麦茶と言えば「ミネラル豊富」というイメージですが、実際はどの程度期待できるのでしょうか?これまであまり触れられてこなかった疑問とともに、麦茶のアレコレを紐解いていきます。
麦茶は「ミネラル豊富」はウソ!?
まずは麦茶に含まれるミネラルの種類をご覧ください。日本食品標準成分表に記載されている13種類のうち、麦茶に入っているのは5種類のみ。どれも1桁程度の含有量で、1日に必要な数%分にも満たない量です。麦茶にミネラルが含まれているのはホントの話ですが「豊富といえる量ではない」というのが真実です。
そもそもミネラルとは?
ミネラルとは、私たちの身体を構成する成分のひとつです。先ほど紹介した13種類のミネラルは、人の身体に欠かせないものは「必須ミネラル」と呼ばれています。
カルシウムが骨の材料となるように、身体の構成成分として働くほか、身体の機能を調整する役割があります。カリウムやカルシウムなどは不足しがちであることが知られているため、十分に摂りたい栄養素です。
麦茶より優秀なお茶がある…?
「麦茶には意外とミネラルが少ない」という事実を知り、ショックを受けた方がいるかもしれません。ここからは緑茶や紅茶、ジャスミンティーなど、麦茶以外のお茶に関する効能を見ていきましょう。
抗酸化物質「カテキン」を持つ「緑茶」
麦茶にもポリフェノールが含まれますが、緑茶の抗酸化作用は強いといわれています。
緑茶には、抗酸化作用を持つカテキン(ポリフェノール)が含まれています。ポリフェノールは、体内の有害物質を取り除き、体の酸化を防ぐ物質です。これにより動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などの予防などが期待されます。
緑茶はカフェインが含まれるため水分補給に向かないといわれますが、コーヒーの半分ほどの含有量であるため、心配しすぎる必要はありません。
抗酸化物質「タンニン」を持つ「紅茶」
麦茶にはない香りを楽しめたり、リラックス効果が期待出来たりするのが紅茶です。
紅茶には、抗酸化物質である「タンニン」が含まれ、緑茶と同様に抗酸化作用があります。ほかにも「テアニン」という成分はリラックス効果があることも期待されており、ほっと一息つきたいときにおすすめできるお茶です。
コーヒーの方がさまざまな効果が期待でき優秀と思われがちですが、リラックスしたい場合は紅茶の方が優秀です。コーヒーはテアニンによるリラックス効果は期待できず、またカフェインも多いため刺激となります。
リラックス効果のある「ジャスミンティー」
ジャスミンティーの華やかな香りは、麦茶には到底かないません。
ジャスミンティーは、華やかな香りとさわやかな味わいが特徴のお茶です。ジャスミンの香りにはリラックス効果が期待され、心と体のリフレッシュができます。
ジャスミンティーなどのハーブティーは香りや味が苦手、と思うかもしれません。実はジャスミンティーも紅茶などと同じように牛乳で割ったりハチミツを入れたりして楽しめます。リフレッシュ効果を期待したい方はさまざまな飲み方を試してみましょう。
麦茶とほかのお茶の比較まとめ
緑茶、紅茶、ジャスミンティーのさまざまな良いところを紹介しました。麦茶と比較してみると、以下の通りです。
麦茶にもある程度の効果は期待できるものの、ほかのお茶の方が優れているところが多くなっています。
麦茶は不要?答えはNO
ここまで麦茶の印象を悪くする内容が続きましたが、もちろん麦茶にも良いところがたくさんあります。
熱中症対策にピッタリ!
麦茶は熱中症対策に「もっとも」適しているといっても良いほど優秀な飲み物です。緑茶や紅茶のような利尿作用がなく、効率的にカラダに水分を与えられます。
特に夏場は夜間の熱中症も起きやすい時期です。カフェインを含む飲み物では睡眠の質に影響を及ぼしますが、麦茶なら安心です。
中高年では脳梗塞や心筋梗塞の予防にも!
