どんなに丁寧に使っても、フローリングには汚れやキズがつくため、必要に応じて張り替えを検討しなくてはいけません。また、汚れやキズがない場合でも、日光を浴びることで色褪せや変色が生じることがあります。
この記事では、フローリングの張り替えを検討している方に向けて、必要な情報を詳しく紹介しています。20畳程度の張り替えにかかる費用相場や工期、業者の選び方についても解説しているので、ぜひチェックしてください。
20畳のフローリング張り替えにかかる費用と工期
20畳のフローリングの張り替えにかかるリフォーム費用と工期は、床材の種類によって異なります。床材は大きく分けると下記ようになります。
- 無垢フローリング
- 複合フローリング
床材が異なることで質感や使用感が変わるだけでなく、耐用年数や費用も大きく変わるので注意が必要です。
無垢フローリング(40万円〜)
無垢フローリングは天然木そのものを床材として加工している床材(無垢材)です。
メリット
- 自然な美しさ: 独特の木目と風合いがあり、温かみのある見た目。
- 環境に優しい: 再生可能な資源を使用。
- 長寿命: 適切なメンテナンスをすれば、非常に長持ちする。
- 修復可能: 傷や汚れがついた場合でも、研磨や再塗装で修復可能。
デメリット
- 高価: 初期コストが高い。
- メンテナンスが必要: 定期的なワックスがけや再塗装が必要。
- 湿気に弱い: 湿気によって膨張や収縮が起こりやすい。
- 傷がつきやすい: 硬い物にぶつかると凹みや傷がつくことがある。
【無垢フローリングの費用相場と工期】
費用相場 | 工期 | 耐用年数 | |
張り替え | 45万~65万円 | 4日~6日 | およそ30年〜 |
重ね張り | 40万~50万円 | 1日~2日 | およそ30年 ※下地の状況次第で異なります。 |
傷がついたり、凹みが生じてしまったりするリスクが高いため、定期的なメンテナンスが必要です。無垢フローリングで張り替えを検討している場合は、リフォームにかかる費用だけでなく特徴を理解した上で、張り替えることをおすすめします。
複合フローリング(30万円〜)
メリット:
- コストパフォーマンスが高い: 天然木よりも安価で施工が容易。
- メンテナンスが簡単: 定期的なメンテナンスがほとんど不要。
- 耐久性が高い: 表面が耐久性のある素材でコーティングされており、傷や汚れに強い。
- 湿気に強い: 湿気による変形が少ない。
デメリット:
- 自然な風合いが劣る: 天然木に比べて、見た目や質感がやや人工的。
- 修復が難しい: 表面が傷ついた場合、修復が難しく、部分的な交換が必要になることが多い。
- 化学物質の使用: 製造過程で化学物質が使われるため、敏感な人には影響があるかもしれない。
- 寿命が短い: 天然木に比べると寿命が短く、頻繁な交換が必要になることもある。
【複合フローリングの費用相場と工期】
費用相場 | 工期 | 耐用年数 | |
張り替え | 35万~50万円 | 4日~6日 | 10年〜15年 |
重ね張り | 30万~45万円 | 1日(半日)~2日 | 10年〜15年※下地の状況次第で異なります。 |
上記の内容はあくまでも参考の相場費用と目安の工期なため、補修や取り替えが必要な時は、さらに工期が延びることもあるので注意しておきましょう。
フローリングを張り替える方法は2種類
フローリングを張り替える方法は、主に張り替えと重ね張り(上貼り)の2つの種類があります。それぞれどのような特徴があるのかを解説します。
張り替えタイプ
張り替えのフローリングは、既存の床材(フローリング)をすべて剥がし、新しいフローリングを敷設するタイプのことを言います。
床下の状態を確認できるため、シロアリによる被害や腐食、下地の劣化状況を早期に見つけることが可能です。また、既存の床の凹凸を綺麗に解消できるため、平らな床に仕上げられます。
しかし、張り替える施工面積の全ての床材を剥がすため、既存の床材の処分費用がかかります。さらに床材を剥がすのに長期間の工期が必要となることを押さえておきましょう。
重ね張りタイプ
重ね張り用のフローリングは、既存の床の上に新しいフローリングを敷くタイプのことを言います。既存の床材を剥がすことなく、張り替えられるため、処分費用や床材を剥がす工程がかかりません。
