今回Zehitomoよりご紹介するのは、ランナー、そしてランニングインストラクターとしても活躍する前川さんです。長年ランナーの前川さんは、現在スリランカで仕事をしながら、ご自身のスポーツウエアブランドを立ち上げる準備をしています。
海外に拠点を置きながら、日本に帰国する際はZehitomoを活用するという前川さん。現在立ち上げているビジネスをはじめたきっかけや、Zehitomoの使い方についてお話を伺いました。
ランニングとの出会い
大学時代にランニングをはじめて「スルスルと体重が落ちた」
「8年前からほぼ毎日走っています。3年前からは、走るだけでなく筋肉トレーニングもしています。」もともと、高校生の頃までは太っていたと語る前川さん。陸上部だったわけでもなく、運動もせず、毎日ポテトチップスを食べていたそうです。
「大学に入ってからランニングを始めたのですが、みるみるやせ形になり、いつの間にか60kgあった体重が40kgにまで減りました。その頃は、スルスルと体重が落ちて、体型が変わっていく感覚が面白いなと思っていました。」
「当時、ランニングを続ける目的は痩せることでした。今振り返ると、笑顔で楽しく走っていたわけではなかったですね。」
米国滞在中の気づき
「アメリカに長く滞在していました。シェアハウスでも暮らして様々な国の人と友達になりましたが、アメリカにいる人たちはみんなそれぞれ違う体型、肌、髪をしていて、目の色も違っています。『様々な人種の人が共存していること』が当たり前の環境で生活をして『人によって美しいところは違う』と気づいたんです。みんな、自分の持つ長所をうまく見せていました。」
「『美しさが違うから、美しい人と全く同じようになりたい、どうして私は美しくないんだろう』と思うことと、『私の美しさはここ。だから、より美しく見えるように見せ方を工夫する』というのは違いますよね。」
そこで「自分の身体や生活を愛し、受け入れることも大切だと気づきました」と前川さんは言います。
「多くの日本人女性が『痩せていることこそが美しいことだ』と思っています。」と前川さん。「痩せていると綺麗だから、嫌だけどランニングや運動をはじめようと考える日本人女性は多いですが『痩せたら美しい』というわけではありません。人それぞれの美しさがあると思います。」
自分のやりたいこととの出会い
途上国の現状を知る
「元々、私は途上国開発に関する仕事をしていました。多くの案件や分野を担当する中で、特に、途上国の女性の教育や、女性の雇用拡大に熱意を注いで何かをしたいと考えている自分に気づきました。」と前川さん。
『女性は発言するべきではない、発言を控えるべきだ』という社会的な価値観が多い国は今もたくさんあります。先進国と呼ばれる日本もそうです。男女雇用機会均等法が施行されて現在に至っても、女性にとって働きやすい社会になっているとは言えません。
「地位や文化が違うと、女性はなかなか自分のスキルや、やりたいことを周りに伝えたり、声に出しにくかったりしがちです。女性のための選択肢を増やすことが、社会にとっても女性たち自身にとっても大事だと思います。」と前川さんは言います。
2つの気づきをビジネスに
「私は途上国女性の雇用問題と、日本人女性の自尊心の低さ、この2つを変えたいと思いました。うまく一つの流れにできたら、これこそ『私だからこそできること』だな、と。一石二鳥とは言いませんが、2つの問題を1つのビジネスにして、問題の解決にも繋げたいと考えました。」
女性に向けて、女性が作ったものを届ける
スリランカの民族衣装をベースにしたスポーツウエア
「私のスポーツブランドでは、スリランカの民族衣装をリサイクルしたり、スリランカ生産の生地を使い、現地女性のスキルを活かしてウエアをつくっています。日本人女性に『self love (美は多様性ありき。)』のメッセージを込めて送り出しています。
ウエアが売れることで、スリランカ女性の雇用拡大にもつながります。私が掲げたい“self love”というスローガンに賛同してくれる日本人に着てもらい、『あなたはあなたらしくていい』という考え方を広めたいです。」と前川さん。
「スリランカの生地で作られたユニークな商品そのものも素晴らしいのですが、それ以上に『スリランカ人女性の雇用を創出する』『自分自身を受け入れること』といった価値観に注目してもらうことも目的です。スリランカ女性と日本人女性が、遠くにいながらお互いを助け合う、そんな架け橋となるブランドを目指しています。」
スポーツウエアを通じて、日本とスリランカの女性が向き合う
