外壁は住宅の印象を大きく左右する要素です。高級感のある外観にしたいなら、外壁素材にタイルを選ぶのはいかがでしょうか。
この記事では、外壁をタイルにするメリットやデメリット、メンテナンスにかかる費用について解説しています。外壁タイルの種類やおしゃれなリフォーム事例もご紹介しているので、リフォーム業者に依頼する前にぜひご覧ください。
外壁タイルとは
外壁タイルとは、外壁に用いる専用のタイルのことです。タイルとは石や粘土などを高温で焼いて固めた素材のことで、外壁タイルは磁器質かせっき質のいずれかであることが一般的です。
なお、磁器質のタイルは透明感があるのが特徴で、耐久性が高く、公共施設などにも用いられています。一方、せっき質は磁器質より柔らかいため、加工しやすいという特徴があります。透明感はなく、マットな質感やザラザラとした質感のものも多いです。外壁だけでなく屋内や水回りなどにも、せっき質のタイルが用いられることがあります。
外壁タイル張りにするメリット
外壁タイルには、次のメリットがあります。
- 高級感がある
- 耐久性が高い
- デザインが豊富
それぞれのメリットについて解説します。
高級感がある
タイルは1枚ずつ手間と時間をかけて張る素材です。手間がかかるだけでなく、立体的で高級感があり、重厚な外観の建物に仕上がります。
外壁の素材としてよく使用されることがあるサイディングは、ボードを張って施工するため、工事が簡単というメリットはありますが、高級感に関してはやや劣るでしょう。また、職人さんが手間をかけて塗装して仕上げるモルタルという素材も、平面的な印象で高級感はあまり出ません。
一方タイルは、張るだけで高級感のある印象に仕上げられるのが魅力。全体をタイル張りにするのもよいですが、一部のみにタイルを張ってデザイン性のある仕上がりにするのもおしゃれです。
耐久性が高い
タイルはデザイン性に優れているだけでなく、強度や耐久性が高い素材です。傷がつきにくく色褪せもしにくいため、建物が古びた印象になりにくいというメリットもあります。
ひび割れも生じにくいため、修繕や張り替えをする部分があまりなく、メンテナンス費用を抑えられることも魅力です。とはいえ、メンテナンスを全くしなくて良いというわけではありません。10年に1回程度は専門業者に点検を依頼し、特に修繕する場所がないときでも汚れは落としてもらいましょう。
デザインが豊富
タイルはカラーバリエーションやデザインが豊富で、おしゃれな外観の住宅に仕上げられます。サイディングのようにサイズが決まっているわけではないため、何色ものタイルをグラデーションして張ったり、市松模様に仕上げたりするのもおすすめです。
また、ほかの素材との相性がよいのもタイルの特徴。木材や石材などと組み合わせて、オリジナリティの高い外観を完成させてください。
外壁タイル張りにするデメリット
外壁をタイル張りにすることには、デメリットもあります。主なデメリットとしては次の2つが挙げられます。
- 初期費用が高い
- 剥離の可能性がある
それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
初期費用が高い
外壁は見た目に高級感があるだけでなく、実際に高級な素材です。耐久性が高いため長持ちしますが、その分、初期費用が高額になる点には注意しましょう。
外壁をタイルに張り替えるリフォーム費用は、1平米あたり約1万~5万円程度が相場です。外壁の面積は「延床面積×1.1~1.4」で概算できるため、延床面積が120平米の住宅であれば約132万~840万円、延床面積が150平米の住宅なら約165万〜1,050万円かかります。
剥離の可能性がある
タイル自体は丈夫な素材ですが、施工のスキルによってはタイルが剥がれ落ちる可能性があります。また、腕のよい職人さんにタイルを張ってもらっても、地震などの災害が起こると、剥離しやすくなるため注意が必要です。
タイルは重さもあるため、劣化した状態で放置しておくと大変危険。災害に遭ったときはもちろんのこと、定期的に劣化していないか業者に依頼してチェックしてもらいましょう。
外壁タイルの種類
外壁タイルは、サイズや材質によってさまざまな種類があります。サイズの種類として代表的なものには、227mm×60mmの二丁掛や、227mm×30mmのボーダータイルなどが挙げられます。