施工期間が短く費用も安価な張り方です。しかし、床下の状況を確認できないため、シロアリによるトラブルや経年劣化している状況を把握できません。
カビが生えていたり、経年劣化していたりするなど既存の床の状態によっては、重ね貼りでリフォームすること自体が難しいこともあります。事前にリフォーム会社に確認しておくのがおすすめです。
20畳のフローリングの張り替え費用を抑える秘訣
20畳のフローリングの張り替えを依頼する際に費用を抑える方法があります。主に下記3つの方法で費用を抑えることが可能です。
- 重ね貼りを選択する
- グレードが低いフローリング材を選ぶ
- 部屋全面を一気に張り替える
どのように抑えるのか詳しくお伝えします。
重ね貼りを選択する
張り替えではなく、重ね貼りを選ぶことでフローリングの張り替え費用を抑えることが可能です。床材の撤去費用がかからないため、処分費用がかかりません。
しかし、仕上がりの見た目で床の高さが上がってしまったり、床下の状況次第では早い期間で張り替えが必要になったりするなどのデメリットがあります。
床下の劣化が進んでいたり、カビや腐食などのトラブルが起きている場合は、既存の床材を交換して張り替える方法の方がコストパフォーマンスに優れています。重ね貼りのデメリットを理解した上で、既存の床の状況を踏まえて業者に相談してみましょう。
グレードの低いフローリング材を選ぶ
グレードが低いフローリング材を選ぶことで材料費を抑えることが可能です。しかし、耐久性に優れていなかったり、傷や汚れが目立ちやすくなってしまったりするリスクがあります。
また、リフォームした場合のコストパフォーマンスを考えると、高いグレードの方が総合的に費用を抑えられるケースもあります。リフォームする家に住み続ける期間や予算と相談して、最低限のグレードを利用すると良いでしょう。
部屋全面を一気に張り替える
部屋全面を一気に張り替えることで材料費を節約できます。20畳ではなく、お部屋のフローリングを部分的に張り替えてしまうと、フローリング材をカットしたり、接着剤で細かく貼り付けたりするなどの複数の工程が必要です。
また、色や柄の違いが目立ってしまうリスクがあるため、補修費用をかけて、その都度張り替えを依頼することになりがちな傾向です。
また、部屋全体を一気に張り替えることで、きれいな仕上がりを維持し続ける効果を期待できます。コストパフォーマンスや材料費を抑えたい方は、部屋全面を一気に張り替えることをオススメします。
20畳のフローリング張り替えが高額になるケース
相場費用を確認していたにもかかわらず、フローリングの張り替えをリフォーム業者に依頼する施工費用が想定していた予算よりも高額になってしまうのには理由があります。一般的な相場価格よりも高額になる事例は下記の項目が当てはまります。
- キッチンの移動が求められる場合
- 床暖房が設置されている場合
- 特殊な技術が求められる場合
1ずつどのような理由があるのかを詳しくみていきましょう。
キッチンの移動が求められる場合
キッチンの移動が求められる場合は、高額の工事費用がかかります。例えば、壁付キッチンを対面キッチンに変更するといったリフォームをフローリングの張り替えと同時に行うことが当てはまります。
キッチンを移動してフローリングを張り替える場合は、電気や水道の設備の工事や、移動したキッチンの場所の床材が追加で必要です。
水回りやガスなどの工事が追加でかかるため、通常の既存の床材を張り替える相場費用よりも、およそ20万円以上の追加の予算を押さえておきましょう。
床暖房が設置されている場合
既存の床材の下に床暖房が設置されている場合、高額の費用がかかります。床暖房の熱源を撤去したり設置したりする必要があるためです。
床暖房の熱源には、下記の種類があり、それぞれ撤去したり設置したりする施工方法や相場費用が異なります。
- 電気式:1畳あたり5,000円~10,000円
- ガス式:1畳あたり10,000円~15,000円
- ヒートポンプ式:1畳あたり15,000円~20,000円
20畳のフローリングで床暖房が設置されている場合は、張り替えに50万円〜100万円程度かかるため、相見積もりで依頼する業者さんを比較検討しましょう。
特殊な技術が求められる場合
