ヨガには、数多くの専門用語があります。その中でもよく耳にするのが「バンダ」です。レッスン中に講師が「バンダを意識して」「バンダを締めて」というのを、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、バンダの意味をわかりやすく解説します。また、バンダを実施することで得られる効果や練習時の注意点についても紹介します。ぜひ参考にしてください。
ヨガにおける「バンダ」の意味とは?
ヨガの「バンダ」とは、サンスクリット語で「ロックする」や「締め付ける」などの意味を持つ言葉です。呼吸やヨガによる生命エネルギー(プラーナ)の流れが体外に漏れないように締め付けて、閉じ込める方法を指します。
次項で詳しく解説しますが、バンダには9つの部位があり、代表的なものがジャーランダラバンダとウディヤナバンダ、ムーラバンダの3つです。
バンダを意識することで、ヨガのポーズが安定するだけでなく、呼吸が乱れにくくなり、正しい姿勢(アーサナ)をキープしやすくなる効果があります。
また、バンダはエネルギーセンターとも呼ばれるチャクラや、解剖学とも関わりがあるといわれています。バンダのやり方をマスターし、上手に扱えるようになると、さらに集中力や筋力を高めることが可能です。
バンダの種類と部位ごとの効果
バンダの種類と部位、それぞれを締め付けることで得られる効果については、以下をご覧ください。
バンダの種類(部位) | 効果 |
ジャーランダラバンダ(喉) | リラックス |
ウディヤナバンダ(腹部) | 自律神経を調整する、代謝促進 |
ムーラバンダ(骨盤底) | 内臓機能を調整する |
カティバンダ(太ももの付け根) | 体幹と下肢をスムーズにつなぐ |
ジャヌバンダ(膝上) | 足首から股関節までをスムーズにつなぐ |
クラプファバンダ(足首) | 腹式呼吸を良質なものにする |
アサムバンダ(肩) | 体幹と上肢をスムーズにつなぐ |
クルパルバンダ(肘) | 手首から肩までをスムーズにつなぐ |
マニバンダ(手首) | 胸式呼吸を良質なものにする |
代表的なバンダ3つの練習法
ヨガの9つのバンダのうち、ジャーランダラバンダとウディヤナバンダ、ムーラバンダの3つは代表的なバンダといわれています。それぞれのバンダの練習方法や効果を高めるコツを紹介します。
1. ジャーランダラバンダ
喉に位置するジャーランダラバンダは、以下の手順で引き締めます。
- あぐらの姿勢で座り、背筋をまっすぐに伸ばす
- 鼻から息を吐き切る
- 鼻から息をゆっくりと吸い、吸い切った状態で止める
- 息を止めた状態で、喉を鎖骨に近付けるように顎を引く
- 喉の締め付けを解放し、口から息を吐き出す
- 3~5を5回繰り返す
顎をしっかりと引くことで、気道を確保するようにしてください。また、喉を締めると、首周りからプラーナが抜けにくくなります。
スマホを見る時間が長いと、顎が鎖骨から遠のき、首や肩に負担がかかって呼吸が浅くなりがちです。ジャーランダラバンダを実施することで、首の位置が整い、リラックス効果も期待できます。
2. ウディヤナバンダ
腹部を締めるウディヤナバンダは、以下の手順で進めていきます。
- 腰幅よりもやや広めに足を開いて立つ
- 両手は太もももしくは腰骨に添え、膝を軽く曲げて前かがみのポーズをとる
- 顎を軽く引き、目線はおへそに固定する
- 息を吸い、ゆっくりと鼻から吐き出して止める
- おへそを背骨に近付けるようにお腹をへこませ、5~15秒キープする
- 腹部を緩めながら、ゆっくりと呼吸を体内に入れていく
- 4~6を5回繰り返す
息を吐くとき、お腹をしっかりとへこませて横隔膜を引き上げてください。体幹が安定し、ウエストを引き締めにつながります。また、情緒が安定する効果も期待できるでしょう。
3. ムーラバンダ
骨盤底のムーラバンダを引き締めると、プラーナが下方に流れ出るのを防ぎやすくなります。以下の手順で進めましょう。
- あぐらか正座で座り、背筋を伸ばす
- 鼻から息を吐き切る
- 鼻からゆっくりと息を吸い、骨盤底筋をおへその方向に引き上げる
- 鼻から息を吐きながら、骨盤底筋を緩める
- 3~4を5回繰り返す
引き締める部位に注意を向け、息を吐くタイミングで締め付けるようにしてください。内臓を支える骨盤底筋を鍛えることで、お腹の引き締めや尿漏れ予防の効果も期待できます。
バンダを練習するときの注意点
ヨガのバンダを練習するときは、手順通りに進めることも大切ですが、呼吸や意識にも注意を払うことが必要です。より効果を高めるためにも、押さえておきたいポイントを紹介します。
ヨガの呼吸法とセットで考える
バンダを練習するときは、丁寧かつゆっくりと鼻呼吸をしてください。また、筋肉、特にインナーマッスルに意識を向け、引き締めたい部位の筋肉がしっかりと収縮しているのを感じ取れるようにしましょう。
練習を避けるべきタイミング
毎日練習することでバンダを習得しやすくなりますが、練習をしないほうが良いタイミングもあります。特に次のタイミングでは、練習を避けるようにしてください。
- 食後
- 生理中
- 妊娠中
- 体調不良のとき
- 持病があるとき
心身ともに健康なときにバンダの練習をするなら、より効果を実感しやすくなります。
習得には時間がかかる
バンダを習得すると、体内の各部を適切に締め付けられるようになります。また、各部の締め付けを通して、リラックス効果や呼吸を整える効果なども期待できるでしょう。
しかし、習得には、安定した呼吸と高い集中力が必要です。ヨガのテクニックの中でも難易度が高いジャンルといえるため、時間をかけて根気良く訓練していきましょう。
バンダのテクニックを習得する方法
繰り返しになりますが、バンダはヨガのテクニックの中でも難易度が高く、時間をかけて練習をして習得していくことが求められます。
また、正しい方法で練習をしないと、期待する効果を得られません。独学で習得しようとするのではなく、ヨガの正確な知識を持ったインストラクターからレッスンを受けるようにしてください。
ヨガレッスンに通う
ヨガインストラクターの対面レッスンを受けることで、意識を向ける部分やポーズなどを細かく指導してもらえます。
正しい姿勢や呼吸法をマスターすれば、自宅でもヨガに取り組みやすくなります。まずは、実績のあるインストラクターが教えるヨガレッスンに通ってみてはいかがでしょうか。
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