葉に光沢があり見た目も鮮やかなゴムの木は、観葉植物として人気があります。ゴムの木はおよそ800種類あります。
「永久の幸せ」という花言葉があり、贈り物にも喜ばれるゴムの木。風水の視点からも運気アップの効果があり、家庭内を明るくしたり、金運アップにも効果があるといわれています。
今回は、このように明るくてポジティブなイメージのあるゴムの木の育て方を紹介します。
ゴムの木の原産地は?
ゴムの木はインドからマレー半島あたりの熱帯アジアが原産地です。自生するものは大きくなると高さ25mほどまで成長するものもあります。暑さに強く、寒さに弱い植物なので、冬には室内に移動して管理できるように鉢植えで育てるのがおすすめです。
ゴムの木の品種の種類とその特徴
原産するものは約800種類ありますが、その中で園芸品種として一般的なのがインドゴムの木で、濃い緑色の丸い形をした葉が特徴です。
その他、インドゴムの木が変異した「デコラ」や、そのデコラの改良品種で、斑入り葉が特徴の「デコラ・トリコロル」、波打つ葉の形が特徴の「かしわばゴムの木」などがあります。
インドゴムの木以外の品種も育て方の難易度は低めなので初心者でも好きな品種にチャレンジしやすいです。
ゴムの木の年間スケジュールは?
1.苗の購入
5月頃に購入するのがベストです。最盛期である夏に鉢にしっかり根が張っている状態にするためです。観賞用のゴムの木は種類がいくつかあり、どれも育てやすいものが多いので、気に入る品種を選んでください。
2.育苗
5~9月頃までが生育期ですが、そのうちの8月頃までがピークです。暑さに強く、日光を好むので日当たりの良い場所で育てましょう。ただし、斑入りの品種は直射日光に当たると葉やけを起こすものもあります。
日陰でも比較的よく耐えられるので、1年を通して室内で育てることも可能です。ただし、日照不足になると葉が巻いてきたり枝がひ弱になります。時々日当たりの良い場所に置き換えてください。
寒さに弱いため、冬には気温が10度以下にならないよう注意しましょう。
3.最も生育が活発な時期
春から夏にかけて活発に成長し、夏に最盛期を迎えます。葉の色つやが良くなり、枝もしっかりとしてきて見栄えがとても美しくなります。
4.休眠期と種の収穫
秋に向かって徐々に生育が緩やかになり冬には休眠期に入りますゴムの木は受粉により実がなり種の収穫ができるのですが、受粉にはイチジクコバチという蜂の存在が必要なため、日本で一般家庭で育てている場合には受粉は無理です。ですから果実や種の収穫はできません。
ゴムの木の栽培におけるポイント5つ
1. 日当たりや場所
1年を通して日の良く当たる場所に置きましょう。日陰でも育てられますが、日光を好む植物です。ゴムの木の特長である葉のつややかさなどを楽しみたいのであれば、日光が重要です。
夏の暑さには強く、30度くらいまででしたら問題なく育てられますので、冬以外は屋外で育てることもできます。寒さには弱いので冬には気温が10度を下回らない場所に置いてあげてください。そのため日本では鉢植えでの栽培がいいでしょう。
2. 水やり
生育期には土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。高温多湿を好む植物なので、葉水も行うと良いでしょう。生育期の終わる9月以降は徐々に水やりの回数を減らし、休眠期の冬には土の表面が乾いてから2日ほどおいてから水やりをする程度にしてください。
生育期には乾燥に、休眠期には過湿に注意して水やりをしましょう。
3. 肥料
生育期である5~9月頃には液体肥料を月に2,3回か、固形肥料を月に1回程度与えましょう。肥料は市販の観葉植物の肥料で構いません。休眠期に肥料を与えると株が弱ってしまうので、休眠期に肥料は不要です。
4. 用土
水はけの良い土が適しています。市販の観葉植物の土でも問題なく使えますが、自作するのであれば小粒赤玉:腐葉土:川砂を6:3:1の割合で混ぜた土を作ると良いでしょう。
5. 病気や害虫
ゴムの木にはカイガラムシが付きやすいです。小さな貝殻のような害虫で、葉の養分を吸い取ってしまうので見つけ次第駆除してください。濡れたタオルなどでふき取ったり、大量発生世しているときは駆除剤を使用するなどしましょう。
カイガラムシの排泄物により、スス病にかかることもあります。スス病になると葉や茎が黒ずんできて、光合成の妨げになります。病気にかかっている部分を除去して除菌剤も撒いておきましょう。
ゴムの木の栽培ステップ
1. 苗・木を購入する
