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  6. 防音室を作りたい!費用相場や選び方のコツは?
2022/11/05 2024/04/10

自宅で楽器の演奏やホームシアターを楽しみたいけれど、騒音で周囲に迷惑がかからないか気になっていませんか。安心して大きな音を出したいのであれば、防音室を設置するのがおすすめです。

防音室の種類や目的によって工事の値段が変わるため、費用相場や価格を決める要素を理解しておきましょう。この記事では、防音室の値段や工事の種類、リフォーム時の注意点などを解説します。

防音室を設置するリフォームの費用相場一覧

住宅に防音室を設置する場合は、種類によって費用相場が異なります。以下は、防音室の種類ごとの費用相場です。

【使用目的別の防音室の費用相場】

防音室の種類費用相場(1部屋あたり)
ピアノの練習用97万円〜400万円
ドラムの練習用200万円〜550万円
ホームシアター150万円〜300万円
組み立て式防音室45〜300万円

また、防音室のリフォーム費用を決めるポイントは以下の通りです。

  • 防音の目的
  • 施工方法
  • 大きな音を出す時間帯
  • 部屋の大きさ
  • 建物の構造

一般的に、必要な防音性能が高いほどリフォームの価格も高額になります。たとえば、話し声やペットの鳴き声が気にならない程度の防音であれば、大掛かりなリフォームは不要でしょう。壁や窓などの一部分の工事で済むため、リフォーム費用を抑えられます。

楽器の練習やホームシアターを安心して楽しみたい場合には、高い防音性能が求められます。部屋の一部分の防音工事だけではなく、天井などを含む一室丸ごとのリフォームや、組み立て式防音室の設置が必要となるでしょう。

夜間も大きな音を出したい場合はより高い防音性能が必要なため、さらに費用が高くなる傾向があります。

リフォーム費用は施工範囲によって差があり、部屋の面積が大きいほど高額になる点にも注意が必要です。また、建材ごとに遮音性能が異なるため、建物の構造もリフォーム費用に影響します。

コストを抑えて防音したいのであれば、防音効果のあるカーペットを敷く方法などを検討してみてください。より高い防音性能が必要な場合は、一室丸ごとのリフォームよりも、組み立て式防音室を設置するほうがコストを抑えられます。

防音室の工事費用は個々の状況に応じて変わってくるため、目的に合わせて種類や施工方法を決めることが大切です。

防音工事は建物の構造や性能によって費用が変わる

防音室の設置工事の内容や費用は、建物に用いられる建材の種類と防音性能のレベルによって異なります。防音室の性能は自分で選べますが、建物の構造は自由に変更できないため、構造ごとの費用相場を理解しておくことが肝要です。

施工時の価格が上がりやすい構造の特徴として、以下の2点が挙げられます。

  • 気密性・防音性が低い
  • 躯体の建材の重量が軽い

RC造(鉄筋コンクリート)は気密性と防音性が高く、建材の重量が重いため、防音工事にかかる費用は比較的安くなります。一方で、もともとの遮音性能が低い木造は、防音工事のコストが割高になりがちです。

RCマンションの場合

RCマンションで防音室の設置工事を施工する場合、部屋の広さごとの費用相場は以下のとおりです。

【遮音等級】D(Dr)-65〜70
部屋の面積費用相場
6畳390万円
7畳420万円
8畳440万円

「D(Dr)値」は遮音等級のことで、dB(=空気中を伝わる音の大きさ)に対する遮音性能を表します。日本建築学会ではD値が、日本工業規格(JIS)ではDr値が用いられ、数字が大きくなるほど遮音性能が高いことを意味します。

仮定条件に用いた「D(Dr)-65〜70」は、通常では音が聞こえないレベルの遮音等級です。遮音性能が高く、電子ドラムのように音が大きな楽器も安心して演奏できます。

