中古マンションをリノベーションすることで、より快適に生活することができます。また、これからマンションを買う場合も、新築ではなく中古物件を選び、自分好みにリノベーションすることもできるでしょう。
しかし、「リノベーションには高額な費用がかかるのではないか」「費用が足りないときはどうすれば良いのだろうか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、中古マンションのリノベーション費用について知りたい方に向けて、必要な情報を詳しく紹介しています。工事内容による費用相場やリノベーション用ローンの選び方も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
中古マンションの魅力とは
中古マンションには、次の魅力があります。
- 新築に比べて手頃
- 築25年ごろを境に価格が下がりづらくなる
それぞれの魅力について解説します。
新築に比べて手頃
マンションは築年数が古くなると価格が低くなり、相場が大きく下がります。東日本不動産流通機構のデータによる平均成約価格の例は以下の通りです。
築年数 | 平均成約価格(面積) |
0~5年 | 6,136万円(64.84㎡) |
16~20年 | 4,685万円(72.80㎡) |
21~25年 | 3,746万円(69.24㎡) |
26~30年 | 2,275万円(61.23㎡) |
31年以上 | 2,040万円(57.28㎡) |
築25年ごろを境に価格が下がりづらくなる
築年数が古くなると価格は手頃になりますが、築25年ごろを境に下がりづらくなります。
そのため、古くなった物件でも売却時にある程度の金額を得ることができ、買い換え資金の元手とすることができます。いずれは売却しようと検討している方も、中古マンションに注目できるでしょう。
中古マンションをリノベーションする際のポイント
中古マンションを購入し、そのまま暮らし始めることもできますが、自分好みにリノベーションすることもできます。中古マンションをリノベーションするメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
主なメリットとしては、次の3点が挙げられます。
- 取得費用を抑えられることがある
- ある程度自由にマンションを作り替えることができる
- 幅広い選択肢から物件を選択できる
マンションは築年数が古くなると価格が下がるため、場合によってはリノベーション費用を加えても新築マンションよりも安価に購入できることがあります。また、広さや天井高などの構造はある程度制限されるものの、自由に作り替えることができるので、価格を抑えて好みの住宅に仕上げることが可能です。
選択肢が広がるという点も中古マンションをリノベーションするメリットです。新築だけにこだわると、物件が限られるため立地や広さなどを妥協しなくてはいけないことがありますが、中古マンションも含めて検討するなら、思うような立地や広さの物件を見つけやすくなることがあります。
デメリット
メリットもありますが、デメリットもあります。特に次の2点は気になるかもしれません。
- 購入後、すぐに住めない
- 工事内容によっては実施できないことがある
本来であれば、中古マンションは引き渡し後すぐに居住できます。しかし、リノベーションをする場合は工事完了まで住むことができません。
また、マンションの構造や管理規約によっては、実施できない工事もあります。リノベーション前提で中古マンションを検討する場合は、希望する工事が可能か確認してから購入するようにしましょう。
リノベーション時の注意点
中古マンションをリノベーションするときは、次の点をチェックしておきましょう。
- 撤去できない壁があるか
- 配管の移動は可能か
- 新耐震基準を満たしているか
- リノベーションに関して規約が定められているか
- マンションの管理状態に問題がないか
マンションの構造によっては、室内の壁を撤去できないことがあります。間取りを変える工事をしたいときは、ラーメン構造かどうか確認しておきましょう。
マンションによっては配管の移動ができないものもあります。水回りの位置を変える工事を検討している場合は、配管の移動が可能な床スラブ上配管かどうかもチェックしておきましょう。
また、マンションが1986年6月1日よりも以前に建築確認を受けている場合は、新耐震基準を満たしていない可能性があります。場合によっては耐震補強工事が必要になりますが、個人では進められないため、購入前に工事の予定があるのか確認しておきましょう。
