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  6. 初めてでも安心!屋根工事の種類・費用・業者の選び方とは
2022/07/02 2022/09/09

屋根工事は、修理が必要な部位や修繕方法によって8種類に分けられます。それぞれ費用や工事期間が異なるため、自宅の屋根にどんな修理が必要なのかを知っておきましょう。

今回は代表的な屋根工事8種類の特徴と費用目安、屋根工事が必要になった場合に使える補助金や助成金などの情報をご紹介します。屋根工事の正しい知識を身につけて、安心して依頼できる業者の選びができるようにしましょう。

この記事を監修したプロ
六條 好聡 さん

株式会社六條工務店

代表的な屋根工事の種類と費用の相場

まずは、代表的な屋根工事の種類について知っておきましょう。ご紹介する屋根工事の種類は、次の8つです。

  • 屋根葺き替え工事
  • 屋根葺き直し工事
  • 屋根重ね葺き工事(カバー工法)
  • 塗装
  • 漆喰補修・交換工事
  • 棟板金交換工事
  • 雨樋工事
  • 屋根材の修繕工事

それぞれの屋根工事がどんな場合に実施されるのか、費用相場や工期も併せて解説します。

①屋根葺き替え工事

屋根の葺き替え工事とは、屋根全体を交換するリフォーム工事のことです。まずは表面の屋根材を全て撤去し、防水シートや地木材といった下地の交換と補修を行います。

下地の交換や補修が終われば、新しい屋根材を葺いて完了です。屋根工事の中でも大規模な工事になりますが、下地まで交換するため屋根に関する根本的なトラブルを解決できます。

  • 費用(30坪~40坪):約140~200万円
  • 工期:10~15日

監修プロからのコメント

瓦からガルバリウムに変更する葺き替えの場合は、換気と断熱に注意が必要です。瓦は下地が土で、それ自体にある程度の断熱効果があります。単純にそれらを取っ払って、薄い鉄板であるガルバリウムを敷いただけでは、換気や断熱性が充分ではありません。夏は暑く、冬は小屋裏で結露する恐れがあります。

ですから、瓦からガルバリウムにする場合は、屋根のルーフィング(下地材)の上に隙間を造るように下地を設けます。さらに、屋根断熱も設けることが必要です。残念ながら、そういった工事を提案しない業者さんもいますので、この工事を検討する場合は、断熱・換気について質問し、きちんと答えてくれる業者さんに依頼しましょう。

また、葺き替え、葺き直しの場合は、下地(垂木)を触れるので、軒の出を伸ばす工事も合わせて行うことができます。屋根断熱、天井断熱の工事も併せて行えば、費用はかかりますがより快適です。

②屋根葺き直し工事

屋根葺き直し工事は、下地全体の補修・交換を目的に行う工事です。瓦や石板は再利用し、下地のメンテナンスや修繕・交換を行います。

外観を大きく変えることなく工事を進めることができ、コストも抑えられるのがメリットです。屋根材を再利用するため、自然環境にも優しい工事方法だといえるでしょう。

ただし、屋根材が老朽化し角が取れてしまっている場合などは、再利用が難しいケースもあります。

  • 費用(30坪):約150万円~250万円
  • 工期:3~10日(瓦の大きさにより異なる)

③屋根重ね葺き工事(カバー工法)

屋根材の上から新しい屋根を重ねるリフォーム工事が、屋根重ね葺き工事(カバー工法)です。見た目の劣化や屋根材の交換が必要な際に行われます。

既存の屋根材を撤去する必要がないため、工事期間やコストの節約ができるでしょう。

しかし、既存の屋根材によるトラブルが発生している場合、根本的な解決策にはなりません。また、屋根重ね葺き工事後に更なる工事が必要となると、高額な工事費用がかかる可能性があり注意が必要です。

  • 費用(30坪):約80~120万円
  • 工期:5~10日間

監修プロからのコメント

私たちがお受けするお仕事で傾向を見ると、工事の中で一番多いのは、カバー工法で、次に葺き替え工事という感覚です。近年、カバー工法が多いのは、昔(2004年以前)のカラーベストにはアスベストが含まれている可能性が高いことが原因と考えられます。

