物置の屋根が劣化しており、DIYで修理を検討するうえで気になるのは、業者に依頼した場合との違いです。また、DIYで物置の屋根を修理する際は、どのような点に注意すべきなのかも気になるところです。
今回は、DIYで物置の屋根を修理したい方に向けて、主な方法はもちろん注意点、業者に依頼する場合に覚えておくべきことをまとめています。
物置屋根の修理をしたいと悩んでいる方はぜひチェックしてください。
物置の屋根はDIYで修理できる?
切妻屋根や三角屋根、鋼板屋根など物置屋根は、雨漏り修理やひび割れや小さい穴を塞ぐなど一時しのぎの応急処置であれば、DIY修理が可能です。とはいえDIYを無理にしてしまうと、根本的な解決はできないため、破損箇所の傷みが悪化してしまう可能性があります。
例えば、小さな穴が空いてしまったり、部分的に雨漏りしてしまったりするなどの軽微な破損の場合は自分で修理可能です。
しかし、下記の項目に当てはまる破損は、DIYで修理できません。
- 広範囲の破損
- 物置屋根全面の張り替え
- 石綿が含まれている屋根材
- 物置屋根の歪みや勾配の傾き
- 台風や大雨による大きな被害
また、上記の大掛かりな修理の場合は、雨漏りの原因を特定したり、複雑な形状の修理をしたりするなどの高度な技術が求められます。
さらに高所での作業なため、落下や転落などケガの二次被害トラブルが発生するリスクが伴います。物置屋根の補修に少しでも不安を感じる場合は、業者に相談してみましょう。
物置の屋根に使用される主な素材とは
物置の屋根に使用されている主な素材は、ガルバリウム鋼板やトタンなどの亜鉛メッキ(カリウムを含む化合物)が使用されています。トタン屋根は、古くから物置屋根に使用されている素材ですが、サビやすい特徴があるため、近年ではデメリットとして敬遠されてしまうこともあります。
ガルバリウム鋼板は、トタンと比べてサビにくく、耐候性や防水性能にも優れた素材です。また物置の屋根には、樹脂の素材が使用されることもあります。主に加工しやすく安価な塩化ビニール(塩ビ)や、紫外線や衝撃に耐性のあるポリカーボネート(ポリカ)などが使用されています。
物置屋根修理をDIYで応急処置する際に必要な道具や材料
DIYで物置の屋根を修理する際は、以下に挙げるさまざまな道具や資材が必要です。
道具
- 雨漏りを防ぐブルーシート
- 防水性を高める防水テープ
- ルーシートを固定する土嚢
- 補習箇所を清掃する紙やすり
- 屋根材を固定する電動ドリル・キリ・金槌
- 安全用のハシゴやヘルメット
材料
- 交換用の屋根材
- 既存の物置屋根の汚れを落とす中和洗剤
- 表面のひび割れや穴あきを補習するコーキング剤
- 下塗り塗料のプライマー
補修が必要な箇所がどのような状況なのかを確認した上で、応急処置の対応を行いましょう。
DIYで物置の屋根を修理する方法
物置の屋根をDIYで修理するには、主に以下3つの対処法があります。
- コーキング剤で補修する
- ブルーシートを敷く
- 防水テープを貼る
簡易的な雨漏り対策や破損箇所の補修はどのような方法で行うのか徹底解説します。
コーキング剤で補修する
軽微な穴、ひび割れの場合は、コーキング剤で補修します。コーキング剤はホームセンターなどで数百円から購入できます。
コーキング剤で補修する場合は、下記の手順で行いましょう。
- 補修箇所の汚れを紙やすりなどで落とす
- 補修箇所にプライマーを塗りつける
- 補修したい箇所をコーキングで埋める
しかし、錆を落としたり下地剤を塗ったりするため、少し手間がかかります。
ブルーシートを敷く
屋根のどの部分が破損しているかわからない場合は、ブルーシートで屋根全体を覆う形で補修できます。
ブルーシートを敷いて補修する際は下記の手順で行いましょう。
- ブルーシートを補修したい箇所に被せる
- ブルーシートを土のう袋で固定する
- ブルーシートと屋根に隙間を埋めるために防水テープを貼る
ブルーシートは強風で飛ばされる可能性があるので、土嚢や防水テープでしっかり固定することがポイントです。また、ブルーシート自体に穴が開くことが多いため、こまめに状態をチェックしましょう。
防水性に優れた補修テープを貼る
穴やひび割れが軽微なものであれば、防水性に優れている補修テープ(防水テープ)で補修できます。隙間から雨水の侵入を防ぐためにテープを貼り付けるだけなので、簡単に補修可能です。
防水効果に優れたテープで補修する際は、下記の手順で行いましょう。
- 補修箇所の汚れを紙やすりなどで落とす
- 中性洗剤で汚れや油分を拭き取る
- 防水テープを貼る
屋根に汚れや水分が残った状態では貼り付けられないので、綺麗に掃除してから貼り付けることがポイントです。また、防水効果のあるマスキングテープは粘着力が弱いため、養生テープを活用しましょう。
【素材別】物置の屋根を修理する方法
物置の屋根を修理する方法は、金属や樹脂など屋根の素材によって異なります。以下では屋根の素材別に補修方法を比較解説します。
金属屋根の場合
金属屋根の主な修理方法は、以下の方法で修理ができます。
