アクセントクロスとは、壁の一部に張る壁紙のことです。アクセントクロスを貼ることで部屋の印象を一気に変え、殺風景になりがちなリビングや廊下を自分の好みに合わせて自由にアレンジできます。
この記事では、アクセントクロスを検討している方に向けて、必要な情報を詳しく紹介しています。アクセントクロスのメリットやデメリット、費用相場、失敗しない選び方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

総合室内 東亜プランニング
アクセントクロスとは?

アクセントクロスとは、空間のアクセントとして用いる壁紙のことです。たとえば、リビングの壁の一面だけに別の色の壁紙を張ったり、玄関の飾り棚がある場所だけに柄のある壁紙を張ったりして使います。壁に張るだけでその場の雰囲気を変えられるので、新築住宅だけでなくリフォームの際にも人気のアイテムです。
なお、アクセントクロスという名前の特別な壁紙があるわけではありません。通常の壁紙をアクセント的に使うだけなので、特別な費用をかけず(※)に空間をおしゃれにすることができます。
アクセントクロスとして、インパクトの強い壁紙を選ぶのもおすすめです。気に入ったクロスが派手過ぎるというときでも、部屋の一部だけなら気軽に張ることができ個性も演出できます。
※リフォーム会社によっては、1つの部屋で複数の壁紙を用いると、張り分けの手間賃が加算されることもあります。
アクセントクロスのメリット

アクセントクロスのメリットは、費用を抑えて個性を演出できることだけではありません。他にも下記のようなメリットがあります。
- 部屋がおしゃれになる
- テーマ性を創り出せる
- 空間を広く見せられる
- 何回でもやり直せる
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
部屋がおしゃれになる
アクセントクロスを使うことで、部屋が一気におしゃれな印象になります。たとえば、部屋の一角をアジア風にしたい場合、家具と合わせたエキゾチックなクロスを張るだけで理想の空間が完成します。
輸入物や凹凸のある高級壁紙を選びたいときにも、アクセントクロスがおすすめです。部屋全体に高額な壁紙を張ると材料費だけでも費用が高くなってしまいますが、アクセントクロスならば低価格に抑えられます。
また、インパクトの強い壁紙を選ぶときも、アクセントクロスがおすすめ。個性的な壁紙を部屋全体に張るとコーディネートが難しくなりますが、アクセントクロスを一部だけに張れば、適度に個性をアピールできます。
テーマ性を創り出せる
ホワイト系やグレージュ系の単色の壁紙は、どんな家具でも合わせやすい点がメリット。しかし、モダンやカジュアルなどのテーマでコーディネートしたいときは、家具やカーテン、小物などの組み合わせ方を工夫しなくてはいけません。
一方、アクセントクロスを使えば、テーマ性を簡単に演出でき、空間全体の雰囲気を好みのスタイルに統一することが可能です。たとえば、「リゾート」をテーマにしたい場合、ボタニカルデザインのアクセントクロスを取り入れるだけで簡単に完成するでしょう。
インテリアコーディネートの仕上げとしても、ぜひアクセントクロスの利用を検討してみてください。
空間を広く見せられる
アクセントクロスを張ることで、空間にメリハリが生まれ、広々と見せることができます。トイレや洗面所、玄関、寝室などの狭さが気になるときは、アクセントクロスを上手に活用してみましょう。
たとえば、奥の壁に寒色系のアクセントクロスを張ると、実際よりも奥行きがあるように見えます。また、天井の低さが気になるときは、縦にラインの入ったデザインの壁紙や、ストライプ柄の壁紙を選んでみましょう。
部屋の幅が狭いときは、横にラインの入ったデザインの壁紙や、ボーダー柄の壁紙がおすすめです。壁紙の色や柄によって空間の印象が変わるので、壁紙ショールームのスタッフとも相談して適切な商品を選んでください。
やり直しがきく
アクセントクロスの良いところの1つが貼り直しが可能なこと。アクセントクロスは費用も安く、また最大でも1日あれば張替え作業も完了します。もし、一度貼ってしまったアクセントクロスが気に入らない場合は張替えするのがおすすめです。
ただし、元の壁の状態が悪いと貼り直すことが困難な場合があります。換気をしてカビの発生を防いだり、壁に傷やヒビ、穴を開けないなど日頃から気を付けておきましょう。
また、壁の状態がいい場合も5,6回張り直しをしてしまうと、前のアクセントクロスを取り除いたり壁に傷をつけてしまったりするため、2,3回を限度に考えておくと良いでしょう。
アクセントクロスのデメリット

