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  6. スレート屋根とは?種類やメンテナンス、修理の費用相場をチェック
2022/12/09 2024/04/05

一戸建ての屋根材として使用されるのが、スレート屋根です。屋根材を取り付けてから時間が経つと徐々に劣化症状が見られるため、メンテナンスをおこなう必要があります。ただ、どのような修理方法があるのかわからない人も多くいるでしょう。

今回は、スレート屋根の概要や種類、メンテナンス方法について解説します。スレート屋根の修理費用相場も紹介するので、屋根材のリフォームを検討する場合はチェックしてみましょう。

スレート屋根とは

セメントを薄板に加工した屋根材を使用した屋根が、スレート屋根です。スレート屋根の正式名称は「着色スレート瓦」で、メーカーによってはカラーベストやコロニアルとも呼ばれています。スレート屋根の主成分は85%がセメントで、残りの15%は石綿です。

1枚あたり1畳程度の大きさで、屋根全体にスレート屋根を敷き詰めたあとに釘や接着剤で固定します。日本では一戸建て住宅の屋根材としてもっとも普及しており、目にする機会も多くあります。

スレート屋根材のメリットは、カラーやデザインが豊富でありながら本体価格が安いことです。屋根材そのものも軽量なことから耐震性にも優れており、地震で揺れたときに住宅が傷ついたり、倒壊したりする可能性を下げられます。

また、日本で普及する屋根材であることから、リフォームに対応する施工業者が多くあることも特徴です。

ただし、スレート屋根はほかの屋根材と比べて割れやすく、耐久性に劣るといったデメリットがあります。

スレート屋根材の種類

スレート屋根材は、さまざまな種類があります。それぞれ特徴が異なるため、違いをきちんと理解して適した屋根材を選ぶのがおすすめです。スレート屋根材とガリバリウム鋼板との違いも紹介するので、リフォームを検討する際に参考にしてください。

天然スレート

粘板岩で作られた屋根材が、天然スレートです。粘板岩は地殻変動の変化作用でできた天然の岩石で、ヨーロッパのお城や住宅の屋根に取り付けられています。

しかし、天然スレートは高価な屋根材であることから日本であまり見かけることはありません。天然スレートは耐用年数が長く、割れない限り使い続けられます。また、塗装メンテナンスが不要であるため、扱いやすく手間もかかりません。

化粧スレート

セメントに繊維素材を混ぜて薄い板状に加工したものが、化粧スレートです。日本ではもっとも普及している屋根材で、住宅の屋根でよく見られます。化粧スレートは、塗装で保護され防水性や耐久性などの保護機能があるのも特徴です。

また、化粧スレートはカラーバリエーションが豊富であるため、外壁塗装の色に合わせて屋根材を選べます。ただ定期的な塗装メンテナンスが必要で、業者に依頼して施工しなければいけません。その分、工事費がかかるデメリットがあります。

ガルバリウム鋼板との違い

ガルバリウム鋼板は、亜鉛・アルミ・シリコンを組み合わせた合金です。なかには、スレート屋根とガルバリウム鋼板を同じ素材として認識する人もいますが、いくつか違いがあります。スレート屋根とガルバリウム鋼板の主な違いは、次のとおりです。

  • スレート屋根のほうが安価な商品が多い
  • 断熱性や防音性はスレート屋根が高い
  • 耐久性や耐用年数はガルバリウム鋼板が高い

またリフォームする場合は、ガルバリウム鋼板が採用される事例が多いです。既存屋根材の状態によってはカバー工法も可能であるため、ガルバリウム鋼板でも安く施工できます。

2004年以前まではアスベストが入っていた!?

スレート屋根が製造され始めた2004年以前まで、セメントにアスベスト(石綿)が含まれていました。アスベストを含むセメントは、割れにくく耐用年数が長くなるといったメリットがありますが、アスベストには健康被害の影響が懸念されます。

その結果、1990年代後半ごろからは、アスベストを含まないスレート屋根が採用されています。2004年の法規制により、アスベストを含めたスレート屋根の出荷は禁止されているのが現状です。

アスベスト入りのスレート屋根だったらそのままでいいの?