脳梗塞や心筋梗塞などのリスクは、加齢や肥満だけでなく、体内の水分が不足することでも大きくなります。とくに早朝は、夜間の水分不足から脳梗塞や心筋梗塞などが起きやすい時間帯であることが知られています。夜間の水分補給に役立つ麦茶が予防に役立つでしょう。
常温の麦茶で胃の不調をやわらげて!
麦茶には胃粘膜の保護作用が期待できる可能性があります。夏は冷たいもののとりすぎで胃腸の調子を崩す方もいるかもしれません。麦茶を意識的に飲むようにし、また胃腸に刺激のない常温にするとより良いでしょう。
ジュースで虫歯がいっぱい?麦茶で虫歯リスクを減らそう
水分補給をジュースやスポーツドリンクばかりで行っていると、虫歯のリスクが上がります。原因は、それらに含まれる糖分。麦茶は糖分を含まない飲み物なので、ジュースやスポーツドリンクを飲みすぎている人は、虫歯予防のために麦茶に切り替えてみましょう。
麦茶はどんな人・場合におすすめ?
麦茶は、先ほど紹介した通り、カフェインを避けたい方や、効率的に水分補給をしたい方におすすめです。
授乳中や妊娠中の方、胃腸が弱ってきた高齢者、離乳食を始めて母乳以外でも水分補給をするようになった赤ちゃんにもピッタリ。健康な大人でも、寝る前にカフェインを摂ると寝つきが悪くなったり、夜間に目覚めてしまったりする人にもおすすめです。
麦茶Q&A
最後に、麦茶についてよく聞かれる質問についてお答えします。
Q:麦茶風呂は効果がある?
麦茶を入れることで期待できる効果はないようですが、麦茶風呂は体に悪い影響もありません。入浴剤代わりにお風呂に麦茶パックを入れると、ほんのり麦茶の香りがしますよ。子どもさんが小さく、入浴剤を楽しめないご家庭におすすめです。
Q:1日どれくらい飲んだら良い?
人が1日に飲むべき水の量は、1Lから1.5Lです。水分を全て麦茶で摂るなら、1Lから1.5L程度は飲むようにしましょう。ダイエット中で食事制限をしている人は、食事から摂れる水分の量が少なくなるので、コップ1杯分程度多めに飲むことをおすすめします。
Q:水出しとお湯出しで効能に違いはある?
麦茶は水出しでもお湯出しでも成分・効能は変わりません。どちらでも好きな方法で作りましょう。水出しにするときは、手持ちのティーバッグが水出し専用か確認してから使ってください。水出しのほうが水道水のカルキ臭を感じやすくなるので、カルキ臭さが気になる方にはお湯だしがおすすめです。
血液サラサラ効果はある?
麦茶には血液サラサラ効果があるといわれていますが、少し根拠に乏しい説です。
私たち人間の体重の1/13は血液で、血液の半分は水分です。そのため、血液中の水分が減ると血液がドロドロになってしまう。これを防ぐために麦茶で水分を摂って、血液をサラサラにしよう!という説から、麦茶には血液をサラサラにする効果があるといわれています。
しかし、これは「説」レベルのお話しで、根拠が言い切れるような効果ではありません。
麦茶は飲み物以外の使い方でも効能がある?
麦茶は飲み物以外に活用しても効能が期待できます。料理に使うと香ばしさをプラスしてくれる裏ワザもあるんですよ。
おすすめは炊飯器に麦茶パックを入れる「麦茶ご飯」。炊飯器で2合の米を炊くときに、麦茶パックを1パック入れて炊くと、麦茶の香ばしい香りのするごはんの完成です。鮭フレークやのりとの相性が良く、子どもがパクパク食べやすいのはもちろん、食欲がないときにも食べやすくなりますよ。
麦茶には隠れた効能がたくさんあった!
麦茶には隠れた効能がさまざまあり、ミネラルはさほど含まれないとはいえ、これからも安心してたくさん飲めますね。ゼヒトモには、健康習慣やダイエットにおすすめの料理などに詳しいプロがたくさんいます。健康的な食生活はもちろん、美味しいお茶の淹れ方も教えてもらえますよ。ぜひ、一度探してみてくださいね。
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