屋根の上にある瓦は、長い年月の間雨風にさらされることで自然に傷んでいくものです。定期的な屋根リフォームを行うことで、雨漏りなどのトラブルを回避できます。
マイホームの寿命を延ばし、快適な生活を続けるためにも、瓦工事の業者選びは重要です。本記事では、瓦工事の業者を選ぶ際のポイントや修理方法を説明し、保険や補助金についても解説します。
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瓦屋根の特徴とは?
瓦屋根の特徴は、耐久性に優れており、メンテナンス費用がほとんどかからないところです。その他にも四季の温度差にも強いことや優れた遮音性などが魅力で、日本の住宅事情にマッチした屋根材であるといえます。
現在では素材や色彩も豊富な製品が多く、個性的なデザインの瓦屋根が見られます。また素材別では「釉薬瓦」、形状別では「和瓦」が定番です。
瓦の種類素材
昨今の主流となる瓦の種類です。
釉薬瓦
現在ではもっとも一般的な瓦で、瓦の形に成形した粘土を焼いたものです。茶碗やお皿などと同じ作り方なので、「陶器瓦」とも呼ばれます。
釉薬と呼ばれる、ガラス質の薬剤を表面にかけて高温で焼くもので、薬剤の加減によって色合いが変わるのが特徴です。薬剤を塗ることで水を通しにくく、ツヤが出て耐水性に優れているという長所があります。
いぶし瓦
いぶし瓦はツヤのあるいぶし銀が特徴で、お寺の屋根によく使われる、日本古来の瓦です。薬剤をかけずに粘土を焼き、最終工程でいぶして表面に炭素膜を作るため、1枚ごとに色合いが異なります。
粘土瓦の中では高級品とされていますが、時間の経過で劣化してしまうため、葺き替えリフォームが必要になります。
素焼き瓦
粘土をそのまま焼き上げた、素朴で温かみのある自然な朱色が特徴です。独特の赤みがある色合いから「赤瓦」とも呼ばれています。
ヨーロッパでよく見られる瓦で、日本では沖縄赤瓦が有名です。瓦自体に薬剤を塗らないため、安価で軽量な特徴があります。
セメント瓦
その名のとおりセメントで作られた瓦で、見た目や性質は粘土瓦と似ている部分もあります。セメントに色をつけてから焼いたり、焼いてから色を塗ったりすることもあります。セメント瓦は、重量がかさむため耐久性に難があり、定期的なメンテナンスが必要です。
モニエル瓦
モニエル瓦の素材はセメントなので、セメント瓦と特徴がよく似ています。日本モニエル株式会社が作っていたことから、その名前がつきました。
セメント製の瓦は形成が楽で大量生産ができるため、価格が安いのが特徴です。その分耐久性はあまり高くなく、定期的に塗装が必要になります。
瓦の形状
瓦の種類で主なものを、形状の観点からまとめてみました。
和瓦
昔ながらの日本家屋によく見られる瓦で、波を打ったような形状が特徴です。粘土を焼き上げて作ったもので、薬剤を塗布した釉薬瓦や、薬剤を使わない無釉瓦があります。
和瓦は「J形瓦」や「日本瓦」と呼ばれることもありますが、洋風の住宅に使用される場合もあります。
平板瓦
平板瓦は、長方形の洋風瓦のことを指し、「F形瓦」とも呼ばれます。従来の瓦に見られる波状ではなく、平らな板状のシンプルな形状が特徴です。平板瓦とよく似たもので「平瓦」がありますが、こちらは反った形をしており、形状で区別できます。
スパニッシュ瓦
地中海粘土を用いて作られており、素朴で温かみのある色合いが美しい瓦です。粘土の色がそのまま表れ、同じ色はひとつとしてない魅力があります。天候によって表情が変化し、年数の経過によって色合いが落ち着いていくところも特徴的です。
瓦屋根の修理方法
屋根瓦の修理方法は、大きく4つに分類できます。
- 葺き替え
- 葺き直し
- カバー工法
- 部分修理
このうち、全体を修理するのが葺き替えと葺き直しとカバー工法であり、部分修理は壊れた一部分だけの修理になります。修理方法により、作業内容や費用の相場も変わるため、違いをおさえておきましょう。
葺き替え
屋根の表面から下地まで、屋根瓦全体の改修工事が葺き替えです。屋根の全体に劣化が見られて、激しい雨漏りなどの深刻な状態のときに有効な工事方法です。