2004年以前はアスベストが含まれたスレート屋根が使われていたので、リフォーム時にどうすればいいか悩む人もいるかもしれません。屋根材にひどい劣化症状が見られないのであれば、スレート屋根を撤去するなどの特別な対処は必要ありません。

ただひどく劣化した場合は、葺き替え工事またはカバー工法のリフォームが必要になります。

スレート屋根の耐久性って?

スレート屋根の耐久性は、15〜30年程度といわれています。あくまで目安の耐用年数であり、劣化症状が見られた場合はメンテナンスが必要です。

【塗装や補修が必要になる年数】

色あせ5~7年
コケの繁殖7~10年
ひび割れ10年
欠け10年
反りや浮き10年

【葺き替えが必要になる年数】

自然災害が多い地域や日当たりが強い場所では、20年ほどでメンテナンスが必要になることもあります。スレート屋根にひどい劣化症状が見られる場合は、葺き替え工事をおこなうことが必要です。

【アスベスト有の耐用年数】

アスベストが含まれたスレート屋根の耐用年数は、30年〜40年程度といわれています。アスベストを含まない屋根材より耐用年数が長いため、不具合が起こりにくいといった特徴があります。

【あわせて読みたい!】

屋根を修理するタイミングなどの目安や費用相場とは>>>

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スレート屋根の修理方法は?

ひび割れや欠けなど劣化症状によって、スレート屋根の修理方法は変わります。特に、スレート屋根の劣化が激しい場合は、塗装では十分にメンテナンスをおこなえないこともあります。ここからは、劣化症状別の修理方法を確認していきましょう。

ひび割れにはコーキング補修を

小さいひび割れや欠けの劣化症状が見られる場合は、コーキングで補修をおこなえます。ひび割れや欠けに沿ってコーキング材を充てんして、表面がフラットになるように伸ばすだけです。

補修した箇所が悪目立ちしないようにするには、コーキングの色を屋根に合わせるのがおすすめです。

比較的簡単におこなえる補修工事で、ほかのリフォームに比べると費用を抑えられます。また補修工事の場合は足場の架設工事が不要になるため、足場設置の費用もかかりません。

大きい欠けには部分交換

スレート屋根に大きな欠けが見られる場合は、新しい屋根と交換する必要があります。ただし、スレート屋根は屋根に並べて釘や接着剤で固定されているので、部分的に取り外すことはできません。

欠けているスレート屋根だけを交換する場合は、見えている部分を切り取って上から接着します。大きな欠けはそのまま放置すると、隙間から雨水が内部に入り込み雨漏りする原因になります。

スレート屋根に大きな欠けが見られる場合は、早めに部分交換をおこないましょう。

補修だけではなく、「塗装」が必要!

防水塗膜が劣化して水の浸透を防げなくなる防水切れが起こると、スレート屋根の表面にひび割れが発生することがあります。

このような場合は、ひび割れを補修したあとに塗装工事をおこなうことが必要です。防水性を長持ちさせるため、定期的な屋根全体に塗装メンテナンスが必要になるのです。

補修した部分だけ塗装しても、ほかの場所からひび割れが発生する可能性もあります。スレート屋根の塗装は、まず高圧洗浄で屋根の汚れを落としてひび割れをコーキングで補修します。

屋根全体に下塗りをおこない、塗装したら補修は完了です。通常、上塗りは2回ほどおこないます。部分補修に比べて、リフォーム費用は高くなるのが一般的です。

縁切りは必ずやるべき!重要性の高い作業

屋根材を塗装する際に、屋根材の隙間を塗料がふさがないようにタスペーサーと呼ばれる板状の道具を挿入します。縁切りといわれるもので、塗装メンテナンスにおいて重要な工程です。

タスペーサーを挿入する作業をしないと、屋根の縁に塗料がくっ付いて屋根の通り道がふさがることがあります。場合によっては、雨水が内部に溜まり雨漏りの原因になることもあるので、重要性の高い作業なのです。