また、材質は磁器質とせっき質、土器質、陶器質が一般的です。磁器質は水を含みにくく丈夫で、せっき質は耐久性に優れているのが特徴。土器質は耐熱性が高く、陶器質は色褪せしにくいという特徴があります。
外壁タイルはリクシルやサンワカンパニーなど多くのメーカーが取り扱っています。メーカーごとに得意とするスタイルがあるため、しっかりと比較してから選ぶことがおすすめです。
外壁タイルのメンテナンスにかかる費用
タイル自体に劣化が生じていなくても、コーキング部分にひび割れが生じたり、汚れが付着したりするため、10年に1回を目処にメンテナンスが必要です。住宅の大きさなどにもよりますが、約50万円程度が目安になります。
一方サイディングは、コーキング部分だけでなく、サイディングボード自体がひび割れしたり、張り替えが必要になったりすることがあります。1回あたりのメンテナンス費用は約140万円となるため、タイルと比較すると割高です。
外壁材 | メンテナンス費用 | メンテナンスの頻度 | 50年暮らす場合 |
タイル | 約50万円 | 10年に1回 | 約250万円 |
サイディング | 約140万円 | 10年に1回 | 約700万円 |
外壁タイルの施工例
外壁タイルは種類が多いだけでなく、張り方や組み合わせもさまざまです。どのようなデザインにするか迷ったときは、実際の事例を見て検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、おしゃれな外壁タイルの施工事例をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてください。
さわやかな白の外壁タイルが目を引く
ホワイトを基調とした外観にすることで、さわやかな住宅に仕上がります。タイルの外壁ならば、白一色でも微妙な色の濃淡や凹凸があり、単調な印象にはなりません。
こちらの住宅は、ホワイト系のタイルを1種類のみ使用しています。ナチュラルなアイボリーやテラコッタカラーが混ざったタイルを選択しているため、デザイン性が高く、おしゃれな雰囲気が魅力です。
また、レンガ風のアプローチや木製のステップなど、すべて異なる素材を用いていますが、不思議とまとまりがよいハイセンスな住宅といえるでしょう。
木質タイルを取り入れた個性あふれる外壁
外壁用のタイルのなかには、ウッディな雰囲気の木質のものもあります。個性的な外観に仕上げて差別化を図りたい方は、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。
こちらの住宅は、3台の乗用車を収容する大型ガレージのある2階建てです。2階部分の木質タイルと、1階のガレージの木製シャッターが絶妙なコンビネーションで、お互いの存在感を引き立てています。ガレージの柱部分や屋根はダークブラウンを選択し、異素材ではありますが統一感のある住宅に仕上がっているのが特徴です。
黒のタイルで統一し、スタイリッシュなデザインに
重厚感のある住宅を目指すなら、黒のタイルを取り入れるのがおすすめです。シックな雰囲気の外観に仕上げたいときはマット素材、重厚感に華やかさをプラスしたいときは光沢のあるタイルがマッチします。
こちらの住宅は、玄関まわりは光沢のあるタイルで存在感を演出し、隣にグレーのミックスタイルを張ることで軽やかなデザインに仕上げています。柱や玄関扉も黒で統一し、おしゃれなだけでなく、遊び心を感じさせる住宅です。
2階部分の外壁も黒ですが、こちらはタイルではなくサイディングでポップな印象に仕上げています。重くなりがちな黒を軽やかに見せる施工事例なので、ぜひ参考にしてください。
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今回の記事では、外壁タイル張りにかかる費用相場やおしゃれな施工事例について解説しました。タイルは高級感があり、耐久性に優れた人気素材です。重厚感のある住宅に仕上げたいという方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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