住宅にスレート屋根を採用している場合は、劣化していないか注意が必要です。スレートは薄い板状で耐久性が高くないため、長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
この記事では、スレート屋根の特徴やメリット、主な劣化症状を説明します。工事費用の相場も紹介するので、スレート屋根の工事が気になる方はぜひ参考にしてください。
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スレート屋根とは?
スレート屋根の「スレート」とは、セメントを主成分とした薄い板状の屋根材のことです。化粧(人工)スレートやコロニアル、カラーベストとも呼ばれます。
スレートにはいくつかの種類がありますが、一般的に用いられるのは化粧スレートです。天然石で作られた天然石スレートは価格が高いため、住宅に用いられるケースはそれほど多くありません。
化粧スレートは軽量かつ耐震性に優れていることから、屋根材の中でもトップクラスの普及率を誇ります。単価が比較的安いため、費用を抑えたい場合にも適しています。
メリット
- スレート屋根のメリットとして、以下の6つが挙げられます。
- 軽量で耐震性が高い
- 色やデザインのバリエーションが豊富
- 他の屋根材に比べて価格が安い
- 塗装してメンテナンスすると長持ちしやすい
- さまざまな形状の屋根に対応している
- 普及率が高く、施工できる業者が多い
デメリット
- 防水性が低く、雨漏りが発生しやすい
- 薄い板状のため、割れや破損が起こりやすい
- メンテナンスの頻度が高い
- 塗膜がはげると見栄えが悪くなりやすい
スレート屋根のメンテナンスはいつすべき?
スレートは薄い板状に加工されていることから、耐久性があまり高くありません。衝撃に弱く、飛来物によって割れや破損が起こることもあるでしょう。複数の屋根材を組み合わせた構造のため、接続部分から水漏れが発生することもあります。
また、スレート屋根の表面に施された塗膜を維持するためには、高い頻度でのメンテナンスが必要になります。定期的なメンテナンスを怠ると、スレートの寿命が縮むことになりかねません。
スレート屋根のメンテナンスを検討する際は、スレートの寿命や劣化症状について知っておくことが必要です。耐用年数や目に見える劣化のサインを把握し、メンテナンスに適したタイミングを考えてみてください。
スレート屋根の寿命
スレートの耐用年数は、一般的に20〜30年程度ですが、住宅の立地環境や塗料によって、スレートの寿命は左右されます。
例えば、太陽光が当たりやすい場所や湿度が高い場所では、劣化が早く進みます。耐用年数の長さにかかわらず、スレートの状態に合わせたメンテナンスが必要です。目安として、築5年以上経過している場合は、年に1回の頻度で点検するのがおすすめです。
なお、スレートの表面には塗装が施されており、およそ10年に1回のペースで塗り替えなければなりません。スレート表面の塗装には、太陽光や風雨による劣化を防ぐ役割があります。
塗り替え作業を怠ると、スレートの劣化スピードが早くなり、耐用年数よりも寿命が縮むことにつながります。スレートを長持ちさせるためには、定期的に塗り替え作業を行うことが大切です。
メンテナンスの際に耐久性が高い塗料を用いれば、スレートの寿命をさらに延ばすこともできます。
スレート屋根の劣化症状
耐用年数が経過する前であっても、スレートに劣化症状が見られる場合はメンテナンスが必要です。劣化した状態のまま放置すると、雨漏りが起こりやすくなったり、住宅の寿命が縮む可能性があります。
適切なタイミングでメンテナンスができるように、スレートの主な劣化症状を確認しておきましょう。
- スレートのひび割れ
- スレートの反り
- スレートの欠けや割れ
- 屋根の苔の繁殖
スレートは吸水と乾燥を繰り返すと負荷に耐えきれなくなり、ひび割れを起こします。また、水を吸ったスレートが端から乾くことによって、スレートが反ることもあります。
ひび割れや反りを放置すると、雨水が浸み込みやすくなるため、雨漏り発生の可能性が高くなります。
場合によっては、ひび割れが広がってスレート自体が割れたり、衝撃によって欠け落ちたりすることもあります。割れた部分が数ヵ所程度であれば、補修やスレートの交換で対応できます。しかし、全体が割れた場合は補修や塗装だけではカバーできないため、状態に合わせて修繕が必要です。
スレートが劣化して水を弾きにくくなると、屋根の表面に苔が繁殖しやすくなります。屋根が茶色く変色している場合は、苔が発生している可能性が高いです。苔が繁殖して根を張ると、スレートの強度の低下につながりかねません。
メンテナンス方法と費用
スレートをメンテナンスする際は、主に4つの方法があります。
- カバー工法
- 葺き替え工事
- 塗装
- 部分補修
それぞれの方法について、具体的な工事の内容や必要なケース、費用相場などを確認しておきましょう。
カバー工法
カバー工法(重ね葺き)とは、既存のスレートの上に新しい屋根材を重ねる方法です。屋根の全体にひび割れがある場合に適しています。既存の屋根の撤去費用や廃材の処理費用がかからないため、工事費用を抑えられるのが特徴です。
ただし、屋根材の下地が劣化している・カバー工法を施工したことがあるケースでは、同じカバー工法による工事はできません。スレート部分のみが劣化している場合に、一度だけ施工できるメンテナンス方法であると覚えておきましょう。
費用相場 | 150万〜240万円(約30坪) |
工期の目安 | 6〜10日 |
葺き替え工事
葺き替え工事とは、既存のスレート屋根や下地をすべて撤去し、屋根を新たに作り替える方法です。雨漏りが発生しているなど、屋根の下地にも劣化症状が出ている場合に適しています。
屋根材を新しくできるため、外観の雰囲気を変えたい場合や、耐久性の強い屋根材に変更したい場合にも向いています。例えば、スレート屋根から金属製のガルバリウム鋼板に変更することもできます。
費用相場 | 160万〜250万円(約30坪) |
工期の目安 | 7〜11日 |
塗装
塗装とは、屋根を洗浄してから補修・塗装をする方法です。ひび割れや苔の発生など、スレートの表面が劣化している場合に適しています。
塗装することで防水性が高まるため、水の浸入を防ぎやすくなる効果があります。スレート屋根のメンテナンスの中では、比較的安価に施工できるのもメリットです。
費用相場 | 40万〜60万円(約30坪) |
工期の目安 | 12〜15日 |
部分補修
部分補修とは、劣化したスレートを差し替え・交換する方法です。部分的にスレートのズレやはがれ、破損や反りがある場合に適しています。
費用相場 | 5,000〜3万円(スレート1枚あたり) |
工期の目安 | 1〜2日 |
スレート屋根の工事費用を抑えるコツ
スレート屋根はこまめなメンテナンスが必要なため、可能な限り工事費用を抑えたいところです。スレート屋根の工事費用を抑えるためには、以下のコツを取り入れてみてください。
- 複数の業者に見積もりを依頼し、相場を把握する
- リフォームを対象とした補助金を活用する
- 自然災害が原因の場合は火災保険を申請する
- 外壁塗装を同時に行い、足場代を節約する
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スレートとは、セメントや天然石などを原料とした薄い板状の屋根材です。耐用年数は20〜30年程度ですが、劣化症状が出ている場合は早急なメンテナンスが必要です。
- スレート屋根の工事について相談したい
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監修したプロのコメント
2000年〜2004年頃まで、ノンアスベストとアスベスト入りのスレート屋根材が混在していました。耐久性に問題があるので、自宅の屋根材が該当しているか業者の方に確認してもらいましょう。また、不具合の程度によっては塗装でのメンテナンスではなく
・カバー工法
・葺き替え工事
等をご推奨致します。
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