「加圧トレーニング」と聞いて、どのようなトレーニングを思い浮かべますか?そもそも加圧トレーニングとは何なのか、どんな効果があってどうやって始めればいいのかなど、様々な疑問があると思います。ここでは、そのような疑問に答えるべく詳しく解説していきます。
目次
- 加圧トレーニングとは
- 加圧トレーニングの仕組み
- 加圧トレーニングの5大効果
- 加圧トレーニングのメリット
- 加圧トレーニングのデメリット
- 加圧サイクルトレーニングとは
- 加圧トレーニングを始めるには
- 加圧トレーニングの注意点
- Zehitomoで加圧トレーニングのレッスンを依頼してみる
加圧トレーニングとは
加圧トレーニングとは、適切に血流を制限した上で運動するトレーニング法のこと。血流をコントロールしながらトレーニングを続けることで、様々な効果が得られるというものです。
発明者である佐藤義昭さんは、法事における正座で脚がしびれたことをきっかけに、加圧トレーニングのアイデアを思いつきました。脚のしびれが運動後に筋肉が張る感覚と似ており、血流を制限した状態でトレーニングを行うと、筋肉増強に効果的ではないかと考えたそうです。
その後、自身の身体を実験台に加圧トレーニングのノウハウを作り上げ、現在のトレーニング法を確立しました。現在では、日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリアにおいて加圧トレーニングの特許を取得しています。
加圧トレーニングの仕組み
血流を制限することで、体内では「血行促進」「成長ホルモンの上昇」といった変化が起こります。
血行促進
加圧トレーニングを行うと、全身の血行が良くなります。腕や脚を加圧して血流を制限することで、一時的に身体の各部位に滞留する血液量が多くなるでしょう。
すると、脳が心臓に血流を増やすよう命令するため、普段あまり使われない毛細血管にも血液が流れるようになります。その結果、各細胞に運ばれる酸素の量が増えることで新陳代謝が活発になり、高い筋肉増強効果を得られるという仕組みです。
なお、それまで使われていなかった毛細血管にも血液が流れる分、加圧を緩めたときに血圧が下がって血流は緩やかになります。心臓が弱い方でも、ほとんど心臓に負担がかからないトレーニングとなっているため安心してください。
成長ホルモンの上昇
代謝や筋力増強を促す成長ホルモンが増えるのも、加圧トレーニングの特徴です。成長ホルモンは、筋肉が疲労することでできる乳酸がなければ分泌されません。加圧によって筋肉内にできた乳酸が出ていきにくくなり、乳酸濃度が高くなった結果、大量の成長ホルモンが分泌されるという流れです。
なお、加圧トレーニングによって増える成長ホルモンの分泌量は、通常のトレーニング時の約10倍、安静時の約290倍になると言われています。そのため、加圧トレーニングでは、普段のトレーニング以上に効率よく身体を鍛えることができるでしょう。
加圧トレーニングの5大効果
ここからは、加圧トレーニングの5大効果について順番に説明していきます。
ダイエット効果
成長ホルモンには脂肪燃焼効果があります。加圧トレーニングを行い成長ホルモンを増やすことで、高いダイエット効果が得られるでしょう。
なお、加圧トレーニング後15分程度で成長ホルモンの分泌量がピークとなり、約2時間後に脂肪燃焼効果が最大まで達します。このタイミングでウォーキングやランニングなどの有酸素運動を行うと、さらに効率よく脂肪を燃焼させられるようです。
また、加圧トレーニングを続けて筋肉量が増えると代謝がアップし、少しの運動量でも脂肪を燃焼しやすくなります。そのため、太りにくい身体づくりとしても加圧トレーニングは最適でしょう。
血管が若くなる
加圧トレーニングを続けると、血管が刺激され、加齢に伴って硬くなった血管の弾力性が蘇ります。すると、血液を押し出す力が強くなって血液量も多くなり、新陳代謝が活発に。肌のターンオーバーが促され、健康的な肌を維持できるようになります。
また、血行もよくなるため、血行不良が原因で引き起こされる肩こりや腰痛、冷え性、むくみなどの改善にもつながるでしょう。
回復力アップ
成長ホルモンは身体に様々な効果をもたらすと言われており、筋肉や身体の修復が早まることもそのうちの1つです。実際に、加圧トレーニングを行うことで骨折や肉離れ、ねんざといった怪我から早く回復するという研究データが報告されています。
発明者である佐藤義昭さんもスキーで大怪我をしましたが、加圧トレーニングを行い、通常は全治6ヶ月かかるところを1.5ヶ月で回復に至りました。早期回復に向けたリハビリとしても、加圧トレーニングは効果的でしょう。
筋力アップ
加圧トレーニングは、小さな負荷でも十分筋力をアップできるのが特徴です。筋肉には、遅筋と速筋の2種類があります。遅筋は持久力が高く、マラソンやウォーキングなどの有酸素運動に必要となる筋肉です。