生育期の始まりである5月頃に苗を購入しましょう。
2. 日々のお手入れ
夏は乾燥に注意してください。また、葉が密集してくると風通しが悪くなりカイガラムシが発生しやすくなるため、こまめに葉の様子を見て、適宜剪定をしましょう。ゴムの木は挿し木や取り木で増やすことができますので、剪定などのタイミングで増やしてみるのも良いですよ。
また、大きく育ってくると自力で立っていられなくなるので、その際には支柱で支えてあげてください。
3. 水やりと追肥
生育期には、土の表面が乾いたらたっぷりとお水をあげます。気温の高い夏には朝と夕刻の1日2回必要になる日もあります。秋以降は徐々に回数を減らし、冬には鉢の表面が乾いてから2日間ほどおいて水やりをします。
肥料は生育期に液体肥料を1ヵ月に2回程度、もしくは固形肥料を1ヵ月に1回程度あげましょう。鉢の大きさにもよりますので、肥料の使用目安を参考にしてあげすぎないように気を付けてください。休眠期の肥料は不要です。
植え替えについて
頻度
根が鉢いっぱいになってきたら植え替えをしましょう。鉢の底から根が出てきたり、お水をあげても染み込みが悪くなってきたら根がいっぱいになっている可能性があります。植え替えは5~9月頃の間に行ってください。鉢の大きさにもよりますが、1,2年に1回程度が目安です。
他には、植物が大きく育ち、鉢とのバランスが悪くなってきたタイミングでの植え替えも良いでしょう。
植え替えの手順
鉢から株を取り出し、根についている土を半分くらい落としてから新しい土を入れた鉢に植え替えましょう。このとき、鉢は一回り大きなものにしてください。
ゴムの木に花は咲くの?
インドゴムの木など園芸品種のゴムの木は主に葉の成長がメインの植物ですが、まれに花が咲くこともあります。開花時期は春ごろで、小さなみのような丸い花が付きます。
ただし、必ず花を見られるわけではなく、生育環境により咲いたり咲かなかったりするので、花を見られるのは稀なようです。
一方、産業用のパラゴムの木などは毎年黄色い花を咲かせます。産業用のゴムの木は一般家庭ではまず育てる機会はないでしょうから、花を見たい時には植物園などに行って探してみるのもいいですよ。
ゴムの木の冬の手入れについて
冬には気温と日照に注意しておけば、あとはさほど手入れの必要はありません。日が良く当たり、気温が10度を下回らないようにしましょう。水やりや肥料などもほぼ不要で、構いすぎないことが大切です。
ゴムの木が有名な植物園はある?有名な植物園
キューガーデン(英国)
ロンドンの中心部から電車で30分ほどのところにある王立植物園で、約250年の歴史があり、世界遺産にもなっています。
ゴムの木はイギリスの植民地政策において重要な役割を担っていたことから、古くから種をこの植物園に持ち込んで品種改良等がなされていました。
園内には2万種類以上の植物が育てられており、観光地としても人気の場所です。
ボタニックガーデン(シンガポール植物園 / シンガポール)
シンガポールでもトップクラスの観光名所であるボタニックガーデンは、入場無料の国立植物園なので観光客だけでなく市民にも愛されている場所です。
初代園長が国策のためにゴムの栽培に力を入れるよう指示していたことから、この植物園ではゴムの木の栽培が長らく盛んにおこなわれており、自動車産業が盛んになるにつれてゴムの需要も増え莫大な利益を得たといわれています。
他にもランをはじめとした色鮮やかな植物を見ることができます。
小石川植物園(東京)
東京大学の付属植物園で、植物に関するさまざまな研究がおこなわれている施設です。日本で最も古い植物園で、園内には約4000種の植物が育てられています。
桜やモミジなど、季節の木々を楽しむこともでき、都会にいながら都会とは思えない大自然を感じることができる場所です。
咲くやこの花館(大阪)
国内最大級の総ガラス張りの建物で約2,600種類の世界の植物が育てられている植物園です。
ゴムの木は熱帯雨林植物室に展示されています。熱帯雨林室では、ゴムの木のほかにマングローブやガジュマル、ランや睡蓮など色鮮やかな花もあり、熱帯ジャングルの雰囲気を存分に味わえるエリアです。
最後に
丈夫で育てやすく、花言葉も風水でも明るいイメージのゴムの木。生命力があり初心者でも育てやすいので、観葉植物を育てる際の初めての1本目としてもおすすめです。自分で育てて、部屋の雰囲気も気分も明るくしてみてはいかがでしょうか。
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