気温が高くなる真夏のランニング、気をつけたいのは熱中症対策です。熱中症を予防するために日陰の多いルートを選んで、自分のペースで無理せず走りましょう。ランニングの前・中・後には水分補給を忘れずに、服装は太陽光を吸収しづらい白がおすすめです。
目次
真夏のランニングの注意点
真夏のランニングで体温が上がりすぎると、熱中症になってしまいます。体温が上昇することで、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能がおかしくなったりすることが原因です。
具体的な症状としては、めまいや立ちくらみ(日射病)、頭痛や吐き気(熱疲労)、意識障害やけいれん(熱射病)などがあります。 熱中症になっても、軽症だとあまり自覚がない場合があります。そのままにしていると悪化してしまう可能性があるので油断は禁物です。もしランニングの最中にこのような症状が現れたら、無理をせずすぐに休みましょう。
熱中症の原因
熱中症になる主な原因として、環境と身体の状態があげられます。この2つの要因が重なると熱中症になりやすくなるので特に注意が必要です。
環境
- ・気温や湿度が高い
- ・日差しや照り返しが強い
- ・風が弱い
気温だけではなく、湿度にも注意が必要です。気温が低いからといって油断していると湿度が原因で熱中症になってしまことがあります。
身体の状態
- ・体内に熱が蓄積されている
- ・身体が暑さに慣れていない
- ・疲労の蓄積や寝不足
身体の状態によって熱中症になる可能性も変わってきます。他の人が大丈夫そうだからといって無理をしてはいけません。自分の身体の状態がどうなのか、常に意識するようにしましょう。
予防方法
熱中症を予防するためには、環境の要因と身体の状態に対して、それぞれ対策をする必要があります。環境の要因に関しては、ランニングをする時間や場所、ペースなどの走り方を工夫しましょう。
身体の状態に関しては、服装や冷感グッズ、水分補給などの暑さ対策を徹底すことが効果的です。これからそれぞれの工夫や対策について詳しく説明していきます。
最適な時間帯
真夏のランニングに最適な時間帯は朝or夜です。日中(10~16時)は気温が35℃を超えることもあるので、できるだけ避けましょう。朝と夜のランニングにはそれぞれメリットとデメリットがあるので、自分に合った方を選んでください。
朝
太陽が昇ってくると気温は上がり始めます。一日の中で一番気温が低いのは日の出前後なので、理想は4~6時くらいです。遅くても気温が本格的に上がる前の8時までに、ランニングをするようにしましょう。 朝のランニングのメリットは、何と言っても涼しいことです。夜も日中に比べると涼しいですが、日中に上がった気温が下がるまでに時間がかかるので、朝よりは涼しくなりません。 デメリットは、朝早く起きなければいけないということです。早起きが苦でない人は問題ありませんが、仕事に行く前に早起きしてランニングをするのは大変だと感じる人も多いと思います。
夜
夜は20時以降がおすすめです。夏の日の入はだいたい19時前後なので、日の入直後よりも1時間ほど経った20時以降がいいでしょう。 夜のランニングのメリットは、朝のデメリットの逆で、走る時間を確保しやすいことです。仕事が終わった後であれば、ランニングをしたら帰ってすぐに寝ることもできます。 デメリットは、防犯上の問題があるということです。
特に女性の場合は、夜道を1人で走るのは不安という方もいるでしょう。その場合は、できるだけ明るくて人の多いルートを選んだり、家族や友人と一緒に走ったりするなどの工夫が必要です。
最適な場所とペース
真夏のランニングは時間帯だけ気を付けていればいい訳ではありません。走る場所やペースも工夫する必要があります。
日陰のある場所
ランニングをするときは、直射日光を避けられる場所を選びましょう。日陰のある公園や森林、高架下などがおすすめです。一番よくないのは、日陰も緑もないアスファルトで舗装された道です。
日中でなければ、場所は関係ないと思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。体感温度は周りに緑があるだけで下がりますし、少し風があるだけでも変わってきます。朝晩も、周りを建物に囲まれた風通しの悪いルートよりも、緑が多くて風通しのよいルートを選びましょう。
自分に合ったペース
屋外でランニングをするとき鍵を握るのは、滞在時間です。やはり、屋外での滞在時間が長くなると熱中症のリスクが高くなってしまいます。理想的なのは、短時間・高負荷のランニングです。坂道や階段などのアップダウンの多いコースを走ったり、ダッシュとジョギングを交互に行うインターバル走を行ったりしましょう。
どちらも短時間で効果的に心肺機能や筋力を鍛えることができます。 どうしても長時間走りたい場合は、普段よりも遅いペースで走ることを心掛けましょう。身体にあまり負担をかけないように、適度に休憩しながら、体調に合わせてペースを調整してください。低負荷のランニングでも持久力やスタミナをつけることはできます。
暑さ対策
走り方以外に工夫できる暑さ対策を紹介します。服装や冷感グッズ、水分補給の仕方など主に身体の状態に関する対策です。さらに、紫外線対策として日焼け止めについても説明します。
ランニングスタイル
