お風呂は1日の中でもゆっくり過ごせる場所だからこそ、つい歌を口ずさんでしまう方も多いでしょう。お風呂で歌うと、いつもより上手に聞こえてきませんか?しかし、実際に別の場所で歌ってみるとあまり変わっていないということも。
なぜお風呂で歌うとうまく聞こえてくるのでしょうか?そこで今回は、お風呂で歌うとうまく聞こえる理由を解説していきます。お風呂でボイトレするメリットとデメリットも合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
お風呂で歌が上手く聞こえる理由は?
お風呂場で歌うとうまく聞こえる理由には、以下の4つのポイントが考えられます。
- 程よい湿気がある
- リラックス状態になっている
- エコーがかかっている
- カラオケルームの構造と似ている
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
程よい湿度がある
お風呂場には程よい湿気があり、喉の乾燥を防いでくれるため、いつもより声が出しやすくなります。喉が乾燥していると、声を出してもうまく出なかったり、喉が痛くて歌えなくなったりすることがあります。 湿気が喉の潤いを保ち、自然に声が出せるようになるからこそ、いつもよりうまく聞こえてくるのでしょう。
リラックス状態になっている
お風呂は1日の中でゆっくり過ごせる場所ですし、1人になれるプライベート空間でもあります。リラックス状態になっていると、自然にお腹から声が出せるので、声の伸びが良くなります。 いざ、カラオケやスタジオなどで歌うとなると、緊張で体がこわばって、喉が絞まってしまうことも。 いわゆる「練習の時はうまく歌えたのに、本番になると緊張して声が出ない」という状態だといえます。
お風呂場で歌っても誰も聞いていませんし、自分だけの時間に浸れるため、気持ちよく歌えます。 プレッシャーを感じることなく自分の世界観に浸りながら歌えるので、いつもよりうまく聞こえると感じるのでしょう。
エコーがかかっている
お風呂場の設計上、エコーがかかっているような声になるのも、歌が上手く聞こえる理由の1つです。 お風呂場は他の部屋と比べて狭く、ドアなどもぴったり閉まっているため、気密性があります。
また、壁や床にタイルが貼られているため、音が反響しやすい環境になっています。 ビブラートがかかっているような伸びやかな声がだせるので、普段よりもうまく聞こえてくるのでしょう。
カラオケルームの構造と似ている
カラオケルームは、音が漏れないように気密性を考えて設計されています。 また、音が吸収されずに響くようにも設計されているため、お風呂場の環境と似ています。 お風呂場では自然なエコーもかかりますし、カラオケルームと遜色ないといっても過言ではありません。
お風呂でボイトレするメリット
ボイトレといえば、スタジオやスクール教室、カラオケなどをイメージする方が多いでしょう。もちろん、それぞれの環境でメリットがあるのですが、お風呂でのボイトレにも多くのメリットがあります。
喉を痛めない
お風呂ではお湯をためたときやシャワーを出しているときに湿気が発生するため、喉を痛める心配がありません。
喉を絞め上げたような無理な歌い方にもならず、自然に声が出せるので、いつもより伸びやかな歌声になるのもメリットの1つです。
また、喉の乾燥を防ぎ、潤いを保ったままの状態にしてくれるため、歌いやすい状態を作れます。
お風呂場で練習した声の出し方を覚えておくことで、他の場所でも喉をしっかり開いた歌い方ができるようになるでしょう。
時短になる
お風呂場でボイトレすることで、効率よく練習できるのもメリットの1つです。 通常は喉が温まるまでに時間がかかりますが、お風呂場は湿気があるため、喉を温めながらトレーニングができます。
また、体がリラックス状態になっているため、発声練習の必要がなく、すぐにボイトレができるのもメリットです。 毎日の入浴のついでにボイトレができるため、時短やトレーニング効率の向上にもつながります。
喉声を解消できる
入浴中は体がリラックス状態になっているため、変に筋肉がこわばることはありません。 喉まわりの筋肉もほぐれているため、力むことなくお腹から自然に声が出せます。
歌うときに、喉から声を出してしまう方も多いでしょう。 喉から声を出すと、喉を痛めてしまうだけでなく、きれいな発声もできません。
お風呂場でボイトレすることで、リラックスした状態で声を出す感覚を身に付けられるため、喉声の解消が期待できます。
お風呂で歌を練習するのはデメリットもある?
