軒下は住まいのデザインだけでなく、雨や紫外線が屋内に入るのを防ぐなどの働きもあります。では、すでにある建物に軒下を後付けできるのでしょうか。
この記事では、軒下のリフォームを検討している方に向けて、必要な情報を紹介しています。軒下の役割や重要性、地域別の違い、リフォームする際の費用相場も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
- 軒下には、雨の侵入を防いだりや紫外線から守る役割がある
- 軒の出は90センチが基準だが、隣家との距離や建ぺい率も考慮する必要がある
- 軒を後付けするときの工事価格は1㎡あたり3~5万円が相場
想いを形に工房
軒下とは
住宅の屋根が張り出した部分を軒(のき)と呼びますが、そもそも軒下とはどの部分を指すのでしょうか。また、軒先や軒天との違いについて解説します。
軒下と軒先、軒天との違い
軒下とは、軒の下に広がる空間全体を指します。屋外で屋根がある場所に物を置くときは、軒下に置いたと表現できます。
一方、軒先とは、屋根が張り出した部分の先端のことです。さらに詳しく解説すると、住宅と平行に雨どいが設置されている部分と屋根のサイドの部分に分かれます。
軒天とは、軒の内側の部分のことです。軒下に立って屋根を見上げたときに視界に入る部分を指します。
地域別の軒下事情
都心部では建物が密接していることが多いため、軒下がほとんどない住宅もあります。また、1m以上の幅のある軒をつけると建築面積が制限されることもあるため、軒をつけるときでもあまり幅が広くならないように調整することも多いです。
一方、建ぺい率をあまり意識しなくても住宅を建てられる地方部では、大きな軒下のある屋根を取り付けることも少なくありません。
軒下の役割と重要性とは
軒下には、次の役割があります。
- 雨の侵入を防ぐ
- 紫外線から守る
- 屋根裏の換気
それぞれの役割から、軒下がなぜ必要なのか解説します。
雨の侵入を防ぐ
軒下があることで、雨が屋内に入り込むことを防ぐ機能を期待できます。軒下が広めであれば、風が強い日も雨が屋内に入り込みにくくなるでしょう。
また、外壁や窓に雨が直接当たると、早く劣化することがあります。しかし、軒下があれば、外壁や窓に直接雨が当たりにくくなります。住宅の早期劣化を防ぐためにも、軒下は必要です。
紫外線から守る
屋根から軒下が張り出していることで、玄関内を紫外線から守ります。屋内の温度も上がりにくくなるため、夏場も快適に過ごしやすくなります。
また、外壁に紫外線が繰り返し当たると、塗料やシーリングが剥がれやすくなり、防水性が低下する点に注意が必要です。しかし、軒下があることで紫外線から外壁を守ることができ、防水性が低下しにくく、雨漏りもしにくくなります。
屋根裏の換気
屋根裏は熱や湿気がこもりやすく、特に真夏は高温多湿になります。天井に断熱材を入れている場合は、さらに屋根裏の温度が高くなるでしょう。
軒下があれば軒天に換気口をつけることができ、屋根裏にこもった熱や湿度を適度に排出することができます。住宅の換気機能を向上させるためにも、軒下は必要です。
デザイン性の向上
軒下があることで、住宅のデザイン性が向上します。また、軒下にプランターを置いたり花壇を作ったりすれば、住宅が華やかになり、さらに美しい住まいになるでしょう。
軒下は外壁や窓を雨や紫外線から守るため、住宅全体の早期劣化を防ぎます。いつまでもおしゃれで美しい住宅に保つためにも、軒下が果たす役割は大きいといえるでしょう。
軒をつけたい場合は

住宅を建てるときは、軒を含めてデザインするようにしましょう。また、すでに住宅を建てた後でも、軒をつけられることがあります。軒をつける際に知っておく必要があるポイントについて紹介します。
軒の出は90センチが基準
軒の出はあまりにも短いと雨や紫外線を防ぐ機能は期待できませんが、あまりにも長いと住宅とのバランスが悪くなってしまいます。また、長すぎるときは冬場に十分な日差しが届かず、屋内が寒くなる点にも注意が必要です。
雨や紫外線を適度に防ぎ、なおかつ冬場にも屋内に日光が入りやすくするためには、軒の出は90センチが最適といわれています。隣家との距離や建ぺい率も考慮する必要がありますが、軒の出が90センチ程度を目安にしてみましょう。
軒がつけられない時は
敷地の広さや建ぺい率などの事情から、住宅に軒がつけられないケースもあります。そのようなときは、次の2つの方法を検討してみましょう。
- 窓に庇(ひさし)をつける
- 外壁をタイル張りにする
屋根に軒がつけられなくても、窓に庇をつけることで、屋内に紫外線や雨が入り込むのを防ぐことができます。軒のように外壁全体を紫外線や雨から守ることはできませんが、庇があることで室温が上がりにくくなったり、雨の日も換気しやすくなったりと多大なメリットを得られます。
また、外壁を紫外線や雨から守るために、タイル張りにする方法も検討できるでしょう。タイルを張らない状態よりも雨水が染み込みにくくなるため、外壁の早期劣化を防ぐことができます。ただし、タイルの色が淡いと水垢やシミが目立つため、できればダークブラウンなどの濃色を選びましょう。
軒を後付けするリフォーム費用相場

