本記事では、畳の張り替え費用の相場についてご紹介します。畳の種類や特徴、畳張り替えの専門業者の選び方、費用を安く抑えるコツもお伝えしますので、自宅の畳の張り替えを検討している方はぜひ参考にしてください。
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畳の張り替えにかかる費用相場
畳の張り替えには3種類あり、それぞれの料金と張り替え時期の目安は異なります。ここでは、張り替えに必要な費用相場について解説しますので、予算を決める際の参考にしてください。
畳の張り替え方法は「新調」「表替え」「裏返し」の3つ
和室の畳を張り替える方法は、畳を交換する「新調」と表面部分だけを張り替える「表替え」、畳の表側をひっくり返して再利用する「裏返し」の3種類です。
それぞれ、標準の相場と張り替え時期の目安についてご紹介します。
新調:約10,000〜22,000円(一畳あたり)
新調の場合、一畳あたりの交換費用は約10,000〜22,000円となります。
新調とは、畳表・畳床・畳縁といった素材のすべてを新しくする方法です。畳床は裏返しや表替えをしながら長く使いますが、ある程度の期間が経過したら交換が必要になります。施工を判断する目安は使用年数が10年経過したあたりですが、それ以前でもカビが発生した場合や日焼けや掃除機がけで下地板が傷んだ場合は新調が必要です。
畳を新調することで、見た目も良くなります。障子などの建具も合わせてリフォームすれば、高級感のある和室になるでしょう。
新調にかかる張替時期と畳数別の費用相場、所要時間は以下のとおりです。
張替時期の目安 | 約10〜15年 |
価格(処分費用含む) | 1畳:約10,000〜22,000円 6畳:約60,000~132,000円 8畳:約80,000~176,000円 |
所要時間 | 1日 |
表替え:約6,000〜15,000円(一畳あたり)
表替えの場合、一畳あたりの張り替え費用は約6,000〜15,000円となります。
表替えとは、畳床は既存の物を使用し、畳表と畳縁を新しいものに取り替える方法です。すでに裏返しを依頼して施工しているときや、使用開始から5年以上経過している場合に行います。畳床の部分がきれいな状態であれば、何度でも表替えが可能です。
表替えの場合は一度作業場に持ち込み、畳表を外して新規に張り替える作業が必要でとなります。
表替えにかかる張替時期と畳数別の費用相場、所要時間は以下のとおりです。
張替時期の目安 | 約4~7年 |
価格 | 1畳:約6,000〜15,000円 6畳:約36,000~90,000円 8畳:約48,000~120,000円 |
所要時間 | 2日~3日(既存畳の引き上げ~再設置まで) |
裏返し:約3,000~4,000円(一畳あたり)
裏返しの場合、一畳あたりの張り替え費用は約3,000~4,000円となります。
裏返しとは、現在使用している畳表を取り外し、裏面を利用する方法です。畳表のゴザの部分は両面使えるため、一度はがし、裏返して固定すれば表面を新品に近い状態に戻すことができます。
畳の表面に色褪せや擦れ・傷みなどがみられるようになったら、裏返しの施工を行うタイミングです。裏返しをすることで、数年間は快適な和室で過ごせるようになるでしょう。
裏返しを長期間行わないと裏側まで変色や損傷が進み、裏返しができなくなります。適切なタイミングで裏返しをすることが、畳を長持ちさせるコツです。
裏返しにかかる張り替えの時期と畳数別の費用相場、所要時間は以下のとおりです。
張替時期の目安 | 約2〜4年 |
価格 | 1畳:約3,000~4,000円 6畳:約18,000~24,000円 8畳:約24,000〜32,000円 |
所要時間 | 2日~3日(既存畳の引き上げ~再設置まで) |
畳の構造と特徴は?
