お風呂の床の黒ずみがなかなか落ちなくて困っている方も多いのではないでしょうか。黒ずみ汚れは水垢や赤カビ、黒カビ、皮脂・油脂汚れ、石けんカスなどが原因です。
本記事では、お風呂の床の黒ずみの掃除方法や予防法を解説します。お風呂をキレイに保ちたい方は、ぜひ参考にしてください。
お風呂の床の黒ずみ!原因はこの5つ
お風呂の床に発生する黒ずみは、複数の要因が絡み合って生じます。
主な原因には、以下の5つが挙げられます。
- 水垢
- 赤カビ(ピンクぬめり)
- 黒カビ
- 皮脂・油脂汚れ
- 石けんのカス汚れ
順番に解説します。
1. 水垢
水垢は、お風呂の床に発生する代表的な汚れのひとつです。
主に水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が原因となります。これらの成分が蒸発後に残留し、白っぽくザラザラした手触りの汚れとなるのです。
初期段階では白色ですが、他の汚れと混ざると褐色に変化し、黒ずみのように見えることもあります。水垢は放置すると固着して取れにくくなるため、こまめな掃除が重要です。
特に、浴室の床や壁、シャワーヘッドなどに付着しやすいのが特徴です。
2. 赤カビ(ピンクぬめり)
赤カビ(ピンクぬめり)は、実はカビではなく「ロドトルラ」という酵母菌の一種です。
湿度が高く、温度が20〜30℃の環境下で発生しやすく、お風呂場は絶好の繁殖場所となります。赤カビは皮脂や石けんカスを栄養源とし、ピンクや赤っぽい色のぬめりとしてあらわれます。
繁殖するスピードが早く、掃除しても2日程度で再発することも。赤カビ自体は人体への直接的な影響は少ないですが、放置すると黒カビの餌となり、より深刻な問題を引き起こす可能性があります。
3. 黒カビ
黒カビは、お風呂の床に発生する最も厄介な汚れのひとつです。
湿度70%以上、温度20〜30℃の条件が揃うお風呂場は、黒カビが発生しやすい環境と言えます。皮脂や水垢などを栄養源として繁殖し、深く根を張るため、一度発生すると除去が困難になります。
黒カビは単なる見た目の問題だけでなく、喘息やアレルギー症状を引き起こすこともあります。
4.皮脂・油脂汚れ
皮脂・油脂汚れは、入浴時に体から分泌される油分が原因で発生します。この汚れは、時間が経つと変質して黒ずみの原因となるので厄介です。
また、皮脂や油脂はホコリと結びつきやすく、他の汚れの付着を促進してしまうことも。特に、浴室の床や壁、浴槽などに付着しやすいため、放置すると除去するのが難しくなります。
5. 石けんのカス汚れ
石けんのカス汚れは、水道水に含まれるミネラル分と、石けんに含まれる脂肪酸が結合して生じます。この汚れは水に溶けにくく、浴室の床や浴槽、洗面器などにザラザラとした感触で残るのが特徴です。
石けんのカスは、プラスチック製の浴室用品になじみやすい性質があるため、特に注意が必要です。また、他の汚れと混ざることで、より頑固な黒ずみの原因となることがあります。
お風呂の床の黒ずみはアルカリ性と酸性の2種類
お風呂の黒ずみ汚れはアルカリ性と酸性の2種類に分類されます。それぞれの汚れについて、詳しくみていきましょう。
アルカリ性
アルカリ性の汚れの代表例は、水垢と石けんカスです。
水垢は水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が原因で発生し、白っぽいザラザラとした感触が特徴です。石けんカスは、これらのミネラル成分と石けんの脂肪酸が結合してできます。
アルカリ性の汚れを効果的に落とすには、酸性の洗剤が適しています。
酸性
酸性の汚れの主な原因は、皮脂や油脂汚れです。これらは入浴時に体から分泌される油分や、石けんやシャンプーに含まれる油分が要因となります。
カビ(特に赤カビや黒カビ)も酸性の汚れに分類されます。酸性の汚れを効果的に落とすには、アルカリ性の洗剤が適しています。
【汚れの原因別】お風呂の床黒ずみの掃除方法
お風呂の床の黒ずみは、その原因によって効果的な掃除方法が異なります。
ここでは、代表的な5つの汚れに対する掃除方法を紹介します。
【水垢と石けんのカス汚れ】クエン酸を使う
アルカリ性の汚れである、水垢と石けんのカス汚れには、酸性のクエン酸が最適です。
クエン酸は天然由来の成分で安全性が高く、環境にもやさしいのが特徴です。
【必要なアイテム】
- クエン酸(小さじ1)