軒を後付けするときの工事価格は1㎡あたり3~5万円が相場です。足場工事が必要なときは、1㎡あたり700~1,200円の追加費用がかかります。
軒のリフォーム工事をするときは、複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。同じ工事内容で見積もりを依頼すれば、割高な業者を見つけやすくなります。また、価格だけでなく担当者の対応や今までの工事実績、リフォームプランの提案力なども比較し、総合的に業者を選ぶことも大切です。
ゼヒトモでおすすめ!リノベーションのプロ
軒下の後付けを依頼する際は、屋根に関する専門的な知識やノウハウを持つ事業者に依頼するのがおすすめです。ここでは、軒下の後付けを依頼できる信頼できるプロを3社紹介します。軒下の後付けを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
TAOルーフ

TAOルーフは東京都大田区を拠点に屋根リフォームをメインに手掛ける事業者です。屋根改修の他にも外壁塗装や防水工事など幅広くリフォームを手がけているので、軒下の後付けにも対応してもらえるでしょう。
口コミでは「軒下の小さな蜂の巣もとってもらえた」「意向を汲んだ提案がとても良かった」などの声が寄せられており、お客様目線に立った対応が魅力のプロです。屋根の無料点検キャンペーンや無料の見積もりも行っているので気軽に相談してみてください。
松浦さん(2021/11)
屋根の修理・工事・リフォーム
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
雨漏りの修理をご相談させて頂きました。素人の私達に丁寧な説明、対応して頂きとても親身になって頂き助かりました。色々な提案も頂きましたが、今は最低限の部分だけを直して頂きました。 次また何かあったらまたお声掛けすると思います。
㈱レイワホームサービス

千葉県松戸市を拠点に住宅のリフォームを手掛けるプロです。屋根工事から内装工事まで幅広いサービスを提供しています。中でも屋根に関する施工実績が豊富で、確かな技術力で理想の仕上がりを実現。お客様のニーズに柔軟な対応力が強みなので、軒下の後付け施工にも対応してもらえるでしょう。
口コミでも「進捗状況を定期的に報告してもらえた」「近隣への配慮もしっかりやってもらえた」との声が寄せられており、安心して依頼できるのが魅力です。ホームページには施工実績も掲載されているので気になる方はぜひ見てみてください。
スズ***さん(2024/09)
屋根の修理・工事・リフォーム
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
最初の提案からレスポンスよく丁寧に案内を頂けました。 また施行中も毎日始まりと終わりに連絡を下さり、終わりの時にはその日の状況の画像も複数枚送ってくれ、最初から最後まで安心しておまかせできる業者様でした。 家の補修はあまりあってほしくないですが、また何か起こったらお願いをしたいです。 本当にありがとうございました。
株式会社三誠ホームサービス

足立区を拠点に外壁・屋根塗装を専門に手掛けているプロです。塗装工事をメインに手掛けながらも屋根リフォームや雨漏り修理などにも対応可能。あらゆる工法の知識を活かした施工が強みで、お客様のニーズに合わせて柔軟な対応をします。
口コミでも「作業後の細かいチェックがあり安心できた」「職人さんの知識と経験が豊富だった」との声が寄せられており、信頼のおけるプロです。施工後の保証もつくので、ぜひ依頼を検討してみてください。
オガワさん(2022/06)
屋根の修理・工事・リフォーム
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
先日の大雨の時に、突然雨漏りがして慌てていた所に、たまたまポストにチラシが入っていた三誠さんに連絡したところ、すぐに駆け付けてくれて応急措置をして下さいました。 後日晴天時に、細かい点検をして頂き、雨漏りの原因が明確になり、カバー工法というのと、雨樋が詰まりやすいらしく落ち葉避けネットというのを施工して頂きました。 とにかく迅速な対応で助かりました。
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監修したプロのコメント
一般的に軒の出は90センチが基準とは言われていますが、地域によっては30~60センチが多い場合もあります。
軒がなければ全て雨は外壁を通じて下に流れるため、軒があることによって外壁を雨から守ることができ、劣化しにくくすることができます。
また、梅雨時期など雨が多い時は軒の必要性を感じますが、家のデザイン的には軒の有無は個人の好みにもなってくるかと思います。
軒下の役割は様々ありますが、機能性を求めるのかデザイン性を求めるのかなど、それぞれの価値観で検討してみてはいかがでしょうか。
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