木造住宅の場合

木造住宅で防音室の設置工事を施工する場合、RCマンションよりも価格が上がるのが一般的です。部屋の広さごとの費用相場は、以下を参考にしてください。

【遮音等級】D(Dr)-65〜70
部屋の面積費用相場
6畳410万円
7畳440万円
8畳450万円

防音室の工事の種類

防音室の種類は、「ユニットタイプ」と「リフォームタイプ」の2つに大別されます。それぞれ特徴が異なるため、メリット・デメリットを理解しておきましょう。

ユニットタイプ

ユニットタイプとは、組み立て式防音室のことです。専用部材を組み合わせるだけで設置できるため、天井や床に穴を開けるようなリフォーム工事を依頼する必要がありません。

商品によっては自分で組み立てられるものもあり、施工にかかるコストを抑えられるのがメリットです。

コンパクトな商品を選べば、狭い部屋やスペースが限られるマンションなどでも設置できます。引っ越し時に分解して移動させられる点も、リフォームにはない利点といえるでしょう。

一方で、高い遮音性能は期待できない点には注意が必要です。ユニットタイプの遮音等級は、高くてもD(Dr)値-35〜40程度とされています。

この値は、ピアノなどの楽器を演奏した際に、どのような曲か判別できる程度です。遮音性能がそれほど高くないため、音楽スタジオのように音を完璧に防ぐのは難しいでしょう。

リフォームタイプ

リフォームタイプの防音室とは、床や壁、天井などを防音仕様に工事する方法です。主な施工内容として、以下が挙げられます。

床の防音リフォーム防音機能つきの床材に張り替える
遮音マットや吸音材を床材の下に敷く
壁の防音リフォーム防音換気口に取り換える
遮音シートと吸音材を壁の中に入れる
窓の防音リフォーム防音機能付きの窓ガラスに取り換える
既存の窓の上に内窓を付ける
部屋の防音リフォーム一室丸ごと防音仕様にリフォームする

リフォームタイプの防音室は、ユニットタイプよりも高い防音効果が期待できます。施工内容によっては、まったく音漏れしないレベルの遮音等級を実現することも可能でしょう。

自宅でピアノなどの楽器を演奏したい方や、音楽スタジオのようなスペースが欲しい方にとってはメリットが大きいといえます。

一方で、ユニットタイプに比べてコストがかさむ点はデメリットです。なかでも一室丸ごとのリフォーム工事を依頼する場合は、工事費用が高額になる傾向があります。工期が長引きやすく、完成までに時間がかかる可能性があることも覚えておきましょう。

また、マンションによっては部屋のリフォームが禁止されており、管理組合の承認が得られない場合は工事ができません。リフォーム不可の物件をどうしても防音仕様にしたい場合は、ユニットタイプの防音室を検討する必要があるでしょう。

用途別必要な防音性能

防音室を設置する際に必要な防音性能は、室内で演奏したい楽器の種類によって差があります。なぜなら、楽器ごとに音の周波数帯(Hz)が異なり、防音設備が同じ部屋でも遮音可能な範囲に違いがあるからです。

また、防音室をホームシアターとして使う場合は、外部からの騒音対策ができる程度の防音性能が求められるでしょう。

用途や目的に対して防音性能が不足していると、音漏れなどの問題が起こりかねません。何のために防音室を設置したいのかを明確にしたうえで、必要な防音性能について考えることが大切です。

防音性能を検討する際の目安として、用途別の遮音等級や工事内容などを解説します。

ピアノ演奏

ピアノ演奏を目的として防音室を設置する場合、必要とされる遮音等級の目安はD-55以上です。

ピアノの一般的な音量は95dBのため、D-55以上であれば耳に届く音量が40dBとなります(=95dB−55dB)。40dBはささやき声程度の音量であり、日中であれば音漏れしてもそれほど気になりません。

ピアノ演奏を目的とした防音工事の主な内容には、「壁や天井に防音材を入れる」「防音窓や防音ドアを設置する」などが挙げられます。

また、ピアノのペダルを踏む際や弦を打つ際は、振動が下の階へ伝わるおそれがあります。演奏時の騒音対策をするためには、防音機能つきの床材を敷くのも有効です。

ピアノ演奏のために室内を防音仕様にしたい場合は、ピアノの低音にも注意しなければいけません。波長の長さの違いにより、高音よりも低音のほうが遮音しにくいとされています。低音の音漏れを防ぐためには、吸音性や遮音性に優れた建材を使うのが賢明です。

