在来工法の浴室・脱衣所の壁が劣化している、洗面台などの水回りも含めた戸建ての在来浴室をキレイに一新したいと考えたとき、壁紙の張り替えといった簡単なリメイクから検討する方も多いでしょう。
今回は、住まいや入浴時間の充実をバスルームの壁紙リフォームを通じて実現したい方に向けて、おすすめの素材や選び方について徹底解説します。また、浴室の壁紙を張り替えてもらう業者選びに失敗しないため、比較検討するうえで覚えておきたい、費用相場などの情報もまとめているので、ぜひチェックのうえ専門業者に問い合わせください。
乾工務店株式会社
浴室の壁のみリフォームすることは可能?
浴室の壁のみのリフォームは可能です。専用のパネルを使ったり新しい壁材を貼ったりすれば、壁のみの部分的な改装も気軽に実現できます。壁の汚れが目立つ場合や壁紙のデザインを変更したい場合に向いているでしょう。
しかし、浴室の壁だけをリフォームする事例はあまりありません。床に使用する床材や天井、浴槽のバランス釜も含めてトータルでリフォームすることが多い傾向にあります。
浴室全体をリフォームしたほうが費用が安くなる可能性もあるので、どちらが安いか比較したうえで検討するようにしてください。なおリフォーム費用は、使用する壁材のタイプや浴室のサイズによって変わります。
浴室の壁紙に人気の素材
浴室の壁紙に人気の素材は主に以下の3つで、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
- パネル(樹脂系)
- シート(フィルム)
- タイル
素材ごとのおすすめメーカーや商品も併せて紹介するので、以下で確認していきましょう。
パネル(樹脂系)
耐久性と防水性の高さから人気を集めるのが「樹脂系の壁パネル」です。樹脂パネルは湿気や水分に強く、カビの発生を防ぐ効果が期待できます。取り扱いやすく施工も比較的簡単なので、DIYでも張り替えやすいのがメリットです。
特にアルミと樹脂を組み合わせた化粧パネルは、耐久性に優れているためひび割れにくく、メンテナンスも容易に行えます。樹脂素材はユニットバスで好まれる傾向にあり、集合住宅でもよく見られる壁材です。汚れにくい性質を持っているため、浴室に最適と言えるでしょう。
なお樹脂系パネルを購入する際は、以下のおすすめ製品を参考にしてください。
シート(フィルム・リメイクシート)
浴室専用のカッティングシートは、簡単に壁に張れるのが魅力です。例えば塩化ビニル製のシートフィルムは浴室用の壁紙として機能し、張り付き済みのタイルやパネルを解体撤去せず、接着剤でそのまま後付けができます。タイルや既存のパネルの上にそのままセットするだけでOKなので、DIY初心者でも挑戦しやすいでしょう。
またシートタイプは、手軽に取り付けられるだけでなく、手入れや原状回復(マンション・賃貸に必要な補修)が容易なのも特徴です。そのため、浴室の雰囲気を簡単にリニューアルしたいときに適しています。
在来浴室のほかユニットバスの壁にも使われており、汚れが簡単に拭き取れるため、清潔に保ちやすいのがメリットです。浴室の壁におすすめのシート(フィルム)は、以下のメーカーから販売されています。
上記を参考に、シートのグレードや本体価格を比較のうえ、おおよその目安をつけておきましょう。
タイル
フロアタイルとは別に、壁用のタイルも存在します。湿気や水に強いため、浴室のような湿度の高い環境でも安心して使用可能です。水垢やカビが繁殖しても清掃が容易なので、腐食を防ぎやすいでしょう。
またタイルには、シンプルな白いタイルからカラフルなモザイクタイル、高級感のある大理石調のタイルまで、多様なデザインとカラーが揃っています。好みや演出したい雰囲気に応じて選んでみましょう。耐久性に優れているので、長期にわたって美観を保持できるのも魅力です。
なお浴室の壁にタイル張りをする際は、専門家の手による施工が推奨されています。浴室の壁専用のコンクリートタイプのタイルなども、パネルやシートと同様数多くのメーカーやショップから生産・販売されているので、購入・注文の際の参考にしてください。
