冷え性に悩んでいる方にとって、ヨガはからだ全体を内側から温め、血行を促進する効果的な方法です。ヨガのポーズや呼吸法を取り入れることで、末端まで血液がしっかりと巡り、冷え性の改善に役立ちます。
本記事では、ヨガが冷え性に効く理由やおすすめのポーズを解説。日常生活で簡単に実践できる方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ヨガは冷え性に効果的?冷えの原因とは
ヨガは、冷え性に効果があると言われています。ポーズを通じて血行が促進され、からだが内側から温まるためです。
また、からだを動かしながら呼吸を深めることで、自律神経が整い、冷え性の原因となるストレスの軽減にもつながります。
ここでは、まず冷えを引き起こす原因からみていきましょう。
冷えの原因1. 血流の悪化
貧血や低血圧により血液が足先や手先に十分に行き渡らないと、冷えを感じやすくなります。
冷えの原因2. 筋肉量の不足
筋肉は血液を心臓に戻すポンプの役割を担っているため、運動不足で筋肉量が減ると血流が悪くなります。男性に比べて女性の方が筋肉量が少ないので、冷えを感じやすいです。
冷えの原因3. 締め付けの強い服装
締め付けのきつい衣類やベルトなどが血流を妨げ、冷えを引き起こすことがあります。
冷えの原因4. 肌の露出
薄着や露出の多い服装を着用することによって、体温が下がりやすくなります。
冷えの原因5. 食事内容
栄養バランスの偏った食事や冷たい飲食物は、血流を悪化させ、からだを冷やします。
冷えの原因6. ストレス
ストレスによって自律神経が乱れると、血管が収縮し、血行不良が引き起こされます。
ヨガが冷え性に効果的とされる理由
ここでは、ヨガによって冷えの症状が緩和される主な理由を5つご紹介します。
(1)自律神経が整う
ヨガでは、ゆっくりと深い呼吸を意識しながらポーズをとります。これにより冷え性の原因のひとつである自律神経が整い、冷え性の緩和はもちろん、それ以外のさまざまな不調の改善も期待されます。
(2)血行が促進される
冷え性を緩和するには、血液の循環を良くすることが重要です。ヨガの深い呼吸によって血中の酸素量が増え、血流を促す効果が期待できます。
また、ヨガのポーズで筋肉が刺激されて収縮し、血液を送り出すポンプの役割を果たすことで、全身に血液が巡りやすくなり、からだの内側から温まるようになります。
(3)筋肉が強化される
ヨガのポーズにはさまざまな種類がありますが、からだを温めるための筋力を養うには、パワー系のヨガが効果的です。
特に、ふくらはぎや太もも、お尻など大きな筋肉が集中する下半身の筋肉をしっかりと動かすことで、血流が促進され、からだの熱量が増加し、冷え性の改善に役立つと言えます。
(4)筋肉の緊張がほぐれる
筋肉の緊張をほぐすことも、冷えの緩和に効果的です。リラックス系のヨガは、収縮した筋肉をゆるめ、神経や血管の圧迫を軽減し、血流を促進してくれます。
運動が苦手な方や久しぶりに運動をする方には、リラックスヨガから始めるのがおすすめです。
また、デスクワークなどで肩や腰のこりがある場合も、筋肉を緩めることで血流が促され、からだが温まりやすくなります。
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(5)リラックス効果がある
ヨガは、深い呼吸とからだをほぐしたり鍛えたりすることで、ストレス発散とリラックス効果が期待できます。
ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、冷え性の原因にもなります。ヨガを行うと交感神経から副交感神経へと切り替わるため、自律神経のバランスを整えられるのです。
メンタルも安定しやすくなり、冷えによるからだの緊張や不安感を和らげることができます。
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末端冷え性に効果のあるポーズ
ここでは、手足の血行を促進し、全身の血流を良くするのに効果的なヨガのポーズをご紹介します。
足首ほぐし
足首を動かすことで、ふくらはぎの筋肉も働き、血流が促進されます。
- 椅子に座った状態で、右足を曲げ、左ももの上に置く
- 手の指を右足の指の間に差し込み、右手で足首を支えながら、足首を10回ほどゆっくり回す。
ゴキブリのポーズ
まるでゴキブリのように全身を動かすことで、体温を上がるポーズです。
