畳をフローリングに替えることで、和室から洋室に変更することができます。しかし、畳をフローリングに替える方法は1つではありません。方法によっては工期が長引くことや、リフォーム費用が高額になることもあります。
この記事では、部屋の床材を畳からフローリングに変更したいと考えている方に向けて、リフォーム方法を詳しく紹介しています。利用できる方法や費用相場、床材の選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
和室をフローリングの部屋にリフォームする方法は2パターン
和室をフローリングの部屋にする方法は、畳を剥がして張り替える方法と畳の上に敷く方法の2つのパターンがあります。どちらの方法にもメリットとデメリットがあるので、事前に確認しておくことが必要です。それぞれの方法について見ていきましょう。
①畳を剥がして「張り替え」
「張り替え」とは、畳を剥がして下地の状態にし、その上にフローリングを敷設する方法です。畳を剥がすのは簡単なのでDIYをすることもできますが、畳を処分したり、フローリングを適切なサイズにカットしたりする手間がかかるので、業者に依頼するほうが良いでしょう。
費用相場
【フローリング張替えの費用相場】
広さ | 複合フローリング | 無垢フローリング |
4.5畳 | 10万円ほど | 13万円ほど |
6畳 | 18万円ほど | 25万円ほど |
8畳 | 22万円ほど | 30万円ほど |
複合フローリングとは、合板などの上に天然木や化粧シートを張り合わせて作った床材です。無垢フローリングより価格が低く、温度や湿度によって大きさが変わりにくいという特徴があります。
一方、無垢フローリングは天然木を加工して仕上げた床材です。天然木ならではの風合いや肌ざわりが特徴で、高級感のある仕上がりになります。
工期
6畳程度の広さの和室であれば、1日あれば畳からフローリングに張り替えることができます。ただし、室内に家具を多く置いている場合には、移動させるのに時間がかかり、施工時間も長引くことがあります。
選ばれる理由
畳からフローリングに張り替えることで、床の掃除がしやすくなります。畳の上ではなく畳を剥がしてからフローリングを敷くと、高さを調整できるので、段差のないバリアフリー対応の空間に仕上げることが可能です。
また、無垢フローリングを選べば、本物の素材ならではの上質な空間になることもメリットといえます。
気をつけるポイント
畳と比べるとフローリングはひんやりとした感触のため、冷えを感じやすくなるというデメリットがあります。また、防音性が低いので、和室が2階以上にあるときには階下に音が響くかもしれません。
畳の上からフローリングを敷くケースと比べると、施工費用が高額になる点にも注意が必要です。無垢フローリングは価格が高いので、さらに高額になります。
②畳の上に敷く「敷き替え」
畳の上にフローリングを敷く「敷き替え」は、手軽に和室をリフォームできる方法です。畳を廃棄する必要がないため、ゴミが出ない点も手軽にできるポイントといえます。
リフォームが難しい賃貸住宅やマンションでも、敷き替えなら簡単です。また、フローリング以外にもカーペットやクッションフロアなどの素材も選択でき、好みに合わせて空間をデザインできます。
費用相場
素材によって価格は異なりますが、ウッドカーペットもクッションフロアも6畳サイズの部屋で2万円ほどが費用相場となります。ぴったりのサイズがないときには、専門家に依頼してカットしてもらうことになりますが、その場合でも10万円ほどあれば完成するでしょう。
ウッドカーペットやクッションフロアの中には、木目がリアルなものもあります。一般的なフローリングと比べてカラーやデザインのバリエーションが豊富なので、部屋のイメージに合わせて選びましょう。
工期
業者に施工してもらう場合でも、今ある畳の上に敷くだけで終わるので、6畳程度の広さであれば1日で完了します。
ただし、部屋の形状が特殊なときにはカットが必要になるため、施工時間が長引く場合があります。また、部屋に家具などを多く置いているときも、施工時間が長引くので、事前にできる範囲で移動させておきましょう。
[使用できる床材]ウッドカーペット
ウッドカーペットは、木の板をつなぎ合わせて作ったカーペットです。フローリングのような見た目ですが、カーペットのように丸めて運ぶこともでき、扱いやすい素材です。
6畳サイズで2万円ほどと価格が安く、気軽に部屋の模様替えをしたいときにも利用できます。また、ウッドカーペットは裏面に布が貼ってあることが多く、畳を傷つけにくいという特徴もあります。
[使用できる床材]クッションフロア
クッションフロアは、ウッドカーペットとは異なり木材を使用していません。塩化ビニルに木目を印刷して仕上げているので、ウッドカーペットと比べると空間がカジュアルな雰囲気になります。