お風呂で歌を練習することにはたくさんのメリットがありますが、デメリットもあります。
1つ目は、お風呂だけで練習してしまうと、お風呂で歌っているときの喉の形にしかならなくなることです。 人前だと完全なリラックス状態になっているわけではないので、多少の緊張感を持ったまま歌うことになります。
いくらお風呂で練習したときの感覚を身に付けても、実際にカラオケや人前で歌うときの喉の開き方とは異なります。 お風呂で練習した通りに歌おうと思っても、うまく歌えない可能性も。
2つ目は、大声で歌う癖がつかなくなることです。 お風呂だと近隣への迷惑を気にして、小声になってしまいがちです。
お腹から大きな声を出す感覚を忘れると、抑揚などが付きづらくなり、歌の上手さが半減してしまいます。 お風呂だけではなく、カラオケやスタジオなどでもボイトレすることで、どのような状況でもうまく歌えるようになるでしょう。
お風呂ボイトレにおすすめなのは「リップロール」
お風呂のボイトレでは「リップロール」がおすすめです。 リップロールを続けることで、音程がぶれずに歌えるようになるでしょう。
リップロールとは?
リップロールとは、唇を閉じた状態で空気を吐き出し、唇をブルブルと震わせる方法のことです。 リップロールは歌の上達が期待できるため、プロやボーカリストの方もウォーミングアップとして行っているトレーニングの1つです。
リップロールを活用したトレーニング方法
リップロールができるようになったら、その状態のまま鼻歌や裏声を出してみましょう。
普通に歌うよりも音が出しにくいため、ボイトレとしての難易度は高めですが、その分高い効果が期待できます。 また、リップロールは口を閉じて行うトレーニングのため、単純に声帯のみを使って音を出すことになります。 声帯のトレーニングを行うことで音程がぶれにくくなり、音域のコントロールもしやすくなるでしょう。
お風呂ボイトレにおすすめなその他の方法
お風呂ボイトレではリップロール以外にも、以下の2つの方法があります。
- 表情筋のトレーニング
- ハミング
表情筋トレーニングを行うことで、声の響きや伸びが変わってきます。
表情筋が固いと口をスムーズに動かせず、言葉が発しにくくなるため、歌詞がうまく伝わらない場合もあります。
お風呂では体が温まって筋肉がほぐれやすい状態になっているため、表情筋トレーニングにはもってこいの場所といっても過言ではありません。
<お風呂でできる表情筋トレーニング>
- 前歯を出すように上唇を上げる 口角も同時に上げる(難しい場合は人差し指と中指を使って、口角を上げてもよし)
- そのまま5秒キープ 脱力とともに元の状態に戻す 口まわりの筋肉が少し痛くなるまで繰り返す 顎を動かさないように口を右に引っ張る
- 右下の奥歯を見せながら5秒キープ 同様に左下、右上、左上と繰り返す
簡単そうに見えますが、繰り返すと徐々に筋肉が痛くなってきます。 少し痛くなってきたなと感じる程度まで、続けてみてください。
ハミングには音程コントロールや、声量アップなどの効果が期待できます。
口を閉じて発声しているので、耳に音が届きやすく、少しの音程のズレにも気づきやすくなります。 特に音痴で悩んでいる方におすすめのトレーニングです。
また、ハミングは声の共鳴を高めるトレーニングのため、高音が出しやすくなったり、声の通りも良くなったりする効果が期待できます。 リラックスした状態のまま、気ままにハミングするだけでもボイトレにつながるため、効率よくトレーニングできるのも魅力的です。
ボイストレーニングのプロを探す
お風呂でのトレーニングはあくまでも自己流になるため、本格的にボイトレしたいなら、ボイストレーニングに通うことをおすすめします。
ボイストレーニングレッスンではプロから本格的な声の出し方や、音程コントロールの方法などを学べるため、効率よく上達できるでしょう。 本格的に歌が上手くなりたいと思っている方は、ぜひゼヒトモでボイストレーニングのプロを探してみてください。
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