屋根の防水対策がしっかり行われていないと、浸水や雨漏りの原因となりかねません。水のトラブルは家の寿命に関わる重要なポイントであり、定期的なメンテナンスが必要です。この記事では、屋根防水工事の種類と特徴、メリット・デメリット等をご紹介します。
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屋根防水工事の種類と費用相場
代表的な屋根の防水工事は、次の4種類です。
- ウレタン防水
- FRP防水
- シート防水
- アスファルト防水
その時の状態や日当たりなどの環境によって、適した屋根防水工事が異なります。各施工内容と特徴、費用目安、メリット・デメリットを知っておきましょう。
ウレタン防水
液体状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水性を高めるのが、ウレタン防水工事です。下地とよくなじむという特徴があり、凹凸のある場所への施工も問題ありません。
効果的な防水層を作るには技術が必要とされるため、業者選びを慎重に行いましょう。防水工事の中でもメジャーな方法で、コストパフォーマンスにも優れています。
耐用年数:約10年
費用相場:3,000~7,000円/㎡
メリット
- 防水層が軽量で建物への負担が少ない
- 複雑な形状の場所にも施工できる
- 継ぎ目がない見た目の良い防水層が形成できる
- 費用は比較的安価
施工実績の多い防水工事だけあって、比較的費用を抑えられるうえに、工期も短期間で済みます。下地の状態や形状に関わらず、継ぎ目のない防水層を作れるのも大きなメリットだといえるでしょう。
デメリット
- 塗膜面を均一に仕上げるには技術が必要
- 施工中は雨に弱い
- 5~6年に1度トップコートの塗り替えが必要
- 塗装のムラにより劣化が早まる可能性がある
施工中に雨が降ってしまうと、硬化不良が起きる可能性が否定できません。信頼できる業者を見つけ、天候など工事をするタイミングにも気を配る必要があるでしょう。
FRP防水
FRP防水工事では、不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を配合したうえで、ガラス繊維や炭素繊維などの補強材を組み合わせて防水層を作ります。防水層には継ぎ目がないため、高い防水性が期待できます。
一般の住宅の浴室や浴槽の防水加工として、FRP防水が採用されることもあるようです。強度が高いため、劣化が気になる部分への施工を検討してみましょう。
耐用年数:約10年
費用相場:4,000~8,000円/㎡
メリット
- 防水性が高い
- 素材が軽量で建物への負担が少ない
- 耐摩擦性・耐荷重性に優れている
- 工期が短くて済む
防水性や耐摩耗性、耐荷重性に優れているのにも関わらず、工期もわずか1~2日しかかかりません。メリットが大きいFRP防水は、近年注目が高まっている施工方法です。
デメリット
- 費用が高め
- FRP防水が適さない場合がある
- 施工中には刺激臭が発生する
機能性が高いFRP防水ですが、全ての建物に施工できるわけではありません。伸縮性が低いため木造住宅への施工は難しく、ひび割れが起きてしまう可能性があります。 費用も少し高めであるため、費用と効果のバランスを検討してみてください。
シート防水
シート防水工事とは、約1.2~2.5mmの厚さがある塩化ビニールやゴム製のシートを接着し、防水性を高める方法です。接着剤を用いる密着工法と機械固定工法の2種類があり、施工箇所にあった方法を選ばなければなりません。
広い面積の防水性を一気に高められるため、屋上や屋根に多く採用されます。
耐用年数:約10~15年
費用相場:5,000~10,000円/㎡
メリット
- 広い面積に施工できる
- 耐久性が高い
- 既存の下地が影響しない
- 凹凸が発生しにくい
防水効果のあるシートを上から被せる方法であるため、既存の下地との相性を気にする必要がありません。耐久性に優れ、メンテナンスも10~15年に1度で済むでしょう。 シートの表面は滑らかで、汚れが付きにくいのもメリットです。
デメリット
- 1箇所でも亀裂や穴が発生すると、全体のメンテナンスが必要
- 複雑な形状の場所には施工できない
