IHコンロの交換を検討する際は、実際に使う前にどのようなメリットとデメリットがあるのかを知っておきましょう。また、IHコンロを使用する際にかかるおおよその費用についても把握しておくのがおすすめです。
この記事では、実際にIHコンロとガスコンロのメリット・デメリットに加えて具体的な費用について詳しく比較します。費用を節約する方法も解説するので、IHコンロへの買い替えを検討している場合はぜひ参考にしてください。
IHコンロのメリット
IHコンロのメリットとして、利便性の高さが挙げられます。
・火災と火傷のリスクが低い |
・火力を簡単に微調整できる |
・掃除がしやすい |
・キッチンの室温を上げない |
火を使わないので安全に使える
IHコンロは直接火を使わずに調理ができるため、安全性に優れています。熱源は火ではなく電気なので火事になるリスクがほぼなく、調理中に火が燃え広がることがありません。また、火傷の心配がないのもメリットのひとつです。
IHコンロは鍋やフライパンだけを効率的に熱する仕組みを持っており、他の箇所に熱が広がらないという安全性を持っています。
多くのIHコンロにはセンサーが搭載されており、熱している鍋やフライパンなどを外すと動作が停止するため消し忘れ防止ができるのも安全な点だと言えるでしょう。忙しい時にうっかりコンロの火を消し忘れるという危険を排除できます。
火力を調整しやすい
IHコンロはパネルに温度が表示され、ボタン操作だけで簡単に火力を調整できます。低温から高温まで、細かい調整を詳細な温度を確認しながら調整可能なので、繊細な温度管理が必要な料理を作る時にも便利に活用できるのがメリットです。
目測で火を調整するより、ボタンを使って確実に必要な温度に変えられるので調理の効率も上げてくれます。
清潔にしやすい
IHコンロは天板が平らなので拭き掃除が簡単におこなえます。布巾でサッと拭くだけですぐに汚れを落とせるので、掃除の際にストレスを感じません。
調理中に飛び散った汁や落としてしまった具材の汚れなど、こびりつくと落としにくくなる汚れも凸凹がない天板なので落としやすいのがメリットです。焦げ付きもスポンジで軽く擦ればすぐに落とせます。
ワークトップを拭きながら、そのままコンロ部分も掃除できるという便利さも嬉しい点です。また、火を使わないためコンロにべたつきが発生しにくく、油を使った調理をしても油汚れに悩まされません。
キッチンが暑くなりにくい
IHコンロは鍋やフライパンなど、調理器具だけを効率的に熱する仕組みを持っています。そのため熱が周囲に広がらず、キッチン内の温度の上昇を防ぐ事ができるのがメリットです。
火を使うとその火力によって室温が上がってしまいますが、IHコンロは電気によって調理器具を温めるのでキッチン内の温度に影響を与えません。夏場のように汗をかきやすい季節でも快適に調理ができます。
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>>IHコンロのメリットとは?特徴やリフォーム費用の相場を解説
IHコンロのデメリット
IHコンロのデメリットとして、活用できるシーンに制限がある事が挙げられます。
・IHコンロ専用の調理器具しか使えない |
・停電中は使用不可 |
・強火を複数口使えない |
・鍋振り料理を作れない |
使える調理器具が限られる
IHコンロで調理をするためには、IHコンロに対応している鍋やフライパンなどを用意しなければなりません。ガスコンロで使用していた調理器具が使えなくなる可能性もあるため、揃え直す必要があるかもしれない事は意識しておきましょう。