メリットの多いアクセントクロスですが、もちろんデメリットも存在します。種類選びを間違えたり、張る場所が適切でなかったりすると、思うような空間に仕上げられないことにもなりかねません。特に次の2点には注意しましょう。
- 失敗すると落ち着かない空間になる
- 完成イメージがしづらい
それぞれのデメリットが生じるケースや回避する方法について説明します。
失敗すると落ち着かない空間になる
アクセントクロスを大胆なデザインにする場合は、その部屋だけでなく家全体のイメージと調和するかを考えておくことが大切です。
実際にテレビの後ろの壁に煉瓦風のアクセントクロスを貼ったために、テレビが見づらくなったという事例も。家具やカーテン、天井などとも合うか吟味しましょう。
アクセントクロスの割合にも注意が必要です。インパクトが強い壁紙をアクセントクロスとして選ぶ際、面積が狭すぎると唐突感が出てしまいます。壁全体の20~30%を目安(床や天井も含めて10~20%)に、狭すぎず広すぎない範囲でアクセントクロスを張るのがおすすめです。
アクセントクロスがどうしても空間に馴染まないときは、張り替えを検討してみましょう。メインクロスと同系色の壁紙を選び、壁全体の20~30%になるように張れば、大抵の場合は良い感じにまとまります。
また、メインクロスとアクセントクロスの彩度(トーンやくすみ具合)を統一することでも、失敗を回避しやすくなるでしょう。裏に糊がついたシールタイプの壁紙もあるので、費用を抑えたいときはDIYも検討できます。
完成イメージがしづらい
アクセントクロスを張った際の完成イメージがしづらいのも大きなデメリットです。
1種類だけの壁紙を張る場合、サンプルやカタログだけでも完成後のイメージを比較的容易に想像できます。壁紙メーカーで公開されている写真を見たり、実際にショールームへ足を運んだりすることでも、イメージとの乖離を減らせるでしょう。
しかし、壁紙を組み合わせた後のイメージについては、ホームページやショールームで確認することは難しいかもしれません。カタログと同じような組み合わせにしたとしても、部屋の形状や家具が異なると施工後の完成図も大きく異なります。
アクセントクロスとメインクロスが調和しないときや、イメージしたものと実物に乖離があるときは、アクセントクロスの張り替えも検討しましょう。ただし、壁紙を張ってから時間が経過している場合、新しくしたメインクロスが悪目立ちする可能性もあるので注意が必要です。
完成イメージが沸かない場合や、失敗が不安な方はまずプロに相談してみるのがおすすめです。
アクセントクロスの費用相場

グレードやメーカーにもよりますが、一般的な壁紙の価格は1㎡あたり1,000~2,000円です。6畳間の壁面積は約30㎡なので、20~30%の壁にアクセントクロスを張るとすれば壁紙代は6,000~18,000円となります。
リフォーム業者に依頼する場合は、工事費や下地処理費、廃材処分費として20,000~30,000円の追加料金が必要です。トータルで25,000~48,000円程度かかると考えておきましょう。
部屋の広さ | 壁の面積 | アクセントクロス | DIYの費用相場 | 業者の費用相場 |
6畳 | 約30㎡ | 約6~9㎡ | 約6,000~18,000円 | 約25,000~48,000円 |
8畳 | 約35㎡ | 約7~11㎡ | 約7,000~22,000円 | 約27,000~52,000円 |
10畳 | 約40㎡ | 約8~12㎡ | 約8,000~24,000円 | 約28,000~54,000円 |
12畳 | 約60㎡ | 約12~18㎡ | 約12,000~36,000円 | 約32,000~66,000円 |
DIYの場合は材料代だけで済みますが、ローラーやカッターなどの工具、場合によっては糊や刷毛などを用意しする必要があります。また、今までに壁紙を張ったことがない場合は、うまく張れずに数m分の壁紙を無駄にしてしまう可能性もあります。
とくに柄物の壁紙は、柄を合わせる技術が必要なため、初心者には難しいかもしれません。失敗してやり直しをするよりは、最初から業者に任せるほうが良いでしょう。
なお、壁紙の張り替えにかかる費用は、リフォーム業者によって異なります。無料見積もりを実施しているところもあるので、いくつかの業者から見積もりを取るのがおすすめです。費用だけでなく、実績や取り扱いメーカーなども比較してから依頼してみてください。
失敗しないための選び方のポイント