アスベストを含む屋根材の解体については、法規制が厳しく、専門の業者が行わなければなりません。また、石綿が飛び散らないようにしなければならないので、撤去工事だけでも高額な費用がかかります。

お住まいの屋根が20年以上のカラーベストの場合は、カバー工法になる可能性が高いでしょう。屋根が重くなると心配する方もいらっしゃいますが、ガルバリウムなどは軽量なので、家の構造材に問題がない限りその心配はいりません。

葺き替えの場合でもそうですが、屋根の色や材質によって、断熱効果が違います。年々、猛暑日が多くなっているので、少しでも断熱効果が得られる方法を選択した方がいいと思います。

④塗装

塗装工事は屋根材の傷みが少ない場合に有効な工事で、主な目的は見た目の改善です。まず屋根を洗浄してから、適切な塗料を選び塗装を行います。

今ある屋根材の上に塗装をするため、コストと工期を抑えられるのがメリットです。しかし、屋根材に大きな損傷がある場合は工事が難しく、選んだ塗料によっては金額が上がってしまう場合もあります。

  • 費用(30坪):約40~80万円
  • 工期:10~15日間

⑤漆喰補修・交換工事

瓦を固定している漆喰部分のメンテナンスを行うのが、漆喰補修・交換工事です。瓦の寿命は50~100年とも言われていますが、実は漆喰のほうが早く劣化してしまうため、定期的な補修工事を行う必要があります。

具体的な施工内容は、古くなった漆喰の取り外しと塗り替えです。漆喰を定期的に塗り替えることで、瓦のずれや落下を防止できます。

  • 費用(30坪):約10~25万円
  • 工期:2~4日間

⑥棟板金交換工事

棟板金交換工事とは、屋根の頂上にある棟板金を交換する工事を指します。そもそも練板金とは、屋根と屋根の面が合わさる部分を覆い、屋根材を固定するとともに雨水の侵入を防ぐ役割をする金属板です。

経年劣化により釘が緩んでしまうと、台風などの影響で練板金が浮き上がってしまうことがあります。練板金のメンテナンスを怠ると、雨漏りなどのトラブルにつながってしまうため注意が必要です。

  • 費用(30坪):約20~80万円
  • 工期: 2〜4日間

⑦雨樋工事

屋根の雨水を集め、速やかに排出するために必要なのが雨樋です。雨樋に破損や詰まりなどの不具合が生じてしまうと雨漏りなどのトラブルにつながる恐れがあるため、雨樋の修理や交換を行います。

2階建て住宅の雨樋交換には、足場の設置が必要です。足場代が思ったより高額になるケースもあり、雨樋の点検・工事は屋根や外壁の工事の際に一緒に依頼するとよいでしょう。

  • 費用(30坪):約3~30万円
  • 工期:1~4日間

⑧屋根材の修繕工事

屋根材の修繕工事では、部分的にケアが必要な屋根材の修理や交換をします。修繕の対象となるのは、屋根表面の瓦やスレート、トタン、ガルバリウム鋼板などです。

修繕費用は、屋根材の素材によっても価格が異なります。また、修繕に伴い足場が必要になる場合は、プラスで20万円程度の費用がかかるのが一般的です。

修繕工事は、屋根材の異常を発見したらすぐに対処する必要があります。

  • 費用:約3~30万円
  • 工期:1~3日間

屋根工事が必要になる目安

屋根工事は異常を早期発見し、早めに対処することでコストを抑えることができます。そのために、屋根工事が必要となる目安を知っておくと安心です。

屋根工事の必要性を見極めるには、屋根の劣化症状と築年数で判断するようにしましょう。自宅の屋根トラブルに早急に対処し、家を長持ちさせるポイントを解説します。

①屋根の劣化症状

屋根修理が必要になる、劣化症状をまとめました。

  • 塗膜の剥がれ、膨れ
  • 屋根材の変色や色あせ
  • コケやカビ、藻の発生
  • 屋根の表面に触れると塗料が付着する状態(チョーキング現象)
  • 漆喰、棟板金、瓦の劣化
  • 屋根材の剥がれ、反り、割れ、浮き、歪みなど
  • 雨漏り
  • 下地材の劣化

