対面キッチンのレイアウトは複数種類あるので、リフォーム時にはメリットとデメリットへの対策を把握して適切なものを選びましょう。設置できるスペースに余裕があるかも重要な点なので、室内の動線も考慮する必要があります。
もしカウンターを設置する場合は、あらかじめ役割を明確にしておき、無駄にならないようにしておきましょう。また、常に清潔な状態を保つためにできる工夫をリフォーム時におこなっておくと、後々掃除が楽になるのでおすすめです。
対面キッチンは家族とのコミュニケーションが取りやすいレイアウトなので、ぜひ家族団らんの機会を増やすために活用してください。
対面キッチンとは?
対面キッチンとは、料理をする人がリビングやダイニングなどの方を向いて作業できるキッチンです。壁を向いて作業をせずに済むので家族とのコミュニケーションが取りやすく、近年人気を集め主流となっています。料理を単なる作業と捉えず、家族団らんのひとつの要素として楽しめるタイプのキッチンです。
家族がくつろいでいる場所を見ながら料理できるため、小さい子どもがいるご家庭では目を離さずに料理ができて安心感も生まれます。また、リビングのテレビなどを見ながら料理することも可能です。
デザインとしては、シンクやコンロなど、料理に必要な設備がひとつになっているという特徴があります。
対面キッチンの4つのメリット
対面キッチンは料理中に気分を明るくしてくれるだけでなく、利便性にも優れています。具体的には、主に以下の4つが大きなメリットです。
- 家族とのコミュニケーションが取りやすい
- 配膳や後片付けがしやすい
- 開放感があるキッチンになる
- 調理器具の収納場所を近くに作れる
家族とのコミュニケーションが取りやすい
対面キッチンの大きなメリットの一つは、家族とのコミュニケーションが取りやすい点です。
従来の壁付けキッチンの場合、ダイニングやリビングに背中を向けて料理や作業すしなければなりません。家族に背を向けてしまうので、団らんの輪に入れなくなってしまうというデメリットを抱えなければならなくなってしまいます。
しかし、対面キッチンならリビングやダイニングに向いて料理ができるので、家族の様子がわかり、会話にも参加できます。
リビングで宿題をする子どもの様子を見たり、家族と一緒にテレビを見たりしながら料理ができるでしょう。今日あった出来事や料理の味付けについてなど、些細な会話ができるのは嬉しいポイントです。
来客時にも、全員で話しながら楽しんで料理を準備できるのは大きなメリットだと言えます。
配膳や後片付けがしやすい
対面キッチンの場合は、キッチンの近くにダイニングテーブルを置いたり、カウンタースペースを設置したりする事が多いでしょう。そのため、調理台から直接テーブルに出来上がった料理を渡せるので、配膳が簡単にできます。
壁付けキッチンの場合だと、キッチンからテーブルまで距離があり、出来上がった料理を運ぶ手間がかかります。動線の確保に悩む事も考えられるでしょう。
対面キッチンにして配膳が簡単になると、家族にも手伝ってもらいやすく、家族全員で料理を並べたり片付けをしたりできます。
開放感のあるキッチンになる
対面キッチンの場合、壁で区切られたレイアウトではないため、開放感が感じられるキッチンになります。
壁付けキッチンは壁を向いて作業をする事になるので手元が暗くなり、息苦しさを感じる事も少なくありません。その点、対面キッチンなら顔を上げた時にリビングが目に入るので気持ちが明るくなります。
キッチンに自然光が入りやすくなり、スペースが広く感じられるので料理をする時間がよりいっそう楽しくなるでしょう。
また、インテリアを工夫すればおしゃれな空間作りも可能です。
調理器具の収納場所を近くに作れる
対面キッチンは作業スペースを壁で仕切られていないため、収納場所を近くに作れるというメリットがあります。よく使う調理器具を手近な場所に収納しておけば、タイムロスと手間を減らして効率よく料理ができるでしょう。
壁付けキッチンはシンクの下や作業する場所よりも高い位置など、手に取りにくい場所に収納しなければならなくなる事がほとんどです。
しかし、対面キッチンは作業スペースの前面に適切な高さの仕切りがあるので、その部分にすぐに器具を取り出しやすい収納場所を作れます。
対面キッチンの4つのデメリットと対策
対面キッチンは憧れが詰まったデザインですが、リフォームの際に意識しておかなければならないデメリットもあります。具体的には以下の4つが挙げられるので、対策とともに確認しておきましょう。
- 手元が見えてしまう
- 料理の油跳ねや臭いが広がりやすい
- 前後にスペースが必要になる
- 収納場所が減って調理器具を片付けきれない
手元が見えてしまう
