味にアクセントをつける辛味や、火を通した時に口の中でとろける甘さなど、調理法によってその表情をガラリと変えるネギは、料理の名脇役として欠かせない存在ですね。
家庭でも簡単に育てることの出来る野菜です。特に葉ネギはプランター栽培にも適しており、品種を選ぶことにより、1年中収穫することが出来ます。今回は、葉ネギの栽培方法をご紹介していきます。
(参照元情報:JA全農山口、江崎グリコ株式会社、楽天レシピ、2017年6月現時点情報。健康に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
ネギとは?
ネギの原産国は、中国西部、東南アジア北部地方だと言われています。かつてネギはユリ科に属されていましたが、現在ではヒガンバナ科のネギ属とされています。日本ではとても古くから食されていた野菜で、元々は「葱(き)」と呼ばれていたものが、根を食用としていたことから「根葱(ねぎ)」になったと言われています。
ネギと言えば、東と西でその品種が大きく違うのはご存知でしょうか?東日本では白い部分を食す白ネギが一般的ですが、西日本では青い部分を食べる葉ネギが一般的です。筆者が昔、自宅で料理をしてる際、青い部分をばっさり切り落としてゴミ箱に捨てたところ、関西の友人が目を白黒させていた経験があります。
葉ネギの年間スケジュールは?
葉ネギは、品種にもよりますが、種まきから収穫までおよそ2ヶ月程です。
1.種まき
春から秋まで、長い時期に渡って 種まきが出来ます。その中でも、適しているのは春、4月下旬頃が良いと言われています。だんだん暖かくなる季節ですね。
2.育苗
種まきから10日前後で芽が出てきます。初心者の方は、種からではなく、苗から育てると楽でしょう。
3.収穫
種まきからおよそ60日、葉が15cm程伸びたら収穫時期です。根元から抜かず、3,4cm残して切ることにより、何度も収穫する事が出来ます。放置しすぎると、先端に葱坊主と呼ばれる花が咲いてしまい、成長が止まってしまうため取り除きましょう。
葉ネギの栽培における5つのポイント
1. 日当たりや場所
ネギは日光を好む植物なので、日当たりの良い場所が適しています。プランターで育てる際は、日当たりの良い庭やベランダなどに置きましょう。
2. 水やり
比較的乾燥に強い植物なので、頻繁に水をあげる必要はありません。表面の土が乾いたら、水をたっぷりとあげると良いでしょう。
3. 肥料
葉ネギは強い植物なので、元肥だけでも育ちます。収穫後も育てるとき、育成が遅くなったと感じたときに薄めた液肥や化成肥料を追肥として与える程度で良いでしょう。
4. 用土
ネギの栽培には、市販の培養土を使うのが手軽で良いでしょう。ネギ専用の培養土も売っています。
5. 病気や害虫
葉ネギにつく害虫はアブラムシやアザミウマなどです。見つけ次第、薬剤を散布するのが効果的です。網目の小さなネットで囲うのも良いでしょう。
葉ネギの栽培ステップ
1. 種をまく
葉ネギを植える土は、市販の培養土がおすすめです。プランター栽培は、60cm程度のプランターに鉢底石を敷き、その上に培養土を敷くとよいでしょう。湿気に弱く、底が深いプランターだと根腐れをおこしやすいので、底の浅いプランターがおすすめです。
深さ5mm程のまき溝をつくり、1cm間隔で筋蒔きしていきます。筋蒔きとは、まき溝に沿って溝の中にタネを蒔いていくことです。条間は15cm程度が好ましいでしょう。条間とは、筋と筋の感覚のことです。
種を撒いたら、軽く土をかけてたっぷりと水を与えます。乾燥を防ぐため、濡れた新聞紙や稲藁などをかけるのも良いでしょう。発芽して、5cm程になったら3cm間隔になるように間引きします。育ちの良い芽以外は、根元から抜いてしまいましょう。
2. 植える
葉ネギは、種や苗だけではなく、スーパーで売っている葉ネギを植える方法もあります。プランターで少量を育てるのであれば、こちらのほうが簡単かもしれません。
スーパーで売っている根のついた葉ネギを根元から5cm程で切り、根を水に浸してから土に3cm程植えると良いでしょう。
3. 水やりと追肥
水やりは、種まきから発芽までは毎日行うのが良いでしょう。その後は、土の表面が乾いたらたっぷりあげるようにするとよいでしょう。
葉ネギを育てるメリットと栄養素3つ
1.ビタミンAやCが豊富
葉ネギはビタミンが豊富に含まれており、肌にもよく、免疫力を増加させることによって、風邪予防にも効果があります。ビタミンAは油脂に溶けるビタミンのひとつで、発育促進・肌の健康維持や視覚の暗順応に関わったりします。ビタミンCはコラーゲンというタンパク質を作るのに不可欠で、鉄の吸収をよくしたりもします。
2.アリシンが豊富
血行を良くし、疲労物質である乳酸を分解する作用があります。「玉ねぎを食べると血液がサラサラになる」なんて、聞いたことはありませんか?このアリシンは、玉ねぎにも多く含まれていますが、ネギにもまた含まれている栄養素です。
3.買いに行く手間が省け、節約に
自分で育てることによって、スーパーに買いに行く手間を減らせ、節約にもつながります。様々なメニューで使用しやすい食材なので、さっと収穫できてすぐ使えるのも嬉しいですね。
ネギをおいしくいただく!ネギの使い方3つ
1.ネギ焼き
キャベツの代わりに、たっぷりの葉ネギを使用したネギ焼きは、豚バラやチーズ、イカやエビなど、どんな具材と合わせても美味しくいただけます。卵・薄力粉・片栗粉・和風だしの素・水・塩を混ぜたものに小口切りにしたネギを入れて、両面焼けば出来上がりです。
2.葱油
たっぷりの葉ネギをサラダ油、ゴマ油などにいれ、中火で熱するだけの簡単レシピです。炒め油としてはもちろん、ラーメンや餃子、中華料理などに使うとワンランク上の味に。
3.普段の薬味として
味噌汁や麺類、料理の上にパラリと散らすだけで、見た目も華やかになりますね。ちょっと欲しい時にさっと収穫できる葉ネギは、自家栽培にもってこいの野菜です。
最後に
生命力が強く、家庭でも簡単に作れる葉ネギ。種や苗だけでなく、スーパーに売っている葉ネギからも栽培できるので、ぜひ試してみてください。
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