エアコンを購入したら、使う前に取り付け作業が必要になります。業者に頼むのが一般的ですが、DIYできるのかは気になるところ。今回は、エアコンをDIYで取り付ける際のポイントをご紹介します。正しい手順をチェックして安全に作業しましょう。
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エアコンの取り付けはDIYできる?
エアコンの取り付けに資格は必要なく、誰でもDIYが可能です。
ただし、エアコンから室外機までの距離が長い場合は電線の延長工事をおこなわなければいけません。 電線の延長工事は、電気工事士の資格が必要であるため業者に依頼する必要があります。
そのほかにも、コンセントやアース(接地)を工事したりする場合においても資格が必要です。資格が必要な工事には手を付けないようにしましょう。
エアコン取り付けのDIYに必要な道具
必要な道具
エアコンの取り付けをDIYする際に必要な道具には、次のようなものがあります。
道具 | 特徴 |
レンチ | ボルトやナットを締める工具 |
トルクレンチ | ボルトやネジを締め付ける工具 |
フレアツール | フレア加工を施す工具 |
パイプカッター | 配管パイプを切る工具 |
真空ポンプ | 容器内の気体を外へ排出する工具 |
水準器 | 水平を計測するための工具 |
電動ドライバー | ネジ締めや穴開けをする工具 |
脚立 | 高い位置に設置するための踏み台 |
ドライバー | ネジを回す工具 |
六角レンチ | 六角穴ボルトのネジを固定する工具 |
ニッパー | 配線コードを切断する工具 |
必要な部品
部品 | 特徴 |
据置台 | 室外機を設置するもの |
配管パイプ | 冷媒の配管 |
エアコン配管用パテ | 雨・風の侵入防止するためのもの |
貫通スリーブ | 壁に開けた穴を保護するもの |
渡り配線用の電線 | 室内機と室外機の端子台に接続するもの |
ボードアンカー | エアコン据付板の取り付けるもの |
化粧カバー | 施工後の配管のカバー |
エアコンDIYの方法・手順
- 必要な工具と部品を揃える
- 部屋を養生して傷や汚れを防ぐ
- 配管パイプ用の穴を開ける
- 据付板を設置する
- 室内機を取り付ける
- 配管パイプにフレア加工を施す
- 冷媒配管と室外機を接続する
- 配管の内部を真空状態にする
- ガス漏れを点検する
- 配管用の壁穴をパテで埋める
1.必要な工具と部品を揃える
作業を始める前に、まずは必要な部品を揃えます。
2.部屋を養生して傷や汚れを防ぐ
用具や部品が用意できたら、傷や汚れを防ぐために部屋を養生しましょう。できれば、使用しなくなった毛布やビニールシートなどの厚手のものがおすすめです。
3.配管パイプ用の穴を開ける
エアコンの取り付けは、室外機と室内機をつなぐ配管パイプ用の穴を開けるところから始めます。ただし、住宅によってはすでに穴が開いていることもあるので、事前に確認しておきましょう。
4.据付板を設置する
室内機を固定するための背板である据付板を壁に設置します。据付板を設置する際のポイントは、地面に対して水平に設置することです。水準計を使用しながら、据付板を設置する位置を決めましょう。
5.室内機を取り付ける
壁に設置した据付板に、室内機を取り付けましょう。室内機の掛け方を間違えると、本体が落下して故障する原因になることがあるので要注意です。
6.配管パイプにフレア加工を施す
室外機を住宅の外に設置し、配管パイプを切断してフレア加工を施しましょう。フレア加工とは、配管パイプの銅管の端部をラッパ状に広げる工事です。
7.冷媒配管と室外機を接続する
フレア加工を施したら、冷媒配管と室外機を接続しましょう。冷媒配管の締め付けが緩いとガス漏れの原因になり、強すぎると銅管がつぶれる要因になります。適度な力で締め付けましょう。
8.配管の内部を真空状態にする
配管の内部を真空状態にします。ホコリやゴミなどが配管内部に残っていると、効率的に冷暖房を効かせることはできません。ホコリやゴミなどが残らないように、しっかり真空状態にしましょう。
9.ガス漏れを点検する
