アロエは多肉植物の一種で、その種類は500以上もあります。日本でよくみられるのはアロエベラやキダチアロエで、肉厚で丈夫であるという特徴があります。よく間違える方もいますが、アロエ=アロエベラというわけではなく、様々な種類のアロエがあります。
南アフリカ地域に多く生息しており、日本には鎌倉時代に入ってきたのではないかといわれています。比較的育てやすく手軽に手に入利やすく、自宅や軒先で育てている方も増えています。
アロエを育てる方法や、育てるメリットなどについてご紹介します。
(参照元情報:アロエ製薬株式会社、みんなの趣味の園芸(NHK出版)、株式会社平田農園、アロエベラの専門店 アロエベラ本舗、2017年6月現時点情報。医療に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
アロエの年間スケジュールは?
アロエは5月から9月頃が成長期間で、10月から4月の冬にかけては休眠期間です。花はこの休眠期間に咲きます。
暑さに強く寒さに弱いという特徴があるので、冬の育成状況には気を配りましょう。
1.アロエを購入する
店頭で売られるのは3月から夏前ぐらいまでが多いので、買うのであればその時期が良いでしょう。今後増やしていきたいと考えるのであれば、その時期のうちで5月頃に購入するのがおすすめです。この時期は1年のうちでもっとも良く成長するうえ、水やりも4,5日に1回程度で良いので、お世話が楽です。
最近は一般家庭でアロエを育てる人が増えている影響か、お花屋さんやホームセンターの園芸コーナーなどでも良く売られています。価格は500円から1,000円程度のものが多く、大きなものほど値段が高くなります。植える場所や他の植物との兼ね合いで、自分の好みの大きさや形のものを選べばよいでしょう。
2.植え付け・植え替え
植え付けは外に地植えすることも可能ですが、寒さに弱いため雪国や寒冷地では不向きです。またアロエは繁殖力が強いため快適な環境だとどんどん成長します。
植え替えは、鉢で育てる場合は、2年に1度のペースで行いましょう。アロエは最初の鉢からおよそ2年で鉢いっぱいに成長します。鉢を一回り大きくしてあげて、根を伸ばすスペースを新たに確保してあげましょう。タイミングは5~9月の生育期であればいつでも可能ですが、春(5、6月)に植え替えれば秋までにしっかり根を張ることができ、越冬もスムーズに行えます。その時期がいいでしょう。
3.開花
アロエの開花時期は12月から3月ぐらいまでですが、苗の状態では花は咲きません。アロエの花が咲く条件としては、高さが50㎝以上あること、茎が2.5cm以上あることです。そして1日を通して日当たりの良い場所で育て、夏期には水を与えず、冬には寒さ対策をしてあげます。
うまく育てれば朱色や黄色など、鮮やかできれいな花を咲かせます。
4.株分けで増やす
アロエを増やすには株分けか挿し木という方法がありますが、おすすめは株分けです。株分けとは根の付いた子株を分けることで、増やす方法として最も確実性の高いです。
株分けの手順は、株分け前1週間ぐらいは水やりをストップして、根を乾燥させます。また、株分け後の子株も、鉢植えした後1週間ほどは水をやらずに直射日光の当たらない場所に置き、しっかり根付かせます。
アロエの栽培における5つのポイント
1. 日当たりや場所
アロエは日当たりの良い場所を好みます。もともと暖かい地域の植物なので、暑さに強く寒さに弱いです。年間を通して日がよく当たる場所に置きましょうう。たっぷりの日に当てることにより、葉茎共に丈夫に育ち、寒さにも強くなっていきます。
ただし、購入直後は直射日光を避け、徐々に日に慣らしていくようにしてください。急に直射日光に当てるとアロエが日焼けして葉が変色することがあります。一度変色した葉は元に戻りませんが、根に異常がなければ問題なく成長しますので様子を見ましょう。
2. 水やり
アロエは多肉植物のため、自ら水分を蓄える力があります。ですから水やりは土が乾いてから行う程度で良いです。アロエを枯らしてしまう原因の多くに水のあげすぎがあります。
乾燥に強いので、放置するぐらいでちょうど良いと、思っておくぐらいで大丈夫です。環境にもよりますが、夏は1日1回、春と秋は1週間に1回、冬は気が向いた時にあげる程度で良いです。
3. 肥料
アロエには肥料は特に必要ありません。水のやり過ぎ同様、肥料のやり過ぎはアロエを枯らしてしまう原因となります。アロエはとても丈夫な植物なので、大事にしすぎることがアロエの寿命を縮めてしまうことになりかねません。
肥料をあげる時というのは、アロエが弱ってしまっている状態のときだけにしましょう。その際にあげる肥料は有機肥料を与えるようにしてください。
4. 用土
アロエに適した用土は、水はけが良い土です。多肉植物やサボテンの専用土を使用しましょう。
5. 病気や害虫
