トイレは毎日使うものなので、丁寧に掃除していても汚れが溜まってしまうことがあります。特にトイレの便器に付いた黒ずみは落ちにくいため、適切な掃除方法で落とすことが大切です。
そこで本記事では厄介なトイレの黒ずみについて、原因別の掃除方法や予防法を紹介します。「トイレの便器の黒ずみが落ちない!」と悩んでいる方はぜひチェックしてみてください
トイレの黒ずみの原因とは?
トイレの黒ずみは、便器の中の水が溜まる部分(水たまりの上部)に線のようにできることが多いです。黒ずみができる原因としては、主に以下3つが考えられます。
- 水垢
- 尿石
- 黒カビ
黒ずみは、ホコリや黒カビなどの微生物のほか、尿石や水垢が原因となって発生します。これらの原因が複合的に作用すると、黒ずみが落ちにくくなるため注意が必要です。
各要因の特徴や発生メカニズムを解説するので、掃除前に確認してみましょう。
水垢
水垢は、ケイ塩酸などの水に含まれるミネラル成分が蒸発後に残留することで形成されます。時間の経過とともに徐々に蓄積され、最終的にはトイレの表面に黒や茶色の染みとなって現れます。
水道水に鉄分が多く含まれていると、水垢の汚れに鉄分が混じり酸化してしまうため、さらに黒ずんで見えることも。特に硬度の高い水道水を使用している地域では、水垢の発生リスクが高くなります。
水垢は、重曹やクレンザーなどの研磨剤を使用して落とすのが効果的です。定期的に酸性のクリーナーを使用すれば、既に形成された水垢を溶解して除去できるでしょう。
黄ばみ
尿石は、主に尿に含まれるリンやカルシウムなどのミネラル成分が結晶化して形成されます。男性用小便器や使用頻度の高いトイレで多く見られるのが特徴です。
初期段階では黄ばみや茶色の付着物として現れますが、徐々にトイレの表面に蓄積され、時間の経過とともに硬化します。放置すると黒ずみへと変化し、同時に悪臭を放つようになるため注意が必要です。
尿石は「アルカリ性の汚れ」なので、酸性洗剤によって除去できます。たとえば酸性の尿石除去剤を週1回使用すれば、尿石の形成を抑制し、既に形成された尿石を溶解することが可能です。
黒カビ
黒カビは、衛生面の観点からも注意したい汚れのひとつです。トイレは黒カビが繁殖しやすい温度・湿度・空気などの条件がそろっているため、特に注意しなければいけません。目地・隙間・タンクの裏側など水分が溜まりやすく、換気が不十分な場所で発生しやすいのが特徴です。
トイレに付着した汚れや皮脂などもカビの成長を促進する要因となり、溜まった尿石を覆うようにして黒カビが発生するとトイレの黒ずみに進化します。
なお黒カビは「酸性の汚れ」なので、塩素系アルカリ性洗剤によって除去することができます。黒カビ対策としては、定期的な換気と清掃が有効です。
【原因別】トイレの黒ずみの掃除方法!簡単な落とし方
トイレの黒ずみを落としたいなら、原因ごとに適切な方法で掃除することが大切です。本章では水垢・尿石・黒カビの3つの原因別に、効果的な掃除方法を解説します。道具さえあれば簡単に落とせるので、ぜひ実践してみてください。
掃除をする前の準備
トイレの黒ずみ掃除に入る前に事前準備を済ませていきましょう。トイレを掃除する際は、まずトイレボウル内の水を抜くことが大切です。水を減らすことで洗剤の効果を高め、黒ずみにアプローチしやすくなります。
簡単に水位を減らすには、トイレ詰まりに使用するラバーカップ(すっぽん)が便利です。 トイレが詰まった時のように排水口に当てて、数回押し引きするだけで水が押し出され、数センチ水位が下がります。トイレットペーパーやスポンジを使って水を吸い取る方法もあるので、希望に合わせて選んでください。