既存の床材が剥がしにくかったり、平らな床ではなかったりする場合は、張り替えに高額の費用がかかります。既存の床材が古い場合や、強力な接着剤で下地材に貼り付けられている場合は、丁寧に剥がす必要があるため、特殊な技術が必要です。
特殊な技術は下記の技術が当てはまります。
- ドライアイスで脆くした接着剤を剥がす
- 強力な接着剤を溶かすニートリムーバーを活用する
- スクレーバーで少しずつ床材を削る
- ヒートガンで床材と接着剤を柔らかくする
- 剥離剤を使用する
既存の床材の接着剤や床材の種類によって床材の剥がし方が異なるため、適切な方法で剥がしてもらえる業者を見極めて依頼しましょう。
20畳以上の広い面積のフローリング張り替えをする際のコツ
LDKなど広い空間のフローリングを張り替えるときには、下記の注意点があります。
- 面積効果を考慮する
- マンションの場合は管理会社へ確認する
- トータルバランスを考える
それぞれのポイントについて説明します。
面積効果を考慮する
面積効果を考慮した上で、張り替えを依頼することがポイントです。面積効果とは、部屋の面積が広い場合、明るいものは実際以上に明るく見え、反対に暗いものは実際以上に暗く見えることを言います。
小さなサンプルだけでフローリングを選んでしまうと、仕上がりが予想した雰囲気とは異なることがあります。例えば、明るい床材を選びたいときは最適と思われるよりもワントーン暗いもの、暗い床材を選びたいときはワントーン明るいものにし、バランスを取るとよいでしょう。
また、サンプルでは木目やデザインが気にならなかったものが、LDK全体にフローリングを敷くと目立ってしまうこともあります。後悔しないためにも、デザインがあるものは事前にシミュレーションしておくことをオススメします。
家具や建材のトータルバランスを考える
フローリングの張り替えを依頼する際は、家具や建材のトータルバランスを考えることがポイントです。20畳のフローリングを貼り変えるだけでも、部屋の雰囲気は大きく異なります。インテリアとのバランスを考えた上で、床材の種類や色合い、デザインを決めることが重要です。
また、壁や天井の色味、地模様、デザインなどに馴染むおしゃれなフローリング材を選ぶことも大切です。フローリング単体で判断するのではなく、トータルバランスを意識しましょう。
マンションの場合は管理会社へ確認する
賃貸マンションやアパートなどの集合住宅では、リフォーム工事の前に管理規約を確認し、管理会社に工事内容を申請しなくてはいけません。さらに張り替え工事は騒音がするため、上下左右の住宅には事前に挨拶をしておくことも大切です。
また、マンションによっては床材の遮音等級が決められていることもあります。階下の住民の暮らしやすさを守るためにも、管理規約をしっかりと調べておきましょう。
ペットの住みやすさにも配慮する
一緒に暮らしているペットの住みやすさにも配慮してリフォームを依頼することが重要です。フローリングは、ペットにとって滑りやすい環境なため、怪我をしてしまったりストレスをためてしまったりする恐れがあります。とくに老犬や子犬は滑りやすいと言われています。
また、長期的に綺麗なフローリングを保つために、下記の機能性に優れている床材を選ぶことがポイントです。
- ペットの爪や歯などで傷がつきにくい明るい色
- おしっこやよだれなどが染み込みにくい素材
- 防音性能や静音性に優れている厚みの素材
- 怪我を防止するクッション性に優れた素材
ペットにとって快適な空間にしてあげる配慮を心がけましょう。
床暖房の導入を検討する
フローリングを張り替えるタイミングで床暖房を取り入れることがポイントです。床暖房の導入には、フローリングを剥がす必要があります。
フローリングを張り替えた後に導入してしまうと、設置したり、床を剥がしたりする費用が必要です。同時にリフォームできれば、費用を抑えられるだけでなく、工期を短くできます。
また、床暖房の利用には下記の魅力があります。
- 光熱費を節約できる
- 冬場の足元が暖かい
リビングや廊下などの広いフロアでも、エアコンよりも効率的に部屋全体を暖められるため、冬場の光熱費の節約に繋がります。とはいえ、設置費用や電気代がかかるため、総合的な料金と予算で導入の可不可を判断しましょう。
フローリング張り替えはDIYできる?
