。
オリヅルランの年間スケジュールは?
1.苗の購入
もともと鉢に植えられているものが販売されており、買ったらすぐ飾って育てられます。葉の先がきれいなものを選びましょう。オリヅルランは状態が悪くなると葉先が茶色く変色します。
育苗ポットに入っているものは鉢に植え替えます。寄せ植えや吊り鉢にも向いてます。
種から育てるときは、育苗ポットやプラスチックの容器を準備してその中に用土を入れて表土に蒔きます。軽く土を被せて土を乾燥させないように管理すると芽が生えてきます。ただし種は購入しづらいので、苗から育てるのが一般的です。
3.最も生育が活発な時期
4〜10月はよく生育します。肥料をあげて生育をサポートしましょう。
オリヅルランの栽培における各ポイント
1. 日当たりや場所
日当たりを好みますが、日陰でも育ちます。葉が柔らかいタイプのものは寒さに弱く、葉が硬いタイプは寒さに強いです。寒さが厳しい地域では室内に置きましょう。地植えのは水はけの良い場所に植えます。直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまいます。暑さには強いです。
2. 水やり
オリヅルランは根が多肉質で乾燥に強い植物です。春から秋は土が乾いたら与え、真夏は乾き始めたら与えてください。
冬は乾かし気味にします。乾いてから3〜4日後に、鉢の底から水が出る程度にしっかり与えます。地植えは、晴天が続かないかぎり冬の水やりは必要ありません。土が濡れているのに水を与え続けると、根が腐ってしまいます。
葉っばの乾燥が気になるときは、霧吹きなどで葉に水を吹きかける“葉水”をします。
3. 肥料
5〜9月の生育期に、緩効性肥料を2ヶ月に1回置き肥します。液体肥料を1週間から10日に1回与えるのも良いでしょう。肥料が少ないときは葉が白くなり、多いと葉の白い部分が黄色くなってきます。冬は与える必要はありません。
4. 用土
腐植質が多く、水はけの良い用土に植えます。赤玉土(小粒)5に対して腐葉土5、もしくはピートモス3:川砂2の割合で混ぜた土か、市販の観葉植物の培養土を使用します。
水だけを使って栽培する「水栽培」もできます。
5. 病気や害虫
- 炭そ病:高温多湿期に葉に発生します。早めに薬剤散布します。
- カイガラムシ:年間通して葉や根に発生します。成虫は薬剤が効かないのでブラシなどでこすり落とします。
- アブラムシ:放置すると葉の汁を吸われます。薬剤散布します。
オリヅルランの栽培ステップ
1. 苗を購入する
実物を見て買うならインテリア量販店やホームセンターで購入できます。インターネットでも購入できます。
2. 日々のお手入れ
オリヅルランは丈夫なので、日々の育て方で特別なことはありません。葉の先だけ枯れてしまうことがよくあります。原因はほとんどが水不足か根詰まりです。見ばえが良くないので、先だけ茶色く枯れてしまったときは葉先だけ葉の形にそってハサミでカットします。全体が枯れてしまったときは根元から取り除きます。
3. 水やりと追肥
4〜10月は水をよく吸うので土が乾いたら、真夏は乾き始めたら水やりをします。11〜3月は水を吸う力が弱まるので土が乾いて数日後に水やりをします。
肥料は生育期はゆっくり効く錠剤の肥料を使います。液体肥料も使えます。冬は肥料は与えません。
植え替えについて
頻度
適期は5〜9月です。生育が比較的おう盛なので、毎年植え替えましょう。
植え替えの手順
古い鉢からオリヅルランを抜き出し古い土を3分の1ほど落とします。根の下の方を切り落としてから、新しい鉢に植え替えます。そして、たっぷり水をあげます。カラーリーフと寄せ植えしても楽しめます。
オリヅルランに花は咲くの?
春から夏にかけてランナー(細長い茎)の節から白いかわいい花が咲きます。
オリヅルランの冬の手入れについて
耐寒温度が3度と観葉植物の中では寒さに強いほうですが、霜には注意します。霜が降りない地域では戸外でも越冬が可能です。霜が降りる恐れのある地域で鉢植えで育てているのであれば、冬は室内に入れてあげましょう。
例外として、シャムオリヅルランは寒さに弱く冬でも10度以上の気温を必要とします。
オリヅルランの増やし方は?
種を採取して種から苗に育てる方法は、花が咲いた後黒い種をつけるので、採取します。苗が育つまでに時間がかかり、あまり行われません。
年間を通して増やすには、ランナーから発生する子株を外して植える方法がいいでしょう。ランナーとは、細長い茎のことです。最低でも8枚の葉っぱがついている子株を切りはずしましょう。
株分けという方法もあります。土を3分の1ほど落として2〜3株に分け、植え付けます。5〜9月に行います。地上部の芽が1つの株に3芽以上ついているように切り分けましょう。
最後に
オリヅルランは年間を通して葉を茂らせ日陰でも育てることができます。空気清浄効果もあり、水だけを使って栽培する「水栽培」にもチャレンジできる品種ですよ。
葉の模様や形状もいろいろありますので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。
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