屋根全体の工事になるため、工事方法の中では一番高額となりますが、雨漏りなどのトラブルの根本から改善できるメリットがあります。
葺き替え工事のときには、瓦を違う種類に変えることもできるため、外観のイメージチェンジも期待できます。
葺き直し
「葺き直し」とは、屋根の下地を改修して、もともと使用していた瓦をもう一度敷く工事です。屋根の下地部分のみに異常があり、瓦には問題がない場合は、瓦をそのまま再利用します。
葺き替えに比べると、瓦の費用だけ安く済むメリットがありますが、同じ瓦を使用するので外観の変化はありません。
カバー工法
今の屋根を、そのまま新しい屋根材で覆うのがカバー工法、または重ね葺きです。屋根が二重になることで、断熱性や防音性のアップが期待できます。
あくまでも屋根が二重になるだけなので、下地部分の異常は直せません。また、屋根が二重になることで重量も増えてしまい、耐震性の面で心配が出る場合があります。
しかし、屋根瓦や下地部分はそのまま使用するため、撤去や廃棄に関わる費用が不要となり、比較的安く工事ができるのが特徴です。
部分修理
その名のとおり、屋根の壊れた部分だけを直すのが部分修理です。瓦を含めて、下地の部分の異常も修理できます。範囲の狭い異常であれば、予算をおさえた修理が可能です。
修理する部分が何カ所もある場合は、下地部分の耐用年数を考えて、全体的な修理の方がよい場合もあります。
せっかく部分修理をおこなっても、他の部分にトラブルが発生した場合は再び修理の必要が出てきます。耐用年数を考えたうえで、部分修理か全体的な修理かを検討するとよいでしょう。
業者を選ぶときのポイント
瓦屋根工事の業者を選ぶときは、なるべく複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
屋根の面積は、屋根のデザインや傾斜によって変わるため、同じ坪数の家でも費用が大きく変わります。また業者によって得意な工事方法も違うため、見積もりに開きがあることも珍しくありません。
素人では、提示された見積もりが適正かどうかの判断は難しいでしょう。相見積もりを取って、費用や工事内容を比較したうえで、納得できる工事を依頼することが大切です。
保険や補助金が利用できる?
屋根瓦の工事をするときに、火災保険や補助金が利用できるケースがあります。条件を満たすことで工事費用の全部または一部が給付されるため、自己負担を少なくできます。どのような条件があるのかを見てみましょう。
火災保険を利用するには
火災保険はさまざまな種類があるので、加入している保険の補償範囲を確認しましょう。火災保険の補償範囲は、次のような種類があります。
- 建物のみ
- 家財のみ
- 建物と家財
「建物のみ」または「建物と家財」が補償範囲の場合は、自然災害での破損に限り、屋根瓦の修理費用の補償を受けられます。それには、屋根瓦の破損や劣化が「風災による被害」であることを、業者に診断してもらう必要があります。
火災保険は、加入している保険の上限金額に達するまで、何度でも申請ができるものです。また車の保険のように、使用したからといって保険料が上がる心配もありません。
火災保険を利用して屋根瓦の修理をおこないたい場合は、保険証券を準備してから業者に相談するとよいでしょう。
補助金を利用するには
屋根瓦の劣化対策や耐震性の向上などを目的とした工事は、補助金の対象となる場合があります。
国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、生活に支障をきたす劣化現象についての補助金が、工事費用の1/3(最大250万円まで)の補助が受けられます。
補助金を利用するには事前の申請が必要になるため、見積もりの際に業者に相談してみるとよいでしょう。
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に慣れた認定店をお選び頂くと、円滑に契約が進みます。1社だけでなく、複数の業者を比較してから選ぶようにしましょう。
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