キッチンリフォームでは、機能性はもちろん、デザイン性も重要です。キッチンをおしゃれかつ使いやすくリフォームすることで、部屋全体のインテリアがおしゃれになったり、家事効率が格段に上がったりします。
この記事では、おしゃれなキッチンを作るコツやおすすめのリフォームアイデア、費用相場などを解説します。キッチンリフォームを検討している方は必見です。
キッチンをリフォームする際のポイントと手順とは
キッチンをリフォームするにあたって、まずは手順とポイントを押さえましょう。リフォームで重要なのは、理想のキッチンイメージを具体的に考え、それに基づいて素材や工事内容を決めることです。おしゃれさはもちろん、使いやすさも重視しましょう。ここでは、キッチンをリフォームする際のポイントと手順をご紹介します。
①理想のキッチンのイメージをつくる
まずは、理想のキッチンのイメージを作りましょう。キッチンリフォームの際は、デザインだけでなく使い勝手も重要です。シンクやコンロの使いやすさ、食洗機の必要性など、現在のキッチンにおける不便な点を洗い出してください。
改善点が明らかになったら、次は理想のイメージを出し合います。家族で話し合うとさまざまな意見が出ることが多いです。キッチンリフォームで重要なのは、「誰がどのように使うか」という視点です。そのため、キッチンを1番よく使う人の意見を尊重しましょう。
②開放的なキッチン?それとも独立型?など具体的なイメージを
キッチンの理想イメージは、具体的に膨らませましょう。キッチンのタイプには、開放的なものと独立型の大きく2つがあります。
開放的なキッチンは、壁がなく、リビングやダイニングからキッチンの様子がよく見えるレイアウトです。調理中でも家族とのコミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。一方、生活感が丸見えであり、調理時のニオイや煙がダイニングやリビングに広がりやすいのが難点です。
独立型のキッチンは、壁で仕切られているタイプです。閉鎖的な空間ではありますが、料理に集中しやすく、生活感を隠せるというメリットがあります。
キッチンを開放的にするか独立型にするかは、具体的に考えましょう。
③キッチンレイアウトを大まかに考えよう
キッチンレイアウトは、使い勝手に大きく影響します。調理スペース・コンロ・シンクの動線をしっかり考え、調理しやすいキッチンレイアウトを考えましょう。移動しやすさを求めるなら、シンクと調理スペースの距離が近いL型キッチンがおすすめです。また、複数人でキッチンに出入りしたい場合は、スペースを広く取れるアイランドキッチンを選びましょう。
④家事動線や換気・通気もチェックしよう
調理の効率を上げるためには、特に家事動線を重視しましょう。冷蔵庫・シンク・コンロの動線のことを「ワークトライアングル」と呼びます。距離を短くしてすぐに移動できるよう設置することで、調理効率は格段にアップするのです。
また、キッチンは調理時のニオイや煙、湿気が溜まりやすい場所です。リフォームの際は、換気性や通気性もチェックしましょう。
⑤キッチンの広さを決めよう
キッチンの広さも重要です。キッチンにさまざまな機能をつけると、キッチンが広くなる一方、リビングやダイニングなどほかの部屋が狭くなってしまいます。LDKのバランスを重視し、広さをイメージしましょう。
一般的なキッチンは4.5畳、アイランドキッチンは6畳が理想とされています。LDKのバランスを考えてキッチンの広さを確保し、快適な空間を作り上げてください。
⑥キッチンに必要な設備を確保する
キッチンの理想のイメージが膨らんだら、設備について考えましょう。性能の良い最新設備に交換したり、IHクッキングヒーターやビルトイン食器洗い機などの設備を導入したりすれば、家事効率が一気に上がります。
また、収納も重要です。収納スペースを確保すればさまざまなものを収納できますが、デッドスペースが生まれる可能性もあります。スペースを増やしすぎるのではなく、収納力のあるキャビネットやパントリーなどを活用して、バランスの取れた収納を確保しましょう。
⑦テイストを決めよう