なおトイレ掃除を始める前に、トイレを換気しておくことも重要です。窓やドアを開けたり換気扇を回したりして新鮮な空気を取り入れておけば、洗剤の刺激臭を軽減し、作業環境を改善できます。
水垢が原因の黒ずみ
ミネラル成分で構成された水垢汚れには、酸性の洗剤を使用するのがおすすめです。クエン酸や酢などの自然由来の酸または市販の酸性トイレ洗剤を活用しましょう。便器への負担が大きいため、ゆっくりと丁寧に掃除することが大切です。
【必要な道具】
- 酸性洗剤
- トイレブラシ
- ゴム手袋
- ラバーカップ(すっぽん)
【掃除手順】
- トイレボウル内の水を少なくし、酸性洗剤をボウル全体に行き渡るように塗布する
- 洗剤が黒ずみに十分に浸透するよう、15〜30分程度放置する
- トイレブラシを使って黒ずみ(水垢)を削り落とす
- 残った水垢や洗剤を水で洗い流す
頑固な水垢の場合は、クエン酸や重曹を使用するのもひとつの方法です。クエン酸水溶液(水1リットルにクエン酸大さじ2杯)をスプレーボトルに入れ、黒ずみに直接吹きかけて一晩放置すれば、翌日には水垢が柔らかくなり、除去しやすくなります。
また水垢による黒ずみの予防には、使用後のトイレボウルを乾燥させることが重要です。トイレ使用後に水を流し、トイレブラシで軽く水気を切る習慣をつけておけば、水垢による黒ずみを抑制できます。
尿石が原因の黒ずみ
尿石による黒ずみは、トイレの中でも特に除去が困難な汚れです。時間とともに硬化してしまうため、通常の洗剤では思うように落とせない可能性があります。
尿石を除去したいなら、市販の尿石除去剤や業務用のトイレ洗浄剤といった強力な酸性洗剤を使用するのがおすすめです。尿石を化学的に分解する成分を含んでいるため、頑固な尿石でも効果を発揮します。
【必要な道具】
- 尿石除去剤
- トイレブラシ
- ゴム手袋
- マスク
- 保護メガネ
- ラバーカップ(すっぽん)
【掃除手順】
- トイレボウル内の水を少なくし、尿石除去剤をボウル全体に行き渡るように塗布する
- 製品の説明書に従って30分から1時間程度放置する
※洗剤が尿石に十分に浸透し、化学反応が進むのを待つ
- トイレブラシを使って黒ずみを丁寧に擦り、溶解した尿石を除去する
- 残った尿石や洗剤を水で洗い流す
一度の掃除で尿石を除去できない場合は、複数回繰り返すことがポイントです。なお尿石除去剤には強力な成分が含まれているため、必ずゴム手袋・マスク・保護メガネを着用するようにしてください。安全に掃除するために、十分な換気を行うことも重要です。
黒カビが原因の黒ずみ
黒カビによる黒ずみ掃除では、まず黒カビを除去することが大切です。市販のカビ取り剤や塩素系漂白剤などカビ専用の除去剤を使用し、カビを殺菌していきましょう。漂白剤を使用すれば、黒ずみを視覚的に除去することが可能です。
【必要な道具】
- カビ取り剤(塩素系漂白剤)
- トイレブラシ(スポンジ)
- ゴム手袋
- マスク
- 保護メガネ
- ラバーカップ(すっぽん)
【掃除手順】
- トイレボウル内の水を少なくし、カビ取り剤をカビの生えている箇所に直接スプレーする(または塗布する)
- 製品の説明書に従って15〜30分程度放置する
- トイレブラシやスポンジを使って黒ずみを丁寧に擦り取る
- 残ったカビや洗剤を水で洗い流す
塩素系漂白剤は強力な殺菌効果がある一方で刺激臭が強いため、安全に配慮して使用する必要があります。尿石除去剤を使用する際と同様に、ゴム手袋・マスク・保護メガネを着用しましょう。
黒カビによる黒ずみの予防には、トイレ内の湿度管理が鍵となります。使用後は必ずトイレの蓋を閉め、換気扇を回すか窓を開けて湿気を逃がすようにしてください。
どうしても取れない頑固な黒ずみは?