マンションによっては、管理規約でリノベーションに関して制限が定められていることもあります。例えば床スラブ上配管であっても、管理規約で配管の移動を禁じているため、水回りの位置を変えられないというケースもあります。購入前に管理規約も確認し、希望通りの工事を実施できるのかチェックしましょう。
マンションの管理状態も確認が必要です。リノベーションで室内をどんなに美しくしても、通路やエントランス、エレベーターなどの共用部分の管理が行き届いていないときは快適に暮らすことはできません。実際に物件を見て、管理状態を調べておきましょう。
費用相場
リノベーションの費用相場は、床面積や工事内容によっても異なります。一般的なファミリー向けのマンションでどの程度の費用がかかるのか、工事内容ごとに見ていきましょう。
工事の種類 | 具体的内容 | 価格 |
フルリノベーション | 通常 | 約250~900万円 |
設備・素材にこだわらない場合 | 約8~15万円(1㎡あたり) | |
間取り変更 | 通常 | 7~23万円 |
ドアを新たに設置する場合 | 約15~20万円 | |
水回り交換 | システムキッチン | 約50~150万円 |
ユニットバス | 約50~150万円 | |
洗面台 | 約15~50万円 | |
トイレ | 約15~50万円 | |
リビングや和室・洋室の変更 | 壁紙の張り替え | 5~11万円 |
フローリングの張り替え | 11~20万円 | |
床暖房工事 | 65~110万円 | |
和室から洋室への変更(壁と天井、床、押入れ、ふすまをそれぞれ洋室仕様に変える) | 約25~100万円 | |
収納の設置 | 壁付けタイプ | 約10~48万円 |
ウォークインタイプ | 約18~80万円 | |
耐震・断熱化工事 | 耐震補強工事 | 約25~100万円 |
断熱化工事 | 約20~120万円 |
フルリノベーション
内装をすべて取り払い、骨組みだけの状態(スケルトン)にしてから工事をすることを「フルリノベーション」と呼びます。工事内容や素材のグレードなどにもよりますが、フルリノベーションの費用例は以下の通りです。
・通常:約250~900万円
・素材や設備にこだわらない場合:約8~15万円(1㎡あたり)
間取り変更
間仕切り壁の撤去の1箇所あたりの費用例は以下の通りです。
・通常:7~23万円
・ドアを新たに設置する場合:約15~20万円
水回り工事
水回りの交換にかかる費用の例は以下の通りです。
・システムキッチン:約50~150万円
・ユニットバス:約50~150万円
・洗面台:約15~50万円
・トイレ:約15~50万円
リビングや和室・洋室の変更
10畳程度のリビングの壁紙の張り替えの費用例は以下の通りです。
・通常:5~11万円
・フローリングの張り替え:11~20万円
・床暖房工事も実施する場合:65~110万円
・和室から洋室への変更(壁と天井、床、押入れ、ふすまをそれぞれ洋室仕様に変える):25~100万円
収納の設置
新たにクローゼットを作る場合の費用例は以下の通りです。
・通常の壁付けタイプであれば10~48万円
・ウォークインタイプ:約18~80万円
耐震・断熱化工事
マンション全体の耐震工事は個人では実施できませんが、所有する部分だけの耐震補強工事は可能です。費用の一例は以下の通りです。
・耐震補強工事:約25~100万円
・断熱化工事:約20~120万円
リノベーション用ローンの選び方
リノベーション用のローンとしては、マンションを担保とする有担保ローンと、担保を設定しない無担保ローンを検討できます。それぞれの特徴を紹介します。
有担保ローン
マンションを担保にして住宅ローンを組むことも検討できます。マンションの購入費用も合わせて借りられるので、ローンを1本にすることが可能です。ただし、審査に時間がかかること、抵当権の設定登記費用がかかる点に注意が必要です。
無担保ローン
リフォームローンやフリーローンを利用するときは、マンションを担保に設定せずに借ります。有担保ローンに比べると審査時間が短く、諸費用が低めというメリットがあります。しかし、住宅ローンよりは適用金利は高めの傾向にあるので注意しましょう。
業者選びのポイント
紹介したとおり、リノベーション工事の費用相場は幅が広く、どの業者を選ぶかによって大きく変わります。複数の業者から見積もりをとり、比較して選ぶようにしましょう。
また業者によってデザイン性や品質にも差があります。ホームページなどで施工事例を確認し、納得できる業者を選びましょう。
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