歌は別に得意じゃないのに、カラオケに誘われてしまった経験はありますか?周りにカラオケ好きが多い方は特にそういった場面に出会うことが多いと思いますが、実はカラオケに苦手意識のある方は少ないわけではありません。
日本リサーチセンターの研究によると、20代全体のうち35%はカラオケに苦手意識を持っており、30代では42%の方が苦手意識を持っています。年齢を重ねることにカラオケに苦手意識のある方の割合は上昇し、50代以降になると約半数以上の方が「カラオケは苦手だ」と回答しています。
そうとはいっても、お金を払って参加するのですから、せっかくならカラオケを楽しみたいですよね。そんな方のために、Zehitomoにてボーカル講師のプロフェッショナルとして活躍する梶田祐紀惠さんにご協力頂き、“カラオケで上手く歌えるようになるコツ”について本記事ではお伝えします。
監修頂いたZehitomoのプロ
梶田 祐紀惠
大阪芸術大学舞台芸術学科ミュージカルコース卒業後、劇団四季に入団。退団後、ミュージカルなどの舞台に出演する傍ら、講師として育成指導を行う。
ミュージカルボーカル、pops、ボイストレーニング、話し方などのマンツーマンレッスンを行ないながら、新宿にてシアターJAZZダンスクラスを開講中。ボーカルレッスンは、板橋区の講師宅スタジオや出張でのレッスンが可能。 ダンスクラスは毎週火曜日新宿のスタジオにて開講中。
カラオケで上手く歌うための10のコツ
1.ウォーミングアップをする
運動をするときは、プロでも素人でも、まずは準備運動をしますよね。歌うときもこれは同じで、まずは歌う前の準備運動(ウォーミングアップ)から始めましょう。
歌うときには全身の筋肉を使いますが、主に使うのは喉・肩・腹部などの上半身部分が中心です。首を回す、肩を回す、胸を開くなど、上半身を前後左右に倒すなどして軽いストレッチをします。また左右の足上げも効果があります。また体が温まると声が出やすくなるため、カラオケの部屋があるフロアまで階段で行くなど、ちょっとした有酸素運動をすることも効果的です。
頬や口角を意識して、顔の筋肉も動かしてあげましょう。歌う時は口の中を開けることが大切なので、表情を動かして口を開けやすくするようにストレッチをすると良いでしょう。
2.腹式呼吸を心がけ、リラックスする
腹式呼吸は、いくつかある呼吸法のうちの1つです。息を吸うときにはお腹を膨らませ、息をお腹に入れるイメージで吸うようにしましょう。吐くときには逆に、お腹をへこませるように、お腹に溜まった空気を外に吐ききるイメージで吐いてください。このとき、胸を動かさないように注意しましょう。
また歌う前だけではなく、歌っているときも腹式呼吸を継続するようにしてくださいね。
腹式呼吸を意識して歌うと、自然にしっかりとしたブレスが出来るので、歌も安定していきます。曲のブレスポイントも心がけながら、腹式呼吸をして歌いましょう。
3.音程(キー)を合わせる
初心者の方にとっては簡単ではないかもしれませんが、音程を合わせるようにするだけでもカラオケの歌声のレベルが1つあがります。カラオケ以外のところで、歌ってみたい曲で音程を合わせる練習をしてみると良いでしょう。
初心者の方は、カラオケで歌う時ガイドメロディを使って音程を合わせるのもポイントです。ガイドメロディをオンにすると、歌うメロディが流れてくるので、そのメロディを聞き取りながら音程の正確さをアップさせるのもありです。
4.歌いやすい曲、得意な曲を選ぶ
自分が歌いやすい曲、好きな曲、得意な曲を選ぶようにしましょう。自分の出せる声に合う歌を選びます。声が低い方は男性ボーカル曲だと音が低くて歌いやすいですし、声が高い方は女性ボーカルの曲だと歌いやすいです。
5.お水を飲む
喉が乾いていると良い声を出しにくくなってしまいますので、カラオケにいる間はお水をマメに飲むようにしましょう。常温や、温かいくらいの温度が良いです。体が温まった方が声が出やすくなるため、冷たすぎるお水は避けるようにしてください。