ピアノは音域が広い楽器のため、防音性能のレベルによってはすべての音を防ぎきれません。静かにピアノを演奏したいのであれば、高音と低音の両方に対応できるように部屋をリフォームすることが大切です。

ドラム演奏

ドラム演奏時の一般的な音量は、100dBです。ピアノよりも音量が大きいため、さらに高い防音性能が求められます。室内を演奏に適した静かな状態にしつつ、周囲への騒音対策をするためには、目安としてD-65以上の遮音等級が必要です。

ドラム演奏のために部屋を防音仕様にしたい場合は、大掛かりな工事が発生することも覚えておきましょう。壁や床に防音材を入れるほか、天井や窓、ドアの工事も行われます。部屋を丸ごとリフォームする必要があり、工事によって部屋が狭くなることもあります。

また、ドラムの重低音は床などを通して響きやすいため、場合によっては部分的なコンクリート工事が必要です。

ホームシアター

ピアノなどの楽器を部屋で演奏する際と同様に、ホームシアターを作る際も高い防音性能が求められます。一般的に、映画館の爆発シーンなどの音量は90〜100dB、テレビ番組の音量は70dB前後です。自宅にホームシアターを作りたい場合は、D-60〜70前後の遮音等級を目安にするといいでしょう。

D-60〜70前後であれば、外部からの騒音対策もできるため、静かな室内でホームシアターを楽しめます。

より吸音性を高めるためには、「既存の窓の上に内窓を付ける」「ダクトからの音漏れを防ぐ」などの工事を行います。そのほか、ドアや窓、天井などの防音工事も必要です。

リフォームを行う時の注意点

自宅の部屋を防音仕様にリフォームする際の注意点として、以下の2点が挙げられます。

  • 管理規約を確認する
  • 防音室工事の経験を持つ業者に依頼する

管理規約を確認する

マンションにお住まいの方が防音室の工事を検討する際は、はじめに管理規約を確認することが重要です。多くのケースでは、個人による共用部のリフォームは禁止されています。

ピアノなどの楽器演奏やホームシアターのために防音室を設置したくても、管理規約によっては思ったような施工ができません。無断でリフォームをすると、面倒なトラブルに発展する可能性があるため注意しましょう。

管理組合への交渉次第では、リフォームを許可してもらえることがあります。管理規約をきちんと確認したうえで、防音室を作りたい場合は管理組合に相談してみるのがおすすめです。

防音室工事の経験を持つ業者に依頼する

防音室の設置を業者に依頼する際は、施工実績が豊富かどうかをチェックすることが大切です。防音工事の施工経験が少ない業者に依頼すると、想定よりも防音性能が低い仕上がりになる可能性があります。

その結果、音漏れなどのトラブルが発生してしまい、追加でリフォームが必要となることも考えられるでしょう。

防音工事に特化した業者を選ぶほか、「遮音性能保証」の有無も注目すべきポイントです。遮音性能保証とは、防音室の完成後に遮音性能の測定を行い、防音室としての遮音性を満たしていると保証する制度です。

保証制度を提供している業者であれば、完成後の音漏れのリスクなどを防止しやすくなります。防音工事の専門知識を有しているのはもちろんのこと、保証サービスも行き届いた業者を選ぶのがおすすめです。

ゼヒトモで防音工事業者のプロを探す

防音室の設置工事の値段は、防音室の種類や防音の目的などによって異なります。費用を抑えて防音工事をするためには、防音室の用途を明確にしたうえで、必要な防音性能から工事の内容を検討しましょう。

また、マンションの管理規約を確認したり、防音工事に特化した業者を探したりすることも大切です。

  • 防音室を設置する際の値段について相談したい
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