キッチンリフォームにおいては、レイアウトや機能性と同様に、デザインも重視しましょう。キッチンのテイストは、部屋全体のインテリアや印象を左右するポイントです。
キッチンには、シンプル・ナチュラル・スタイリッシュ・北欧風など、さまざまなテイストが考えられます。理想のテイストを決め、そこから使用すべき素材やデザイン、アクセントカラーや照明の種類などを決めましょう。
例えば、シンプルな印象を与えたい場合は、キッチンや床を白で統一するのがおすすめです。また、北欧風テイストにしたい場合は、木目調を取り入れたり、明るい色をアクセントカラーとして取り入れたりしましょう。
また、開放的なキッチンにする場合は、リビングやダイニングのインテリアとの統一感も考慮してください。
キッチンをおしゃれにリフォームするコツとは
キッチンをおしゃれにリフォームする際は、キッチン本体の素材や色、レイアウトに加え、内装材や収納の選び方がポイントです。また、LDKとのバランスやインテリアとの統一感も考慮しましょう。以下では、キッチンをおしゃれにリフォームするコツをご紹介します。
キッチンの扉、天板の素材にこだわる
扉や天板は、キッチンの中でも目に入りやすい箇所です。素材やデザインによって、キッチンの雰囲気が大きく変わります。おしゃれなリフォームのためには、扉と天板の素材選びにこだわりましょう。
扉は、素材や表面の仕上げ方によってグレードが異なります。主に使用されるのは、以下の素材です。
- 化粧シート
- 天然木・合板
- ステンレス
- ホーロー
一般的なのは化粧シートです。価格が安く、デザイン性に優れています。そのため、好みのデザインを選びやすいです。一方、耐熱性や耐水性が低いというデメリットがあります。
天然木や合板は、木材の温かみを感じられる素材です。北欧風のキッチンに仕上げたい方におすすめです。上からウレタン樹脂を塗って耐水性を高めることが多いですが、傷つきやすく扱いが難しいというデメリットがあります。
ステンレスは、スタイリッシュでシンプルなデザインの素材です。お手入れしやすく、水に強いという特長があります。
ホーローは、鉄板とガラス板を組み合わせて作った素材です。抜群の耐久性を誇ります。焼き物風で重厚感のある印象であるため、キッチンをレトロな雰囲気に仕上げたい方におすすめです。
また、天板にはステンレスや人造大理石が使われることが多いです。スタイリッシュなデザインにしたいならステンレスを、高級感があるホテルライクな印象にしたいなら人造大理石を選びましょう。
キッチンのテイストに合わせて壁や床材などのインテリアを選ぶ
おしゃれなリフォームのためには、壁や床などの選び方が重要です。特に床材にはさまざまな素材があり、それぞれ特徴や雰囲気が異なります。キッチンのテイストに合うものを選びましょう。
キッチンに使われる主な床材は、以下のとおりです。
- フローリング(天然・合板)
- クッションフロア
- タイル
- フロアタイル
フローリングは、一般的に広く採用されている床材です。木目調で温かみがあります。ダイニングやリビングと統一感を出しやすいです。
フローリングには、天然の無垢材をそのまま一枚板として使っている「無垢フローリング」と、合板の上に木材を貼った「複合フローリング」があります。キッチンにおすすめなのは、複合フローリングです。複合フローリングは、表面に防汚加工や防水加工が施されていることが多く、汚れや水滴が気になるキッチンに向いています。
クッションフロアや、柔らかくクッション性がある床材です。水を弾くためお手入れがしやすく、物を落とした衝撃も吸収してくれます。クッションフロアには、フローリング調やタイル調など、さまざまなデザインがあります。機能性を高めつつおしゃれな空間を作りたい場合は、デザイン性の高いクッションフロアを選びましょう。
タイルは、インテリアにこだわりたい方におすすめの床材です。防水性や耐久性に優れているため、キッチンでも安心して使えます。何よりもデザインのレパートリーが豊富であるため、キッチンのテイストに合うものを選びやすいです。
フロアタイルは、主にビニール樹脂で作られた、タイル状の床材です。正方形タイプが多く、貼り合わせて施工します。デザインのレパートリーが豊富で、ほかの床材よりリーズナブルです。既存の床の上から施工もできるため、手軽にリフォームできます。一方、耐久性は高くないため、こまめなメンテナンスが必要です。