服装は全体的に日光を吸収しづらい白などの薄い色がおすすめです。黒などの濃い色は太陽光を吸収して熱くなってしまいます。また、身体に熱が蓄積されないように、できるだけ肌を露出した格好の方がいいでしょう。ただし、その際は日焼け止めを塗るなどの紫外線対策が必要です。
高機能ウエア
男性も女性も、半袖のTシャツにショートパンツやハーフパンツを合わせれば問題ありません。ウエアは好きなメーカーのものでいいですが、機能性の高いものがおすすめです。
通気性が高く速乾性に優れたウエアにしましょう。通気性が高いと身体の熱をうまく外に逃がしてくれます。速乾性が高いとたくさん汗をかいても安心です。
また、紫外線が気になる方は衣類の紫外線保護指数であるUPFの高いものを選びましょう。UPF○○という表示は、その服が紫外線を○○分の1までカットする効果があるのかを示します。
白い帽子
帽子は服装の中で一番直射日光を浴びるので、太陽光を吸収しづらい白がおすすめです。ウエアと同じく、通気性と速乾性が高いメッシュ構造のものなどがいいでしょう。日よけがついているものであれば、首を日焼けから守ることができます。
レンズの黒いサングラス
サングラスは目に入る紫外線を減らすだけではなく、夏の強い日差しも軽減して視界を確保してくれます。服装とは反対に、レンズの色は黒などの濃い色のものがおすすめです。オレンジやイエローなどの明るい色は、まぶしさをあまり軽減してくれません。
日焼け止め
日焼け止めは直接的な暑さ対策にはなりませんが、紫外線対策としてランニングには欠かせません。日焼け止めには、SPFとPAという2種類の紫外線防御指数があります。
SPFとPAの数値が大きくなると、効果の持続時間が長くなります。ただし、数値が大きくなると肌への負担も増えるので注意が必要です。屋外のランニングであれば、SPF30&PA+++程度あれば十分でしょう。 肌へあまり負担をかけたくないという方は、アームカバーをしたり、薄手のパーカーを羽織ったりすることでも日焼けを防止できます。
冷感グッズ
冷感グッズを身につけていると、暑くても快適に走ることができるのでおすすめです。手・首・背中に装着して、直接体温を下げることができる冷感グッズを1つずつ紹介します。
手を冷やしたい→コアクーラー
コアクーラーは、デサントが販売しているグローブ型の冷感グッズです。専用保冷剤をグローブに入れて使います。手のひらにある体温調節をする血管を冷やすことで、体温が下がる仕組みです。 手のひらを覆っているだけなので、着用しても手の操作性が失われないことが特徴です。
また、メッシュ素材でできているため、ランニングをする際にも適しています。 価格は3,000円程度でネッククーラーとほとんど変わらないので、気になった人はぜひ使ってみてください。
首を冷やしたい→ネッククーラー
体温の上昇を防ぐためには、首などの血管が集中している部分を冷やすことが効果的です。ネッククーラーは首に掛ける扇風機で、安いものであれば3,000円程度で購入することができます。
ネッククーラーが高いと感じる方は、1,000円程度で購入できる冷感タオルがおすすめです。水に濡らして首に巻くだけなので、どなたでも簡単に使うことができます。
他にも、保冷剤や氷などをタオルやバンダナで首に巻くことも効果的です。ただし、低温やけど(凍傷)にならないように、直接肌に当てたり、長時間使用したりはしないでください。
背中を冷やしたい→アイスベスト
アイスベストは、背中や両脇の部分に保冷剤を入れて体温を下げる冷感グッズです。
メーカーにもよりますが、5,000円前後で購入できます。背中だけのものであれば、1,000~3,000円程度です。
1~2時間程度のランニングであれば十分効果は持続します。また、断熱シートでできているので、ランニング中ずっと着用していても低温やけどになる心配はほとんどありません。身体を冷却するために、走る前や後に使うのも効果的です。
水分補給
水分補給は熱中症対策の中でも一番重要です。
暑い日に1時間ほどランニングをすると約1リットルの汗をかくと言われています。水分補給は、ランニング中と後だけではなく、ランニング前にもするようにしましょう。 ランニングをする30分ほど前には、最低でも200ミリリットルの水分をとるようにしてください。
ランニング中は少量の水分をこまめにとることがポイントです。 汗をかくと体内からミネラルが流出してしまうので、ミネラル補給もできるスポーツドリンクがおすすめ。スポーツドリンクは水よりも吸収速度が早いので、ランニング中と後に飲むといいでしょう。 ランニングポーチに小さ目のペットボトルを入れたり、ハンドボトルを使ったりするとストレスなく水分を持ち運ぶことができます。
Zehitomoからランニングレッスンを依頼してみる
「自己流では少し心配…」という方は、Zehitomoからランニングレッスンを依頼してみてはいかがでしょうか。 いくつかの質問に回答して依頼を出すと、条件に合ったプロとすぐにマッチングできます。真夏にランニングをする際におすすめのルートや、プロが行っている暑さ対策なども教えてもらうことができるでしょう。依頼は無料で出すことができるので、気になった方は前向きに検討してみてください。
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