ぶどうはガーデニングで人気のフルーツです。その歴史は古く、紀元前3,000年前すでにカスピ海沿岸で栽培されていました。その頃からワインの醸造も始まっていたようです。
日本には鎌倉時代に、中国から渡ってきました。もともとは病気に弱い植物ですが、最近は品種改良されて育てやすいものも出てきています。
ブドウの品種は日本で栽培されているものだけでも、非常に多いです。巨峰、デラウェア、安芸クイーン、甲斐路、甲州、藤稔、マニキュアフィンガー、ゴルビー、ベリーA、アジロンなどは、ブドウです。シャインマスカット、ネオマスカット、ゴールドフィンガー、翠嶺などはマスカットです。
(参照元情報:~、ぶどう狩りの自由園、、、、、2017年6月現時点情報。健康に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
ぶどうの年間スケジュールは?
ぶどうは通常、苗木の植え付けから始まります。3月頃に植え付けし、1年目は主枝を延ばし、早ければ2年目くらいから収穫できるようになります。
1.苗を選ぶ
ブドウには大きく分けてヨーロッパ種とアメリカ種があります。ヨーロッパ種は品質が高いのですが日本の気候では育てにくく、アメリカ種は品質は少し劣りますが、病気に強く育てやすいと言われています。
そのふたつの品種を掛け合わせた欧米雑種が、日本では一番多く作られています。初心者には「マスカットベリーA」や「デラウェア」が比較的育てやすくおすすめです。
2.育苗
1年目は強い梢を強い枝を一本選び真っ直ぐに育てます。これが主枝となります。主枝から細い脇枝が伸びてきたら、2~3葉を残し全て切り落とします。
3.開花
2年目の春になると花蕾が出てきます。花蕾が多いと養分が分散してしまうので、つきすぎた花蕾を間引く「房づくり」を行います。
デラウェアなど小粒種なら葉っぱ20枚に1房、大粒種は葉っぱ30枚に1房を目安に花蕾を間引きます。
4.収穫
花が咲き終わり2週間ほどで、ダイズほどの果粒が育ちます。果粒が混み合っていると生育が悪くなるので、1房あたるの果粒の量を調整する「摘粒」を行います。大粒種は30~35粒、小粒種は60~100粒になるように、果粒を切り取ります。
そして1房ごとに果実袋をかけ、害鳥・害虫からの被害から守ります。うまく育てば、2年目の8~9月頃、果実が十分に色づいたのを確認したら収穫です。
ぶどうの栽培における5つのポイント
1. 日当たりや場所
ぶどうは過湿を嫌いますので、日当たり・風通しの良い場所に植えましょう。植木鉢であれば、日当たりの良い軒下などに置くと、病害虫が発生しにくくなります。
2. 水やり
植木鉢の場合は、水は土の表面が乾いたら与えてください。地植えの場合は、根が付いてしまえば特に水やりは必要ありません。
3. 肥料
肥料は、主として有機肥料を与えてください。根菜用の肥料などでも十分です。窒素肥料は少なめにしてください。
4. 用土
用土は、赤玉土6、腐葉土3、砂1の割合で配合します。もしくは市販の「果樹・花木用の土」などを使用します。
5. 病気や害虫
ぶどう栽培の成否は、いかに病害虫を予防するかにかかっています。かかりやすい病気としては、かっぱん病、うどんこ病、べと病などがあります。これら病気にかかった葉を見つけたら、すぐに取り除きましょう。病気を予防するための銅水和剤などを散布するのも良いでしょう。
ぶどうには様々な害虫が寄ってきます。カミキリムシやコガネムシなど、葉を食い荒らす害虫は見つけ次第取り除いてください。しかし一番の敵はスカシバ(ブドウ虫)という、茎の中に産卵する害虫です。スカシバの幼虫に食害されると茎が空洞化し、苗木に壊滅的なダメージを与えます。できるだけ農薬を使いたくない場合は、苗全体をビニールで覆うことが必須となります。
ぶどうの栽培ステップ
1. 苗を用意する
ぶどうは実付きが良く、1本でも結実します。苗は細い根が多く、芽と芽の間隔が詰まっているものを選ぶと良いでしょう。購入してきた苗を半日から1日水につけ、たっぷりと水を含ませてください。鉢植えの場合は、10号以上の深く大きめの植木鉢を用意してください。
2. 植える
購入してきた苗を、根を広げるように植え付け、たっぷりと水を与えます。そして5芽ほど残し、30~60㎝で切り返します。そして主枝をまっすぐに育て、主枝から出てきた副枝は全て切り取ります。
2年目以降は1箇所から複数の芽がでてきた場合、強い芽を1つだけ残して他は全て切り落とす「芽欠き」という作業をします。
3. 水やりと追肥
過湿になると果実の甘味が少なくなってしまうので、鉢植えの場合でも水やりは1日に1回で十分です。地植えは特に水やりは必要ありません。肥料は、2月頃に有機肥料を、花の咲き終わった6月、果実収穫後の9月に追肥を行います。
4. 支柱で誘引
オベリスクまたはタワーサークル型の支柱を用意し、最初は主枝をまっすぐに育ててください。そして主枝が伸び自力で立てなくなったら、螺旋状に支柱に沿わせてください。地植えの場合は、フェンスなどに這わせるのも良いでしょう。
5. 剪定
ぶどうの剪定は2年目以降、1、2月に行います。長い枝は2、3本に間引きます。そして巨峰などの大粒種は、実を結んだ枝の4~8芽を残して先端を切り落とします。
デラウェアなどの小粒種は、全ての枝を2~3芽残して切り落とします。剪定した切り口には癒合剤を塗っておくと病気を防ぐことができます。
ぶどうに含まれる栄養素3つ
1.疲労回復
ぶどうの甘味成分は、ぶどう糖と果糖でできています。ぶどう糖は脳や筋肉の働きに欠かせない栄養素です。退廃代謝を経ず直接エネルギーになるため、疲労回復や集中力アップに効果があります。
2.疲れ目に効く
赤ぶどうに大量に含まれるにはアントシアニンの色素要素は、目の疲れや視力回復に効果があります。またアントシアニンなどのポリフェノールは、癌や動脈硬化に効果があると言われています。
3.老化抑制効果
ぶどうに多く含まれるポリフェノールの一種レスベラトロールには、老化抑制効果が期待できることがハーバード大学のデービッド・シンクレア博士研究チームにより発見されました。またメタボリックシンドロームや脂肪肝予防などにも効果があることも、最近の研究でわかってきました。
最後に
秋の味覚の代表格であるぶどうは、成長の段階にあわせて芽欠き、摘粒、袋かけなど、相当に手間がかかります。特に冬場の剪定などはプロでも難しいと言われます。
自身で剪定する枝を選ぶのが難しければ、プロにお願いするのも良いかもしれません。それでも手間暇かけて育成した自家栽培ぶどうは、味もひとしお、美味しく感じられることでしょう。
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