アクセントクロスで失敗をしないためにも、次の3つのポイントに注意しましょう。
- 色とバランスを意識する
- 部屋のテーマを決める
- 飽きないデザインや色を選ぶ
- 最適な面積を考える
それぞれのポイントに基づいた選び方を説明します。
色とバランスを意識する
アクセントクロスは、色選びが重要です。まずはメインカラーを決め、家全体のバランスや雰囲気に合ったアクセントクロスの色を選びましょう。また、アクセントクロスに期待する効果(高級感、インパクトなど)も決めておくと、選びやすくなります。
なお、バランスの取れた色は、必ずしも同系色とは限りません。メインクロスとアクセントクロスの色トーンが違い過ぎる場合は、アンバランスな印象になることもあります。アクセントクロスを決めるときは、色の系統だけでなくトーンやくすみ具合も確認するようにしましょう。
部屋のテーマを決める
部屋のテーマを決めると、アクセントクロスを選びやすくなります。たとえば、北欧風の家具が多いなら、北欧風のテキスタイルがプリントされた壁紙と相性が良いでしょう。
和室であれば、木目のアクセントクロスと調和しやすいです。持っている家具やカーテンのテイストに沿ったテーマを設定すると、統一感が生まれやすくなります。
飽きないデザインや色を選ぶ
派手な柄物をアクセントクロスにするのも良いのですが、飽きてしまう可能性があるので注意が必要です。リビングやトイレなどの家族で過ごす空間は、できればシンプルな印象のものを選びましょう。
各自の好みに合わせた個性的な柄物は、寝室などのプライベートな空間におすすめです。ただし、あまり濃い色を選ぶと部屋の印象が暗くなる恐れがあるので、慎重に考慮して決めましょう。
最適な面積を考える
アクセントクロスは壁全体の20~30%に張るのが一般的ですが、必ずしもそうとは限りません。
たとえば、トイレなどの狭い空間では、アクセントクロスの面積が20~30%だけでは物足りない可能性があります。反対にリビングなどの広い空間では、20~30%といってもかなり広くなるため、圧迫感を感じるかもしれません。
アクセントクロスを張りたい場所によって、最適な面積を考えるようにしましょう。
人気のあるカラーやデザインを紹介!

アクセントクロス選びで迷ったときは、人気の高いカラーやデザインを取り入れてみてはいかがでしょうか。人気のあるカラーやデザインは飽きがこづらく、大抵の家具やカーテンとも相性が良いことが多いです。
人気のあるカラー
落ち着いた雰囲気のグレー系が人気を獲得しています。特にモノトーンの家具が多い部屋には、ブルーグレーやライトグレーなどのグレー系と相性が良いでしょう。
ナチュラルな白木の家具が多い部屋なら、ブラウン系やグリーン系のアクセントクロスがおすすめ。トイレやクローゼットなどの狭い空間には、派手な原色系の色味も人気です。
人気のあるデザイン
定番の無地以外にも、レンガや木目、コンクリートなどの素材調のデザインが人気です。
リビングや寝室のアクセントクロスを決める際は、メインクロスの濃さを基準に一段濃い・薄いものを選ぶと収まりが良くなります。また、鮮やかな色を選ぶときは、時間経過とともに褪せることも考慮してトーンを決めましょう。
【場所別】人気のある組み合わせ
場所によっても、人気のアクセントクロスは異なります。おすすめの組み合わせは以下をご覧ください。
- リビング×木目調:飽きがこない組み合わせ
- 寝室×グレージュ:落ち着いた色味。ブルーグレーもおすすめ
- 玄関×レンガ調:高級感を演出
- トイレ×タイル調:清潔感を演出。グリーン系などもおすすめ
これからアクセントクロスを張りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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アクセントクロスを張ることで、よりおしゃれな雰囲気の空間を実現できます。人気のあるデザインやカラーを選べば失敗しづらいので、迷ったときはぜひ参考にしてください。
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プロからのコメント
アクセントクロスは部屋のイメージを大きく変えるもの。一枚の壁紙で部屋の印象が驚くほど変わることもあります。そのため、家全体の雰囲気や家具、ときには家の外観や依頼者の人柄等も考慮してクロスの提案をしています。
また、低価格で工事も数時間~長くても1日で終わるため、張り直しも可能です。自分の個性を出すことができるため、ぜひ遊び心をもって選んでほしいですね。

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