フローリングの張り替えは、重ね貼りの場合に限り自分でDIY可能です。施工費がかからないため、リフォーム業者に依頼するよりも費用を抑えられます。
しかし、20畳もの広い範囲をDIYするには、工法技術が求められるため、理想の仕上がりにならなかったり、時間がかかって生活に支障が出たりすることがあるでしょう。
また、フローリングのカッティングに失敗し、通常よりも材料費が高価になるリスクも伴います。DIYを検討している方は、狭い部屋でフローリングの張り替え経験を積んでから、LDKの張り替えに挑戦してみることをオススメします。
フローリング張り替えのプロを選ぶ際のポイント
フローリングの張り替えは、プロに任せることをおすすめします。しかし、リフォーム業者によって仕上がりに差が生じるだけでなく、費用も大きく異なるため注意が必要です。
本章ではリフォーム業者の選び方のポイントについて説明しますので、満足できるリフォームを実現するために、ぜひ参考にしてください。
相見積もりを取る
フローリングの張り替え費用は、リフォーム業者によって異なるため、複数社に相見積りを依頼して選ぶことがポイントです。同じ材料を使って張り替える場合でも、仕入価格や施工費が異なるため、総額に大きな違いが生じることがあります。
とくに「費用一式」といった言葉を用いて、見積書の内訳を提示しない業者には注意が必要です。約束した資材よりも勝手にランクを落として敷設したり、手抜き工事を行ったりする可能性があります。見積書の項目で少しでも不明点や不安な内容があれば業者に直接聞くことが重要です。
割高な業者に依頼しないためにも、費用総額だけでなく、費用の内訳やフローリング材の単価、工期日数などの詳細も比較しましょう。
実績が豊富な業者を選ぶ
優良業者を見極めるためには、実績が豊富な施工業者を選ぶことがポイントです。実績が豊富でない業者を選んでしまうと、工期が延びたり、床材が浮く・歩くと音が鳴るといった不具合が生じたりすることがあります。
実績を確認する際は、リフォーム業者によって専門とする分野が異なるため「フローリングの張り替え実績が豊富か」といった点に注目して契約しましょう。基本的に業者自体の施工例や実績が豊富でも、フローリングの張り替え経験が少なく、高い品質を期待できないケースがあります。
また、地元や地域内で業者選びをする際は、評判を確認しておくことが重要です。最近フローリングのリフォームをした知人などに、フローリングの張替えが得意な業者を尋ねてみると良いかもしれません。
スタッフとの相性を確認する
見積もりを取るときは、値段だけでなくスタッフの対応も確認しておくことが大事です。主に下記のサービス内容をチェックしておきましょう。
- 要望や希望を丁寧に聞いて誠実に回答してもらえる
- 相性の良さを感じられる
- イメージ通りに対応してもらえる
スタッフの対応は、ファーストコンタクトでもある程度わかります。そのため、電話やメールで最初に連絡を取ったときの言葉遣いなども慎重に確認しておくことをオススメします。
フローリングの張り替え工事は、見積もりや工事当日、点検、修繕などのさまざまな機会に顔を合わせることがあるので、相性の良さを確認しておくことは欠かせません。
補償の有無をチェックする
フローリングを張り替えた後にトラブルに対応可能な補償の有無をチェックしておくことがポイントです。丁寧に工事をしてくれるリフォーム業者であっても、床材の初期不良といったやむを得ない理由により、トラブルが生じる可能性はあります。
たとえば、床材が浮いてしまい、歩くたびに音が鳴ったり、凹凸が激しくつまずきやすくなったりすることがあるでしょう。フローリングの張り替え工事は、安いものではないため、万が一に備えておくことで安心できます。
また、1年後、3年後、10年後などのタイミングで、無料点検をしてくれる業者もあります。また、ケースごとに有償保証や無料補償を提供している業者もあるので、詳しくは問い合わせてみるのがおすすめです。
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20畳のフローリング張り替えにかかる価格相場や工期、業者の選び方のポイントについてご紹介しました。
広い面積の張り替えを実施する場合は、トータルバランスを考えることが大切です。素人判断では難しい場合もあるので、迷ったらリフォーム工事のプロに相談してみましょう。
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