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  6. スレート屋根の修理費用はいくら?工事の適切なタイミングと業者依頼の注意点を伝授
2024/01/24 2024/06/20

日本の住宅で多く取り入れられているスレート屋根は、セメントを主成分とした屋根材のことです。高い耐震性や耐久性とスタイリッシュなデザインでニーズが高まっていますが、他の屋根材と同様に寿命があるため、定期的なメンテナンスや修理が必須になります。

今回は、スレート屋根の基本について触れながら、修理に関する情報をまとめています。スレート屋根の修理が必要なタイミングや方法、費用相場や施工業者に修理依頼をする際の注意点などを徹底解説しているので、自宅の屋根がスレート屋根で、かつ修理を検討している方はぜひ参考にしてください。

スレート屋根とは?

屋根

スレート屋根は、主成分にセメントを活用した、厚さ5mmほどの板のような屋根材のスレートを使用した屋根のことをいいます。都心や郊外問わず、日本の住宅に採用されることの多い屋根材で、さまざまな種類があるのも特徴です。

多くの住宅に取り入れられているスレート屋根は下記の3種類に分かれており、種類別に寿命・耐用年数が異なります。

  • アスベスト含有のタイプ
  • 2000年以前のノンアスベストのタイプ
  • 2006年以降のノンアスベストのタイプ

スレート屋根には、アスベスト含有のものとノンアスベストのものがあります。アスベストを含んだスレートは、ノンアスベストのものよりも耐久年数が長い反面、健康への影響が問題視されていました。現在はアスベスト含有の屋根は販売されておりません。

アスベストが問題視された後に、1990〜2000年代前半に販売されたノンアスベストのスレートが台頭し始めます。しかし、アスベスト含有のもので懸念されていた健康への被害はクリアできているものの、耐久面が劣る課題がありました。

なお、耐久面の乏しいノンアスベストのスレートは2008年ごろに販売が中止され、遜色ない耐久性を持つ2006年以降に販売されているノンアスベストのスレートが流通しています。

スレート屋根を修理する方法と費用相場

屋根

スレート屋根に寿命がきた、もしくは劣化・破損が目立つ場合は、以下の方法で修理しなければなりません。

  • 塗装
  • ひび割れ補修
  • 棟の補修
  • 葺き替え工事
  • カバー工法(重ね葺き工事)
  • 板金の交換

ここではスレート屋根の修理にかかるメンテナンス費用相場を算出し、修理方法別にまとめています。

カラー塗装

築年数が長くなった場合や、塗装面にカビやコケが目立つようになった際は、塗料を重ね塗りします。相場の金額は、1㎡あたり約5,000〜10,000円です。

塗り替えを怠るとスレートの劣化が早くなるので、塗装面の変化を逐一チェックし、適正時期で塗装を依頼しましょう。

ひび割れ補修

スレートは非常に薄い屋根材であるため、ヒビ割れや欠けが発生しやすいのも特徴です。コーキング補修の場合の相場の金額は、1枚あたり約5,000〜10,000円、スレート差し替えの場合は、1枚あたり約5,000〜30,000円かかります。

小さなひび割れ程度であれば、専用の補修剤もしくはコーキング材での補修工事で完結します。ひび割れが大きい、範囲が広い場合は、スレート全体を交換することもあります。そのため、トータルの修理費用で数10万円〜100万円程度かかるケースがあるでしょう。

棟の補修

スレート屋根の頂上には、棟板金が設置されています。棟板金は不具合の発生しやすい部品であるため、釘や腐食した裏地の交換が求められます。棟の補修にかかる相場の金額は、1㎡あたり約5,000円程度です。

また、補修するタイミングで既存の棟を撤去し、頂上に穴の開いた「換気棟」の設置で屋根を直すことも可能です。換気棟により、頂上に開いた穴から屋根裏の熱や湿気を自然放出できるようになります。換気棟を設置する場合は、約30,000円程度が相場価格と言われています。

葺き替え工事

スレート屋根の補修は部分的なものになることが多い反面、経年劣化が目立つ、耐用年数が過ぎている場合などは、葺き替え工事で全体的な修繕が必要です。1㎡あたりの相場の金額は、約12,000〜20,000円程度です。

新しいスレート屋根に交換する方法もしくは、葺き替えをきっかけに屋根材そのものを交換する方法で対応できます。工事段階で業者とすり合わせのうえ、理想とする屋根材を選択してください。

カバー工法(重ね葺き工事)

スレート屋根カバー工法(重ね葺き工事)とは、既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せて葺き替える工法です。従来の葺き替えの工事方法とは異なり、既存の屋根材を撤去する必要がありません。1㎡あたりの相場の金額は約7,000円〜10,000円程度かかります。

葺き替え工事よりも短い工期で工事が完了し、既存の屋根材を撤去しないため、廃材処分費が不要です。既存の屋根材が著しく劣化している場合は、施工できない可能性があります。