畳には畳表(たたみおもて)・畳縁(たたみべり)・畳床(たたみどこ)の3つの種類があります。畳表は表面のゴザの部分のことで、畳床は畳の芯にあたる部分です。また、畳表の側面にある部分を畳縁といいます。
畳の交換や張り替え(畳替え)の前提として、それぞれの違いや特徴をみていきましょう。
畳表(たたみおもて)
畳表(たたみおもて)とは、表面のゴザのように編まれた部分です。従来の畳表は「い草」と呼ばれる植物と綿や麻で作られた経糸を材料にしていますが、近年では和紙などさまざまな材料が使われています。
「い草」で織られた畳表は和室の湿気を適度に吸収し、湿度を調整する働きがあります。消臭効果や空気清浄効果などもあります。長期間の使用で変化してきたら裏返しや表替え、交換などのメンテナンスが必要です。
畳表には、国産表と中国産表、化学表の3種類があります。それぞれの特徴や料金をみてみましょう。
畳表の種類 | 特徴 | 価格相場(1帖) |
国産表 | ・国産のい草を使用・弾力性、耐久性に優れている ・い草の香りが強い ・製造された地方によって見た目の色調が異なる | 約12,000〜25,000円 |
中国産表 | ・一般的な住宅の8割が中国産 ・価格が安い | 約6,000〜10,000円 |
化学表 | ・い草の代わりに和紙やポリプロピレンを使用 ・ダニやノミ、カビの発生を抑える ・撥水性があって汚れに強い・品質にばらつきがない | 約10,000〜18,000円 |
畳縁(たたみべり)
畳縁(たたみべり)とは、畳の側面にある布の部分です。畳表の角を補強したり畳の間にできる隙間をなくしたりする役割があります。
さまざまな種類の模様やデザインがあり、素材は綿や麻、化学繊維などから和室の雰囲気や予算に合わせて選べます。1枚約3,000円程度の価格で交換が可能です。
最近では、畳縁がないタイプの畳も人気を集めています。畳縁がないため洋室にも合わせやすく、おしゃれな見た目で和モダンな雰囲気のお部屋にすることができます。
縁なし畳の代表的なものが琉球畳です。半畳サイズの畳を市松模様に敷いたもので、フローリングの上に敷いて畳コーナーを作ることもできます。材料には大分県産の「い草」が使われており、費用は高めです。
畳床(たたみどこ)
畳床(たたみどこ)とは、和室の畳表を取り付ける床材のことです。畳床により、畳の弾力や機能性も左右されます。伝統的にはわらを使う製法で作られますが、最近はさまざまな素材の畳床も増えてきました。
畳床の交換時期は約10〜20年が目安で、お手入れ方法などでそれ以上寿命を延ばすことも可能です。
畳床は素材により「わら床」「わらサンドイッチ床」「建材床」の3種類に分けられます。畳表で隠れているため、見た目では違いがわからないかもしれません。
それぞれの特徴の解説や値段の目安は、以下のとおりです。
畳床の種類 | 特徴 | 価格相場 |
わら床 | ・従来からある畳床 ・感触が心地良い ・断熱効果や保温効果がある ・耐久性や弾力性がある | 約1万5,000~3万円 |
わらサンドイッチ床 | ・わらを一部分に使用した畳床 ・わらを一切使用せず、化学繊維のみ | 約1万~2万円 |
建材床 | ・安い料金で施工できる ・制作期間が短い ・ダニやカビが発生しにくい ・断熱性や防音性、耐久性がある | 約8,000~2万円 |
畳の張り替え費用を安く抑えるコツ
ここでは、リーズナブルに畳の張り替えを行うコツを説明します。
畳の購入と張り替えは同じ業者に依頼する
畳の張り替えは、畳を購入した畳店に依頼する方がお得になる場合があります。畳の購入価格と張り替え作業の費用がセットになったプランを用意されている畳店もあるためです。同時依頼により、割引になるケースも少なくありません。同じ業者に依頼することで、いろいろ便宜を図ってくれることもあるでしょう。
まずは業者に見積もりをお願いし、セットプランや割引があるかチェックしてみてください。いくつかの業者に見積もりを依頼し、割引になる場合の価格を比較してみることも大切です。
DIYはおすすめできない
費用を抑えようと、DIYを行うことはおすすめできません。表替えや裏返しを自力で行うと失敗する可能性があり、まだ使用できる畳が使えなくなってしまうこともあります。
失敗した畳は取り替える必要があるため、余計な費用がかかってしまうことも。結果として、業者に依頼するよりも、費用が高額になってしまうこともあります。
DIYで安く抑えたい場合は、置き畳がおすすめです。置き畳の設置には特別な道具や施工は必要なく、畳の交換に慣れていない場合でも失敗の恐れがありません。
ホームセンターやネットで豊富に販売されているため、安く抑えたい方におすすめです。
おすすめの置き畳
以下では、カインズ・ニトリで買えるおすすめの置き畳を紹介します。置き畳の設置を検討されている方はぜひ参考にしてください。
カインズ置き畳
名称 | 価格(税込) |
抗菌・防臭システム畳 82×164cm | 2,980円 |
抗菌・防臭 システム畳 82×82cm | 1,480円 |
水や汚れ拭き取りやすいシステム畳 チェックブラウン 58×58cm | 1,980円 |
水や汚れ拭き取りやすいシステム畳 チェックアイボリー 58×58cm | 1,980円 |
汚れに強い縁無システム畳 グレー 58×58cm | 1,980円 |
ニトリ置き畳
名称 | 価格(税込) |
ユニット畳 82×82cm(チェック f 82X82) | 1,990円 |
ユニット畳(ヘリナシ アツミs NA 55)幅55×奥行55×高さ2.6cm | 1,043円 |
い草を使用した4つ折り畳マットレス(シングル) | 6,990円 |
ユニットタタミ(ヘリナシ スクエアn BR 55) 幅55×奥行55×高さ1cm | 599円 |