一般的なIHコンロの場合は金属製で平面の鍋底であり、かつIHに対応している鍋しか使う事ができません。オールメタル対応のIHコンロにすれば使える調理器具の幅は広がりますが、イニシャルコストがかかるのがデメリットです。
特に注意が必要なのは土鍋とガラス製の鍋です。この2種類の鍋はIHコンロでの取り扱いが難しく、基本的に使用不可能だと考えておきましょう。
また、フライパンに関しても電気加熱と相性が悪いものだと加熱されない可能性が高いため、IHコンロを取り入れる際には調理器具も吟味しましょう。
停電の最中は使えない
IHコンロの熱源は電気なので、停電の最中は使用できません。台風や地震など自然災害の影響で電気が止まってしまったら、復旧を待たなければならず、その間は調理ができなくなるというデメリットがあります。停電の復旧がすぐにおこなわれなかった場合は料理ができなくなってしまうため備蓄品に頼らなければなりません。
また、ブレーカーが落ちたり雷が近くで鳴ったりした事による停電でも使用できなくなってしまうため、不便さを感じる事もあるでしょう。
強火の調理を同時にしにくい
IHコンロは電気を使用しますが、家庭で使える電力には限りがあります。容量をオーバーして調理器具を温める事はできないため、同時に複数口のコンロを強火では使えません。
電力を使いすぎるとブレーカーが落ちてしまうため、IHコンロは自動的に火力を制御する仕組みを持っています。1口で強火で調理している場合は、他の口では中火もしくは弱火で調理しなければなりません。強火の調理をする機会が多い人にとっては、使いにくさを感じる場面もあるでしょう。
鍋を振る料理ができない
IHコンロは鍋底が天板に触れていないとセンサーが感知せず、温める事ができません。
鍋をセンサーから遠ざけてしまうと、すぐに熱が消えてしまいます。一部のIHコンロでは鍋振り料理が可能ですが、ラインナップとしては非常に少ないため導入は難しいでしょう。
ガスコンロのメリット
昔ながらのガスコンロのメリットは、安定して使える事が挙げられます。
・複数の高火力調理が同時にできる |
・使える調理器具が限られない |
・停電中も使える |
・光熱費が1日中変わらない |
・あおり料理が可能 |
高い火力で調理ができる
ガスコンロは複数口で同時に強火の調理が可能です。一度に高い火力で熱せるので、同時に何品も料理を作るときに非常に便利だと言えます。
高火力を必要とする調理も待ち時間なしに作れるので、効率化にも繋がるでしょう。
多くの調理器具を使える
ガスコンロはほぼ全ての調理器具を使用可能です。もしコンロを交換しても、これまで使用していた鍋やフライパンなどを問題なく使い続けられるのでコストがかかりません。
新しく買い足したい時も、コンロに対応しているかどうかを気にせずに購入できます。使用できる調理器具に縛りがないのは使いやすい点だと言えるでしょう。
停電していても使える
ガスコンロの熱源はガスなので、電気が止まっていても復旧を待たずに使用できます。基本的にガスが止まる頻度は電気よりも低いので、不便だと感じる事はあまりないでしょう。
電気に一本化すると停電時に使える機器がなくなってしまうという危険がありますが、ガスコンロなら電気の影響を受けません。
ガス代が時間によって変わらない
電気代は時間により異なり、基本的なプランにおいて昼間は夜間より高く設定されています。昼に調理をする機会が多い場合、電気代に注意しなければなりません。