板金の交換

棟板金が破損してたり、錆びていたり、雨漏りしていたりする際に交換する修理です。スレート屋根における棟板金は、風雨から屋根を守るメリットがあります。相場の金額は、交換する長さや使用する部材によって異なりますが、約10,000円〜30,000円程度です。

破損やサビが発生した場合は、強風によって飛散しやすい状態なため、近隣家屋に被害を与える恐れがあります。経年の劣化状態を放置せず、適切なタイミングで棟板金の交換を行いましょう。

修理時期はスレート屋根の種類ごとの寿命によって異なる

家

スレート屋根の修理するべきタイミングは、スレート屋根自体の寿命や耐久性、劣化状況によって異なります。どのようなタイミングで修理をするとよいのかメンテナンスサイクルについてみていきましょう。

アスベストを含むタイプ

アスベスト含有のスレート屋根の寿命は、基本的に約30〜40年と言われています。10年ごとに塗装や棟板金交換、コーキングなどを行ったり、15年ごとに 専門業者による点検を行ったりすることで安全なスレート屋根の状態を保つことが可能です。

アスベストを含むタイプには下記の種類があります。

  • 化粧スレート(平板スレート)
  • 波型スレート

しかし、アスベスト含有建材の解体や改修に伴う飛散による健康被害のアスベスト問題が懸念されています。

2022年4月より、スレート屋根を含む石綿含有建材を用いたリフォーム工事において、事前の石綿含有調査の内容を労働基準監督署と各自治体に報告することが義務化されていることを押さえておきましょう。

2000年以前のアスベストを含まないタイプ

2000年以前に製造されたノンアスベストスレート屋根の寿命は、15〜20年程度と言われています。2000年以前のノンアスベストストレート屋根は安価ですが、下記のトラブルが発生しやすい特徴があります。

  • 冬季に凍結と融解を繰り返し屋根材が破損する
  • 防水性が低下し雨漏りしてしまう

平均的な寿命の期間安全なスレート屋根を維持し続けるためにも、年に1回外観をチェックしたり、5年ごとに専門家に点検してもらうことがポイントです。

2006年以降のアスベストを含まないタイプ

2006年以降に製造されたアスベストを含まないタイプのスレート屋根の寿命は、約20〜30年と言われています。近年はアスベスト含有のものには及ばないものの、初期のノンアスベストスレートよりも高価ですが、軽量で耐用年数が長持ちする下記のタイプが出回るようになりました。

  • 金属スレート
  • 樹脂スレート
  • セメントスレート
  • 天然スレート:カラーベストやコロニアルなど

不燃材で耐火性や暑さ対策に優れていたり、風雨や紫外線に耐久したりするなどの特徴があります。

安心かつ安全なスレート屋根の状態を保つために、10年ごとに 塗装や棟板金交換、コーキングなどを行ったり、15年ごとに業者に点検してもらうことがオススメです。

スレート屋根の修理が必要なタイミング

屋根

スレート屋根は、種類別の耐用年数を目安に修理が必要です。また、以下の症状がある場合は、耐用年数に限らず修理が求められます。

  • 瓦がずれたり外れていたりする
  • 無数のひび割れができた
  • コケ・カビが生えている
  • 広範囲の剥がれが気になる
  • 台風や地震などの被害で破損した
  • 雨漏りしている

本章では、具体的にどのようなタイミングで修理が必要なのかを解説します。

瓦がずれたり外れていたりする時

屋根瓦がずれたり外れたりしている時は修理が必要です。軽微なずれや外れなどの浮きであれば、部分修理で対応できますが、広範囲にずれや外れが発生している場合は、葺き替えが求められます。

屋根瓦がずれていたり、外れていたりする場合は、以下の問題が発生する恐れがあります。

  • 雨漏り
  • 強風によって瓦が飛ばされる
  • 建物の美観を損なう

とくに、自然災害の強風で飛ばされてしまうと、近所に迷惑をかけてしまったり、建物や人体に被害を与えてしまったりするデメリットがあるため、早急に修理してもらいましょう。

無数のひび割れが出来た時

スレート屋根に無数のひび割れが発生している場合は修理が必要です。無数のひびを放置してしまうと、以下の問題が発生するリスクがあります。

  • ひびの隙間から雨漏り
  • 藻やカビの発生
  • 屋根材の劣化

ひび割れが進行すると、見た目が悪化するだけでなく、屋根材が劣化し、破損してしまいます。破損だけでなく、将来的な修理費用が高額になってしまう恐れがあるため、表面の軽微なひび割れであっても放置せず、早急に修理を検討しましょう。

コケやカビが気になる時

スレート屋根のコケやカビが気になる時は修理が必要です。コケやカビを放置してしまうと、スレート材を腐食してしまうため、雨が侵入してしまう原因に繋がります。

僅かなコケやカビであれば、高圧洗浄で応急処置できる場合もあるため、定期的なメンテナンスをしておくことをおすすめします。

広範囲の剥がれが気になる時

スレート屋根が広範囲の面積で剥がれている場合は、修理が必要です。建物の中に雨水が侵入し、雨漏りしてしまったり、剥がれたカケラが住まいの中に落下してしまったりする恐れがあります。