- 仰向けになり、両手両足を天井に向けて上げ、軽くブラブラと振る
- 腹筋や背筋を使ってからだを安定させつつ、手足は脱力状態に
- この動きを30秒~1分程度続ける。疲れたら数回に分けてもOK
- 終了後は全身をリラックスさせる
内臓機能を高め新陳代謝をよくするポーズ
続いては、適度に筋肉を使いながら全身の血流を促すことで、冷えの症状緩和が見込まれるポーズをご紹介。外ももやお尻などのストレッチとしても効果的です。
ダウンドッグのポーズ
ダウンドッグは、四つん這いの姿勢で動きを取り入れるポーズです。
- 四つ這いになったら、手のひらを少し前に移動させ、つま先を立てる
- 息を吸いながら両手でマットを押し、お尻をかかとに向けてスライドさせる
- 息を吐きながら膝を浮かせて、お尻を斜め上に引き上げる
- 息を吸いながら尾骨を斜め上に引き続け、息を吐くと同時に肩をマットに近づける。このとき、腕は耳の横、目線は足の指へ。
- その姿勢で3~5回、呼吸を繰り返す
- 最後は両膝をマットに下ろし、チャイルドポーズで休憩
背骨が丸まる場合は、膝を曲げてポーズの強度を軽くしましょう。足ふみのようにかかとを上げ下げすると、ふくらはぎのストレッチ効果がより高くなります。
ねじりのポーズ
上半身にねじりを加えるポーズなので、妊娠中の方は控えるようにしましょう。
- 足を伸ばして座り、片方の足を曲げたら、もう片方の膝の外側に足を置く。このとき、背中が丸まらないように背筋を伸ばすのがポイント
- 曲げた足と反対側の手で膝を抱える、もしくは曲げた足の外側に腕をひっかける
- 息を吸いながら背筋を伸ばし、息を吐きながら上半身をツイスト。反対側の手はお尻の後ろに置いて支える
- このセットを3~5回繰り返す。
- 最後はゆっくりと姿勢を正面に戻し、手と足をほどく
上半身に働きかけ呼吸を深めるポーズ
上半身まわりをしっかりと動かしながら、呼吸を深めるヨガのポーズをご紹介します。全身の血行を促進するとともに、自律神経を整える効果が期待できます。
肩の上げ下げ
このポーズでは、肩甲骨がしっかり動かすことで、からだが温まりやすくなります。
- ゆっくりとした呼吸に合わせて、肩甲骨を前後に回す
- 肩甲骨を意識しながら、8回程度繰り返す
- 息を吸いながら肩をすくめ、吐きながら脱力する動作を5回ほど行う
回数はあくまで目安なので、自分の体感に合わせて行ってください。
コブラのポーズ(ブジャンガーサナ)
コブラのように上半身を反らすことで、胸筋をストレッチして血流を促すポーズです。
- うつ伏せになり、両足を腰幅に広げる
- 両手を胸の横に置いたら、肘は脇を引き締めるように天井に向けて立てる
- 息を吸いながら上体をゆっくりと起こし、骨盤を安定させた状態で胸を開く
- 肩を下げ、みぞおちを前に向けたら、5回ほど自然な呼吸を繰り返す
- 最後は前屈やチャイルドポーズで腰を緩める
ピジョンのポーズ
別名「鳩のポーズ」とされるこのポーズは、柔軟性が求められるため、ヨガ初心者やからだが硬い方には難易度が高いポーズと言えます。
- 片膝を曲げて座る
- もう片方の足を後ろに伸ばす
- ハトの姿をイメージして、後ろの足の膝を曲げ、足先を手で持つ。曲げるのがきつい場合は、足を伸ばしたままにし、両手を前の床につける
下半身をきたえ筋肉アップさせるポーズ
第2の心臓と呼ばれる部位が集まる下半身の筋力。ここを強化しつつ、代謝を上げて全身の血行を促進し、からだがポカポカと温まるポーズをご紹介。
英雄のポーズ1(ウォーリア1)
ヨガ初心者でもトライしやすいポーズで、特に下半身の筋力強化に効果が期待できます。
- 骨盤を前に向けて立ち、片足を後ろに引く
- 足裏はしっかりと床につけたまま、後ろ足のつま先を30~45度ほど外側に開く
- 前足は90度に曲げ、太ももは床と平行になるよう意識。骨盤は前向き、後ろ足でしっかりと床を押し、上体が前に流れないよう中央でキープ
- 両手を上にして、手を合わせ、視線を上に向けたら肩を下げ、体側がしっかり伸びを感じる
- 下半身の力でからだを支え、上下に伸びる感覚を意識しながら、4~5回の呼吸分、または30秒ほどキープ
わしのポーズ
わしのポーズは、体幹の強化はもちろん、足首・膝・股関節・肩関節など下半身にアプローチできるポーズです。
- 両手を前に伸ばし、腕を交差させてひじを重ね、腕を絡める
- 右腕を上にして絡めた場合、左足に右足を重ね、足も同様に絡める