劣化が進み全体がひび割れ・欠けていたら「カバー工法」

スレート屋根がひどい劣化状態で、全体的にほぼ割れや欠けが見られるなら、カバー工法が最適です。カバー工法とは、既存のスレート屋根材の上から新しい屋根材を重ねる施工方法になります。

カバー工法により屋根自体が2重構造になるので、防音性や断熱性を高められるのがメリットです。

屋根材の間に断熱材を設置すれば、断熱性も高められます。既存屋根材の上から新しい屋根を重ねるため、基本的には軽量なガルバリウム鋼板が選ばれることが多いです。

カバー工法は既存屋根を撤去しないので、リフォーム費用を抑えられます。また塗装で補修する余地もあり、耐久性が高いのも特徴です。

雨漏りしているようなら「葺き替え」

スレート屋根材の劣化が激しく雨漏りが見られるなら、葺き替え工事がおすすめです。葺き替え工事とは、既存スレート屋根を撤去して新しい屋根材を取り付ける施工方法のことをいいます。

葺き替え工事をおこなうメリットは、屋根を2重構造にするカバー工法や塗装よりも耐久年数が長くなることです。

しかし、塗装メンテナンスを定期的におこなえば葺き替え工事が必要になるほど劣化がひどく進むことはありません。

カバー工法や塗装よりもリフォーム費用が高額になるので、定期的にメンテナンスをおこなうことが大切です。具体的な施工費用を知りたい場合は、業者に見積もりをとりましょう。

スレート屋根のリフォーム費用相場

施工内容によって、スレート屋根のリフォーム費用が大きく変わります。部分修理・塗装工事・カバー工法・葺き替え工事の、費用相場を確認しましょう。あくまで目安費用なので、具体的な費用を知りたい場合は業者に見積もりをとるのがおすすめです。

部分修理

ひび割れや欠け、剥がれが見られる場合は、部分修理をおこないます。部分修理は、新しいスレートを貼って簡単に補修することが可能です。ただ、築年数が経っている場合や、アスベストを含んだスレート屋根の部分修理はおすすめできません。

スレート屋根を新しく差し替える費用は、1~5万円程度です。また、雨漏り調査や足場を設置する場合は、施工費用に加えて別途費用がかかります。雨漏りの原因を特定せずに補修を進めると、再発する確率が高まるので必ずおこないましょう。

屋根の塗装工事

屋根材の表面に塗装の剥がれが見られる場合は、塗装工事をおこないます。ただし、屋根の塗装で寿命が長くなることはないため、築年数が長い場合はほかの補修方法を検討するのもおすすめです。

30坪の住宅のスレート屋根をシリコン系塗料で塗装する場合の費用は、23万円程度かかります。シリコン系やウレタン系など塗料の種類は豊富にあるため、それぞれ単価や機能が異なります。なお、もっとも安いのはウレタン系の塗料です。

屋根カバー工法

既存のスレート屋根の上から新しい屋根材を重ねるのが、カバー工法です。既存屋根と新しい屋根材の間には、防水シートと軽い金属屋根を取り付けます。

屋根の形状や大きさなどの条件で費用相場は異なりますが、80〜180万円程度でリフォームが可能です。1㎡あたり5,000〜11,000円ほどで、このほかに下地や足場の設置費用がかかります。

葺き替え工事

既存屋根を撤去してから新しい屋根材を取り付けるのが、葺き替え工事です。費用は、屋根材の種類や屋根のサイズで変わります。30坪の家でスレート屋根からスレート屋根への葺き替えは、80〜120万円程度かかります。

日本瓦からスレート屋根に変える場合の費用相場は、100〜160万円程度です。施工費用以外に、既存屋根の撤去費用や下地補修、足場の設置費用がかかります。葺き替え工事は、部分補修やカバー工法よりリフォーム費用が高くなることが多いです。

屋根の修理・工事業者のプロを探す

スレート屋根は日本でもっとも普及している屋根材で、多くの住宅で採用されています。スレート屋根の耐用年数は15〜30年程度といわれており、環境によっては劣化が早く進むこともあります。劣化状態がひどくなると雨漏りの原因になるため、早めに補修をおこなうことが必要です。

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