配管内部を真空状態にした後は、冷媒ガスを解放してガス漏れを点検しましょう。ガス漏れした場合は、すぐに締め直して不備がないか確認します。
10.配管用の壁穴をパテで埋める
これまでの工程で、接続した箇所や配管に問題ないか確認しましょう。問題ないことが確認できたら、配管用の壁穴をパテで埋めます。虫や雨水が侵入しないように、隙間なくパテ埋めをおこないましょう。
DIYの注意点
エアコンの取り付けは、DIYすることが可能です。ただし、エアコンの取り付け方を間違えると、故障したり効きが悪かったりなど悪影響が出ます。エアコンを取り付ける際のポイントは、次のとおりです。
- フレア接続部の締め具合によるガス漏れ
- 真空引きの失敗は冷暖房の効率が落ちる
- DIYでエアコンを取り付けると保証がない
エアコンの取り付けをDIYする時に、もっとも多い失敗がガス漏れです。フレア接続部の締め具合には十分に注意しましょう。 また配管内部を真空状態にする真空引きに失敗すると、内部で水滴が凍るなどしてエアコンの効きが悪くなります。真空引き作業は、慎重に実施しましょう。
エアコンの取り付けで注意したいのが、保証問題です。残念ながら自分でエアコンを取り付けて失敗した場合、保証は受けられません。保証がなくて心配な場合は、保証期間が設けられる業者に依頼するほうが安心です。
エアコン取り付けを業者に依頼する場合
保証問題などもあり、エアコンの取り付けを業者に依頼した方がいいのか迷うものです。特にDIYは、費用を抑えてエアコンの取り付け作業ができるので、業者に依頼した場合の費用を知りたい方もいるでしょう。
ここでは、業者に依頼する際にかかる費用を紹介します。業者を選ぶ時のポイントも紹介するため、業者選びに迷う方は参考にしてください。
業者に依頼する場合・DIYする場合の費用の比較
DIY | 専門業者 | |
費用 | 15,000~20,000円 | 15,000~20,000円 |
作業時間 | 3〜5時間 | 1.5~2時間 |
保証期間 | 保証はなし | 1年間程度 |
業者に依頼する場合とDIYの場合では、費用が大きく違うと考える方も多いですが、必要な道具や部品を揃えると費用が高額になることもあります。道具や部品にどのくらいの費用がかかるのか考慮したうえで、業者に依頼するか検討しましょう。
業者選びのポイント
エアコンの取り付け業者は多く存在するので、業者選びに迷う方も多いでしょう。悪質な業者に依頼してしまうと、余計な費用がかかることもあります。業者選びのポイントは、次のとおりです。
- 高い信頼(実績)を誇る業者である
- 明瞭な見積もりを出してくれる
- 保証制度やアフターサービスが充実している
高い信頼(実績)を誇る業者は、それだけ質の高いサービスを提供しているということです。たとえば、口コミが良かったり店舗数が多かったりなどで、業者の信頼(実績)を確認しましょう。
また、業者によって見積もりの内容は異なります。ただ大まかな見積もりしか出してくれない業者は、あとで多額の費用を請求されることも考えられます。後悔しないためにも、明瞭な見積もりを出してくれる業者を選びましょう。
エアコンの取り付け工事は、取り付け作業が完了したら終わりではありません。のちに不具合が起こる可能性もあるため、保証制度やアフターサービスが充実する業者を選びましょう。
ゼヒトモでエアコン工事のプロを探す
エアコンの取り付けは、特別な資格は必要なくDIYすることが可能です。ただしDIYすることでガス漏れや冷暖の効き目に悪影響を及ぼすこともあります。また、必要な道具や部品を買い揃えたら業者に依頼するよりDIYしたほうが費用を抑えられる場合も多いです。
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監修したプロのコメント
基本的にエアコンのDIYはおススメできません。ケガをするリスクが大きい事と、取り付けてから数年後に火災等が発生した事例もあるからです。取り付け作業が慣れていない、少しでも不安に思っている方は、知識と資格を持っているプロに任せてください。
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