- 屋根塗装:塗装の剥がれなどを補修する施工
- 屋根全体の葺き替え工事:既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を設置する工法
- 屋根カバー工法(重ね葺き:既存の屋根材に別の屋根材を被せる工法
- 塗装メンテナンス:錆を防止する
カバー工法をする際は、シート防水を同時に施工できれば、雨漏りのリスクを軽減できます。
また、DIYで応急対策する場合は、コーキング材を使って穴を塞いだり、破損部分を金属板で覆ったりする方法で補修が可能です。
樹脂製屋根の場合
樹脂製屋根の場合は、下記の方法で修理が可能です。
- 屋根全体の葺き替え:屋根材を新しいものに張り替える
- ポリカーボネートに交換
- 金属屋根へ交換
ボリカーボネーとは、耐用年数が長いため、波板交換として人気を集めています。
また、樹脂製屋根は金属屋根と比べて耐久性が低い場合もあるため、修理のタイミングで金属屋根に張り替えるのもおすすめです。
物置屋根の修理でかかる費用相場
本章では、物置屋根の修理にかかる費用相場をDIYで行う場合と、専門の修理やさんに依頼した場合に分けて解説します。どのくらいの価格で修理できるのか予算を準備するための参考にしてください。
DIYで応急処置する場合
物置の屋根を自分でDIY修理する際は、1,000円から10,000円程度が費用相場となります。しかし、あくまで相場なため、用意する道具の量や種類によっては10,000円以上かかる場合があるでしょう。
補修に必要な金額は、既存屋根の破損状態次第で変動します。軽微な補修であれば用意する道具も少ないため、費用も安く抑えられるでしょう。
補修範囲が広い場合や既存の物置の状態がかなり悪化している場合などは、高額な費用が必要です。不具合箇所がある場合は早めに業者に相談してみることをおすすめします。
業者に依頼した場合
物置の屋根を修理業者に依頼する場合の修理費用の相場は、下記の金額を参考にしてください。
- 部分補修:10,000〜50,000円
- 屋根全体の補修・交換:100,000〜500,000円
上記の工事費はあくまで相場なため、具体的な金額を知りたい方は、相見積もりとって正確な費用を算出してもらいましょう。
スレート屋根の修理を依頼する場合
スレート屋根の修理を業者さんに依頼する場合は、修理の内容次第で価格が異なります。
補修内容 | 費用相場 |
ひび割れや欠けた場所の補修 | 1万円〜5万円程度 |
スレート材の交換 | 5,000円〜3万円/枚 |
屋根塗装 | 30万円〜65万円 |
カバー工法 | 100万円〜150万円程度 |
葺き替え | 120万円~250万円程度 |
軽微なひび割れや欠けであれば、DIYで修理できます。しかし、アスベスト含有を含んだスレートの場合は社会課題となったアスベスト問題の危険が伴うため、できる限り業者への依頼をオススメします。
スレート屋根の工事に関して本格的に知りたい方はこちらのコラムでアスベスト(石綿)に関する情報や工事にかかる費用などを参考にしてください。
関連記事:スレート屋根の修理費用はいくら?工事の適切なタイミングと業者依頼の注意点を伝授
物置屋根の修理を業者に依頼する際に失敗しないためのコツ
アウトドア用品やガーデニング用品などの大きなものを収納できる物置を快適に使用するには、適切な方法で修理してもらえる業者に依頼できるかが鍵となります。
さらに工事費用を抑えたり、安心して屋根工事のリフォームを依頼できる専門業者を見極めたりするなど、業者依頼で失敗しない秘訣を詳しく紹介します。
金属製屋根の交換を検討する
樹脂製素材の屋根が破損した場合は、選択肢のひとつとして頑丈な金属素材の屋根へ交換を検討してるみることがポイントです。ガリバリウム鋼板やトタン、ステンレスなどの金属製屋根に交換できれば下記のメリットを期待できます。
- 風雪や紫外線などの外的要因に対して丈夫
- 不燃材料で断熱性に優れているため、火災に強い
- 物置の外観や好みに合わせて色選びができる
- 錆や腐食に強い
また、棟瓦セメント瓦などの瓦屋根やスレートなどの屋根材に比べると軽量なため、建物の負担を軽減し、地震や台風対策に繋がります。
金属製屋根は、10年〜15年に1度の定期的なメンテナンスを行うことで、およそ40年以上耐久することが可能です。定期的なメンテナンス方法は錆防止の塗装や板金加工やコーキングが当てはまります。
既存の物置屋根に使用していた屋根の処分費用は発生しますが、一度の物置屋根の修理で寿命を長持ちさせたい方にオススメの修理方法です。
ウレタン防水工事を検討する
物置屋根の修理を依頼する際には、屋根防水としてウレタン防水を検討しましょう。ウレタン防水は、下記の役割があります。
- 雨水を遮断し、建物内部への浸入を防ぐ
- 熱を遮断する
夏は室内に熱が入るのを防ぐためお家の暑さ対策ができるだけでなく、冬にも室内の熱を外に逃がすのを防止できるため寒さを緩和し、冷暖房費の節約に繋がります。しかし、紫外線に弱い特徴があるため、他のアスファルト防水やFRP防水などの防水工法よりも定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスの手間はかかりますが、建物の構造の老朽化を防いだり、カビやダニの発生を防止したりするなど建物を長持ちさせられる点が魅力です。
