きちんと洗濯しているのに、服にカビがついてしまったという経験はありませんか。衣類に発生したカビは、他の服からだけではなく、洗濯槽内で発生したカビからも移る可能性があります。普段の日常生活から、綺麗な洗濯槽を維持したり、収納スペースの通気性をよくしたりするなどの対策が求められます。
今回は、服にカビが発生してしまう原因や服にカビが繁殖してしまったときの対処法を紹介します。
日常生活に取り入れられる洗濯槽のカビを防止する秘訣や普段からできる手入れ方法についても解説しているので、参考にしてください。
服にカビが生えてしまった!洗濯で落とせる?
服にカビが生えてしまった場合、洗濯で落とせるかどうかは、カビの種類や程度次第によって異なります。軽度な白カビや赤カビの場合は、通常の洗濯のみで落とすことが可能です。
しかし黒カビの場合は、深い根が張っているため、普通に洗濯をしてもカビを死滅させるのは困難といえます。
万が一服に黒カビがついた場合は、洗濯する前にカビ取り剤を使用したり、カビ部分を擦ったりすることが必要です。
服にカビが生えてしまう条件
服にカビが生えてしまうのには、服の状態だけでなく環境にも原因があります。主に下記の項目が当てはまります。
- 汗や生乾きなどの「水分」
- 収納スペースの「湿度」
- 皮脂や食べかすなどの「汚れ」
- 落としきれなかった「柔軟剤」
- 入浴剤を使用した「お風呂の残り湯」
具体的にどのような理由でカビを発生させてしまうのかチェックしましょう。
汗や生乾きなどの「水分」
汗や生乾きなどの水分が原因で服にカビが発生してしまします。とくに汗や生乾きの水分は、カビの養分となるため、カビの胞子を発芽させることに繋がります。
さらに衣類を収納するスペースの湿度を向上させる原因にもなるため、しっかりと乾燥させたり、風通しの良い場所で干したりするなどで対応しましょう。
収納スペースの「湿度」
収納スペースの湿度が高いことが原因で、服にカビが発生してしまいます。空気中の湿度がおよそ60%以上の環境で発生しやすいと言われています。
カビが発生しやすい湿度を解消するには、除湿剤や除湿機を利用しましょう。さらに適度な寒気を心がけ、湿気をこもらせない対策が必要です。
皮脂や食べかすなどの「汚れ」
体の皮脂や食べかすなどの汚れを放置してしまうことが原因で、服にカビが発生してしまいます。皮脂や食べかすはカビの栄養源となるため、洗濯したり綺麗に取り除いたりすることが大事です。
また、カビの栄養源となる有機物には皮脂や食べかす以外にも下記項目が当てはまります。
- 髪の毛
- ホコリ
- 人のアカ
着用した服は必ず清潔な状態を維持する意識を心がけましょう。
落としきれなかった「柔軟剤」
洗濯で落としきれなかった柔軟剤の界面活性剤や香料などの成分が原因で、服にカビが発生してしまいます。いい香りがするからといって、柔軟剤を適量以上に使用してしまうと、綺麗に濯ぎ切れません。
すすぎ残してしまった柔軟剤は、カビの栄養分になるため、パッケージに表記されている使用量を守ることが大切です。
入浴剤を使用した「お風呂の残り湯」
節水を目的にお風呂の残り湯を洗濯に使用される方が見られますが、入浴剤の種類によってはカビの発生に繋がります。とくに乳白色タイプの入浴剤は、保湿成分や汗が残り湯に残ってしまうため、カビの発生を促進させてしまいます。
しかし、下記の種類の入浴剤を使用したお風呂の残り湯の場合は、問題ありません。
- 無色透明タイプ
- 防カビ効果のあるタイプ
また、湯船の中で抜けてしまった髪の毛や皮脂などもカビの栄養となります。残り湯を使用する場合は、髪の毛や皮脂などをこしてから洗濯しましょう。
自宅で簡単!服についたカビを洗濯する方法
服に生えてしまうカビの種類は、下記の3つあります。
- 白カビ
- 赤カビ
- 黒カビ
