天井のリフォームにはいくつかの方法があり、費用相場も異なります。この記事では、天井の張り替えについて、張り替えを検討するべきタイミングやリフォームの方法・費用、天井をリフォームする際に気をつけるべきポイントについて紹介します。
さらに天井リフォームを成功させる秘訣まで触れていますので、天井の汚れが気になって張り替えを検討している方は、参考に確認してください。
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天井リフォームの方法と費用相場
天井リフォーム・リノベーション工事には、主に以下の4つの方法があります。
- クロス張り替えリフォーム
- 塗装リフォーム
- 天井板の張り替え
- 補強工事
天井のリフォーム費用相場は、リフォームの種類によって異なります。
【6畳(約10平方メートル)あたりの費用相場】
工事の種類 | 費用相場 |
クロス張り替えリフォーム | 12万円〜18万円 |
塗装リフォーム | 10万円〜16万円 |
天井板の張り替え | 15万円〜40万円 |
補強工事 | 20万円〜35万円 |
クロス張り替えリフォーム
費用相場: 12万円〜18万円
クロス(壁紙)張り替えリフォーム・リノベーションは、天井リフォームの中でもよく行われている工事の種類です。壁紙クロスを張り替えることで、気になる天井の汚れが目立たなくなるため、部屋の雰囲気を手軽に変えられます。
デザインが多様:多様な色や柄のクロスが利用できるため、部屋の雰囲気を大きく変えることができます。モダン、クラシック、ナチュラルなど、様々なスタイルに対応可能です。ビニールクロス、紙クロス、布クロスなど、異なる素材のクロスもあります。
機能性:防水、防カビ、消臭、抗菌、防音など、さまざまな機能のクロスがあります。クロスは汚れがつきにくく掃除がしやすいものが多く、特にビニールクロスは拭き掃除が簡単です。
施工の手軽さ:クロス張り替えは専門業者による施工が一般的ですが、DIYで行うことも可能です。道具と適切な技術があれば、自分で行うこともできます。また、工期も比較的短いです。
コストパフォーマンスが良い:クロス張り替えは比較的低コストで部屋の雰囲気を一新できるため、費用対効果が高いリフォーム方法です。予算に応じて幅広い選択肢があります。
塗装リフォーム
費用相場: 10万円〜16万円
コストパフォーマンスが良い:塗装リフォームは比較的低コストで実施できるため、予算が限られている場合に適しています。 塗料の種類や品質に応じて費用が変わりますが、クロスや板の張り替えに比べて材料費が安価なことが多いです。
デザイン性と仕上がりに優れている:塗料の種類によって、マット、光沢、テクスチャーなど様々な仕上がりを選べます。色のバリエーションも豊富です。
工期と施工の手軽さ:クロスや板の張り替えに比べて工期が短く済むことが多いです。ただし、塗装の仕上がりは下地の状態に大きく依存します。下地が悪い場合、塗装が剥がれやすくなることがあるので注意が必要です。
天井板の張り替え
費用相場: 15万円〜40万円
デザインと素材が幅広い:天井板の素材として、木材、合板、石膏ボード、金属パネルなどが利用できます。それぞれの素材には独自の質感や特性があります。断熱・防音・耐火性などがある素材を選ぶこともできます。
ランニングコストが低い: 素材自体の耐久性が高いため、長期間にわたって交換や修理の必要が少なく、ランニングコストは低く抑えられることが多いです。
費用相場は、使用する板の種類にもよりますが、下記の事例別に料金を参考にしてください。
- 天然木材: 20万円〜30万円
- 合板:15万円〜25万円
- 石膏ボード:10万円〜18万円
- 金属パネル:25万円〜40万円