対面キッチンは開放感がありますが、手元を遮るものがないためキッチンの外から調理の様子やシンクなどが見えてしまうのがデメリットです。
調理器具や調味料などを出しっぱなしにしておくと、整理できていない印象を与えてしまいますし、調理中に手元を見られるのがストレスになるという人もいるでしょう。急な来客時にキッチンが汚れているのを見られて嫌な思いをするという可能性もあります。
それを防ぐためにはカウンターや腰壁などを設置したり、オープン棚を設置したりするのがおすすめです。手元が見えにくくなるだけでなく、棚の部分は収納として使えます。また、ロールカーテンの設置は簡単にできるのでおすすめです。
料理の油跳ねや臭いが広がりやすい
対面キッチンの中でも、特にアイランド型のキッチンはコンロやシンクの前に壁がありません。そのため、料理の油跳ねや洗い物の時の水跳ねが起きやすくなってしまいます。
また、対面キッチンはダイニングやリビングとの間に壁がなく、料理の臭いが広がりやすいのがデメリットです。
油跳ねを防ぐには、油跳ねガードのように油汚れを広げないアイテムを前面に取り付ける方法があります。臭い対策としては、リビングの壁を漆喰や珪藻土の壁にリフォームすると、消臭対策になるでしょう。無香料の消臭剤を設置するのも効果的です。可能であればパワーが強い換気扇を後付けするのが理想的なので、あわせてリフォームできるかどうか検討してみましょう。
前後にスペースが必要になる
対面キッチンは、壁付けキッチンに比べてより広いスペースが必要になります。キッチンまわりに通路を作り、通りやすい幅の広さも考えてキッチンをレイアウトしなければなりません。
スペースが十分に確保できていないと、調理中にぶつかってしまったり複数人で立った時に身動きが取りにくくなってしまったりするでしょう。
そのためには、対面キッチンを検討する際に、図面でレイアウトを確認しておくようにしてください。cm単位で調整すると、より使いやすいキッチンにリフォームできます。
収納場所が減って調理器具を片付けきれない
対面キッチンの収納スペースは、壁付けキッチンよりも小さくなる傾向があります。
収納スペースが狭くなると調理器具が片付けられなくなり、せっかくコンパクトにまとまっているキッチンからはみ出してしまいます。室内をすっきりさせるためにも、収納場所について考えておきましょう。
対策としては収納できる棚を背面に設置したり、動線を邪魔しない位置にキャビネットを配置したりするといった方法が挙げられます。収納スペースを拡張できる家具の設置を前提としてリフォームをおこないましょう。
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対面キッチンのレイアウトの種類
対面キッチンには、以下のようなさまざまな種類があります。
- アイランドキッチン
- ペニンシュラキッチン
- I型対面キッチン
- L型対面キッチン
- セパレートキッチン
アイランドキッチン
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アイランドキッチンとは、壁と接する部分がなく独立しているキッチンを指します。「アイランド=島」を意味しており、島のように家のどの部分とも接していないキッチンです。そのため、設置するには通路も確保しなければいけないため広めのスペースを確保する必要があります。
アイランドキッチンは、壁のように遮るものがないため、開放感を感じられる事がメリットです。ただし、遮るものがない分、油跳ねや臭い対策をしっかりしなければいけません。手元もよく見えるので、収納などを充実させてキッチンを綺麗に片付けるための工夫が必須となります。
また、アイランドキッチンはI型キッチンの1種です。I型キッチンとはシンク部分とコンロ部分までが直線状に配置されていて、キッチンのデザインとして主流となっています。
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ペニンシュラキッチン
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ペニンシュラとは「半島」という意味で、キッチンの片側が壁についているキッチンを指します。完全に独立していないため、アイランドキッチンより省スペースでレイアウトが可能です。加えて、片側には遮るものがないので開放感も味わえます。デザインとコスト面のバランスがとれており、人気があるスタイルのキッチンです。
しかし、アイランドキッチンと同じくフルフラットになっているため、油跳ねや臭い対策が必要です。また、壁に接している部分がある事により動線が制限されるので、アイランドキッチンよりリビングへの移動に時間がかかる事が多いという点に注意しましょう。
