屋根リフォームは費用がかかるので、補修を躊躇する方も少なくないでしょう。
そこで今回は、屋根工事の費用相場や利用可能な補助金を紹介します。業者選びのポイントも紹介しているので、屋根リフォームを検討する方は参考にしてください。
想いを形に工房
屋根リフォームの工法別費用相場
屋根リフォームの費用は、塗装やカバー工法、葺き替えなどの施工方法によって変わります。屋根リフォームの施工方法や費用相場を確認していきましょう。
塗装
塗装とは、傷みが少ない屋根材の場合に表面を洗浄して新しく塗り直すことです。スレートやガルバリウム鋼板などの屋根材は、塗装で薄い膜がある状態で販売されています。しかし、塗膜は経年経過で徐々に劣化するため再度塗装することが必要です。
塗装の費用相場は、25万円程度になります。ただ屋根材は外壁と同時に塗装すれば、足場代を削減できるので費用が安くなる場合が多いです。また、塗料は主要成分で費用が変わるため、安い塗料を使用すればリフォーム費用を抑えられます。
リフォーム屋根の塗装で使われる塗料は、次のとおりです。
塗料の種類 | 施工単価(平方メートル) | 耐用年数 |
ウレタン | 1,200~2,200円 | 6~10年 |
シリコン | 1,600~3,500円 | 8~15年 |
ラジカル | 1,800~4,500円 | 12~15年 |
塗料の種類によって耐用年数が異なり、メンテナンスの頻度が変わります。塗料を塗り直すたびに費用もかかるので、その点も考慮して選びましょう。また、下地の屋根材の劣化が激しい場合は補修が必要になるため塗装ができない可能性があります。
カバー工法
カバー工法とは、劣化した既存の屋根材を残したまま新しい屋根材を上から重ねることです。既存の屋根を解体しないため、解体費用や廃材処理費は発生しません。既存の屋根を取り外す葺き替え工事より費用を抑えながら、施工できるメリットがあります。
また既存の屋根の上に新しい屋根が重なるので、屋根材の厚さが2倍になり、断熱性や遮音性を高められるのも魅力です。屋根の重量が増えるため、建物の耐震性は考慮しなければいけません。
さらに既存の屋根を解体しないので、短い期間で施工できるメリットもあります。一方、デメリットは瓦屋根では施工できないことです。リフォームできる屋根材は限られるので注意しましょう。カバー工法の費用相場は、50万〜150万円程度です。
葺き替え
葺き替え工事は、劣化した既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を設置する施工方法です。葺き替え工事を選ぶメリットには、表面の屋根材だけでなく、その下に設置される下地の屋根材や防水シートを新しいものに交換できることが挙げられます。
新しい下地の屋根材や防水シートに交換できるため、雨漏りなどのトラブルも回避できます。また屋根を一新できるので、高い耐久性を得られるのもメリットです。
一方、既存の屋根材の撤去や廃材処理費がかかるので、リフォーム価格が高くなるといったデメリットがあります。また塗装やカバー工法に比べて工期が長くなる傾向もあります。葺き替えの費用相場は、70万円程度です。
方法別屋根のリフォーム費用相場
屋根リフォームは工法によって費用が変わります。ここからは、塗装・カバー工法・葺き替え工事の費用相場を確認していきましょう。
塗装の費用相場
塗装は、10年を目安にメンテナンスをおこなう必要があります。ただし、塗料によって耐用年数が変わるので注意しなければいけません。
塗料の種類や耐用年数、工事費は、次のとおりです。
塗料 | 耐用年数 | 工事費(30坪住宅の80平方メートル屋根の場合) |
アクリル | 5~7年 | 18万~21万円 |
ウレタン | 8~10年 | 25万~27万円 |
シリコン | 13~15年 | 27万~29万円 |
フッ素 | 15~20年 | 41万~49万円 |
遮断・遮熱塗料 | 12~15年 | 42万~51万円 |
なかでもシリコンは、コストパフォーマンスが高いことから人気のある塗料です。やや高価格になりますが、耐久性の高い塗料を選びたい場合は、フッ素塗料を検討しましょう。
カバー工法の費用相場
カバー工法は、既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねるため解体作業が必要ありません。既存の屋根材を解体する葺き替え工事より、低価格かつ短い工期でリフォームできます。ただ、既存の屋根材や交換する屋根材の種類によって費用が変わります。
たとえば、施工面積が80〜100平方メートルの場合、スレートからガルバリウム鋼板は100万円程度、ガルバリウム鋼板からガルバリウム鋼板は80万円程度が相場です。スレートは薄い板状の屋根材で、ガルバリウム鋼板は金属建材になります。日本瓦はカバー工法によるリフォームができないので、注意しましょう。
葺き替えの費用相場
葺き替え工事は、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を取り付けます。屋根材の撤去費用や廃材処理費、足場代がかかるので、リフォーム費用の総額が高くなるのが特徴です。ただし、既存の屋根材や取り換える屋根材の種類によって費用が変わります。
工事内容 | 費用相場(30坪住宅の80平方メートル屋根の場合) |
スレートからガルバリウム鋼板 | 140万円 |
スレートからスレート | 120万円 |
日本瓦からガルバリウム鋼板 | 140万円 |
日本瓦から日本瓦 | 200万円 |
屋根工事で利用可能な補助金