補強工事
費用相場: 20万円〜35万円
天井の補強工事は、天井に重量のあるシーリングファンや照明器具を後付けしたり、地震の揺れに対する天井の耐久性を高めたりする工事です。
天井に重量のあるものを取り付けたい場合は、軽天金具と呼ばれる金属製の部材を天井裏に埋め込む方法やアンカーと呼ばれる金具を天井に打ち込む方法があります。一方で天井の耐久性は、天井全体を支えられる梁(はり)の設置で高められます。
工事の種類によって異なりますが、以下の費用を参考にしてください。
- 梁や柱の補強:20万円〜30万円
- 耐震補強:25万円〜35万円
- 下地補強:18万円〜25万円
- 配管や電気設備の補強:22万円〜32万円
天井の補強工事は、自宅の天井に亀裂や歪みがないかなどを点検したり、天井の破損を防いだりするなどの専門的な技術が求められます。
天井をリフォームするタイミング
天井のリフォームは、下記のタイミングで行うことがポイントです。
- 天井の染みや汚れが目立つ
- 雨漏りなどの原因で天井が黒く変色している
- 衝撃で天井が破損している
- 経年劣化している
上記の症状を放置してしまうと、修理に高額な費用がかかったり、雨漏りによって家財道具が損壊してしまったりする恐れがあります。二次災害を防ぐためにもどのようなタイミングでリフォームをするのかをみていきましょう。
天井の染みや汚れが目立つ
天井にシミや汚れが目立つ場合、リフォームを検討するタイミングです。見た目が悪くなっているだけでなく、下記の問題が生じるケースが考えられます。
- カビやダニの繁殖
- クロス壁紙や石膏ボードなどの建材の劣化
- 雨漏り
とくに、天井の汚れによるカビやダニの繁殖は、アレルギーや呼吸器疾患などの健康被害の症状を発症してしまう恐れが伴うため、早急なリフォームが必要です。しかし、軽度の染みや汚れの場合は、専用のクリーナーを活用したり、簡単に掃除したりすることで綺麗にできます。
雨漏りや結露などが原因で天井が黒く変色している
雨漏りや結露などで天井が黒く変色している場合は、天井リフォームのタイミングといえます。天井が黒く変色している理由は、煙草やヤニなどの煙や、屋根からの雨漏りが原因で腐食が進んでいることなどが当てはまります。
腐食を放置すると、天井板が剥がれたり、天井が落ちてしまったりするデメリットがあるでしょう。さらに放置すればするほど修正にかかる費用も高額に繋がります。変色に気づいたら建材の腐食を疑い、早めに業者に依頼して原因を調査してもらうことが重要です。
衝撃で天井が破損している
屋根付近の衝撃で穴が開いてしまったり、破損してしまったりした場合は、リフォームするタイミングです。天井が破損してしまうと下記のリスクが伴います。
- 穴あき箇所から虫が侵入する
- 雨漏りが起こる
- 冷暖房効率が悪くなる
- 美観の低下が進行する
万が一放置してしまうと、破損部分から穴が広がり、さらに修理費用がかかる場合もあります。また、劣化が進みやすいため、クロスの張り替えや塗装・部分的な補修などではなく、天井板自体を交換する工事がおすすめです。
経年劣化している
天井が経年劣化している場合は、早急なリフォームが必要です。経年劣化を放置してしまうと、見た目が悪くなるだけでなく、カビやアスベストなどで健康被害を及ぼすリスクが伴います。とくにカビの発生は、部屋の空気中に飛散したカビ胞子を吸い込んでしまうため、アレルギー症状や呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。
アスベスト問題に関する情報は下記の記事で詳しく解説していますので、気になる方は、一緒にチェックしておきましょう。
天井の張り替えは自分でDIYで出来る?