浴室の壁紙リフォームには塗装も施工方法としておすすめ
浴室の壁紙リフォームでは「塗装」も効果的な施工方法のひとつです。壁の表面を新しく塗り替えることで、浴室に清潔感と新鮮さを取り戻せます。特に既存の壁紙が劣化している場合やカビが発生している場合に有効です。
塗装修復では、まず壁の汚れやカビを除去し、表面を滑らかにする下地処理を行います。次に、塗料の密着を向上させるために専用のプライマーを塗ります。その後、防水性と耐久性を保護する中間層の塗料を施し、美しい外観を出すためのコーティング・トップコートを塗れば完了です。
壁紙の張り替えよりも費用を安価に抑えられるケースが多いので、予算が限られている場合に向いています。
ちなみに、浴室の壁塗装には防水加工の施された専用塗料の使用が必要です。湿度が高い浴室の壁のため、専門家による作業が推奨されます。
浴室の壁紙に使用する素材の選び方・基準
自宅の浴室を快適かつ綺麗にリフォームするには、風呂場に合った壁材を選ぶ必要があります。浴室の壁紙に使用する素材を選ぶときは、以下4つのポイントに着目してみましょう。
- 防水性
- 防汚性
- 防カビ性
- 色・デザイン性
それぞれ詳しく解説するので、ぜひチェックしてみてください。
防水性
浴室の壁材選びにおいて、防水性は最も重要な要素のひとつです。浴室は常に湿気や水分にさらされる場所なので、長期にわたって衛生的な環境を維持するには防水性が欠かせません。
防水性能を備えた壁材を選べば、シャワーの水分が原因となって発生する湿気の影響を抑えることができます。水はけが良いため水漏れも防ぎ、美しい見た目を長く保持できるでしょう。
防汚性
浴室用の壁紙の防汚性能は、湿度の高い環境下での汚れの抑制で大きな役割を果たします。清潔で衛生的な状態を保つためにも、防汚性は必ずチェックしておきましょう。
防汚性に優れた壁材であれば、浴室に汚れや水垢が付きにくくなり、水での拭き取りや掃除も容易に行えます。
防汚性の高い素材としては、撥水加工が施されたフィルムや樹脂系パネル、特殊なコーティングが施されたタイルなどがあります。水垢や水滴を防ぐことでカビの抑制にもつながるので、清掃の手間を省きたい方には防汚性の高い素材がおすすめです。
防カビ性
湿度が高い浴室ではカビが生じる可能性があるため、防カビ性能を持つ壁材を選ぶことが大切です。防カビ性を備えた壁材はカビの成長を阻害し、浴室を清潔に保つ効果が期待できます。
防カビ性が低い素材を選ぶと、カビが発生して見た目が悪くなるだけでなく、カビによる健康被害のリスクも高まるので注意しましょう。
浴室の壁材を選ぶ際は「防カビ加工が施されているか」はもちろん、抗菌コーティングが施されているかをチェックするのがおすすめです。これによってカビの繁殖を防ぎ、健康的な浴室環境を保つことができます。
色・デザイン性
壁紙の色やデザインは、浴室の雰囲気や印象を大きく左右します。浴室用の壁紙は、水分や湿気に対する耐性を持ちつつ美しいデザインやカラーのアイテムが豊富なので、自分の好みやインテリアに合うものを選びましょう。
色やデザイン性を考慮する際は、浴室の広さや自然光の入り具合も考慮するのがポイントです。例えば明るい色やシンプルなデザインは、浴室を広く見せる効果があります。一方で落ち着いた色や模様入りのデザインは、リラックス効果を高められるとされています。またアクセントカラーを取り入れれば、浴室に個性を加えることも可能です。
壁材の工夫次第では、多様なパターンや色合いを浴室に取り入れることができます。壁材を選ぶ際は、防水性や機能性(抗菌効果や断熱性能、耐熱対策やヒートショック対策など)に加え、さまざまなデザインを比較検討してみてください。
ユニットバスか在来浴室かによっても選べる壁材が異なる