実際の商品にはスリランカ女性から “self love/ accept yourself” などの手書きメッセージを添える予定だとのこと。(self loveは、前川さんのブランドでは『美は多様性ありき。』と表現され、『自分自身を愛そう』などとも翻訳されます。accept yourselfは『自分自身を受け入れよう』などと翻訳されます。)
「スポーツウエアのアパレルは数え切れないほどありますが、私のブランドは、生産側に雇用を創出するだけの一方通行の社会貢献ブランドではありません。ウエアを着用する日本人女性たち自身へも、自分らしさを愛してほしい、自主的に自律した行動を取ってほしいという価値観を提供しています。『手の差し出し合い』なんです。」と前川さん。
「商品自体も、スリランカらしいユニークさや、スリランカの地方独自の模様を取り入れるようにしています。大手メーカーでは見かけないようなデザインにこだわっています。」
女性に、自律して行動をしてほしい
「売り上げやビジネスとして成功することよりも、まずは生産側と使用側のそれぞれに『女性エンパワーメント』のメッセージをうまく伝えたいです。そしてウエアを生産する女性が、着用する女性を身近に感じられるように、着用する側が自分を受け入れ、愛することで起きた変化などをWebで投稿できるシステムにして、生産する女性に伝わるようにしたいと思っています。」と前川さん。
エンパワーメントとは英語でempowermentと書く。『自律的に行動する力を与えること』と日本語に翻訳されます。女性に自律的に行動する力を持ってほしいという思いが込められているだけではなく、着用することで行動に移し、表現する仕組みも整える予定だと言います。
「着用する女性も、生産する女性をを身近に感じるために手紙つきで販売しようと考えています。この商品を社会に提供することで、買う、買わないは関係なく、世の中の女性の社会問題(雇用や過剰なダイエット等)に気づいてくれる人を1人でも増やしたいです。」
前川さん流、Zehitomoの使い方
日本にいる間に、都合よく使うことができる
前川さんのように日本と海外を行き来しながら、日本にいる間にZehitomoでお客様とつながる、という使い方をするプロは多数います。
「他に仕事をかけもちしていても、たくさんの仕事依頼が来ていても、自分でどの依頼を引き受けるか否かを決められるためフレキシブルに使いやすいです。また通知もこまめにメールできますし、相手側(お客様側)の情報も端的にまとまっているので不安感も少ないです。
教える相手の、ランニングに向かう目的を変えたい
「日本には、昔の私がそうだったように、痩せることを目的にランニングをスタートする方が多いです。悪いことではありませんが、走っているうちに『楽しいから走る』、『ランニングをすると気持ちがいい』、『走るといい気分転換になる』と笑顔でポジティブになって自分のために取り組むスポーツにしてほしいです。」と前川さん。
「お客様がランニングを始める理由がなんであれ、私がランニングを指導させていただく方には、楽しむことを知ってほしいです。ランニングをすると仕事がスムーズにいくようになり、朝起きるときに辛くなくなり、スマホをいじらずに景色を見て走り心地いい時間を過ごすことができます。」
自分自身に起きたポジティブな変化を周囲の人にも経験してもらうため、ランニングの前向きな部分を共有したいと、前川さんは語ります。
Zehitomoには、プロ同士が出会う機会も提供してほしい
「Zehitomoには様々な業種のプロが登録をしているからこそ,多種多様な分野の人たちで集まれるセミナーやミーディングの開催があればいいなと思います。プロ同士が集まって自分の仕事や取り組んでいることのメリットを伝え合うことで、お互いにプロとしてZehitomoに登録していても、そこからお互いがお互いのお客様になるかもしれませんよね。
また、例え違う分野のプロ同士でも、お客様と接する方法など、アドバイスの交換をする場にもなるかなと思います。」
共感してくれる人との出会いを優先したい
「単純な顧客数の増加よりも、リピーターを増やしたいです。10人の単発の顧客よりも、3人のリピーターの方を大切にしたい。私の発信するメッセージ性に、本当に共感してくれる方を作ることを優先して、長くお付き合いができると嬉しいです。
「自分を受け入れて愛する」「美は多種多様である」「痩せてることがイコール美しいわけではない」というメッセージをより多くの方に賛同してもらい、女性雇用に関する問題意識を持つ人が多くなる、そんなインパクトを与えたいと思っています。」
熱意あふれる人には、お客様やリピーター、自身のビジネスも情熱的な展開になるのだろうな、そう思わせてもらえるインタビューでした。前川さん、ありがとうございました。
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