お酒やソフトドリンクはさらに喉の乾きが促進されてしまい、良い声が出しにくくなってしまいます。カラオケで飲み物を選ぶときは、お水を選ぶようにすると良いですよ。
6.笑顔で元気に歌う
恥ずかしがると声がくぐもって、こもってモゴモゴとしてしまいます。頬をあげて笑顔で明るく、部屋の角っこにいる人にも届くような、自分から1番離れた場所にいる人へ届けるイメージで歌いましょう。主役はあなたです。
7.マイクの先(トップ)の部分に歌いかける
マイクが最も音を拾う場所に声を入れる、声を当てるようにするとマイクが音をきちんと拾ってくれます。カラオケでもうまく歌が響いたり、良いスコアを取りやすくなります。
マイクが最も音を拾うのは、丸いボール部分のトップの部分です。山でいうと山頂、頭に見立てると頭頂部となる部分ですね。マイクのこの頂上部分に声を当てるようにしましょう。
マイクを持っている手の小指側を上げ、マイクを口に対して垂直に持って、マイクの頂点が口の前にくるように持ちましょう。
8.ビブラートをかける
ある程度歌に慣れてきた方であれば、ビブラートに挑戦してみるのも良いでしょう。ビブラートをかけること自体は簡単なことではありませんが、うまくビブラートをかけられるようになれば、歌も綺麗に聞こえるようになります。
ビブラートのかけ方は、横隔膜でかける方法、喉でかける方法、口でかける方法など、様々です。横隔膜でかけるビブラートが安定して理想的ではありますが、コツを掴むにはかなりトレーニングが必要です。口でビブラートをかける方法が、もっとも簡単で始めやすい方法です。
口でビブラートをかける方法ですが、同じ音程で息を吐き、口を少し動かしてビブラートをかけるようにします。大げさにわかりやすくやると、「あーー」と声を掛けて出しながら口を少し小さくし、また大きくしと繰り返します。アゴが上下に動くイメージです。それを細かく動かすと音が震えてビブラートになります。
横隔膜でのやり方に比べて比較的、簡単にコツをつかめるのでトライしてみてください。ただ口のビブラートは音程がブレやすかったり、アゴに力が入りやすく、高音のロングトーンに向かないなどデメリットもあるため、気をつけてくださいね。
9.高音を出すときは息に注意する
自分の得意な歌を選んでいても、歌のパートによっては高音で歌わなければならないときがありますね。その際にポイントとなるのが息の量です。低音に比べて、高音の方が圧倒的に息の量が必要になります。
よく目にするのは、高音を出す時、上を向いて、アゴが前に出てしまう人です。これは胸に力が入り、喉が閉まり息の量が増えず高音が当たりにくく、苦しく感じてしまいます。
高音を出す時は、上へ意識をするのでなく、お腹と脚に意識を向けましょう。単純にひざを深めに曲げて高音を出すと、出やすいです。膝を深めに曲げる事で、胸の力が抜けて喉が開き、膝を曲げる動作で腹筋を使い支える事ができます。
ただ毎回高音の度に膝を曲げてては見え方が悪いので、重心を下げて、踏ん張る様に意識を下へ向けてみましょう。
10.タッグを組む
予習が必要にはなりますが、選曲の際にあえてハモる曲を選曲します。ゴスペル系の歌や、合唱コンクールで歌うような歌をイメージしてください。高音・中音・中低音・低音がアンサンブルを奏でて美しく聞こえます。
カラオケでも複数人数でハモったり、複数人数で歌うと上手に聞こえてきます。
プロからのコメント
音程、リズム、抑揚、歌詞の明確性など、気をつけたいポイントは多々ありますが、歌を歌う機会を多く作り自信を持つことも、上達の1つのポイントです。
数多く歌い、曲に慣れましょう。自宅での練習、鼻歌でも構いません。曲に慣れて来ると、上記の様なポイントへ意識を向ける余裕も出てきます。
『歌って気持ちいい!楽しい!』という気持ちが生まれれば、上達心も出てきて、もっと上達出来るはずです。
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