筋トレで腹筋を割りたい場合は、まず体脂肪を落とし、筋肉を肥大させつつ鍛えていくことが重要です。
この記事では、腹筋を割るための効果的なトレーニングについて解説します。自宅でお腹をすっきりと引き締める方法も紹介するので、ぜひ参考にして、魅力的なシックスパックを目指してください。
腹筋を割るための基礎知識
腹筋を割るためには、まず体脂肪を落とすことが重要です。お腹に脂肪がついていると、そもそも外から腹筋の形が見えなくなってしまいます。
体脂肪を落とした後は、筋肉を鍛えて肥大させていきます。「体脂肪を落とす」「筋肉を鍛える」の2つのアプローチにより、割れた腹筋が見えるようになるでしょう。
やみくもに筋トレをするだけでは、いつまで経っても腹筋は割れません。腹筋を割るためにも、正しい知識を身に付けておくことが重要です。
シックスパックとは
シックスパックとは、腹直筋が6つに割れて見える状態のことです。本来、腹直筋は6つに分かれているため、鍛えれば誰でもシックスパックを作ることができます。ただし、腹直筋全体のうえに体脂肪が厚く乗っているときや、腹直筋が十分に発達していないときは、6つに割れた腹直筋が外から見えなくなってしまうので注意が必要です。
お腹の筋肉を割り、シックスパックをくっきりと出現させるためにも、まずは体脂肪を減らし、そのうえで腹直筋を鍛えるようにしましょう。
腹筋を割るための3ステップ
腹筋は次の3つのステップで割ります。
- 体脂肪を落とす
- 筋肉を肥大させる
- 割れた腹筋を維持する
腹筋を割る方法は、意外に簡単です。詳しく説明していくので、ぜひ参考にしてみてください。
STEP1:体脂肪を落とす
割れた腹筋を浮かび上がらせるためにも、事前に体脂肪を落としておくことが重要です。まずは糖質をコントロールして、標準体重まで落としましょう。
すでに標準体重以下の方は、STEP2に進みます。ただし、標準体重以下でも体脂肪が多めの方は、STEP2に進む前に糖質をコントロールして、適度に脂肪を落としておくことが必要です。
STEP2:筋肉を肥大させる
体脂肪を落とした後に、トレーニングをおこない腹筋を肥大させます。
バランスのよい美しい身体にするためにも、腹筋だけでなく身体全体の筋肉を鍛えましょう。全体に筋肉がつくと基礎代謝が高くなり、体脂肪がつきにくく太りにくい身体になります。
なお、STEP1では糖質を制限しますが、STEP2では筋肉を増やすために糖質をしっかりと摂取します。
STEP3:割れた腹筋を維持する
腹筋が割れても、トレーニングを怠るとすぐに元通りになってしまいます。お腹は脂肪がつきやすい部位のため、トレーニング不足や食事量の増加などにより、あっという間にリバウンドすることも。
割れた腹筋をキープするためにも、筋トレを続け、食事量も調整しましょう。そのため、割れた腹筋を維持したい方にとっては、STEP3はいつまでも続きます。
鍛えるべき3つの筋肉
シックスパックとは腹直筋のことですが、腹直筋の部位だけ鍛えても、腹筋はきれいに割れて見えません。ここからは、腹筋を割るために鍛えるべき3つの筋肉を紹介します。また、それぞれの筋肉を鍛えることで得られる効果や、お腹の見た目の変化についても説明するので、ぜひご覧ください。
腹直筋
腹直筋(ふくちょくきん)とは腹部前面の中央部にある筋肉で、肋骨から恥骨までの長さがあります。腹直筋を鍛えると身体が安定し、重いものを押すときなどに力を発揮できるようになるでしょう。
腹直筋は横2つ縦3~4つに分かれており、体脂肪が少ない状態でしっかりと鍛えると、6つないしは8つに割れて表出します。
なお、6つに分かれているか、8つに分かれているかは生まれつきのもので、筋トレをしても変化することはありません。個人差が大きく、左右対称の方もいれば、非対象のこともあります。
腹横筋
腹横筋(ふくおうきん)とは、肋骨・骨盤・背中側の筋膜・腹直筋を覆う筋肉のことです。次に紹介する内腹斜筋よりもさらに体内の深部にあります。
腹横筋自体は薄い筋肉のため、鍛えても押す力や持ち上げる力が向上するわけではありません。しかし正しく鍛えることで、ウエストが引き締まって見えるだけでなく、スポーツのパフォーマンスが向上することがあります。
腹斜筋
腹斜筋(ふくしゃきん)とは、外腹斜筋と内腹斜筋から構成される筋肉のことです。外腹斜筋は内腹斜筋よりも外側にあり、肋骨から骨盤を斜めに覆う形になっています。一方、内腹斜筋は外腹斜筋よりも深部にあり、外腹斜筋と筋繊維の走行が逆になっているのが特徴です。
