にんにくというと、あの独特な匂いが一番先に浮かびますよね。滋養強壮として知られている食品です。由来は「香匂憎(かにおいにく)」、「忍辱」とされ、侮辱や苦しみに耐え忍び心を動かさない事という説があります。
ユリ科(ネギ科)ネギ属、中央アジアのキルギス地方が原産です。紀元前3200年以上前に古代エジプトで栽培されていて、日本には中国から伝わっています。
にんにくの種類はいくつかあります。ジャンボにんにくは200~800gほどで無臭にんにくと呼ばれています。一片にんにくは中国産が多く、一個の塊になっています。最上赤にんにくは大粒で生では辛みが強いのが特徴です。
今回は栄養満点のにんにくの育て方、栄養素、にんにくを使ったおすすめメニューについてご紹介します。
(参照元情報:タキイ種苗株式会社、2017年6月現時点情報。医療に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
にんにくの年間スケジュールは?
苗植えから収穫までの合計期間は他の野菜よりも相当長く、8か月~10か月ほどかかりますが、病害虫に強いため手間はほとんどかかりません。
1.苗を購入する
にんにくは秋に植えて翌年の春過ぎに収穫します。9月、10月ころに購入し日中の気温が25度以下になってから栽培をスタートしましょう。
2.育苗
北海道や寒冷地は、早く植えると良いです。にんにくは10か月ほどかかるため、他の野菜の邪魔にならないように日当たりや風通しが良い庭の隅の方で育てます。
にんにくは土以外にも水耕栽培が出来ます。病気になりにくく、柔らかいものができあがります。
3.開花
秋に植えたにんにくは3月、4月頃には急激に成長します。芽が2本以上伸びてきたら小さい方の芽を摘み取ります。花が咲いてしまうと球根が大きくならないため、つぼみも摘み取りましょう。
つぼみは芽ニンニクとして食べることができます。
4.収穫
5月、6月頃になると収穫時期です。葉先がだんだん枯れてきて、3分の2程度枯れたら収穫の合図です。晴れた日に抜き、すぐに根を切り放して、2~3日ほど乾かします。
にんにくの栽培におけるポイント5つ
1. 日当たりや場所
日当たりと水はけが良い場所を選びましょう。
2. 水やり
10月~11月の乾燥しやすい時期には、土が乾燥しないように敷き藁をして保湿、または乾燥しすぎないよう土の状態を見て水やりをします。
3. 肥料
風味と香りにも関わってくる肥料やりです。収穫までに2回ほど追肥を行います。
1回目は12月頃に、2回目は3月、4月頃に追肥しましょう。
5月以降の追肥(肥料を追加して与えること)は必要ありませんので、それまでの追肥は忘れないようにしますが、葉の色を見ながら調整してください。肥料が足りていないと葉が黄色くなります。
4. 用土
秋に植える際には、にんにくを植える2週間ほど前に土づくりを終えるようにすると、たい肥や肥料がよくなじみます。肥料はやや多めにし、肥沃な土を作っておきます。
酸性寄りの土ではニンニク栽培には向きませんから、苦土石灰を混ぜて中和しておきましょう。
5. 病気や害虫
●アブラムシ:黒っぽいアブラムシが葉につきます。
●ネギコガ:冬が終わり春に近づく時期から収穫時期までにかけて、害虫の卵がにんにくの葉に産み付けられることがあります。
●イモグサレセンチュウ:植え付け後のにんにくが未萌芽の際に疑いましょう。鱗片の色が変化し腐っているような見た目になります。対策は、オルトラン水和剤などの殺虫剤を使用して駆除する方法があります。
にんにくの栽培ステップ
1. 苗を植える
にんにくは鉢でも庭でも育てることができます。2本立ち(1株から2本発育している状態)してしまった株は、小さい方を間引きしましょう。
2. 土を作るときに意識すること
プランターでの育て方は、60cmのプランターのサイズがおすすめです。小型のプランターでも15cmの深さがあれば育てることができます。
3. 水やりと追肥
発芽するまでは用土が乾燥しないようにたっぷり水やりをしてあげます。
4. 冬後半〜最盛期には芽の様子を見てトウは間引く
春先、芽が10cmほどに伸びたタイミングで、最も発育状態のいいものを残し残りの芽は摘みましょう。花のつぼみが伸びてきたら早めに摘み取ります。いわゆる「とう立ち」と呼ばれる状態です。
小さすぎる時期に摘むのもよくないので、少々伸びてきたら折り取ります。
にんにくを育てるメリットと栄養素3つ
1.アリイン・アリシン
にんにく特有の臭いの元となる栄養素です。
免疫力向上・がん予防・食欲増進・強い殺菌作用・抗酸化作用・ビタミンB1の吸収を促進・脂肪燃焼効果・強壮作用が期待できます。
2.アリチアミン
ビタミンB1が糖をエネルギーに変えてスタミナがアップします。血行が良くなるため冷え性改善にも期待できます。
3.メチルアリルトリスルフィド
動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中の予防効果があります。
にんにくがおいしい!にんにくを使って作れるメニュー3つ
1.にんにくオリーブオイル焼き
材料:にんにく一房・オリーブオイル適量・塩少々
作り方:
- にんにくの薄皮を剥き一口大に切ります。
- お皿に乗せてラップをし、レンジで一分加熱します。
- アルミホイルを器にしにんにくを乗せます。オリーブオイルを適量かけ、塩も少々かけます。
- オーブンで10分ほど加熱します。色づいたら出来上がり。
2.にんにくとアスパラ炒め
材料:にんにく一房・アスパラ適量・塩コショウ・ゴマ油
作り方:
- にんにくの薄皮を剥き、薄く切ります。
- アスパラは一口大に斜めに切ります。
- フライパンにごま油をたらし、にんにくを炒めます。こおばしく香りがたったらアスパラをいれます。
- アスパラが柔らかくなったら、塩コショウを適量入れて出来上がり。
3.じゃがいものにんにくステーキ
材料:じゃがいも2個・にんにく薄切り適量・バター・しょうゆ
作り方:
- じゃがいもは芽を取り、皮つきのまま半分に切ります。切り口側に包丁で線を何本か入れます。裏の皮側も真っ直ぐに切ります。
- フライパンに油を入れ、にんにくを炒めこんがりしたら取り出します。
- じゃがいもを切り口を下にして、柔らかくなるまで焼きます。裏側も1分ほど焼きます。
- フライパンにバターと醤油を適量いれてからめます。取り出したにんにくを乗せて出来上がり。
最後に
プランターや水耕栽培で家庭菜園が簡単に出来るにんにくは、初心者でも失敗することが少ないためぜひおすすめします。
これから暑い夏を迎えますので、体力をつけるためににんにくは欠かせません。無臭ニンニクは仕事をしていても気にせず毎日食べることができますよ。
フラワーアレンジメント関連の最新記事
鮮やかなグリーンの葉の中に咲く真っ白な花、そのコントラストが美しいスパティフィラム。 スパティフィラムという名前はあまり有名ではありませんが、カラーや水芭蕉に似ている観葉植物として、一度は目にしたことがあると思います。 […]
ピリッと舌が痺れる爽やかな辛さと豊かな香りを持つ山椒は、日本で古くから親しまれてきた香辛料のひとつ。 山椒は旬が短く、また殺菌・防腐作用があることから、佃煮や味噌などの長期保存できる料理に使用されてきました。鰻の蒲焼きな […]