ベランダ掃除をしないで放置すると、当然のことながら汚れがたまります。場合によっては、汚れがたまりすぎたことが原因でトラブルが起こることもあるため、注意が必要です。
この記事では、ベランダ掃除をしないことで起こるトラブルや、簡単にできる掃除方法をご紹介します。落ちにくい汚れを落とす工夫もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ベランダを掃除しないとどうなるのか
室内と比べると、ベランダの掃除は疎かになりがちです。特にほとんど使っていないベランダなら、掃除をしないまま長期間放置することも珍しくないでしょう。
しかし、ベランダの掃除は必要です。もしベランダを掃除しないで放置すると、次のような事柄が起こる可能性があります。
- 賃貸物件のベランダを放置するとトラブルに繋がる
- サビの発生や腐食に繋がる
- 排水溝の詰まりや悪臭の原因になる
- 虫が発生する原因になる
それぞれのトラブルについて解説します。
賃貸物件のベランダを放置するとトラブルに繋がる
賃貸物件に住んでいる場合、原状回復義務が課せられます。原状回復義務とは、経年劣化などの不可抗力の汚れや劣化を除き、入居したときの状態で退去することです。
国土交通省が定めた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(損耗等)を復旧すること」としています。
原状回復義務を果たさないときは、クリーニング代や修繕代などの費用が、退去費用に追加して請求されることもあります。たとえば、マンションのベランダを長期間掃除しないと頑固な汚れやカビ、コケが取れなくなってしまい、業者による掃除を実施するためのクリーニング代を請求されるかもしれません。
また、賃貸住宅・分譲住宅を問わず、集合住宅の場合、損害賠償問題に発展することもあります。たとえば、枯れ葉や土埃が排水溝に詰まって水漏れを起こすと、階下や隣近所の住宅や、廊下などの共有部分まで水浸しになることがあります。迷惑をかけるだけでなく、家財や住宅そのものに損害を与え、賠償責任を追及されるかもしれません。
サビの発生や腐食に繋がる
掃除をしないと、サビや腐食が生じることもあるかもしれません。たとえば、手すりの黒ずみを拭かないで放置すると、コーティング材がはげてしまい、湿気によりサビが発生することがあります。
また、床掃除をしないで置くと、床材が腐食し、もろくなってしまうことがあります。賃貸物件なら床材の張り替え費用を請求されることもあり、ベランダが広い場合は大変高額になるかもしれません。
排水溝の詰まりや悪臭の原因になる
枯葉や砂ぼこり、髪の毛、油汚れなどが排水溝にたまることがあります。すぐに掃除せずに放置すると詰まりの原因になり、雨が降るだけでも逆流したり、汚れがあふれたりするかもしれません。
また、さらに放置すると詰まったゴミが腐り、悪臭の原因になることがあります。近隣の住宅にも影響を及ぼすことがあるため、詰まる前に排水溝の掃除をしましょう。
虫が発生する原因になる
枯葉や砂ぼこりは雑菌の巣窟です。不衛生な状態になり、ベランダが過ごしにくい場所になってしまうかもしれません。鳥のフンや枯葉などには虫の卵がついていることもあり、虫が大量発生する可能性もあります。
なお、鳥のフンや枯葉には病原菌がついていることもあるため危険です。掃除をするときは使い捨ての手袋などを着用し、手で直接触らないようにしてください。
簡単!水なしでもできるベランダ掃除
ベランダ掃除は、水を使わない方法もあります。マンションやアパートなどの集合住宅では、ベランダに大量の水をまくと階下や近隣が水浸しになることもあるため、できれば水を使わない方法で掃除することがおすすめです。水を使う場合は、事前に一声かけて配慮するようにしましょう。
また、戸建て住宅で階下に洗濯物を干しているときなどは、万が一のトラブルを回避するためにも、水なしの方法でベランダの床掃除をするようにしてください。
なお、ベランダ掃除の頻度は決まっていませんが、手すり部分の拭き掃除や床をほうきで掃くのは、気がついたときにこまめに実施しましょう。一方、高圧洗浄機や水道水を使用して床や壁に付着した汚れを洗い流す大がかりな掃除は、半年に1回程度で問題ありません。
また、風や雨が強い日は、ベランダ掃除に向きません。風があまり吹かない穏やかな晴れの日や曇りの日に掃除をしてください。
【土や砂】掃除機で吸い取る
土や砂による汚れは、掃除機で吸い取るのもおすすめです。まずは次の道具を準備してください。
【道具】
- 掃除機
- ホウキ
- ちりとり
葉などの手で拾えるゴミは、拾っておきましょう。ホコリがついている可能性もあるため、マスクを着用し、ゴム手袋や使い捨ての手袋をしてから拾ってください。次に次の手順で掃除をしていきます。