- 水(200ml)
- 空のスプレーボトル
- キッチンペーパー
- ラップ
- スポンジや古歯ブラシ
【掃除の手順】
- クエン酸水を作る:スプレーボトルに水とクエン酸を入れてよく混ぜる
- 作ったクエン酸水を汚れに直接噴射する
- キッチンペーパーを貼り付け、その上からラップで覆う
- 30分間放置し、クエン酸水を浸透させる
- スポンジや古歯ブラシで優しくこすり、汚れを落とす
- 最後にシャワーでよく洗い流し、きれいに仕上げる
【ポイント】
- 頑固な汚れの場合は、パックの時間を長くする
- 一度で取れない場合は、同じ手順を繰り返す
- クエン酸は酸性のため、他の洗剤と混ぜないよう注意する
【赤カビと皮脂・油脂汚れ】オキシクリーンを使う
酸性の汚れである、赤カビと皮脂・油脂汚れには、アルカリ性の重曹やオキシクリーンがおすすめです。
特にオキシクリーンは、強力な洗浄力と漂白作用を持ち、頑固な汚れにも効果的です。
【必要なアイテム】
- オキシクリーン
- スポンジまたは古い歯ブラシ
- ゴム手袋
- 洗面器(床全体を掃除する場合)
【掃除の手順】
- まず、黒ずみのある部分に40〜50℃の熱いシャワーをかけて温める
- オキシクリーンを床にうっすらとかける
- スポンジや歯ブラシを使って軽くこすり、オキシクリーンをまんべんなく広げる
- 発泡した状態で1時間ほど放置し、汚れを浮き上がらせる。
- 時間が経ったら、再度軽くこすって汚れを落とす
- 最後に、シャワーでしっかりと洗い流す
【ポイント】
- ガスが発生するので換気する
- 必ずゴム手袋・バスシューズを着用し、肌を保護する
【黒カビ】酸素系漂白剤を使う
酸素系漂白剤は、黒カビに対して効果的で、かつ比較的安全に使えます。塩素系漂白剤のような強い臭いがなく、環境にもやさしいのが特徴です。
【必要なアイテム】
- 粉末の酸素系漂白剤(大さじ1)
- 水(適量)
- ラップ
- ブラシやスポンジ
【掃除の手順】
- 酸素系漂白剤とお湯を少しずつ混ぜ、ペースト状にする
- 作ったペーストを黒カビや頑固な汚れに直接塗布する
- ラップで覆い、2〜6時間程度置く。
- 時間が経ったら、ラップを取り除き、ブラシやスポンジでやさしくこすり落とす
- お湯でしっかりと洗い流し、きれいに仕上げる
【ポイント】
- 作業時は必ず手袋を着用し、肌に直接触れないようにする
- 使用中は十分に換気する
- 他の洗剤と混ぜない
【黒カビ】セスキ炭酸ソーダを使う
セスキ炭酸ソーダは、黒カビ除去に効果的な自然由来の洗剤です。重曹よりもアルカリ度が高く、洗浄力が強いのが特徴です。体にやさしい成分でつくられているため、化学薬品に敏感な方に適しています。
【必要なアイテム】
- セスキ炭酸ソーダ(小さじ1杯)
- 水(500mL)
- スプレーボトル
- スポンジ
- ゴム手袋
【掃除の手順】
- スプレーボトルに水とセスキ炭酸ソーダを入れ、よく振ってセスキ水を作る
- 作ったセスキ水を黒ずみの箇所に直接スプレーする
- 数分間放置し、セスキ水を浸透させる
- 柔らかいスポンジや歯ブラシを使って、やさしくこする
- シャワーでしっかりと洗い流す
【ポイント】
- セスキ水は作り置きせず、その都度新しく作って早めに使い切る
- 長時間放置する場合は、乾燥を防ぐためラップで覆う
- 作業時は必ずゴム手袋・バスシューズを着用し、肌を保護する
【頑固な黒カビ】塩素系漂白剤を使う
頑固な黒カビには、強力な除去力を持つ塩素系漂白剤が効果的です。他の方法では落ちない深刻な黒カビ汚れに使いましょう。
ただし、塩素系漂白剤は刺激が強く、使用には十分な注意が必要です。
【必要なアイテム】
- 塩素系漂白剤(ハイターやカビキラー)
- ゴム手袋
- マスク
- 保護メガネ
【掃除の手順】
- 換気扇をつけ、窓を開けて十分に換気する
- ゴム手袋、マスク、保護メガネを着用し、安全を確保する
- カビから15cm程度離して塩素系漂白剤を吹き付ける
- 5分ほど放置し、漂白剤を浸透させる
- シャワーでしっかりと洗い流す
【ポイント】
- 有毒ガスが発生する場合があるので、酸性洗剤と併用しない
- 皮膚や目に触れないよう十分注意する
- 使用後は必ず水で洗い流し、お湯は使用しない
【それでも落ちない汚れ】クレンザーを使う