一方でガス代は1日を通して変わりがないので、いつ調理をしても光熱費が変化しないというメリットがあります。時間帯を気にせず調理ができるため、ライフスタイルに合わせやすいのが嬉しいところです。
あおり料理ができる
ガスコンロの熱源は炎なので、鍋を離れた位置であおりながら調理する事も可能です。特に中華料理はあおりながら作る料理が多いので、凝った料理を作りたい本格派の人にとってはガスコンロでできる調理法は欠かせません。
火に近づけたり、反対に遠ざけたりする事でも熱し方を変えられるので調理の幅が広がります。
ガスコンロのデメリット
ガスコンロのデメリットは、使いやすい環境を作るのが難しい事が挙げられます。
・直火による危険がある |
・掃除がしにくい |
・キッチンの温度が上がる |
火を使うので危険を伴う
ガスコンロは実際に火を使って調理をするので、服の裾や置いている布巾などに火が燃え移ってしまう可能性があります。火災に繋がるため注意しながら調理をしなければいけないというリスクがある事は否めません。
小さな子どもや高齢者にとっては特に危険が伴いますし、火の消し忘れによる事故も起こりえるでしょう。
また、火傷の危険もあります。不用意に触ってしまうと思わぬ重い火傷を負ってしまう事もあるため、調理中に常に気を付けておかなければなりません。
最近ではセンサーが内蔵されており、自動的に火が消えるガスコンロもあるので、ガスコンロを導入したいけれど安全面が気になるという人はぜひチェックしてみてください。
掃除をしにくい
ガスコンロには五徳やバーナーがついているので、細かい箇所まで丁寧に拭き取る必要があります。そのため掃除に時間がかかるうえ、完全に汚れを取り除くのが難しいのがデメリットです。
凹凸に沿って拭き掃除をするのは簡単ではありません。錆びつきを抑えるためには、根気がいる作業が必要となります。
あわせて読みたい(内部リンク)
>>ガスコンロを簡単キレイに、重曹も使えるコンロ掃除手順5ステップ
>>ガスコンロを重曹で簡単に掃除!五徳や排気口の油汚れや焦げの効果的な落とし方
キッチンが暑くなりやすい
ガスコンロは火を使うのでキッチンの温度が上がってしまいます。キッチンの位置によってはエアコンの風が届きにくかったり、スペースが確保できずに扇風機を設置できなかったりして快適な環境づくりが難しいのがデメリットです。
特に夏場はキッチンに熱がこもりやすく、体調が優れなくなる危険性にも注意しなければなりません。
IHコンロとガスコンロの料金を比べよう
IHコンロとガスコンロの料金には大きな差があるため、光熱費を調節したい場合はそれぞれの詳細を把握しておきましょう。
IHコンロの電気代は1時間あたりいくら?
IHコンロの電気代を求める際は、以下の計算式を使用します。
【計算式】電気代=消費電力×使用時間×電気料金単価
以下の仮定条件を元に、1時間あたりの電気代を算出してみましょう。
【仮定】
消費電力 | 使用時間 | 電気料金の単価 |
弱火〜中火:0.3kW最大:3.2kW | 1時間 | 昼間:36.9円夜間:18.9円 |
【昼間・夜間のIHコンロの電気代】
0.3kWの場合 | 3.2kWの場合 | 平均的な電気代 | |
昼間 | 11.07円 | 118.08円 | 64.575円 |
夜間 | 5.67円 | 60.48円 | 33.075円 |
毎日同じ時間帯にIHコンロを1時間使ったとすると、1か月の調理に使う電気代は昼間の場合で約2,002円、夜間の場合で約1,025円です。
参照:石油連盟「1kWhあたりのエネルギー別単価比較!!」
ガスコンロのガス代は1時間あたりいくら?