腹斜筋を鍛えると、体幹部をねじる動作がしやすくなります。ウエストの引き締め効果も期待できるため、ウエストを細くしたい方や逆三角形を目指す方も腹斜筋トレーニングが必要です。
腹筋が割れて見える体脂肪率
体脂肪率と腹筋の関係は以下をご覧ください。筋トレの効果がはっきりと見えてくるのは、男性は体脂肪率15%以下、女性は19%以下程度です。あまりにも体脂肪率を落とすと健康に悪影響が出るため、こまめに測定して健康な状態で割れた腹筋を維持しましょう。
体脂肪率 | 目安 | 身体の見え方 |
20%超 | 高め | ・腰回りの贅肉がつかめる程度 ・男性は25%を超える(女性は35%を超える)と肥満とされる |
15~20% | 標準 | ・男性は標準。女性はやせ ・腹筋は割れて見えないことも多いが、筋肥大しているときはうっすらと見える |
10~15% | 標準 | ・男性は標準。女性はやせ ・鍛えている場合は腹筋が見えるようになる |
10%未満 | 低め | ・鍛えている場合はくっきりと腹筋が見える ・5%前後まで体脂肪率を落として長期的に維持すると、健康に悪影響が生じることもある |
腹筋を割るための頻度と期間
すでに体脂肪率が落ちており、なおかつある程度腹筋を鍛えている場合は、1か月ほどで腹筋を割ることが可能です。しかし、体脂肪率を落として、腹筋を1から鍛える場合は3か月ほどの期間が必要になります。
また、腹筋のトレーニングは、3日に1回程度の頻度が望ましいとされています。筋肉痛があるときは筋肉に炎症が起きているため、無理にトレーニングをしてはいけません。回数をこなすことではなく、時間をかけて継続することが重要です。
効果的に腹筋を割る筋トレメニュー6選
効果的に腹筋を割るトレーニングのメニューを紹介します。刺激を与えている筋肉の部位を意識してトレーニングをおこなうと、より効果を期待できます。
【腹直筋】クランチ
クランチは、以下の手順でおこないます。
- 仰向けに寝転がり、両足を引き上げて膝とかかとを90度に維持する
- 両手を頭の後ろで組み、頭を少し持ち上げる
- 息を吐きながら、肘を太ももに近づけるように上半身全体を持ち上げる
- 息を吸いながら、元の状態に戻る
期待できる効果 | 腹直筋の肥大 |
トレーニング時のコツ | 上半身を持ち上げたときに1、2秒停止する |
正しいフォーム・姿勢 | 上半身を起こし切らない |
目安のトレーニング回数・時間 | 20回×3セット・ー |
マシンなしで簡単にできるため、自宅でのトレーニングにもおすすめ。回数をこなすよりも、1回ごとに体幹を意識し、丁寧におこなうことが重要です。
【腹直筋】レッグレイズ
レッグレイズは、以下の手順でおこないます。
- 仰向けに寝転がり、手は体側に置く
- 両足をそろえて90度程度まで持ち上げる
- ゆっくりと元に戻す
- 床につくすれすれで足をとめ、再びまっすぐに上げる
期待できる効果 | 腹直筋の肥大 |
トレーニング時のコツ | ゆっくりとおこなう。足は曲げない |
正しいフォーム・姿勢 | 背中はしっかりと床につける |
目安のトレーニング回数・時間 | 20回×3セット・ー |
レッグレイズもマシンなしにできるトレーニングです。床すれすれで足を止める時間を長くすることで、負荷を高められます。
【腹横筋】プランク
プランクは、以下の手順でおこないます。
- うつ伏せになり、床に肘から手首までをしっかりとつける
- 頭からかかとまで全身を一直線にする
- 姿勢を30秒キープする
- 30秒の休息をはさみ、さらに30秒キープする
期待できる効果 | 腹横筋の肥大 |
トレーニング時のコツ | キープが難しいときは、膝を床につく |
正しいフォーム・姿勢 | お尻が下がらないように、一直線を意識する |
目安のトレーニング回数・時間 | 30秒×3セット・インターバルは30秒 |
慣れてきたら、全身を一直線にキープする時間を1分に延長してください。
【腹横筋】ニートゥチェスト
ニートゥチェストは、以下の手順でおこないます。
- 両足を伸ばして床に座る
- 両手を身体の後ろにつく
- 両足を揃えて持ち上げ、膝を曲げて胸まで引き寄せる
- ゆっくりと元の姿勢に戻る
期待できる効果 | 腹横筋の肥大 |
トレーニング時のコツ | 足を床につかないようにする |
正しいフォーム・姿勢 | 足を胸に引き寄せるときに、顎を上げない |