長年放置された頑固な汚れや、他の方法では落ちない黒ずみには、最後の手段としてクレンザーを使用しましょう。クレンザーは研磨剤を含むため、物理的に汚れを削り取れます。
ただし、使用方法を誤ると浴室の素材を傷つける可能性があるため、慎重に扱う必要があります。
【必要なアイテム】
- クレンザー
- 柔らかいスポンジ
- 使い古しの歯ブラシ
- ゴム手袋
【掃除の手順】
- 柔らかいスポンジにクレンザーを少量付ける
- 優しく、撫でるような感覚でこする
- 細かい部分や隙間は、柔らかい歯ブラシを使って優しくこする
- シャワーでしっかりと洗い流し、クレンザーを完全に除去する
【ポイント】
- クレンザーは研磨作用があるため、力を入れすぎると素材を傷つける可能性がある
- 使用前に、素材とクレンザーの相性を確認する
- 必ずゴム手袋を着用し、肌に直接触れないようにする
お風呂の床の黒ずみを予防する方法4選
お風呂の床の黒ずみは、日々のちょっとした心がけで効果的に予防できます。
おすすめの予防法は、以下の4つです。
- 十分に換気する
- お風呂の床に水分を残さない
- お風呂を使い終わったら約50°のシャワーで床を洗い流す
- こまめに掃除する
1. 十分に換気する
湿気の多い環境はカビや雑菌の温床となるため、使用後は必ず換気扇を回し、できれば窓も開けて空気の流れを作りましょう。浴室乾燥機能付きの換気扇があれば、それを活用するのも効果的です。
ドアに通気口がない場合は、少し開けたままにして空気の通り道を確保します。換気の時間は最低でも2時間程度、可能であれば一晩中行うのが理想的です。
こまめな換気で湿度を下げることで、カビの発生を抑制し、黒ずみを予防できます。
2. お風呂の床に水分を残さない
お風呂の使用後は、100円ショップなどで手に入る水切りワイパーやマイクロファイバークロスを使って、床の水分をしっかり拭き取りましょう。特に目地や隅など、水が溜まりやすい場所は念入りに。
この作業は数分で済むため、毎日の習慣にするのがおすすめです。水分を残さないことで、水垢の形成やカビの繁殖を防ぎ、結果として黒ずみの発生を抑えられます。
また、浴室全体の乾燥時間も短縮されるため、カビ対策にも効果的です。
3. お風呂を使い終わったら約50°のシャワーで床を洗い流す
お風呂の使用直後は、皮脂や石けんカスなどの汚れが浮き上がっている状態です。カビの繁殖を抑えられる効果のある約50℃の温度で、シャワーで床全体を洗い流すことで、汚れを除去できます。
シャワーをかける順序は、天井から壁、そして床へと上から下に向かって行います。特に床から1mほどの高さまでは念入りに洗い流しましょう。その後、冷水で同じように流すことで、浴室内の温度を下げ、カビの繁殖をさらに抑制できます。
こまめに掃除する
理想的には週に1回、中性洗剤やエコ洗剤を使用して念入りに掃除することをおすすめします。
掃除の基本手順は、洗剤を塗布し、説明書に従って放置時間を設け、その後スポンジやブラシでやさしくこすり、最後に十分な水で洗い流すというものです。
頑固な汚れには、重曹やセスキ炭酸ソーダなどのエコ洗剤を活用するのも効果的です。入浴後に浴室用洗剤を軽く吹きかけて簡単に流すだけでも、汚れの蓄積を防げます。
こまめな掃除を習慣化することで、黒ずみの発生を大幅に減らせます。
お風呂の床の黒ずみが落ちない場合はハウスクリーニングがおすすめ
お風呂の床の黒ずみがなかなか落ちないときは、ハウスクリーニングサービスを利用するのがおすすめです。ハウスクリーニングのプロは、特殊な洗剤や高圧洗浄機など、一般家庭では扱えない道具を使用し、頑固な汚れを除去します。
また、素材に応じた適切な洗浄方法を熟知しているため、浴室を傷つけるリスクも最小限に抑えられます。費用はかかりますが、長期的にはメンテナンスの費用を低減でき、快適な空間を維持できるでしょう。
ハウスクリーニングの費用相場
プロに浴室掃除を依頼した場合の費用相場と作業時間は、以下の通りです。
費用相場 | 1.2~1.8万円 |
作業時間 | 2~3時間 |
ハウスクリーニングの費用や作業時間は、浴室の広さや汚れの程度などによって異なります。最適な業者を見つけるためには、2~3社程度に見積もりを依頼することをおすすめします。
参考:ゼヒトモ
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