速筋は瞬発力が高い筋肉で、100m走や筋トレといった無酸素運動に必要となります。遅筋を鍛えるには低負荷で長時間のトレーニング、速筋を鍛えるには高負荷で短時間のトレーニングをしなければなりません。
しかし、加圧トレーニングでは遅筋と速筋を同時に鍛えることができます。そのため、少しの負荷でも十分な筋力増強効果が得られるでしょう。
若返り効果
成長ホルモンは、アンチエイジングにも有効です。実際、様々な美容クリニックにおいて、成長ホルモンを活用したアンチエイジングメニューが用意されています。成長ホルモンは肌のハリやツヤを取り戻し、脂肪がつきにくい身体にしてくれるため、老化防止や肥満改善が期待できるでしょう。
加圧トレーニングのメリット
ここからは、一般的なトレーニングと比べた加圧トレーニングのメリットを3つ紹介していきます。
短時間でOK
加圧トレーニングは、1回30分ほどでも十分な効果を得ることが可能です。血流を制限するため乳酸が短時間で大量に溜まり、成長ホルモンの分泌による高い筋力増強効果が得られます。
長時間のトレーニングを行う必要がない分、運動が苦手という方でも長続きしやすいでしょう。短時間・短期間で高い効果を得られるのが加圧トレーニングのメリットです。
低負荷のため身体への負担が少ない
加圧トレーニングは低負荷でありながら、高負荷トレーニングと同等の効果を得られます。通常のトレーニングで筋肉を増やそうとすると、トレーニングの負荷を徐々に上げなければいけません。
重たいダンベルを持ち上げたり、スクワットの回数を増やしたりと、ハードな運動が必要になるでしょう。そのような負荷が重いトレーニングを行わなくても、加圧トレーニングであれば簡単に筋力をアップさせられます。
体力がなくてもできる
短時間・低負荷で行えるため、運動に自信がない方や元々の筋肉量が少ない方でもすぐにトレーニングを始められるでしょう。
なお、健康な方のトレーニングとしてだけでなく、怪我をした方のリハビリにも加圧トレーニングは有効です。疲労が残りにくく、筋肉や関節への負担も少ないため、怪我や病気で筋肉が衰えた方にぴったりのトレーニングとなっています。
加圧トレーニングのデメリット
加圧トレーニングには、メリットだけでなくデメリットも存在しています。加圧トレーニングのデメリット3つについて、以下で確認していきましょう。
負荷の調整が難しい
短時間・低負荷で高い筋力増強効果を得られるのが、加圧トレーニングの特徴と説明しました。そのため、負荷の調整を間違えると必要以上に筋肉がついてしまったり、つけたくない部分にも筋肉がついたりしてしまいます。ボディービルダーのように筋肉を大きくしたいのではなく、引き締まった身体を目指している方は注意しましょう。
トレーニング中の体調管理が必要
血流を制限した状態での運動に慣れている方は、ほとんどいないでしょう。身体が小さい方や体重が軽い方は、貧血にならないようにトレーニング中の体調管理に気を付けてください。決して無理はせず、水分補給や休憩はまめに行うのが大切です。
トレーナーによって効果に差が出る
加圧トレーニングは負荷の調整が難しく、トレーナーのスキルや経験によってどうしても効果に差が出てしまいます。そのため、加圧トレーニングのトレーナーは慎重に選ばなければいけません。実績があるジムを選んだり、評判の良いトレーナーからレッスンを受けたりするのがおすすめでしょう。
加圧サイクルトレーニングとは
加圧サイクルトレーニングとは、加圧トレーニングから派生したもう1つのトレーニング法です。通常の加圧トレーニングでは、加圧した状態でトレーニングを行い、トレーニングが終わってから除圧します。
一方、加圧サイクルトレーニングの場合、トレーニング中に加圧と除圧を繰り返すのが特徴。30秒ほど加圧したら10秒除圧するというように、トレーニング中に加圧・除圧のサイクルを繰り返します。
通常の加圧トレーニングと同じ時間行った場合、加圧サイクルトレーニングの方が加圧の時間は短くなるでしょう。そのため、通常の加圧トレーニングよりも身体にかかる負荷が少なく済みます。
逆に言えば、負荷が少なくなる分、通常の加圧トレーニングほど効果は期待できません。身体にかかる負荷をより少なくしたい方は加圧サイクルトレーニングを、高い効果を得たい方は通常の加圧トレーニングを行うのがおすすめです。
加圧トレーニングを始めるには
ここからは、加圧トレーニングを始めるための3つの方法について紹介していきます。
ジムに通う
「GOLD’S GYM」をはじめ、加圧トレーニングを行っているジムはたくさんあります。特に大手のジムであれば実績があるため、トレーナーの質に関して問題はないでしょう。
また、ジムであれば、加圧トレーニング以外にも様々な運動を行えるというメリットがあります。これからジムに通うことを検討している方や、既にジムに通っている方は、ジムで加圧トレーニングを行えないか確認してみてください。
出張のパーソナルトレーナーに指導してもらう