目安のトレーニング回数・時間 | 10回×3セット・ー |
負荷を強めたい方は、椅子に座った姿勢でおこないましょう。
【腹斜筋】バイシクルクランチ
バイシクルクランチは、以下の手順でおこないます。
- 仰向けに寝転び、頭の後ろで両手を組む
- 両足と頭を浮かせる
- 自転車をこぐように、片足ずつ膝を曲げ伸ばしする
- 膝を曲げたときに反対側の肘とタッチするように動かす
期待できる効果 | 腹斜筋の肥大 |
トレーニング時のコツ | 呼吸を止めずにテンポよくおこなう |
正しいフォーム・姿勢 | 頭は浮かしたままで、おへそをのぞき込む姿勢をキープする |
目安のトレーニング回数・時間 | 20回×3セット・ー |
テンポが速すぎると腹斜筋に効かないため、膝と肘がしっかりとタッチするように丁寧におこなってください。
【腹斜筋】スパイダープランク
スパイダープランクは、以下の手順でおこないます。
- うつ伏せになり、肘から手首までを床につける
- 頭からかかとまで全身を一直線にする
- 片足を持ち上げて、円を描くように膝を曲げる
- 元の位置に戻り、反対の足も同じように動かす
期待できる効果 | 腹斜筋の肥大 |
トレーニング時のコツ | 足をなるべく大きく回す |
正しいフォーム・姿勢 | 足を動かしているときも全身は一直線にキープする |
目安のトレーニング回数・時間 | 左右10回×3セット・ー |
最短で腹筋を割るための方法・コツ
できるだけすぐに腹筋を割る方法・コツを解説します。「海に行くまでに腹筋を割りたい」「Tシャツが似合う身体になりたい」などの具体的な目標があると、トレーニングに励みやすくなるでしょう。
HIITトレーニングを取り入れる
HIITトレーニング(高強度インターバルトレーニング)とは、短時間で筋トレをこなすトレーニング方法です。HIITでは筋肉をつけながら、体脂肪を落とすことを目指します。次の手順で進めていきましょう。
- 1種目のトレーニングを20秒おこない、10秒休憩する
- 2種目目のトレーニングを20秒おこない、10秒休憩する
- 8種目目までおこなう
- いずれも20秒おこない10秒休憩し、4分で8種目を仕上げる
4種目を2回繰り返す方法でも問題ありませんが、すべての種目を全力でおこなうことが大切です。全力を出せなければ、HIITトレーニングの効果が出ないため注意してください。
また、HIITトレーニングは無理に続けるのではなく、1種目ずつ時間をかけてトレーニングしていきましょう。有酸素運動と無酸素運動を順番に繰り返すと、体脂肪燃焼効果が高まります。
有酸素運動に取り組む
有酸素運動は、全身の脂肪燃焼に効果的な運動のことで、主にウォーキングやジョギング、水中ランニングなどがあります。スポーツジムならランニングマシンでも有酸素運動に取り組めます。
また、階段昇降や縄跳び(エアーでも可)、スクワット(時間をかけてゆっくりとおこなう)も全身の脂肪燃焼に効果的な有酸素運動です。いずれも負荷が軽いため、積極的に取り入れてください。
栄養バランスを管理する
腹直筋などの腹部の筋肉を肥大させるためには、筋肉の元となるタンパク質をしっかり摂取する必要があります。また、体脂肪を増やし過ぎないために、栄養バランスに配慮しつつも低カロリー・低脂肪の食事を摂るように意識しましょう。おすすめの食材を使ったメニューは以下をご覧ください。
- サーモンソテー
- 鶏肉とパプリカのホイル焼き
- アボカドとブロッコリーのサラダ
- ひき肉入りのオムレツ
- もやしたっぷりのスープ
いずれも塩分は控えめにして、唐辛子やニンニクなどの香辛料を使って味付けしてください。特定の食材やメニューを食べても、それだけで腹筋に効果があるわけではありません。健康的な食生活を理解し、継続することが重要です。無理のない範囲で高タンパク質・低カロリーの食事を摂ることを意識してください。
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今回の記事では、腹筋を割るために効果的な筋トレメニューや最短で割るためのポイントなどを紹介しました。腹筋を割るためには、まず体脂肪を落としてから、筋肉を肥大させていくことが重要です。
- パーソナルトレーニングに通って腹筋を割りたい
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