こちらもアイランドキッチン同様I型キッチンで、シンクからコンロまでが直線状に配置されています。
セパレートキッチン
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セパレートキッチンとは、シンクとコンロが別々になっているキッチンで、II型キッチンとも呼ばれています。シンクの調理台に立つ時はリビングの方を向き、コンロの調理台で作業をする時はリビングに背中を向けるデザインです。
シンクとコンロに、それぞれ作業台を設けられるので手元を広く使える点が大きなメリットです。またコンロが壁側に向いているため油跳ねや臭いの心配もない上、開放感のあるレイアウトになっています。
ただし、洗った野菜などをコンロ側に運ぶ際に水滴が床に落ちやすくなるという多少の使いにくさがデメリットです。また、セパレートキッチンを設置する際には広いスペースを確保しなければなりません。
L型対面キッチン
L型キッチンはキッチン全体がL字型になっているため、作業スペースを広く取る事ができます。
作業台の横にコンロがあるため、調理中の移動を最小限に抑えられるのも使い勝手のよさのひとつです。加えて、コンロは壁付けになる事が多いため、油跳ねの心配をする必要がありません。
L型キッチンは幅を取るタイプのレイアウトなので、設置したい場合は室内に余裕があるか確かめておきましょう。
対面キッチンにリフォームする際のポイント
対面キッチンにリフォームする際は、カウンターの役割やサイズと、掃除のしやすさについて考慮しましょう。
カウンターを何のために設置するのか、どの程度の大きさのものが適しているかといった点をリフォーム前に明確にしておく必要があります。また、キッチンを清潔に保つためには掃除が簡単におこなえるかどうかも重要なポイントです。
カウンターの役割とサイズ
対面キッチンにカウンターを設置する場合は、役割を明確にしておきましょう。カウンターをテーブルとして設置するのか、目隠しのために設置するのかによって適した高さが異なります。
カウンターをテーブルとして使いたいなら、高さは約85cmを目安にするのがいいでしょう。ワークトップの目隠しとして役立てたいなら、高さは約100cmが適しています。
小物や調味料など、カウンターに置きたい物がある場合は十分な幅が必要です。用途によってサイズを調整すると、より使いやすいカウンターを設置できます。
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掃除のしやすさも考慮する
対面キッチンは前面に油跳ねが起きやすかったり、床に汚れが飛び散りやすかったりするため、こまめな掃除が必要不可欠です。
水跳ねによる汚れを防止するためには、手元部分に立ち上がりを設置するとよいでしょう。また、作業台に奥行きを持たせたり、コンロ台の前に仕切りを立てたりすると油跳ねの防止に繋がります。
対面キッチンの費用相場
対面キッチンにリフォームする際の費用相場は、約60万円~160万円です。大きく幅があるのは、キッチンのグレードや追加するオプションなどが本体価格を左右するのが原因のひとつです。他にも、施工時にどういった方法をとるか、付随する工事が必要になるかといった点も費用に影響を与えます。
グレードが高いキッチンや、フルオーダーメイドのキッチンの場合は、相場を超える事も想定しておきましょう。
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業者に依頼して理想の対面キッチンにリフォームをしよう
対面キッチンにはさまざまなレイアウトやデザインがあるので、カタログやショールームの見学だけで全てを決定するのはあまりおすすめできません。理想的なリフォームを実現するためには、専門業者から確かなアドバイスを受ける事が必要です。
リフォーム時には優良業者を探し、相談に乗ってもらいましょう。業者選びの際には相見積もりを取るという方法が役立ちます。相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取り寄せる方法で、手間と時間を省いて費用やサービス面などを比較検討できる便利さが魅力です。
効率よく優良業者を選ぶためにも、ぜひ相見積もりの活用を検討してみてください。
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この記事では、対面キッチンのメリット・デメリットと、対面キッチンのレイアウトを紹介しました。おしゃれな対面キッチンは開放感があり憧れますが、同時にデメリットもあります。
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