屋根のリフォームをおこなう際に利用できる補助金は、「省エネリフォーム」と「耐震リフォーム」の2種類です。省エネリフォームは、エネルギー消費を抑えるためにおこなう施工方法になります。耐震リフォームは、地震に耐えられるように施工することです。
それぞれ利用条件が設けられており、該当すれば補助金を受け取れる可能性があります。補助金の利用条件や申請方法を確認していきましょう。
利用条件
屋根のリフォームで利用できる補助金は、各自治体によって条件が異なります。それぞれの補助金で設定されている条件を確認しましょう。
【省エネリフォームの利用条件】
省エネリフォームの利用条件は、次のとおりです。
- 太陽光発電パネルの設置
- 天窓や屋根の断熱・遮熱改修工事
- LED照明の設置
- 屋根に含まれるアスベストの除去
【耐震リフォームの利用条件】
耐震リフォームの利用条件は、次のとおりです。
- 新しい耐震基準が定められた昭和56年5月31日より前に着工している建物
- 地上3階建て以下かつ木造部分が2階以下の住宅
- 工事後の判定値が1.0以上になること
申請方法
省エネリフォームと耐震リフォームを利用するには、申請手続きをおこなう必要があります。申請方法を間違えると補助金を受け取れない可能性があるので、事前に確認しておきましょう。
【補助金の申請方法】
まずは、自治体の補助金を調べます。自治体によって条件が異なるため、利用条件を確認しましょう。ひとつでも該当しない条件がある場合、補助金の申請手続きをおこなえません。すべての条件を満たしているか内容をしっかり確認しましょう。
申請の手順は、次のとおりです。
1.「事前申込書類」の入手
2.「事前申込書類」の提出
3.「補助金交付申請書(兼実績報告書)」の提出
4.「補助金交付決定通知書」と「補助金額確定通知書」の受領
5.「補助金交付請求書」の提出
注意点
省エネリフォームと耐震リフォームなど補助金を利用する際は、いくつか注意点があります。それぞれの注意点を確認していきましょう。
申請が途中で締め切られる場合がある
補助金は、自治体の年度予算で支払われます。補助金の予算枠に達すると、応募期間中でも自治体の判断で締め切られる場合があるのです。屋根リフォームの補助金を受け取れなくなるため、申請は早めにおこなうことをおすすめします。
補助金の申請は工事前におこなう
補助金の申請は、原則として工事する前に手続きを進める必要があります。工事前の申請が必要なのは、応募者より応募者が多い場合は抽選で交付者が決められるからです。申請結果が出てから、リフォーム業者に工事を依頼するようにしましょう。
同一業者の施工費用が対象になる
屋根のリフォームを複数の業者に依頼した場合、すべての施工費用が補助金の対象にならないことがあります。ただし自治体によって条件が異なるため、事前に確認しておくことがおすすめです。
業者選びのポイント
リフォーム業者は複数あるため、どのように選べばいいか悩む方も少なくありません。ここでは、安心して依頼できる業者選びのポイントを紹介します。
地域密着の業者
屋根の施工業者は、地元の工務店から大手リフォーム業者まで多くの会社があります。なかでも、おすすめなのは地域密着の業者です。地域密着の業者は、住宅の工事に幅広く対応しています。自宅から近い場所に事務所があるので、不具合が起きたときに迅速に対応してもらえるのも魅力です。
見積もりの比較
業者を選ぶときは複数の会社に見積もりを依頼し、比較検討してから選ぶことが大切です。施工費用は業者によって異なりますが、複数の業者から見積もりを取ることで適正価格を把握できます。
業者のなかには施工費用をだまし取る悪徳業者も潜んでいるので、1社だけで決めるのはおすすめしません。場合によっては、希望通りに対応してもらえないこともあるため悪徳業者には注意しましょう。
信頼できる業者に依頼
業者は施工費用を基準に選ぶのもひとつの方法ですが、実績や評判も大切なポイントです。施工費用が適正価格でも、実績が少なかったり評判が悪かったりする業者は満足できる施工をしてもらえない可能性があります。施工後にトラブルが発生することもあるので、事前に確認しておくことが大切です。
屋根をリフォームするにあたっては、担当者と頻繁にやり取りをおこなう必要があります。担当者と相性が悪いと、施工の打ち合わせや工事中にスムーズなやり取りができなくなることも多いです。今後も長いお付き合いをする可能性もあるため、担当者との相性はしっかり確認して依頼しましょう。
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屋根をリフォームする方法には、塗装・カバー工法・葺き替え工事があります。それぞれの特徴を理解して、適切な施工方法を選ぶことが大切です。
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監修したプロのコメント
屋根リフォームを依頼する際は、「信頼できる業者なのか?」ということに特に注意が必要になります。施主様がご自身で屋根の上に登って、修理箇所を見ることはほとんどないかと思います。
修理箇所を捏造するような、悪質な訪問販売会社も実際に存在します。
これらの理由から屋根の修理は、複数社に現地調査と相見積りを依頼した方が良いです。その中でどの工事がご自宅にとって最適なのか、アドバイスをもらいながら信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
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