い草×PP置き畳 綾瀬 2枚セット(ナチュラル) 幅82×奥行82×高さ2.5cm | 5,990円 |
無印良品置き畳
名称 | 価格(税込) |
イ草ユニット畳70×70 | 6,990円 |
イ草ユニット畳60×60 | 5,990円 |
畳の張り替え業者を選ぶ際のポイント
ここでは、信頼できる畳の張り替え業者の選び方を解説します。業者選びでご不安な方はぜひ参考にしてください。
相見積もりを比較する
見積もり依頼をする際は、複数の業者から相見積もりをとることが大切です。見積書には、単価や枚数、畳の素材・産地などの内訳が細かく記載されているかどうかもチェックしてください。「施工一式」など合計金額だけしか記載されていない場合、あまり信頼できる業者とはいえません。
見積もりでは料金を比較できるだけでなく、アフターサービスや下請けの有無なども確認できます。見積もりを依頼した際の対応も、信頼できる業者かどうかの判断材料になるでしょう。
施工実績や設立年数、口コミを確認する
実績や設立年数、口コミを確認することも、信頼できるリフォーム会社か見極めるポイントです。ホームページを確認し、張り替えの実績がどのくらいあるかを確認しましょう。
張り替えのほか、畳をフローリングにリフォームするなど幅広い施工を行っていることも、選ぶポイントになります。設立年数が長いほど実績を積んでいると判断できるため、同時に確認しておいてください。
また、ホームページで自社の工場設備を公開している場合も、納得して施工をお任せできる業者と判断できます。機械化された最新の設備を使うことで大量の生産ができ、仕入れコストが下がるため費用を安く抑えることができるかもしれません。
なお、依頼するときは「畳製作技能士」の資格があるかもチェックしましょう。そもそも、畳製作技能士の資格がないと張り替えはできません。畳製作技能士の1級を受験するには7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験が必要です。1級取得者がいるかどうかも、信頼できる業者を見分ける判断基準になるでしょう。
保証がしっかりしている会社を選ぶ
保証やアフターケアがしっかりしている業者かどうかも、大切なポイントです。業者によっては、張り替え後に一定期間の保証を設けている場合もあります。通常の使用でカビが発生したり損傷したりした場合には、無料で交換や再施工するといった内容が多いです。
また、定期的に畳の状態をチェックするなどのアフターサービスを行う業者もあります。電話で問い合わせたときの対応も信頼できる業者の判断材料になるため、チェックしておきましょう。
畳の張り替えを依頼するときの注意点
畳の張り替えを依頼する際には、いくつか注意したい点があります。張り替えを依頼する前に、次にご紹介する3点を確認しておきましょう。
新調するときは畳の処分費用がかかる
畳を新調するときは、施工費用とは別に畳の廃棄処分にかかる費用が必要です。処分費用の相場は、1畳あたり約2,500〜4,000円前後です。見積もりでは処分費用を含めた金額を記載する畳屋もあるため、よく確認しておいてください。
畳の交換では、畳縁に別途費用がかかる場合もあります。畳縁も、種類によって価格はさまざま。施工代金に含まれることもありますが、別に請求される場合はどのくらいの費用かを確認しておきましょう。
賃貸では原状回復義務がある
マンションなど賃貸物件で引っ越しをする際、畳の原状回復は基本的に貸主の負担です。国土交通省のガイドラインでも、故意・過失がなければ費用は貸主が払うのがルールとされています。経年劣化や自然損耗は、借主の原状回復の対象になりません。
ただし、うっかりシミや傷を作ってしまった場合は故意過失による損傷にあたり、借主が負担する必要があります。賃貸契約書で独自の取り決めをしている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
安さで畳を選ばない
畳の価格は幅広いですが、費用を抑えようと安いだけの理由で選ぶのは避けるようにしましょう。安価な畳は耐久性が劣る場合があり、すぐに傷んで交換しなければならなくなると、かえって費用が高くつくことになります。最近は中国産のい草を使った商品が国産よりも安く流通していますが、畳の製造工程が異なるため、国産と比べて仕上がりや使い心地、耐久性が異なるでしょう。
予算の関係で価格を抑えたい場合は、品質のチェックもしっかり行ってください。JAS2等品であることも、選ぶ際の基準になります。
畳表にはJAS規格が適用されており、特等〜2等までのグレードに分かれています。JAS2等の製品であれば価格も安く、一定基準を満たすことが証明されているため安心です。そのほか畳の品質については、交換の際に工事を依頼する施工業者に詳細を確認しましょう。
なお、畳を選ぶ際は、主な用途(タタミスペース等子供の昼寝や遊び場として使う、客間の場合和室の雰囲気をしっかり出したい、日焼けしやすい場所場合日焼けしにくい畳等)に応じて提案ができる知識を持った業者や職人に頼むことが重要です。
用途や使い方に応じた畳を選ぶことで今後の快適性やメンテナンスのしやすさが向上します。
畳は家の雰囲気を作る重要な素材のため、リフォームを検討する際は信頼がおける業者を選びましょう。
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本記事では、畳の張り替えにかかる費用相場や安く抑えるポイントをご紹介しました。畳を張り替える方法には、新調や表替え、裏返しの3つの方法があります。住宅の状態を確認し、適切なリフォームを見極めることが大切です。
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