ユニットバスと在来浴室では、それぞれの特性に応じた適切な壁材を選ぶことが大切です。まず大前提として、タイルタイプの壁材はユニットバスの壁には使用できません。タイルを選べるのは、在来浴室でのリフォームだけとなるため注意してください。
また、それぞれの浴室の構造や使用環境に応じて壁材を選ぶことも重要なポイント。ユニットバスは工場であらかじめ製造された部品を現場で組み立てる浴室で、防水性能や断熱性能が高いのが特徴です。壁面が平滑なので、比較的張りやすい樹脂パネルやフィルムシートが好まれる傾向にあります。
一方、在来浴室は現場で施工されるため設計の自由度が高いですが、防水対策や断熱対策が必要です。耐久性・耐水性に優れたタイルをはじめ、機能性重視で壁紙を選ぶと良いでしょう。
DIYで浴室の壁紙を張り替える方法
できるだけコストを抑えて浴室の壁紙を張り替えたいなら、DIYでの施工を検討してみましょう。ここでは、シート状の壁紙を張る手順を紹介します。
〈必要な道具〉
- 壁紙
- ヘラ
- スポンジまたはタオル
- カッター・ハサミ
- 定規・メジャー
- ブラシまたはローラー
- 壁紙専用の接着剤(浴室用)
- 雑巾やスポンジ
〈浴室の壁紙の張り替え手順〉
- 古い壁紙や汚れをしっかりと取り除き、水分を拭き取る
- 壁面の寸法を正確に測り、必要な壁紙の量を計算する
- 壁面の寸法に合わせてカットする ※張る場所より少し大きめにカットする
- 壁面に接着剤を均一に塗り、端から壁紙を張り付ける
- はみ出た壁紙をカットする
浴室の壁に直接壁紙を張る方法以外にも、シートをパネルに張ってから、そのパネルを壁に張る方法もあります。定期的に模様替えしたい方は、張って剥がせる浴室用シートなども検討してみましょう。
一見簡単そうに見えるDIYですが、思ったように上手く張れなかったり誤って壁の塗装を傷つけてしまったりするリスクもゼロではありません。基本的に、浴室の壁紙張り替えはプロの専門業者に依頼するようにしてください。
浴室の壁紙張り替えにかかる費用相場と施工期間
ここでは、浴室の壁紙張り替えにかかる費用相場と施工期間を「DIY施工の場合」と「専門業者に依頼した場合」の2パターンに分けて紹介します。
専門業者に依頼した場合は価格が高くなりますが、その分仕上がりが綺麗になるのがメリットです。以下で詳しく確認してみましょう。
DIY施工の場合の費用相場
DIYで浴室の壁紙を張り替える場合、施工費用は材料費や道具代のみで済むため、コストを大幅に抑えることができます。
壁紙自体の価格は、1平方メートルあたり数百円から数千円程度が相場です。接着剤や道具の費用を合わせても数千円程度で収まることが多いでしょう。なお壁紙の価格は、素材によって大きく変動するので注意が必要です。
作業の熟練度や壁面の状態にもよりますが、施工期間としては一般的に1日から2日程度が目安となります。事前に作業の流れを確認し、必要な道具を揃えておけば、スムーズに作業を進められるでしょう。
専門業者に依頼した場合の費用相場
専門業者に浴室の壁紙交換工事を依頼する場合は、素材の費用に加えて、施工・交換費用や人件費がかかります。壁材の種類によって費用が変動するので、以下で確認してみましょう。
壁材 | 費用相場 | 工期 |
パネル | 約15万円~25万円 | 約1~2日 |
シート | 約13万円~20万円 | 約1~2日 |
タイル | 約15万円~30万円 | 約2~3日 |
耐久性やデザインに優れた壁紙を選ぶと、その分価格が高くなります。具体的なコストを知りたい場合は、業者に見積もりを依頼することが大切です。
また、張替えの期間は壁のサイズや状態、業者の予定によって変動し、数時間で終わる場合もあれば、1日から数日かかることもあります。リフォーム期間中はお風呂に入れないため、事前に確認しておくようにしてください。
浴室の壁紙張り替えを業者に依頼するうえで覚えておくべきこと