- 費用が高め
- 施工の難易度が高い
耐用年数が長いことがシート防水のメリットですが、反対に1箇所でも問題が起きてしまうと、そこから全体の浸水に繋がってしまいます。そもそも、技術が求められる工事方法であるため、実績豊富な業者を探すのに苦労するかもしれません。
アスファルト防水
アスファルト防水とは、合成繊維不織布のシートに溶かしたアスファルトを浸透させ、防水性を高めた状態でシートを貼り重ねていく工事です。従来広く採用されている方法で、面積の大きい屋上や屋根に適しています。
工事の種類は熱工法とトーチ工法、常温工法があり、業者と比較・相談しながら決めるようにしましょう。
耐用年数:約15~20年
費用相場:6,000~8,000円/㎡
メリット
- 耐用年数が長い
- ノウハウを持った業者を見つけやすい
- 防水性が高い
- 施工すぐに防水効果を発揮する
他の防水工事と比べても耐用年数が15~20年と長く、防水性に優れている点がメリットです。施工数が多い分、十分な技術をもった業者を見つけやすいでしょう。
デメリット
- 木造住宅には不向き
- 複雑な形状の場所には施工出来ない
- 工期が長い
- 施工中はアスファルト特有のニオイが発生する
木造住宅や形状が複雑な場所への施工には、不向きな方法といえます。また、工期が6~10日と長いため、施工中のニオイにも注意が必要です。
屋根防水工事が必要になるサイン
屋根工事の種類や特徴、メリットなどを確認したところで、メンテナンスが必要となるタイミングを正しく知っておきましょう。
次のようなサインが見られたら、屋根の防水工事を検討してみてください。
- 天井のシミ
- 色褪せ
- 塗装やシーリングの劣化
- ひび割れ
- 防水層の膨れ
- 屋根材の剝がれ
自宅を長持ちさせるためには、日頃からこれらの症状が出ていないかチェックすることが大切です。
自宅に必要な工事の見分け方
条件や目的に合った、防水工事選びのヒントをご紹介します。
- 屋根の耐久性を高めたい場合:FRP防水
- 障害物の多いベランダの場合:ウレタン防水
- 10㎡以下の小さいベランダの場合:ウレタン防水
- 屋上の防水を一気に行いたい場合:シート防水
- ビル・マンションの屋上の場合:アスファルト防水
防水工事業者と相談しながら、適切な施工方法を選ぶようにしましょう。
優良業者の選び方
防水工事は、自宅を守るために欠かせないポイントです。以下のポイントを参考にして、信頼できる業者を選んでみてください。
- 実績が豊富
- サービス面が充実
- 見積もりの内容が分かりやすい
- 見積額が相場に収まっている
- 防水施工技能士の有資格者が在籍
いくつかの業者に相見積もりを取って、価格とサービスを比較してみるのをおすすめします。
ゼヒトモで屋根防水のプロを探す
屋根の雨漏りが気になったら、防水工事を検討するタイミングです。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解して、自宅に必要な施工を検討しましょう。
- 屋根の防水工事について相談したい
- まとめて屋根防水の見積もりをとりたい
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監修プロからの言葉
屋根の防水工事はお金がかかるものなので、業者選びは慎重に行いましょう。1箇所が不具合だったとしても、根本を解決するには全体を交換しなくてはならないなど、予想以上に高くつく場合もあります。
屋根は見えないので、業者の言葉をすべて鵜呑みにしてはいけません。まずは自分でもチェックできる方法としては、大雨の後に屋根・天井・窓枠を見てみるなどですね。
数社に見積もりを依頼するなどして、適正な価格かどうか見極めることが大切です。修繕ポイントや理由を写真も添えて説明してくれるのは、信頼できるか判断する一つのポイント。こちらの質問にも丁寧に答えてくれるかも見極めましょう。
新築なら10年、古くなってきたら5年に一度は点検をすると良いですね。定期的なメンテナンスをすることによって、大きなトラブルを防ぐことができます。
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