ガスコンロのガス代の計算式は以下のとおりです。
【計算式】ガス代=出力×3.6MJ/h×時間÷ガスの発熱量×ガス料金
「3.6MJ/h」はガスコンロの性能を表すkWを発熱量に換算したもので、「3.6MJ/h=1kW」が成り立ちます。
なお、プロパンガスと都市ガスにおける発熱量の違いも考慮しなければいけません。条件を以下のように仮定し、それぞれのガス代を算出してみました。
【仮定】
火の強さごとの出力 | 使用時間 | ガスの発熱量 | ガス料金 | |
プロパンガス | 弱火:0.37kW中火:1.66kW強火:2.96kW | 1時間 | 99MJ/㎥ | 643.4円 |
都市ガス | 弱火:0.37kW中火:1.66kW強火:2.96kW | 1時間 | 45MJ/㎥ | 202.6円 |
【ガスコンロのガス代<プロパンガス>】
0.37kWの場合 | 1.66kWの場合 | 2.96kWの場合 | 平均/時間 |
8.66円 | 38.84円 | 69.25円 | 38.91円 |
【ガスコンロのガス代<都市ガス>】
0.37kWの場合 | 1.66kWの場合 | 2.96kWの場合 | 平均/時間 |
6.0円 | 26.91円 | 47.98円 | 26.96円 |
毎日1時間ガスコンロを使用したとすると、1か月の調理に使うガス代はプロパンガスが約1,206円、都市ガスが約836円です。
参照:石油連盟「1kWhあたりのエネルギー別単価比較!!」
上記の通り、IHコンロとガスコンロではIHコンロの方が費用がかかります。
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IHコンロの電気代を節約する方法
IHコンロはガスコンロよりも光熱費がかかるというデメリットを持っていますが、節約方法を知っておけばコストを最小限に抑えられます。
ここでは、IHクッキングヒーターの電気代を節約する方法を3つご紹介します。
- IHコンロの使用時間に合わせて料金プランを変える
- 他の加熱方法と併せて使用する
- 使用する調理器具を変える
IHコンロの使用時間に合わせて料金プランを変える
IHクッキングヒーターの電気代を抑えたい場合は、電気の料金プランを見直しましょう。料金プランの中には、時間帯によって電気料金が変動する「時間帯別電灯プラン」があります。
時間帯別電灯プランは昼間の電気料金が割高ですが、夜間は通常よりも安く使えます。昼間よりも夜間の使用が多いのであれば、時間帯別電灯プランで電気料金を節約しましょう。
他にもさまざまなプランがあるため、使用頻度の高い時間帯に合わせてプランを選択するのがおすすめです。使用時間を意識すれば、ガスコンロよりも料金を抑えられる可能性があります。
他の加熱方法と併せて使用する
IHクッキングヒーターを使用する際は、他の加熱方法を併用しましょう。たとえば、煮込み料理に電子レンジを活用したり、電気ケトルでお湯を沸かしたりするなどが挙げられます。節約効果はもちろん、調理の時短にも繋がります。
使用する調理器具を変える
調理器具の選び方も節約の重要なポイントです。熱伝導に優れた調理器具は加熱時間が短いため、電気の使用を抑えられるでしょう。特に、鉄製やステンレス製は熱伝導率が良いのでおすすめです。
IHコンロとガスコンロの本体価格
IHコンロの本体価格は、据置タイプのものであれば15万円と見ておくとよいでしょう。据置タイプは優れた機能性を備えているわけではありませんが、通常の調理においてそれほど不便だと感じる事はありません。
コストを抑えながらIHコンロを導入したい場合は、据置タイプを選ぶのがおすすめです。
なお、機能性が高いビルトインタイプは高額なモデルなら30万円程度のものもあり、全体的に高価だという特徴があります。使いやすさという面では優れていますが、コストを抑えたい場合は不向きでしょう。
ガスコンロの本体価格はIHコンロよりも低く、6万円程度から購入できるモデルも販売されています。
IHコンロとガスコンロの交換にかかる工事費用
ガスコンロからIHコンロに交換するためには、分電盤の交換やブレーカーの新設などが必要になるケースがあります。
まずガスコンロを撤去してからガス管や配線などの環境を整え、そのうえでIHコンロを取り付けなければなりません。
工事の工程が少なくてすむ場合は約6万円~8万円、もし施工に手間がかかる場合は約10万円~20万円かかると見ておきましょう。
あわせて読みたい(内部リンク)
IHコンロへの交換はプロに任せよう
IHコンロはガスコンロよりも機能性に優れており、日々のお手入れもしやすいというメリットを持っています。より使いやすいキッチンにするために、導入についてプロに相談してみましょう。
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IHクッキングヒーターには使いやすさやデザイン、料理のしやすさなど、さまざまなメリットがあります。
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