- お尻を後ろに引き、上体を前に倒す。ゆらゆらと揺れる場合は、足を絡めた状態でもOK
- さらに体幹を強化したい場合は、足先をふくらはぎに絡める
サイドアングルのポーズ
全身の血行促進に効果的なポーズす。特にハムストリングス、ふくらはぎ、大腿四頭筋など下半身の筋肉をストレッチする効果があります。
- 四つん這いになり、肩の下に手、股関節の下に膝を置く
- 片足ずつ後ろに引いてプランクポーズに移行する
- 息を吐きながら右足を手と手の間に踏み込み、左足のかかとを内側に回して床につける
- 息を吸いながら右手で床を押し、左手を天井に向けて伸ばし、視線も天井へ
- 息を吐きながら左手を前方に伸ばし、3〜5回呼吸を続ける
- 反対側も同じように行う
股関節を伸ばし血流を促進するポーズ
股関節をしっかりと伸ばし、全身のバランスを整えながら、血行を促進する冷え性に効果的なポーズをご紹介します。
トカゲのポーズ
骨盤や股関節まわり、固くなりがちなお尻の筋肉をほぐす効果のあるポーズです。
- 四つん這いになり、両手を肩幅に開いて肩の真下に手首をセット。両膝を閉じて足先を立てる
- 右足を右手の外側に踏み出し、膝が外に開かないように右足の拇指球でしっかり床を押さえる
- 両肘を曲げ、前腕を床につける
- 両肘と両手、右足裏で床を押しながら胸を起こして背骨を伸ばし、き目線は少し遠くの前方に向ける
- 反対側も同様に行う
トラのポーズ
全身の筋力を使うことで血行を促す効果があります。特に普段はあまり使うことのない背中やお尻、太ももなどの筋肉にもアプローチできます。
- 四つん這いからスタートし、両手両足をマットにしっかりと置く
- あばら骨と下腹部の筋肉を引き締めることで腹筋を安定させる
- 息を吸いながら右足をお尻の高さまで伸ばす。バランスが取れれば、左腕を耳の横に伸ばして体幹を強化
- その状態で3~5呼吸キープ
- 最後は左手を下ろし、右足をマットに戻す
- 反対側も同様に行う
ホットヨガが冷え性におすすめの理由
ここでは、ホットヨガがなぜ冷え性に効果的でおすすめなのか、その理由を解説します。
リンパ・血行を促進する
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、全身の血行が悪くなり、末端に水分が溜まって体が冷えやすくなります。
ホットヨガでは、ポーズを通じてからだを内側から温め、リンパや血液の流れを促します。代謝が上がることで、手足の末端にまで血流が行き届き、冷え性の緩和に効果的です。
また、大量の汗とともに老廃物や余分な水分が排出され、むくみが解消されて冷えにくい体づくりにもつながります。
筋肉をほぐす
筋力不足により、筋肉のポンプ作用が働かず、体内の水分が滞ってからだが冷えることがあります。ホットヨガを行うことで、しなやかな筋肉をつくり、リンパや血流が促進され、冷えやむくみの改善につながります。
また、からだが温まると筋肉がほぐれやすくなり、ポーズが取りやすくなるというメリットもあります。柔軟性が高まり、筋肉への負担が軽減され、関節や肩甲骨の可動域も広がりやすくなります。
新陳代謝を上げて老廃物を排出する
むくみと冷えは密接に関係しています。むくみが生じると体内の体液循環が悪くなり、手足の毛細血管の巡りが滞り、冷えを引き起こします。
ホットヨガでは、ポーズを通じて新陳代謝を上げ、体内の老廃物を排出します。老廃物が排出されることで、リンパや血液の流れが改善され、むくみも冷えも解消されていきます。
美肌効果が期待できる
ホットヨガは、美肌効果も期待できると言われています。通常のヨガでは汗が乾きやすいですが、ホットヨガは高温多湿の環境下で行うため、毛穴が開いたまま汗をかき続けられます。皮脂や古い角質が汗とともに押し出されることで、肌がしっとりと潤い、毛穴がキレイな状態に保たれるのです。
艶やかでみずみずしい美肌づくりりにもホットヨガは効果的と言えます。
たくさん汗をかける
ホットヨガは、通常の環境で行うヨガよりも少しの動作で汗をかきやすいのが特徴です。ポーズを取るにつれて大量の汗が出て、からだの内側からも熱が発生します。
外からの熱と内側からの熱で、効率よくからだの深層部まで温めることができるため、慢性的な冷え性にお悩みの方におすすめです。
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冷え性を根本から緩和させるポイントは?