長期間の蓄積や複合的な原因によって形成された頑固な黒ずみは、一般的な家庭用洗剤で除去することができません。頑固な黒ずみを落としたいなら、濃度が高い業務用洗剤を使用してみましょう。業務用のトイレ洗浄剤や尿石除去剤であれば、通常の製品では除去できない頑固な汚れにも効果を発揮します。
また軽石や研磨パッド、電動ブラシ、高圧洗浄機といったアイテムを活用するのもおすすめです。黒ずみを物理的に削り取れるほか、通常のブラシでは届きにくい場所に付着した汚れも効率的に落とせます。
ただし、軽石や研磨パッドはトイレの表面を傷つけてしまう可能性があるので、慎重に行う必要があります。電動ブラシや高圧洗浄機の使用には一定のスキルが必要なため、初心者では難しい場合もあるでしょう。
どうしても自分で除去できない黒ずみがある場合は、プロのハウスクリーニング業者に依頼するのもひとつの方法です。特殊な洗剤や高度な技術を用いて掃除してくれるので、頑固な汚れもスッキリきれいに落とせます。
トイレの黒ずみ掃除におすすめのアイテム
ここからは、トイレの黒ずみ掃除におすすめのアイテムを3つ紹介します。どれも市販や通販で手軽に購入できるので、ぜひチェックしてみてください。
塩素系漂白剤・トイレ用洗剤
頑固なトイレの黒ずみ汚れには、塩素系漂白剤またはトイレ用洗剤を使用してみましょう。特に塩素系漂白剤は強力な酸化作用によって黒カビを殺菌し、漂白効果で視覚的にも黒ずみを除去します。
また塩素系のトイレ用洗剤は、トイレ特有の汚れに対応できるのが特徴です。水垢や尿石を溶解する成分を含んでいることが多く、同時に消臭効果も期待できます。多くのトイレ用洗剤はジェル状や泡状が多いので垂直面にも付着しやすく、初心者でも使いやすいでしょう。
おすすめの商品としては、花王の「除菌洗浄トイレハイター」やユニリーバの「ドメスト」などがあります。除菌の力が強く、汚れが落ちるスピードも早いので、何をしても効果がなかったという場合に試してみてください。
【花王・除菌洗浄トイレハイター】
- ジェル状の洗剤がフチ裏にもしっかり密着
- 99.99%の除菌効果で雑菌やニオイを撃退
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【ユニリーバ・ドメスト】
- 99.99%の除菌慮で黒ずみ・黄ばみ・ピンク汚れや悪臭・ヌメリを徹底除去
- トイレにかけるだけで簡単に使用可能
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軽石研磨剤配合のトイレブラシ
軽石研磨剤配合のトイレブラシは、頑固な黒ずみや水垢の除去に有効なアイテムです。通常のトイレブラシの機能に加えて軽石の微粒子が配合されており、物理的な研磨作用によって汚れを除去します。
研磨剤配合のトイレブラシとしては、レックから販売されている「おまかせください トイレ用」がおすすめです。スポンジタイプのトイレブラシで、狭い場所への作業も楽に行えます。
【レック・おまかせください トイレ用】
- トイレタンクや便器の水アカ・輪ジミも簡単に掃除可能
- キズを極力おさえる研磨材を使用
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なお研磨剤配合のトイレブラシを使用する際は、過度に強い力で擦らないことが大切です。トイレボウルの表面を傷つける恐れがあるので、なるべく丁寧かつ慎重に汚れを擦り落としましょう。
また、研磨作用によって洗剤の泡立ちが抑えられる場合があるため、必要に応じて洗剤の量を調整する必要があります。