このように、壁や床材にはさまざまな種類があります。キッチンのテイストに合わせて選ぶことで、統一感のあるおしゃれな雰囲気を演出できるのです。
キッチンの壁面・背面など、隠す収納にするか見せる収納にするかを決める
特に対面キッチンの場合は、収納を扉で隠すか見せるかによって、キッチンの印象が大きく変わります。背面収納や壁面収納は、活用することで大容量の収納が可能になる一方、丸見えだと見栄えが悪くなりやすいです。
背面収納や壁面収納を見せたくない場合は、全て扉で隠しましょう。空間がスッキリする一方、暗い雰囲気になりやすいです。また、出し入れがしにくいという難点もあります。
部分的にオープンスタイルにする「見せる収納」を採用すると、明るい空間を演出できます。
リビングやダイニングのインテリアや、キッチンの理想イメージに合わせて、隠す収納にするか見せる収納にするかを決めましょう。
LDK全体のバランスを考慮してキッチンをレイアウトする
キッチンのレイアウトは、LDKとのバランスを考慮して選びましょう。キッチンには、I型・L型・対面型の主に3つのレイアウトがあります。それぞれ機能性が異なります。LDKが狭いケースでは、空間を広く利用できるI型がおすすめです。スペースにゆとりがあるなら、対面型が適しています。このように、LDK全体のバランスを考慮して、キッチンレイアウトを考えましょう。
おすすめキッチンリフォームアイデア
キッチンリフォームにはさまざまなバリエーションがあります。具体的なイメージを膨らませるためには、実際の施工例を確認するのがおすすめです。ここでは、おすすめのキッチンリフォームアイデアを4つご紹介します。
大人気インテリア「北欧風」にリフォーム
明るくおしゃれな雰囲気が魅力の北欧風キッチンは、リフォームで大人気のアイデアです。北欧風キッチンの特徴は、白や木目調のシンプルなベースカラーに、北欧らしいアクセントカラーを取り入れている点です。心地よく温かみのあるテイストで、おしゃれなインテリアを実現しています。
寒冷地であるため家の中で過ごすことが多い北欧では、明るい色使いで温かみのある雰囲気を演出し、過ごしやすい空間を作っています。
キッチン本体だけでなく、ファブリックやキッチン用品なども北欧風のテイストを意識してみましょう。木製の壁や家具を取り入れる場合は、フローリングの床材のテイストに合うものを選んでください。アクセントカラーには、赤やオレンジなどの明るいビタミンカラーがおすすめです。また、観葉植物を置くと、北欧の自然の豊かさを再現できます。
トレンドの「アイランドキッチン」にリフォーム
最近では、アイランドキッチンへのリフォームも人気を集めています。アイランドキッチンとは、壁から離れた場所に設置されたキッチンです。部屋の真ん中にキッチンがある、というイメージです。
アイランドキッチンには、開放感があり、家族とコミュニケーションが取りやすい、というメリットがあります。家族の様子を見守ったり、家族と話しながら料理したりしやすいです。複数人で料理するのにも適しています。また、スタイリッシュでおしゃれな印象から、トレンドのキッチンモデルです。
ただし、キッチンが丸見えになるスタイルであるため、日々のお手入れが欠かせません。キッチン道具の収納も工夫する必要があります。アイランドキッチンは壁面から独立しているため、収納スペースをとるのが難しいです。背面収納やパントリーなど、収納場所を確保しましょう。
カウンター設置でバーのイメージに
カウンターや腰壁を設置し、バーのようなキッチンにリフォームするのもおすすめです。個性的でおしゃれな空間を演出できます。ホームパーティーが好きな方や、家飲みにこだわりたい方におすすめのリフォームです。また、カウンターは作業スペースとしても活用できます。
バーをイメージする場合は、対面キッチンを選びましょう。カウンターは落ち着いた木製のものがおすすめです。キッチン周辺の壁紙や家具の色合いも統一すると、キッチン周りの空間がおしゃれにまとまります。さらに照明やお酒・食材の収納にもこだわると、より一層本格的なバーの雰囲気を演出できます。