【手順】
- ホウキとちりとりで全体的に掃除をする
- 掃除機で全体の土・砂を吸い取る
- エアコン室外機や植木鉢の周囲もきれいに掃除する
【土や砂】新聞紙を使う
雑巾で掃除をすると、洗う手間が必要です。新聞紙を濡らして絞り、雑巾代わりに使ってみてはいかがでしょうか。汚れたら捨て、新しく濡らした新聞紙で拭きます。次のグッズを用意してください。
【道具】
- 新聞紙
- 大きめのゴミ袋
- 水を入れたバケツ
掃除機やホウキで全体的な砂・土を取ってから、次の手順で掃除をしていきましょう。
【手順】
- バケツの中に新聞紙を浸し、軽く絞る
- 手すりや床を濡れた新聞紙で拭く
- 汚れたら捨て、次の新聞紙で拭く
落ちにくい汚れはちょっとした工夫で
排ガスや排水溝、鳥のフンなどの汚れなどの落ちにくい汚れには、身の回りのものを使って工夫して掃除をしましょう。簡単にできる掃除方法を紹介します。
なお、掃除をする前に、必ずマスクやゴーグルを着用し、ホコリや洗剤が体内に入り込まないように注意をしてください。また、汚れは直接手で触らないように、ゴム手袋や使い捨ての手袋を装着することも注意点です。
【排気ガスの汚れ】洗剤とブラシ
排気ガスや油汚れには、アルカリ性洗剤を使うと効果的に落とせます。次のものを準備してください。
【準備するもの】
- 重曹、セスキ炭酸ソーダ
- 水、スプレーボトル
- 雑巾、デッキブラシ、モップ、歯ブラシ
重曹小さじ1に水を100ml加えるて重曹水を作るか、セスキ炭酸ソーダ小さじに水500mlを加えてセスキ水を作ります。スプレーボトルに入れ、しっかりと溶かし切ってください。汚れが付着している部分に吹きかけ、絞った雑巾で拭き取ります。
汚れがしっかりと落ちないときは、次の手順でさらに掃除をしてください。
- スプレーを全体的にまいてから、デッキブラシやモップでこする
- 鉢植えの下などの細かなところは歯ブラシでこする
- 水をたっぷりと含ませた雑巾で拭いてから、固く絞った雑巾で再度拭いて洗剤を取る
【排水溝の汚れ】塩素系漂白剤
排水溝の汚れには、カビキラーなどの塩素系漂白剤が便利です。次のものを準備しましょう。
【準備するもの】
- カビ取り剤(塩素系漂白剤)
- スポンジ
- バケツ、水
賃貸住宅からの退去時には、丁寧に掃除をする必要があります。次の手順で排水溝の汚れを落とし切ってください。
- カビ取り剤をスプレーでまく
- スポンジでこする
- スポンジが汚れたらバケツに入った水ですすぎ、再度こする
【鳥のフン】濡らしたキッチンペーパーやクエン酸水
鳥のフンが手すりや床についているときは、しっかりと撤去しておきましょう。フンの中に病原菌が潜んでいることもあるため、使い捨ての手袋を装着し、ゴーグル・マスクで身体を守ってください。以下のものを準備します。
- 中性洗剤、重曹、クエン酸
- 水、バケツ
- キッチンペーパー、デッキブラシ、歯ブラシ
まずは中性洗剤を少し含ませた水でキッチンペーパーを濡らし、汚れている部分を拭きます。汚れが落ちにくい場所は、お湯を使うようにしましょう。ただし、熱湯はやけどをするため、ぬるま湯程度にしてください。それでも汚れが落ちないときは、次の手順で掃除をします。
- 汚れている部分に直接重曹(粉末)をまく
- その上にクエン酸を溶かした水をまく
- 発泡が収まって落ち着いた状態になるまで待ち、デッキブラシや歯ブラシでこする
仕上げにアルコールスプレーをしておくと、カビが付着しにくくなります。湿度が高くなりがちな場所は、しっかりと水気を拭いてから、アルコールスプレーをまいておきましょう。
また、鳥の巣ができているときは、勝手に駆除をせず、専門業者に依頼してください。そのほかにも、集合住宅には細かなルールがあるため、掃除前に管理規約を確認しておきましょう。
専門業者にベランダ掃除を依頼する
ベランダ掃除は手間がかかり、また、長期間放置することで、さらに汚れが落ちにくくなってしまいます。掃除が大変だと感じる方や時間が取れない方は、無理に自分でするのではなく、専門のハウスクリーニング業者への相談がオススメです。
プロに依頼をすることで、より美しくベランダを手入れできるだけでなく、高所や狭所なども安全に掃除できます。ベランダの屋根部分や室外機裏などが気になる方も、プロに相談してみてはいかがでしょうか。
また、「水をあまり利用しないでほしい」や「騒音が出ないようにしてほしい」などのリクエストも可能です。マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの場合は、トラブル回避のためにもプロに相談してみましょう。
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