浴室の壁紙張り替えを業者に依頼する際には、いくつかのポイントを押さえることが大切です。信頼できる業者を選び、施工費用を適切に抑えるためにも、事前に情報収集したうえで比較検討するようにしましょう。
以下では、業者の選び方と施工費用を安く抑える方法について詳しく解説します。
業者の選び方
浴室内部の壁紙張替えを行う業者を選ぶ際は、以下のポイント・ステップを考慮することが重要です。
- 実績と評価:業者の過去の施工実績や顧客からの評価を確認することでリスクを回避しやすいです。丁寧さなどに関する口コミ、レビュー、施工事例などをチェックしましょう。
- 技術と経験:業者のウェブサイトや提供される資料、施工例を基に、壁紙張替えに必要な技術力と経験の有無を確認します。
- 保証とサポート:施工後の保証やリフォーム後の施工不良といったトラブルに対するアフターサービスが十分かどうかも考慮する必要があります。問題が発生した場合の対応力を持つ業者を選ぶことで安心して依頼できます。
- 見積もりの比較:複数社に無料の相見積りを取り、コストや提供されるサービスを比較します。単に価格だけでなく、提供内容や信頼度も重視してください。
- 契約の詳細:契約内容、支払い条件、工事期間、使用する材料や材料費などの細部についても確認が必要です。不明な点や疑問があれば、業者に問い合わせることが大切です。
多少手間はかかるものの、上記のポイントを確認して選ぶことで、より信頼性の高い業者に依頼できます。施工不良に遭わないためにも、ぜひ業者選びの参考にしてください。
施工費用を安く抑える方法
浴室の壁紙の張替えにかかるコストを節約するには、次のような方法が有効です。全ての方法を実践するのは難しいですが、いくつか実践するだけでコストを安くできます。
- 見積もりの比較:複数の業者から見積もりを取得し、それらの価格とサービス内容を比較することで、適正価格の理解が深まります。また業者によってはキャンペーンやクーポンなどがあるため事前に確認しましょう。
- 依頼のタイミング:業者の需要が比較的少ない時期に貼付作業を依頼することで、割引や特別オファーを利用できることがあります。
- 部分張替えの検討:全面的な張替えではなく、必要な部分のみを対象にすることで、全体のコストを削減できます。
- DIYの検討:可能な範囲で自分で作業を行い、業者に依頼する作業量を減らすことも一つの方法です。ただし専門的な知識や技術が必要な作業のため、仕上がりが悪くなる可能性があります。
これらのアプローチを組み合わせることで、浴室の壁紙の張替えにかかる費用を効果的に抑えることが可能です。
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本記事では、リラックス空間である浴室の壁紙に人気の素材をはじめ、壁材の選び方や張り替え費用、業者選びのポイントなどをまとめて解説しました。
浴室の壁紙は水気が残った状態だと劣化しやすく、せっかくの浴室がリフレッシュ空間として機能しません。綺麗で快適なお風呂にするためにも、施工は信頼できる専門業者に依頼するのがおすすめです。
- 浴室に適した壁紙を専門的なノウハウを有した業者に張り替えてもらいたい
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プロのコメント
浴室は毎日入る大切なリラックス空間であるがゆえに慎重に考えたいですね。浴室はデザイン面だけでなく、防水性や防汚性等の考慮するべき大切なポイントもあることから、壁紙等専門のプロだけでなく、お家全体をお任せできるプロにアドバイスを求めるほうが安心できると思います。
防水面で不良があると大切なお家だけでなく集合住宅では下階や周りの方にも迷惑をかける場合があります。もちろん知識や経験や技術も大切ですが、修理やメンテナンス等の対応もプロを探す検討材料としてオススメ致します。
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