では、ヨガを行う以外に冷え性を根本から緩和させるためには、日々どんなことに気をつけて生活すべきなのでしょうか。
からだをあたためる食事をとる
東洋医学では、南国で育つものや寒色系の食材、化学調味料などがからだを冷やす食べ物とされています。例えば、トマト、きゅうり、なす、スイカ、ナシなどが該当します。
一方で、からだを温める食べ物には、北国で育つものや根菜類、暖色系の食材があります。にんじん、ごぼう、玄米、鮭、納豆、キムチ、ショウガ、唐辛子などはからだを温める代表的な食材。飲み物では、紅茶やココア、日本酒がからだを温める効果があります。
冷え性でお悩みの方は、からだを冷やす食べ物を控え、温める食べ物を積極的に取り入れるようにしましょう。
生活習慣を見直す
生活習慣として温活を取り入れるのもおすすめです。夏でもシャワーで済ませず、38度くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かることで血行が良くなります。足湯だけでも効果が期待できます。
また入浴する際は、自律神経を整えるために、寝る2時間前までには入浴を済ませることが大切です。からだが冷えた状態のままで眠ると、交感神経が優位になり、血流が悪くなって手足が冷え、熟睡しにくくなるからです。
筋肉量を増やす
運動不足が続くと筋肉量が減少し、血流が悪くなります。特にふくらはぎの筋力が低下すると、血液を心臓に戻すポンプ機能も弱まってしまいます。
また、太ももや肩甲骨周りの筋肉を動かすことで代謝が上がり、からだが温まります。運動習慣を身に付けて筋肉量を維持することで、血流が促進され冷え性の緩和に効果をもたらします。
ヨガを継続する
ヨガは、筋力を強化することでからだの熱量を高め、冷えを防ぐ効果があります。それと同時に、筋肉の緊張をほぐし血流を促進するため、肩こりや腰痛にも有効です。
さらに、深い呼吸によって血液中の酸素が増え、全身の血行が改善されることで、からだが内側から温まりやすくなります。また、自律神経の乱れを改善する効果も期待できます。
ヨガは、冷え性をはじめ、さまざまなからだの不調にアプローチ可能なのです。
ヨガのレッスンに通う
ヨガレッスンに通えば、インストラクターの指導のもと正しい姿勢や呼吸法を学べるので、より効果的に冷え性対策が可能になります。
定期的なレッスンはモチベーションの維持にもつながり、無理なく継続できる点も大きなメリットです。
「ヨガ 冷え性」に関するよくある質問
ここでは、「ヨガと冷え性」に関するよくある質問を取り上げ、詳しく解説します。
ホットヨガで冷え性は悪化しますか?
ホットヨガは冷え性に効果的とされていますが、やり方次第では悪化するケースもあります。
ホットヨガの最中に水分不足やミネラル不足が起こると、血流が悪くなり冷え性が悪化することがあります。また、やりすぎると自律神経が乱れ、冷え性を悪化させる場合も。
ホットヨガを行う際は、スタジオの先生の指導に従って適度な頻度で行い、水分補給を忘れないことが大切です。
自分が冷えているかチェックする方法はありますか?
簡単に冷えのシグナルをチェックする方法があります。
以下のような状態に当てはまるか確認してみてください。
- 入浴後すぐに手足の末端が冷える
- 手足の先が冷えて眠れない
- 起床時にお腹を触ると冷たいと感じる
これらの症状は、からだが冷えているサインです。自分のからだに冷えを感じたら、ヨガなどを取り入れて血行を促し、からだを温める習慣をつけましょう。
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