大理石調タイル張りでホテルライクなLDKに
キッチンの床を大理石調のタイルにすると、シンプルでスタイリッシュなホテルのような空間を演出できます。キッチンの床材ではフローリングが用いられることが多いです。大理石風のタイルやクッションフロアを採用することで、上質でモダンな空間になります。
床を大理石風にする場合は、キッチンの天板も白や大理石にして統一感を出しましょう。また、背が低い収納棚にすることで、シンプルで洗練されたイメージを与えられます。
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キッチンリフォームにかかる費用相場とは
キッチンリフォームを計画する際は、リフォームにかかる費用相場を理解し、予算を立てることが大切です。キッチンのリフォーム費用は、キッチンのレイアウトやグレードによって異なります。また、納得してリフォームするためには、費用の内訳を知ることも重要です。ここでは、レイアウト別の費用相場と、費用の内訳をご紹介します。
【レイアウト別】価格表
キッチンリフォームでは、主に以下の3つのレイアウトが挙げられます。
- I型キッチン
- L型キッチン
- 対面型キッチン
I型キッチンは、シンクやコンロなどの調理スペースが、横一列に並んでいるタイプのキッチンです。壁付けキッチンとも呼ばれます。シンプルなレイアウトなので、比較的価格を抑えられます。また、キッチンスペースを有効に活用しやすいレイアウトです。
L型キッチンとは、その名のとおりLの形をしたキッチンです。壁の1面や2面を利用し、L字型に配置します。L型キッチンのメリットは、作業効率に優れている点です。L字型にすることで、シンクとコンロを近づけられます。また、複数人で料理しやすいです。I型よりは複雑なレイアウトであるため、その分リフォーム費用も高くなります。
対面型キッチンとは、ダイニングやリビングに対面する形で調理できるレイアウトです。壁に向かうI型やL型と異なり、家族の様子を見ながら調理できます。家族とのコミュニケーションが取りやすいキッチンです。対面型と同様、I型キッチンよりも費用が高い傾向にあります。
また、キッチンのグレードによっても価格は異なります。一般的なキッチンはステンレスが使われていますが、ハイグレードタイプは大理石が用いられていることが多いです。ハイグレードタイプや、シンプルなタイプよりも20万〜40万円程度高くなります。
以下で、キッチンのタイプとグレードごとに費用相場をまとめました。キッチンリフォームのプランニングの際はぜひ参考にしてください。
シンプルタイプ | スタンダードタイプ | ハイグレードタイプ | |
I型キッチン | 50万~80万 | 60万~90万 | 70万~120万 |
L型キッチン | 65万~90万 | 75万~120万 | 85万~130万 |
対面型キッチン | 70万~100万 | 80万~130万 | 90万~160万 |
キッチンリフォームにかかる内訳
キッチンリフォームの費用は、50万~150万円が相場です。もちろん、施工箇所や工事内容・素材などによって大きく変わります。
キッチンリフォームには、キッチンの本体価格以外に以下のような費用が含まれています。
- 既存キッチンの撤去・処分費用
- 床や壁を補修する内装工事
- インフラ工事費用
- そのほか付帯工事費用
キッチンをリフォームする際は、既存のキッチンを撤去したり処分したりすることが必要です。解体や処分にかかる費用相場は、10万~30万円程度です。
また、キッチンを移動させる際、周辺の床や壁を補修する内装工事を行います。5~25万円ほどかかることが多いです。移動距離が長い場合は、さらに高額になります。
さらに、給排水管やガス管・電気配線・換気ダクトなど、キッチンとして使うためのインフラ接続工事も必要です。そのほか、キッチンの形を変えたり移動したりするにあたって、付帯工事が必要になります。その分の材料費や工事費がかかるのです。
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