天井の張り替えリフォームは、適切な手順で行うことでDIYでも可能です。適切な方法でDIYリフォームができれば、業者に依頼する場合に比べて費用を抑えられます。DIYでリフォームをしたい方は、下記の道具をホームセンターや工具専門店などで揃えておきましょう。
- 脚立
- カッター
- メジャー
- ローラー
とくに、クロスの張り替えや壁紙の塗装は、難易度が低いため、ある程度のスキルと経験があればDIYで作業が可能です。しかし1人では作業が大変なため、DIYでリフォームしたい方は、2人以上で行いましょう。
また、DIYでクロスの張り替えを行う場合は、表面に凹凸があるクロスを選ぶことがおすすめです。継ぎ目やヨリが目立ちにくいため、キレイに仕上がります。重ね貼りできるクロスを選べば、既存のクロスを剥がす手間がかからないメリットがあります。
とはいえ、道具を一から揃えるのは費用がかかるため、DIYの経験があまりない方や、失敗せずきれいに仕上げたい場合は、業者に任せることがオススメです。
天井リフォームを成功させるコツ
天井リフォーム・リノベーション時は、以下の点に注意しましょう。
- 木材の特徴を理解する
- クロスや天井材の色のバランスを考える
- 雨漏りしている箇所から修理する
木材の特徴を理解する
天井材に使用する木材は、目的や用途に合わせてきちんと選ぶことがポイントです。木材によって性能が異なります。
例えば、耐火性や断熱性に優れた木材を使用すれば、機能性の高い住宅が実現します。そのため、使用する木材を慎重に選ぶことが大切です。
耐火性や防音性に優れたものや、調湿性や断熱機能が高いもの、さらに軽量で地震発生時の落下を防げる耐震性の高いものなど、さまざまな木材があります。どの機能を優先するかを明確にし、ニーズに合う天井板を選びましょう。
クロスや天井材の色のバランスを考える
クロスや天井材の色は慎重に選ぶことがポイントです。天井部分は、通常の壁紙よりも目に入りにくいですが、部屋においてかなり大きな面積を占めています。部屋のイメージや雰囲気に大きく影響を与えるため、基本的に壁材と同系色を選ぶことがポイントです。
壁材が白の場合は、クロスも白、天井材を剥き出しにする場合は、壁材と同系色の木材を選びましょう。また、天井と壁では天井のほうが明るく見えやすいため、天井材やクロスを壁よりも少し濃いめの色にすることで、まとまりのあるデザインに仕上がります。
また、天井材を剥き出しにする場合、木目の存在感が強くなるため圧迫感が出てしまう場合があります。そのため、トイレのような狭い部屋では白系の壁紙を使い、広く見せられるようにするのがおすすめです。
雨漏りしている箇所から修理する
天井を張り替える場合は、雨漏りしている箇所から修理することが大切です。雨漏りの原因箇所を放置すると、天井をリフォームした後でも天井板が腐食しやすく、水漏れが悪化してしまう原因に繋がります。
天井や壁が濡れていたり、シミや汚れが目立っていたりする場合は、プロのリフォーム業者に雨漏りの原因箇所を調査してもらい、根本的に解消することをおすすめします。
まとめ:ゼヒトモで天井張り替えリフォームのプロを探す
今回は、天井の張り替えリフォームについて、張り替えるタイミングや費用価格の相場、リフォームの種類や注意点などを解説しました。天井張り替えリフォームを依頼する際は、信頼できる業者を見極める必要があります。
- 近くの天井リフォームのいい業者を知りたい
- 天井張り替えリフォームについて相談したい
- まずは見積もりを取りたい
- 複数の業者を検討したい
そんな方は、ゼヒトモから天井張り替えリフォームに対応しているプロを探してみませんか?
いくつかの質問に答えるだけで簡単にあなたにぴったりなリフォームのプロが見つかります。
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監修したプロのコメント
一般的な住宅天井の場合、下地は石膏ボード〜仕上げはクロス貼りが多いです。築15~20年程になりますと、石膏ボードの繋ぎ目からのクロスのクラックが発生することが多々あります。
天井クロスにクラックが発生すると、照明器具等に照らされることによってクラックが目立ち、かなり室内の印象が左右されますので、張り替えを検討した方が良いと思います。
現在のクロスは、消臭・防汚等の機能性クロスも多くあります。デザイン的には、アクセントクロスで木目調・石目調のクロスもありますので、室内のイメージを一新することも可能です。
又、クロスの上からでも施工できる塗料や珪藻土等の商品、室内環境を良好にする機能性に優れた商品なども様々あります。
コスト・予算に応じて、専門のリフォーム業者に相談することをおすすめします。
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