病気で代表的なものが黒班病です。葉の全体に黒い点ができます。一度病気になってしまった葉は元には戻らないため、その部分は切り捨ててください。そして土も汚染されている可能性があるため植え替えをおすすめします。
アロエは、品種にもよりますが害虫が付きづらく害虫に強い植物ですが、カイガラムシやアブラムシといった害虫が付くことがあります。害虫はアロエの養分を吸い取るため、見つけ次第ブラシなどを使って取り除くようにしてください。
アロエの栽培ステップ
1. アロエを購入する
お花屋さんや園芸店、ホームセンターなどのほか、ネットショップでも購入できます。
2. 置き場所を決める
鉢植えの場合は室内で育てるのかベランダなど屋外で育てるのか、育てる場所を決めておきましょう。室内であれ屋外であれ、日当たりが良い場所を選びます。
3. 水やりと追肥
先ほども述べたとおり、水やりも肥料も基本的にはやり過ぎにならないようにしましょう。
水やりは春から秋は表面の土が乾いたらたっぷりと、冬はほぼ不要です。肥料も基本的には不要ですが、弱っている時には有機肥料を少量あげる程度で良いでしょう。
アロエを育てるメリット3つ
1.お世話が簡単手間いらず
なんといってもお世話が楽というのがメリットです。植物を育てたことがない人や忙しくてなかなか手をかけてお世話をできない人でも育てやすいというのが魅力でしょう。水も肥料もほぼ不要で、2年に一度の植え替えで良いという手軽さは、ほかの植物ではなかなかありません。
2.美容と健康のために使える
アロエは万能薬ともいわれるほど、さまざまな効果をもたらす植物です。食用にして肥満解消や美容に効果がある他、塗り薬としてやけどやニキビにも効果があると言われています。
日本で薬用として使われているアロエはキダチアロエやケープアロエと呼ばれる種類が多く、食用として使われるのはアロエベラが多いようです。
3.インテリアになる
アロエは多肉植物で葉がぷっくりとしており、きれいな鉢に植えれば素敵なインテリアにもなります。お手入れが楽で丈夫な植物であり、季節によっては花も楽しめるため観葉植物として育てるのも魅力でしょう。
食べられるの?アロエの使い方3つ
1.食べる
アロエは生のまま食べられます。洗ってトゲを取ってから食べやすい大きさに切って食べましょう。とても苦く美味しさはありませんが、アロエの効果を一番発揮してくれる食べ方です。
苦みを無くすために下処理をした後にシロップ漬けにしたりお刺身にしたりという食べ方もできます。さまざまなレシピが紹介されているのでぜひ検索してみてください。
2.塗る
ゼリー状の葉肉の部分を顔や肌に直接塗ることができます。美白効果や消炎作用があるため、美容や切り傷・やけどの治療に使えます。
やけどに直接塗ると、やけどには効果を発揮しますがやけどの症状を起こしていない皮膚の部分にはかぶれなどが出ることがあり、アロエの葉に含まれるアクが原因であると言われています。そういった副作用を了承の上使用してください。
ただし、人によっては肌が荒れてしまったりかゆみが出ることがあります。植物や様々なものにアレルギーが多い方や気にかかる点がある方は、かかりつけの医師に相談してから、もしくは使用後になにか症状が出るようであればすぐに医師に相談しましょう。直接塗る際には事前に二の腕などに塗ってパッチテストをするようにしましょう。
3.お風呂に入れる
アロエを水で良く洗い、トゲを処理した後に薄くスライスします。それをネットに入れたものを湯船に入れます。ネットを揉んでアロエ成分をたっぷりお風呂に浸しましょう。アロエの保湿作用や消炎作用によりお肌が潤い、乾燥肌や肌荒れへの効果が期待できます。
こちらも事前にパッチテストを行い、お肌に異常がないことを確認してから行うようにしてください。
最後に
アロエは簡単に育てられるだけでなく、育てたものを美容や健康に利用できるとても優秀な植物です。興味のある方は、お店で見つけたらぜひ一度育ててみてくださいね。
アロエの使い方や自分の体に適しているかどうかは、使用する自身の自己判断です。心配なことがあるときは事前にかかりつけの医師などに相談しましょう。
「アロエヨーグルト」というヨーグルト製品などもあるぐらいですから、食用としても有名な植物ですが、全ての食品・植物が万人に有効とは限りませんので、その点だけ注意してくださいね。
フラワーアレンジメント関連の最新記事
鮮やかなグリーンの葉の中に咲く真っ白な花、そのコントラストが美しいスパティフィラム。 スパティフィラムという名前はあまり有名ではありませんが、カラーや水芭蕉に似ている観葉植物として、一度は目にしたことがあると思います。 […]
ピリッと舌が痺れる爽やかな辛さと豊かな香りを持つ山椒は、日本で古くから親しまれてきた香辛料のひとつ。 山椒は旬が短く、また殺菌・防腐作用があることから、佃煮や味噌などの長期保存できる料理に使用されてきました。鰻の蒲焼きな […]