幸福の木と呼ばれるドラセナマッサンゲアナは、日本だけでなく世界で人気のある観葉植物です。
「玄関に飾ると幸せが舞い込んでくる」というハワイの言い伝えから幸福の木という別名がつけられました。花言葉は「幸福」「隠しきれない幸せ」「幸せな恋」で、これもハワイの言い伝えからきています。
風水的には「ミリオンバンブー」と呼ばれることもあり、部屋の隅に置くと金運がアップすると言われています。
幸福の木の原産地は?
幸福の木はリュウゼツラン科ドラセナ属で、アフリカを中心とした熱帯地域が原産です。
幸福の木の品種の種類とその特徴
幸福の木と一般的に言われているものは「ドラセナ・フラグランスマッサンゲアナ」という品種です。ハワイの代表樹で別名で「ハワイアン・ティー」とも呼ばれています。
他には「ドラセナ・フラグランスリンデニー」「ドラセナ・フラグランスビクトリア」「ドラセナ・フラグランスマッサンゲアナ・コンパクタ」という品種があります。
マッサンゲアナという品種 :太い幹と縞模様の入ったシャープな葉を持つ姿が特徴で、葉は緑色地に中斑が縦縞模様に入ります。
リンデニーという品種:マッサンゲアナと斑の入り方が逆さの品種です。ビクトリアという品種 は、リンデニーと同様の斑型ですが、後暗みせず下葉の斑模様が残ります。
マッサンゲアナ・コンパクタという品種:光沢のある濃い緑色の葉が特徴です。ドラセナの中で特に成長が遅く、コンパクトに飾れるのが魅力です。
幸福の木の年間スケジュールは?
1.苗の購入
鉢に植えられた状態で1年中販売されています。園芸店やホームセンター、通信販売などで購入できます。
2.育苗
土が乾かないように水やりをして、日陰で管理します。根が生えたら鉢に植え替えます。
3.最も生育が活発な時期
春から秋(4〜10月)にかけてよく生長します。
幸福の木の栽培における5つのポイント
1. 日当たりや場所
日当たりを好むので、日が差し込む窓辺に置くのが良いですが、夏の直射日光は葉が焼けることがあるので避けましょう。
2. 水やり
根腐れしやすいので、土が乾くまで水を与えないようにします。土が乾いたらたっぷり水をあげ、受け皿には水を溜めないようにします。
3. 肥料
よく生育する4〜10月の間は、固形の緩効性肥料を2ヶ月に1度あげます。緩効性肥料とは、効き方がゆっくりで効果が長続きする種類の肥料です。根や幹を傷めないように生え際から少し離れた場所に置きます。
液体肥料を10〜15日に1度水の代わりあげるのも良いでしょう。冬は肥料は与えません。
4. 用土
市販されている観葉植物用の用土、自分で作る場合は赤玉土(小粒)6、腐葉土4にします。
5. 病気や害虫
ハダニ:発生時期は3〜10月です。こまめに葉の表裏に霧吹きなどで水をかけると発生を抑えることができます。殺ダニ剤など薬を使って退治します。
カイガラムシ:硬い殻で覆われているので薬が効きにくいです。ブラシなどでこすり落とします。
炭そ病:初夏や秋に発生しやすい病気で、葉に丸や楕円形の変色がみられ枯れていきます。この病気にかかったら症状のある葉を切ってあげます。
斑点病:葉に茶褐色の小さい斑点が現れて徐々に広がっていく病気です。見つけたら斑点が出ている葉を切ります。
白絹病:土の部分に白い綿状の菌糸が大量に発生します。土壌にいる菌が原因で高温多湿や水やりが多すぎると発生します。
幸福の木の栽培ステップ
1. 苗・木を購入する
園芸店で鉢に植えられた状態で販売されているので、自分の住空間にあう見た目のものを選びましょう。
2. 日々のお手入れ
何年か経つと背が高くなり管理が大変になる、枝が混み合って病害虫の被害を受けやすくなる、ということが起こり得ます。枝の成長をみながら2〜3年に1度は剪定をして形を整えてあげましょう。よく生育する5〜7月頃にします。切り方は育てたい高さまで茎を剪定バサミで切るだけです。まっすぐ切り落としてください。
葉が枯れたときは付け根から切り落とし、変色した時は切りそろえましょう。
3. 水やりと追肥
生育期は、鉢土の表面が乾いたら十分に水を与えます。特に9月から10月上旬頃までは生育がおう盛なのでたっぷり与えます。
冬は鉢土の表面が乾いて3、4日ぐらいしてから水を与えます。冬の水の与えすぎは根腐れの原因になるので、乾燥気味にします。また、暖房などで空気が乾燥したときは霧吹きなどで葉に水を吹きかけて保湿してあげましょう。
生育期はたくさんの栄養を必要とします。肥料を与えて生長を促してあげましょう。
植え替えについて
頻度
2、3年に1度を目安に、鉢底から根が出て根詰まり気味なら行います。また、根腐れしてしまったり新芽の伸びが悪いときにも行うようにします。生育期の5〜9月に行いましょう。
幸福の木の植え替えの手順
鉢から株を抜き、まわりの古い土を3分の1程落とします。黒ずんだり腐った根はハサミで切り落とし、根をほぐしてからひとまわり大きな鉢に植え替えます。植え替えが終わったらしばらくは明るい日陰で休ませます。
幸福の木に花は咲くの?
花茎を伸ばして白い小さな花を咲かせます。花の蜜の匂いがきついので慣れない人には苦痛を覚えることもあるようです。
幸福の木の冬の手入れについて
幸福の木は寒さが苦手です。10度より気温が低い場所に置き続けると、寒さで弱り枯れる恐れがあります。できるだけ暖かい室内の日当たりの良い場所に置きます。
水やりは控えめにしますが空気が乾燥して葉が乾くので、暖かい時間帯に霧吹きなどで葉に水をかけてあげます。
幸福の木の増やし方は?
生命力が強いので成長期にはどんどん新芽が伸びてきます。切り取った枝を使って増やすことができます。
挿し木
葉を3〜4枚を残し余分な葉を落とします。残した葉は半分に切り、束ねられるなら葉を上の方で括ってあげます。
こうすることで光合成をさせ水分の蒸発を防ぐことができます。枝の切り口を斜めに切り2時間程水にさして水揚げができたら、2分の1から3分の1程度土に埋めます。埋め終わったら、たっぷり水をあげます。
管挿し
葉のついていない枝を6〜7㎝の長さに切り、土に埋まる側の切り口を斜めに切り水揚げをします。しっかり水揚げができたら、長さの2分の1から3分の1のところまで土に埋めます。そして、たっぷり水をあげます。
新芽と根が生えるまでビニールで覆って高温で湿度の高い環境を維持します。新芽と根が確認出来たら、根や枝の土を落とさずに新しい鉢に植えかえます。
茎伏せ
土に縦には挿し木せず、茎を横に倒した状態にします。この方法では切り口はまっすぐ切り落とします。水揚げができたら茎を横向きに並べて半分ぐらい土に埋めます。
茎伏せは他の挿し木とは違って茎が土に深く埋まっていないので、水をあげる時は茎が浮かないように注意しましょう。根が出るまでに1〜2ヶ月と少し時間がかかります。根気よく待ちましょう。
最後に
幸福の木は丈夫で育てやすい観葉植物です。初心者の方でも日当たりや水やり、肥料の与え方のポイントを押さえて管理すれば簡単に育てることができます。増やしてお部屋を飾ることもできます。
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