トイレ尿石落としジェル
尿石による黒ずみや黄ばみを除去するなら、トイレ尿石落としジェルを使用しましょう。尿石は通常の洗剤では除去が困難なため、専用のアイテムを使用するのがおすすめです。
塩酸や硫酸などの強酸が含まれていることが多く、尿石の主成分であるカルシウムやマグネシウムの塩を効果的に溶解できます。
トイレ尿石落としジェルのおすすめ商品としては、レックの「茂木和哉 トイレ 尿石落としジェル」があります。塩酸・スルファミン酸・蟻酸という3つの酸の力で、尿石汚れをスッキリ落とせる優れものです。
【レック・茂木和哉 トイレ 尿石落としジェル 100g】
- フチ裏にもピッタリくっつくジェルタイプ
- 洗剤のエキスパート「茂木和哉」が開発
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ただし、こちらの製品は貴金属製品や大理石に使用することはできません。腐敗を引き起こす可能性もあるため、トイレの金具や配管に直接触れないよう注意が必要です。
トイレの黒ずみを防ぐには?
最後に、トイレの黒ずみを予防する3つの方法をお伝えします。
- 洗浄用洗剤を置く
- トイレタンクに重曹を入れる
- トイレ掃除をこまめにする
これらの予防策を日常的に実践すれば、トイレの黒ずみを最小限に抑え、清掃の頻度や労力を軽減できます。トイレの美観を保つためにも、ぜひ取り入れてみてください。
トイレ用洗浄剤を置く
黒ずみ予防には、トイレ用洗浄剤を置くことが効果的です。トイレを使用するたびに少量の洗剤を自動的に放出し、便器内を清潔に保つ働きが期待できます。継続的な洗浄効果によって、汚れや細菌の蓄積を防げるのがメリットです。
トイレ用洗浄剤は界面活性剤や殺菌成分を含んでおり、芳香剤の機能も備わっているケースが多いです。たとえば、小林製薬の「液体ブルーレットおくだけ除菌EX」は洗浄防汚成分が配合されているので、汚れの付着をしっかり抑えてくれます。除菌効果もあるため、トイレの黒ずみ予防におすすめです。
トイレタンクに重曹を入れる
掃除用品として重曹を常備している家庭であれば、トイレタンクに重曹を1カップ入れておきましょう。タンク内にカビが発生していた場合も、重曹水に一晩つけておくだけでカビが消えます。長時間外出するときにタンク内に入れておくのも有効な方法です。
重曹はクレンザー代わりとしてトイレの便器磨きにも使えるほか、脱臭や湿気取りの効果もあります。環境に負荷をかけず人体にも無害なので、気軽に利用しやすいと言えるでしょう。比較的安価に入手しやすいため、自宅にストックしておくのもおすすめです。
トイレ掃除をこまめにする
トイレの黒ずみ予防には、こまめなトイレ掃除が欠かせません。定期的な清掃によって汚れや細菌の蓄積を防ぎ、黒ずみの形成を初期段階で抑制できます。
特に水垢や尿石は時間の経過とともに硬化するため、形成初期の段階で除去すれば清掃が簡単になるでしょう。週に2〜3回の頻度で掃除すれば、黒ずみの形成を効果的に予防できます。
【掃除方法】
- トイレボウル内全体に洗剤を塗布する
- 水面下や便器の縁など汚れが蓄積しやすい箇所を重点的に洗う
- ブラシで軽く擦った後、水で十分にすすぐ
さらに月に1回程度は、トイレの床や壁、タンク、便座の裏側など普段の清掃では見落としがちな箇所をまとめて掃除するのがおすすめです。定期的な清掃習慣を身につければ、トイレ全体の衛生状態を維持し、黒ずみの原因となる湿気やカビの発生も防ぐことができます。
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