白カビや赤カビの場合は自宅で簡単に除去できます。本章では、カビを取る際に必要な道具や手順をカビの種類別にみていきましょう。
楽に落とせる白カビの場合
白カビは、メイク落としや除菌できるアルコールで服の表面をブラッシングをすれば簡単に除去できます。他の衣類に除去した白カビの付着を防ぐために、通気性の良い場所でブラッシングしましょう。
ブラッシングや払い落としなどで落ちなかった場合は下記の方法で洗うことで綺麗になります。
- 酸素系漂白剤で衣類をすすぐ
- 通常コースで洗濯する
- 天日干しもしくは乾燥させる
湿気を好む赤カビの場合
赤カビは、浴室や洗面所など水回りに発生しやすいカビですが、濡れた衣類に生えることもあります。衣類に発生すると、ピンク色に変色したり嫌な臭いが発生したりするのが特徴です。
衣類に発生した赤カビを洗濯するには下記の方法を行いましょう。
- 酸素系漂白剤につけ置きする
- 通常コースで洗濯する
- 天日干しもしくは乾燥させる
つけ置きする際は、カビを死滅させるために、40〜50度程度のぬるま湯に1時間以上つけておくことがポイントです。
頑固な黒カビの場合
深い根が張っている頑固な黒カビは、衣類の繊維に漂白剤を染み込ませたり、シミ抜きをしたりするなどの洗濯する前の工夫が必要です。主に下記の手順で洗濯しましょう。
- 漂白剤を塗り込む
- 酸素系漂白剤の浴液につけ置きする
- 通常コースで洗濯する
- 天日干しをする
つけ置きする際は、洋服の種類に合わせた漂白剤を用意することがポイントです。カラーや柄が特徴の衣類は酸素系漂白剤、一方で白系の衣類は塩素系漂白剤を選びましょう。
また、耐久性に優れていない生地の場合は、痛んだり、破れてしまったりするリスクが伴うため、プロにクリーニングしてもらうことをおすすめします。
服に発生してしまうカビを日常生活から予防するポイント
服のカビを防ぐには、日常生活から適切な方法で洗濯したり収納場所の環境を整えたりする必要があります。
具体的にどのような方法で注意すると良いのかみていきましょう。
収納スペースを綺麗にする
クローゼットやタンスなどの収納スペースを綺麗にしておくことがポイントです。ホコリや汚れの蓄積は、カビの繁殖を促進させてしまいます。
また、収納スペースの扉を開けたり閉めたりすることでホコリが蓄積してしまいます。カビの繁殖を防ぐためにも、定期的に掃除を心がけましょう。
着用した服はしっかりと洗濯してからしまう
着用した服はしっかりと汚れを落とすために洗濯してから収納しましょう。カビは服についた食べ物や飲み物の汚れ、皮脂などを好みます。
汚れを落としきれていない場合は、カビが発生する要因に繋がります。たとえ目に見える汚れがついていない場合でも、一度袖を通している服は、その日のうちに洗濯するのが好ましいでしょう。
また、すすぎ1回や時短モードだと服についた汚れをきれいに落としきれない可能性があります。服のカビを防ぐためにも、すすぎは2回行うのがおすすめです。
しっかり乾いた状態で収納する
洗濯したらしっかりと乾いた状態で収納しましょう。生乾きの服をそのまま収納したり、雨や汗で触れたままの服を放置したりすれば、カビが発生を促進させてしまいます。
また、水分を含んだ状態で服を保管した場合、保管場所で湿気を蒸発できないため、カビが好む環境に繋がります。特に、雨の日や曇りの日は洗濯物が乾きにくいので、陰干しではなく乾燥機でよく乾かしてから収納しましょう。
衣類を保管する環境の風通しをよくする
クローゼットや押し入れなどの、服を保管する場所の風通しを良くすることが重要です。保管場所の湿気が高くなれば、カビが繁殖するリスクも上がります。
そのため、週に1回を目安に換気するといいでしょう。扇風機やサーキュレーターを使用して風を送ったり、除湿剤を設置したりするのもおすすめです。
洗濯槽を定期的に掃除する