自宅の屋根にこれらの症状が見つかったら、メンテナンスを検討しましょう。

②築年数

屋根材の修理工事の時期を検討する目安となるのが、建物の築年数です。屋根は利用されている素材や塗料ごとに耐用年数が異なるため、自宅の屋根材と必要なメンテナンスの頻度を知っておきましょう。

屋根に使用されている塗料別の耐用年数の目安は、以下のとおりです。

使用されている塗料耐用年数
ウレタン6~10年
フッ素8~20年
シリコン8~15年
ラジカル12~15年
無機15~25年
ガイナ15~20年

屋根材別の耐用年数も一緒に確認しておきましょう。

屋根材耐用年数
トタン(瓦棒)6~20年
スレート(コロニアル、カラーベスト)10~35年
和瓦・洋瓦20~60年
ガルバリウム鋼板20~40年

自宅の屋根は築年数が5年、15年、30年となるタイミングでメンテナンスを行うと、大きなトラブルなく安心して過ごせるでしょう。

監修プロからのコメント

自分で屋根の状態を確認するのは難しいものです。下から遠めに見た分には、屋根は大丈夫なように見えますが、実際に屋根に登ってみると、結構な傷みがあることがわかります。馴れていない方が屋根に登るのは危険を伴います。正確な判断ができるよう、定期的に専門家にチェックしてもらいましょう。

屋根は普段、目につかないのでメンテナンスを怠りがち。しかし、雨漏りを発生させてしまったら、住宅にとっては命取りと言っても大袈裟ではありません。10年何もしていない….という方がいたら、一度はプロに見てもらいましょう。

屋根工事で使える補助金・助成金・保険

定期的に必要になる屋根工事には、補助金や助成金、保険が利用できる場合があります。特に省エネリフォームや耐震リフォームなどは、補助金や助成金の適用対象となることが多いです。

多くの補助金制度は、申し込み数が予算に達すると締め切られてしまいます。補助金・助成金は自治体ごとに制度が違うため、事前に確認しておくと安心です。

また、強風や雪などの自然災害で屋根工事が必要となる場合は、条件によって火災保険が適用されます。詳しい適用条件は、加入している保険会社に確認しておきましょう。

詐欺・トラブルを避けるための業者の選び方

屋根工事は信頼できる業者に頼まないと、費用が高額になったり、適切な処置が施されなかったりといったトラブルに巻き込まれる可能性があります。以下にご紹介する優良業者の特徴を参考にしながら、安心して任せられる業者選びをしましょう。

  • 施工実績が豊富
  • 見積書が丁寧
  • 現地調査が丁寧

詐欺の被害に遭わないようにするには、複数業者に相見積もりをとって比較するのがおすすめです。

監修プロからのコメント

安さばかりを売りにしている業者さんは、下請けの職人さんも安価で雇っている場合もあるので、施工に丁寧さがないケースもあります。もちろん良い業者さんもいますが、薄利多売のところは質が悪い可能性は上がります。

「分からない点があれば、しつこく質問する」こと。それに対して丁寧に納得する答えを返してくれるかどうかは、見極めのポイントです。

ゼヒトモで屋根工事のプロを探す

自宅の屋根の状態によって、必要となる工事内容が決まります。それぞれの工事にかかる費用や工期を知り、安心して依頼できる業者を見つけてみましょう。

  • 屋根工事について相談したい
  • まとめて屋根工事の見積もりをとりたい

そんな方は、ゼヒトモから屋根工事のプロを探してみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、簡単にあなたにピッタリなプロが見つかります。ゼヒトモお気軽にご利用ください!

この記事を監修したプロ
六條 好聡 さん

株式会社六條工務店

木造建築士、ハウスインスペクター(既存住宅状況調査技術者)の資格を持つ。建築士の視点から、費用面、構造面、施工面で、最適な方法をアドバイスするスタイルには定評あり。最新の建築技術なども取り入れており、木造住宅についての知識も豊富なので、お困りごとの相談はお任せ。顧客からの信頼も厚い、ゼヒトモの人気プロ。

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