火災保険が適用される場合がある
加入している火災保険が適用される場合があるため、補償範囲を確認しておくことが大切です。火災保険は、台風や竜巻などの自然災害や、雪の重みなどで物置屋根が破損した場合に適応されます。経年劣化や落下物、地震後の破損は適応外です。
また、加入している保険の種類次第では、補償対象の金額やサポートなどの補償内容や自己負担額が異なるため、保険会社に申請できるかを直接確認しておきましょう。
修理にかかる施工期間を確認しておく
物置屋根の修理にかかる施工期間を確認しておくことが大事です。施工にかかる期間は、一般的に以下の表を参考にしてください。
修理内容 | 修理にかかる平均日数 |
部分修理 | およそ1~3日 |
塗装のみ | 簡易的な場合:半日〜1日重ね塗りが必要な場合:およそ7日 |
部分修理と塗装 | およそ7日~10日 |
屋根全体を葺き替える | およそ7日~10日 |
平均日数は、下記の条件次第で異なります。
- 物置屋根を修理する施工面積や範囲
- 修理に必要な作業員の人数
- 足場設置の有無
- 天候
とくに悪天候で作業ができない場合は、工期が予定よりも伸びるケースもあります。天候が良い時期や物置屋根のダメージが悪化しすぎないタイミングで修理を依頼しましょう。
住まいの環境に合わせて物置屋根を修理する
物置屋根は、経年劣化や自然災害によって徐々に劣化してしまうため、住まいの環境に合わせてメンテナンスや修理を行うことがポイントです。
とくに海沿いの地域に近い場所に在住している方は、塩分を含んだ風が建物を劣化させる塩害のリスクがあります。塩害を放置してしまうと下記のデメリットが発生します。
- 金属製屋根の腐食
- 塗装の劣化
- 塩分を含んだ雨水で雨樋が詰まる
また、強風で物置屋根が飛ばされたり、破損したりすると、物置だけでなく周辺の建物や人にも被害を与える恐れがあります。物置屋根の修理は、耐風性能を向上させることが可能です。物置の屋根が破損したり、劣化したりした場合は、安全に暮らすためにも住まいの環境に合わせて修理を検討しましょう。
物置屋根修理の依頼時は優良業者を見極める
屋根修理の依頼時は、優良業者をしっかりと見極めた上で業者選びをすることが重要です。主な見分け方は下記の方法があります。
- 複数社から現場調査にて相見積りしてもらう
- 長期保証の有無を確認する
- 業者に詳しく説明してもらえるのか確認する
- 施工事例や施工実績をチェックする
- 見積書や契約書に細かい詳細が記載されている
- 無料点検やトラブル時の対応をしてもらえるのか確認する
また、インターネットで口コミや業者の評判を調べる方法もオススメです。悪徳業者に引っかからないためにも利用者の安心できる口コミや業者ごとの料金プランを踏まえて判断する意識を心がけましょう。
物置屋根の修理は長期的にみると業者依頼がお得
物置屋根の修理は長い目でみるとDIY修理よりも業者に依頼した方がコストパフォーマンスに優れています。
DIYは専門知識や技術がないと応急処置の対応しかできません。そのため、補修した箇所が短い期間で故障してしまうリスクがあります。修理費用やメンテナンス費用、材料費が何度もかかってしまうため、総合的にみると高額です。
一方でプロに依頼すれば、屋根の形状に合わせて提案してもらえたり、最適かつ丁寧な方法で修理してもらえたりする魅力があります。DIYの応急処置よりもメンテナンスサイクルが長いため、補修やメンテナンスの手間を削減できます。
また、業者依頼で費用を抑えたい場合は下記の項目を意識しましょう。
- 屋根材や建材の腐食が進みすぎない前に依頼する
- 複数社の業者から料金とサービス内容を比較する
リーズナブルにきれいな仕上がりを持続させたい方は相見積もりや電話などで業者に無料相談や問合せしてみることをオススメします。ゼヒトモでも見積もりの対応をしておりますのでお気軽にご相談ください。
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今回は、物置屋根をDIYで修理する方法や注意点について解説しました。物置屋根の修理は、高度な技術や知識が求められるため、あくまでも一時的な応急処置としてとり入れることがポイントです。
雨漏りを放置してしまうと、カビやコケが生えてしまう原因につながるため、なるべく早めに対策を打つ必要があります。
DIYで改修方法を実践する際は、高所の作業に気をつけたり、適切な方法で補強したりすることに気をつけましょう。物置屋根の雨漏りを根本的に解消し、住まいを快適にしたい場合は、特殊な技術と知識をもつプロに任せることが大切です。
- 物置の屋根における修理実績が豊富な業者に依頼したい
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