クッションフロアはカッターナイフなどで簡単にカットできる素材のため、DIYに慣れていない方でも簡単にサイズの加工が可能です。また、デザインが豊富でイメージに合わせて選びやすく、施工後は音が階下に響きにくくなる点も特徴です。
選ばれる理由
敷き替えを選ぶことで、施工費用を抑えることができます。あまりお金をかけずにお部屋のイメージを変えたいときや、賃貸住宅に暮らしているときにも敷き替えはおすすめです。
また、無垢フローリングや複合フローリングと比べると、ウッドカーペットやクッションフロアはデザインやカラーが豊富な点もメリットです。
気をつけるポイント
畳とフローリングの間は湿気がこもりやすく、カビが生じる可能性があります。また、畳とフローリングの間にほこりや髪の毛などが入り込むこともあり、掃除しにくいというデメリットもあります。
カビやほこりは放置すると、汚れが落ちにくくなるので注意が必要です。将来的にウッドカーペットやクッションフロアを取り除いて畳を利用する可能性がある場合は、定期的に乾燥させたり掃除したりするようにしましょう。
気になる!畳の上に敷くだけのフローリングのカビ対策とは
簡単に和室をリフォームするなら、畳の上にフローリングを敷く方法がおすすめです。しかし、フローリングと畳の間に湿気がこもり、カビが生えやすくなる点に注意しましょう。カビ対策とカビが生えたときの対応方法について説明します。
畳にカビが生えるのを防ぐには
畳にゴミやホコリなどがついていると、カビが生えやすくなります。ウッドカーペットやクッションフロアなどのフローリングを敷く前に、畳を丁寧に掃除しておきましょう。
また、定期的に畳を乾燥させたり、畳とフローリングの間を掃除したりすることも、カビ予防の方法の1つです。こまめにカビが生えていないかチェックして、増殖を回避しましょう。
カビが生えてしまったら?
カビが生えたときは、すぐに対応することで増殖を回避できます。まずは酢を水で10倍に希釈して雑巾に含ませ、カビが生えた場所を丁寧に水拭きしましょう。酢の代わりに消毒用のエタノールも使用できます。
また、畳を水拭きした後は、丁寧に畳の目に沿って掃除をしましょう。こまめな掃除と乾燥が、畳をカビから守る基本の方法です。
一部を畳として残すのもあり!
和室全体にフローリングを敷くのではなく、一部のみに敷く方法も検討してみましょう。畳が部分的に見えることで和モダンなイメージに仕上がるだけでなく、畳が乾燥しやすくなるのでカビ予防にもなります。
フローリング材の選び方
フローリング材はさまざまな種類があります。張り替えの方法であれば無垢フローリングと複合フローリング、敷き替えの方法であればクッションフロアとウッドカーペットから選択可能です。
また、それぞれのフローリング材にも、さまざまな種類があります。お部屋のイメージに合わせて、色やテイストに注目して選びましょう。
色で選ぶ
お部屋のイメージに合わせて、色で選んでみてはいかがでしょうか。色タイプ別のイメージや効果について紹介します。
ホワイト・ベージュ系
ホワイトやベージュ系のフローリングには、空間を広く見せる効果があります。狭さが気になる和室は、ホワイト・ベージュ系のフローリングを選びましょう。
ブラウン系
ブラウン系のフローリングは、インテリアと合わせやすいというメリットがあります。また、濃い目のブラウンを選べば、落ち着いたラグジュアリーな雰囲気も演出できます。
グレー系
グレー系のフローリングは、お部屋をスタイリッシュなイメージに仕上げます。モノトーンの家具との相性も良いので、白黒の家具を置きたいときにもおすすめです。
お部屋のテイストで選ぶ
お部屋のイメージやテイストに合わせて選ぶのもおすすめです。いくつかのタイプに分けて、相性の良いフローリングを紹介します。
ナチュラル系
ナチュラル系のイメージのお部屋であれば、フローリングもナチュラルな素材がおすすめです。無垢フローリングや、木目がくっきりとわかるウッドカーペットなどを選びましょう。
北欧系
人気の北欧系のインテリアでお部屋を仕上げる場合は、フローリングはホワイトかベージュ系がおすすめです。ナチュラルな素材感のある無垢フローリングなら、よりスタイリッシュな雰囲気になります。
モダン系
グレー系などのモノトーンに合うフローリングを選ぶと、よりモダンなお部屋になります。ラグジュアリーな効果も演出したいときは、ダークグレーやダークブラウンもおすすめです。
アジアン系
アジアン系のインテリアには、ダークブラウンのフローリングがおすすめです。竹や籐の素材感を演出できるクッションフロアなら、こだわりの家具も引き立ちます。
和室から洋室へのリフォーム業者を探す
和室から洋室にリフォームすることで、部屋の用途が広がることもあります。張り替えだけでなく敷き替えも検討し、より良い空間に仕上げていきましょう。
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