カビを防ぐために、洗濯槽や洗剤ケース、糸くずフィルターを定期的に掃除しましょう。洗濯機の中でカビが生えてしまったら、服にもカビが繁殖しやすくなるためです。洗濯槽から黒い汚れや茶色のゴミが出てきたら、洗濯槽内でカビが繁殖している証拠といえます。
万が一、洗濯槽にカビが生えた場合は、塩素系漂白剤や洗濯槽クリーナーを使用してカビを取り除きましょう。強い殺菌作用でカビを分解しながら除去できるため、手軽に洗濯槽内をきれいにできます。しかし、衣類用塩素系漂白剤や洗濯槽クリーナーは刺激も強いため、換気をしながら使用してください。
洗濯槽の中に汚れた洗濯物を入れたままにしない
洗濯槽の中に汚れた洗濯物を入れっぱなしにしないことが重要です。洗濯槽内に汚れた服を入れたままにしておくと湿気がこもるため、カビが繁殖しやすくなります。
また、服についた皮脂や汗がカビの養分となるため、カビにとって好ましい環境が出来上がります。洗濯物は洗濯する直前に洗濯槽内に入れるのが原則です。
洗濯したらすぐに干す
洗濯し終わったらすぐに干すことがポイントです。濡れたままの洗濯物を洗濯槽内に放置してしまうと、洗濯槽の中に湿気がこもりやすくなります。
カビにとって好条件の環境となるため、洗濯したらすぐに干す意識を心がけましょう。
洗濯機の蓋を開けておく
洗濯が終わった後や洗濯していない時は、洗濯機の蓋を開けておくことがポイントです。洗濯機の蓋を閉めたまま放置してしまうと、狭い空間の中で湿気がこもりやすくなります。
普段から洗濯機の蓋を開けておく習慣をつけるだけで、洗濯槽内を乾燥でき、カビの発生リスクを減らすことが可能です。
柔軟剤や洗剤の使用量を守る
洗濯の量に合わせて柔軟剤や洗剤の使用量を守ることがポイントです。規定量よりも多い洗剤を使用してしまうと、溶け残りが発生し、カビの養分になる可能性があります。そのため、洗濯洗剤は本体に記載された用量を守って使用しましょう。
また、洗浄力に優れている酸素系漂白剤や粉末洗剤を使うことで、服だけでなく洗濯槽のカビを予防できます。とくに酸素系漂白剤は、カビの殺菌効果や漂白効果があります。洗濯槽に付着したカビを落としたり、服についた汚れをしっかりとキレイにしたりする効果を得られるでしょう。
衣替えの季節にクリーニングを利用する
衣替えのタイミングでクリーニングの活用がおすすめです。多くのクリーニング店では、カビを殺菌する薬剤を使用しているため、カビの繁殖を防ぐことができます。さらに高温で乾燥してくれるため、カビの根本的な原因のカビの胞子を死滅させることが可能です。
また、クリーニングが終わった後につけられている袋は外しておくことが重要です。袋をつけたまま保管してしまうと湿気がこもってしまいます。カビの発生を防ぐためにも、綺麗になった衣服を風通しの良い場所に保管しておきましょう。
一度服に発生したカビは死滅させることが大切!
一度でも服にカビが発生してしまった場合は、死滅させることが重要です。カビを死滅させずに放置してしまうと、他の服にカビが繁殖してしまったり衣類を痛めてしまったりするリスクがあります。
服に発生したカビを死滅させるには下記の方法があります。
- 60度以上のお湯で洗濯する
- 紫外線を当てる(天日干し)
- 市販のカビ取り剤を使用する
カビは繁殖しやすい特徴があるため、早めの対処が重要です。
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服に発生したカビは、白カビや赤カビなどの種類に合わせた洗濯方法を取り入れましょう。また、服のカビを放置してしまうと、アレルギー症状や呼吸器疾患などの健康被害を受けてしまったり、他の服にカビが繁殖してしまったりする恐れがあります。
カビが生えてしまった際は、できる限り早めにカビを死滅させることが重要です。
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