加圧トレーニングは、ジムでレッスンを受けるだけでなく、出張のパーソナルトレーナーに指導してもらうこともできます。他の人もいるジムへ行くのに抵抗がある方や、わざわざジムに通うのが面倒な方には特におすすめでしょう。
加圧トレーニングの出張レッスンは、1レッスン5千〜1万円が相場です。多くのトレーナーは通常よりも安く体験レッスンを行っているため、まずは体験から始めてみると良いでしょう。 なお、トレーナーの質にばらつきがある場合もあり、心配な方は事前に口コミを確認するようにしてください。また、女性トレーナーの場合、出張レッスンは女性限定でしか行わないこともあるため、注意が必要です。
専用の加圧ベルトを使って自分でやる
加圧ベルトの一部は、購入やレンタルが可能となっており、加圧ベルトを使って自分ひとりでトレーニングすることもできます。トレーナーのレッスンを受けるのと比べ、自分のペースで加圧トレーニングを行えるのがメリットでしょう。
しかし、初回の購入時には正しい使い方について講習を受ける必要があります。加圧ベルトも決して安くはなく、取扱いも簡単ではないため、初心者の方にはあまりおすすめできません。最初はトレーナーから指導してもらい、加圧トレーニングに慣れてきてから検討した方が良いでしょう。
加圧トレーニングの注意点
最後に、加圧トレーニングを行うときの注意点について紹介していきます。なお、持病があるという方は必ず医師に相談した上でトレーニングを行うようにしてください。
資格を有したトレーナーの指導を受ける
加圧トレーニングは、必ず指導資格を有したトレーナーからの指導を受けるようにしましょう。加圧トレーニングの資格には「加圧インストラクター」「加圧スペシャルインストラクター」、加圧サイクルトレーニングの資格には「KAATSUサイクルインストラクター」があります。
無資格のトレーナーだと、加圧トレーニングの理論を正しく理解しておらず、最悪の場合事故につながるかもしれません。加圧トレーニングのレッスンを受ける際は、トレーナーに資格があるかを確認するようにしてください。
専用の加圧ベルトを使ってトレーニングを行う
加圧トレーニングを行うときは、必ず専用の加圧ベルトを使うようにしましょう。自宅のベルトやゴムひもを使って加圧トレーニングを行っても、十分な効果を得ることはできません。
それだけなく、代用品で加圧すると虚血状態になりやすい上、事故を招いてしまう恐れもあります。多少の費用はかかってしまいますが、自身で加圧トレーニングを行う際は必ず専用の加圧ベルトを用意してください。
体調に合わせて圧力を設定する
加圧トレーニング中の圧力は、毎回体調に合わせて設定するようにしましょう。最適な圧力は、その人の性別や年齢、体格、運動歴だけでなく、その日の体調によっても変わってきます。
素人が加圧の圧力を判断するのは危険で、しびれや痛み、内出血といった症状のほか、重大な事故を引き起こしかねません。正しく効果を得るには、知識を有したトレーナーにその都度最適な圧力を設定してもらうのがおすすめです。
加圧ベルトは服の上から巻く
加圧ベルトは、地肌に直接巻くのではなく、服の上から巻くようにしてください。直接肌についてしまうと、摩擦によって皮膚がかぶれたり、かゆくなったりすることもあります。加圧トレーニングを行う際は、長袖・長ズボンなど、腕と脚の付け根部分が覆える服を着るようにしましょう。
加圧は長時間行わない
加圧は長時間行わず、決められた時間で行うようにしましょう。加圧の時間は、腕で5〜10分、脚で5〜15分が目安です。特に初心者の方や体力が低い方は、無理せず短時間の加圧から始めるようにしましょう。
あまりに長い時間加圧し続けていると、血栓ができ、脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症などを引き起こす恐れがあります。大変危険なため、効果を高めようと加圧を長時間行うことは避けてください。また、腕と脚を同時に加圧すると非常に負担がかかるため、必ず片方ずつ加圧するようにしましょう。
体調が悪いときはトレーニングをやめる
寝不足だったり、十分な食事を摂っていなかったりと、体調が万全でないときはトレーニングを行わないようにしましょう。もちろん、トレーニング中に体調が悪くなった場合もすぐにトレーニングを中止しなければいけません。体調が優れないときに無理して加圧トレーニングを行うと、貧血で気分が悪くなる可能性があります。少しでも不調を感じたら休んで、別の日にトレーニングを行うようにしましょう。
Zehitomoで加圧トレーニングのレッスンを依頼してみる
プロから正しいトレーニング法を教わりたいという方は、Zehitomoから加圧トレーニングのレッスンを依頼してみてはいかがでしょうか。 条件を設定して依頼を出すと、ニーズに合ったプロとすぐにマッチングし、見積もりを取ることができます。
レッスンを受ける目的について詳しく書くと、より理想に近いプロが見つかるはず。依頼は無料で出せるので、試しに1回加圧トレーニングにチャレンジしてみたいという方も、ぜひ気軽に依頼を出してみてください。