剥がれたカケラが建物内の物や人に当たってしまうと事故や怪我などの二次災害につながるため、早めに専門業者に剥がれている箇所を調査してもらうことが大切です。

台風や地震などの被害で破損した時

スレート屋根の棟板金やスレート材が台風や地震などの被害で破損した場合は、修理が必要です。とくに広範囲でひびが入ってしまったり、棟板金が大きく浮いていたりする場合は、スレート屋根の破損を進行させてしまいます。

自然災害による破損の場合は、火災保険が適用される可能性があるため、早急に修理を検討しましょう。

以下の関連記事では、屋根修理・工事の費用相場や施工例について解説しています。気になる方はぜひご覧ください。

関連記事:屋根修理・工事の費用相場

スレート屋根修理を検討する際に押さえておくべきポイント

屋根

スレート屋根の修理は、現状使用している屋根の状態や適切なタイミングに合わせて検討する必要があります。主に下記3つの項目を押さえておきましょう。

  • スレート屋根の部分交換は控える
  • 補修できないスレート屋根もある
  • 火災保険の利用は可不可を確認しておく

1つずつ解説します。

スレート屋根の部分交換は控える

スレート屋根の部分交換はできるだけ控えることがポイントです。劣化症状が多くなければ、部分交換でも安全面における問題点はありません。しかし、部分交換は劣化している屋根とそうではない屋根とで色味が異なるため、屋根全体の見栄えが変わってしまいます。

また、スレート屋根をつなぐ釘を外す際は、屋根材とつながっている「ルーフィング」という防水シートも合わせて取り外しが必要です。部分補修で対応してしまうと、釘穴が残ったルーフィングのまま新しい屋根材を貼り付けることになるため、雨漏りが発生しやすい危険が伴います。

スレート屋根の部分交換自体は可能ですが、リスクも考えた上で検討しましょう。

補修できないスレート屋根もある

スレート屋根の中には、塗装や交換などで補修できないタイプのものがあります。とくにアスベスト含有スレートは、一般的なメンテナンス方法で補修できません。アスベストは人体に有害な物質が飛散してしまう恐れがあるため、専門的な知識と技術が求められます。

また、ダメージや劣化が著しく進行している場合は、塗装できなかったり、板金の交換ができなかったりするため、補修や補強ではなく、全面リフォームが求められます。スレート屋根の状態を調査し、適切な修理方法を提案してもらいましょう。

火災保険の利用は可不可を確認しておく

自然災害が原因でスレート屋根が破損した場合は、火災保険を適用させることが可能です。火災保険を補助金として適用できる自然災害は、以下を参考にしてください。

  • 水害(津波・大雨)
  • 風災(台風)
  • 雹害(ひょう)
  • 落雷
  • 雪害

なお、これらの災害以外の原因、例えば単なる経年劣化による修理は、火災保険の条件に当てはまらないため、対象外です。対応してもらえるのかを判断できない場合は、リフォーム会社や業者に相談してみましょう。

スレート屋根の修理依頼時に気をつけるべきコツ

コツ

スレート屋根の修理はDIYで作業を進めるのは難しいため、業者に依頼するのが一般的です。業者に修理を依頼する際は、補修費用に大きくかかわる見積書の見方を把握しておく必要があります。

ここでは、スレート屋根の修理依頼を業者に出すうえで覚えておきたい注意点についてお伝えします。

見積書の内容は適切かを見極める

見積書の修理項目やリフォーム費用などの内容が適切かを見極めることがポイントです。見積書は下記項目の記載があるかを確認しておきましょう。見積書に、以下の項目が記載されていることを確認しましょう。

  • 具体的な工事内容(棟板金の補修、スレート材の交換など)
  • 使用する材料の種類(商品名、メーカー、型番など)
  • 施工方法
  • 材料費
  • 工事費:人件費・諸経費
  • 保証内容
  • 足場代

棟板金やスレート材は、業者によって単価や金額が違います。

また、支払いの方法や支払い期限なども確認しておくことが重要です。どの修理内容にいくらかかっているのかをチェックし、納得した上でお願いしましょう。

相見積もりを検討する

スレート屋根の修理依頼時は、複数の業者から現地調査してもらい、取得した見積書を比較検討しましょう。インターネットで業者を探したり、知人に紹介してもらったりするなどの方法で簡単に問い合わせができます。

相見積りで最適な価格で工事を依頼できたり、信頼できる優良業者を選択できたりすることが可能です。これまでの施工事例や第三者の声なども参考に検討すると良いでしょう。

また、業者選びは、悪徳業者に引っかからないために慎重に検討する必要があります。不安や心配に感じる詳細があれば、メールや電話で理由を理解し、悩みを全て解決した上で依頼することが大切です。

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今回は、スレート屋根の概要やスレート屋根を補修するうえで覚えておきたい、修理方法や費用相場について解説しました。

スレート屋根の修理を業者に依頼する際は、スレート屋根の基礎知識をある程度把握したうえで、正確な見積もりを出してくれる業者を探すのがおすすめです。

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