ジメジメしがちな梅雨の時期は、心も沈みがちですね。そんな中、見頃を迎えるのがあじさいの花です。
関東であれば鎌倉、関西であれば京都の舞鶴自然文化園、北海道であれば立象山公園あじさい広場、九州であれば福岡の筥崎宮や福岡市植物園が、アジサイの名所でしょうか。出歩きたくない梅雨の季節でも外に出かける理由になる、美しいアジサイを楽しむことができます。
ここではアジサイの育て方を紹介します。
アジサイとは?
漢字では紫陽花と書きます。その名前の由来は、集(あづ)真藍(さあい)が形を変えたものと言われています。青い花が集まるように咲いているあじさいにピッタリですね。
しかし、紫陽花の名前からもわかるとおり、青だけではなく紫色の紫陽花もまた一般的です。あじさいの花の色は、土によって変わります。アルミニウムを吸収すると青色、しなければ赤色になると言われています。比較的雨の多い日本では、土壌に含まれるアルミニウムを吸収しやすい弱酸性の土壌になっているので、青や紫のあじさいが多いです。
原産国は日本に自生するガクアジサイ、ヨーロッパで品種改良したものをセイヨウアジサイと呼びます。私達が普段目にしているのはセイヨウアジサイで、原産のガクアジサイは、街中ではあまり見かけません。
今では品種も様々で、真っ白な花が特徴的な「ホワイトキング」や、星型の花弁が花火のように散らばった「星花火」など、観賞用として美しく珍しい品種も人気です。
本州より開花時期が2ヶ月ほど遅い北海道では、夏を告げる花としても有名で、7月中旬の子供達が夏休みに入る頃に見頃を迎えます。
あじさいの年間スケジュールは?
あじさいの生命力はとても強く、初心者でも育てやすい植物です。プランターなどの鉢植え、庭への地植え、どちらでも簡単に育成することができます。
1.種まきではなく苗から
あじさいの種は市場にあまり出回っておらず、ポット苗や開花株で売られていることがほとんどです。インターネット販売や大きな生花店などでは1年中買うことが出来ますが、だいたい3月頃から店頭に並び始め、4~5月になると種類も充実してきます。
鉢植え、地植え共に、3~4月、開花後の9月に苗を植えるのが良いでしょう。
2.開花
あじさいの開花時期は、場所や環境にもよりますが梅雨時期の6月から8月です。品種や育て方によっては、秋までその花をつけることもあります。
あじさいの栽培における各ポイント
1. 日当たりや場所
あじさいの栽培に適した場所は、適度に日が当たる半日陰です。西日が当たる場所では、日に焼けてしまう可能性があるのでできるだけ避けたほうが良いでしょう。冬はなるべく日当たりの良い場所に移してあげると良いでしょう。
2. 水やり
あじさいは水が大好き。鉢植えは乾燥しやすいので朝晩二回、たっぷりと水をあげましょう。地植えの場合は、極端に日照りが続いている場合以外は雨水だけで元気に育ちます。
3. 肥料
あじさいに肥料を上げるポイントは、3~4月、開花後、冬の3回に与えると良いでしょう。肥料の三大要素と言われる窒素・リン酸・カリウムが均等に配合されたものが効果的です。
4. 用土
あじさいは生命力が強いので一般的な園芸用の土でも育ちます。ただ、土のPH値によって花の色が変わります。日本の土は雨水の影響で青い花を咲かせる酸性に傾きますので、赤くしたければ石灰などを混ぜ、アルカリ性に保つのが良いでしょう。あじさい専用の土が売られているので、それを使用すると楽です。
5. 病気や害虫
あじさいは病気や害虫にかかりにくい植物ですが、過湿などの環境によっては発病することもあります。花や葉が白く粉をふいたようになるうどんこ病、葉に斑点ができ、穴が空いたり枯れてしまったりする炭そ病など、定期的に殺菌剤を使用することで予防が出来ます。
アブラムシやハダニなどの害虫がついてしまった場合は、殺虫剤やお酢を水で薄めたものをふりかけましょう。
あじさいの栽培ステップ3つ
1. 植える
購入したあじさいの苗、または開花株を鉢植えにする場合は、苗よりも1~2回り程大きな鉢やプランターを用意しましょう。鉢の底に軽石や鉢底石を敷き、1/2ほど土を入れ、根を軽くほぐした苗を植えます。周りに土をいれて安定させたらたっぷりと水をあげましょう。
地植えの場合は、苗よりも一回り大きい穴を掘り、その中に植えましょう。色にこだわるのであれば、植える一ヶ月前頃に土作りをして土をなじませておきましょう。
2. 水やりと追肥
鉢植えなら、水は朝晩に一度ずつたっぷりとあげましょう。地植えの場合は植えてから一週間ほど水をあげれば、あとは雨水だけですくすくと育ちます。
追肥は植えた直後、開花後、冬の三回に分けて与えると良いでしょう。寒肥はゆっくりと効いて来る、効き目の穏やかなタイプがいいでしょう。あじさい用の肥料がありますので、それを使用するのも良いです。
3. (必要であれば)剪定
あじさいは基本的に剪定は必要ありません。しかし、鉢植えなどスペースに限りのあるケースでは剪定しないとグングン育ってしまいます。
あじさいは、その年に伸びた枝には花芽をつけません。そのため、花が咲き終わった時期に、上から2枚目あたりの枝を花ごと切るのがよいでしょう。その年に花がつかなかった枝は、翌年花がつくのでそのままに。10月頃になってしまうと花芽をきってしまい、翌年の花が少なくなってしまうので、剪定する場合は咲き終ったらなるべく早くしましょう。
最後に
NHKで放送している趣味の園芸でも度々紹介されるあじさいは、日本の四季を彩る花です。鮮やかに咲き誇るあじさいの花を見ていると、憂鬱な梅雨も楽しくなることでしょう。
初心者でも簡単に育てられるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
フラワーアレンジメント関連の最新記事
鮮やかなグリーンの葉の中に咲く真っ白な花、そのコントラストが美しいスパティフィラム。 スパティフィラムという名前はあまり有名ではありませんが、カラーや水芭蕉に似ている観葉植物として、一度は目にしたことがあると思います。 […]
ピリッと舌が痺れる爽やかな辛さと豊かな香りを持つ山椒は、日本で古くから親しまれてきた香辛料のひとつ。 山椒は旬が短く、また殺菌・防腐作用があることから、佃煮や味噌などの長期保存できる料理に使用されてきました。鰻の蒲焼きな […]