お風呂やキッチンなどのリフォームには、高額なお金がかかる場合がほとんど。快適な自宅にリフォームしたいけど「費用はできるだけ安くしたい」と考えている方も多いですよね。
そこで今回は、リフォームのタイミングや費用相場をはじめ、設備・施工・見積もりなど内容別にコストを抑える方法をご紹介します。重要ポイントをふまえたうえで、満足のいく理想のリフォームを叶えましょう。
工夫次第ではリフォーム費用を格安におさえられるので、ぜひ参考にしてください。
【場所別】一般的なリフォームのタイミングと費用の相場とは
一般的なリフォームのタイミングと費用相場を場所別にまとめると、以下のとおりです。
場所 | リフォームタイミング | 費用相場 |
キッチン | 10年~20年 | 50万円~200万円 |
浴室 | 10年~15年 | 50万円~150万円 |
トイレ | 10年~20年 | 10万円~20万円 |
洗面所 | 10年~20年 | 〜20万円 |
床 | 10年~25年 | 20万円~40万円(12畳) |
窓 | 20年~30年 | 10万円~50万円 |
外壁 | 15年~20年 | 50万円~150万円 |
屋根 | 10年~20年 | 50万円~100万円 |
玄関 | 20年~30年 | 〜50万円 |
基本的には、設備の破損や劣化が気になりだしたら、リフォームのタイミングといえるでしょう。定期的にリフォームを行うことで、綺麗で住み心地がよい状態を維持できます。
リフォーム費用の内訳は、機器代、工事費用、諸経費など。工事範囲や設備のグレードによってリフォーム費用も異なるので、十分注意してください。
リフォーム工事費以外にかかる費用とは
リフォームでは、リフォーム工事費以外にも費用が発生します。リフォーム全般にかかる可能性がある費用と、ケースによって必要になる費用があるため、それぞれの内容について確認しましょう。
リフォーム全般にかかる可能性がある費用
リフォーム全般にかかる費用としては、以下のようなものがあげられます。
- 各申請にかかる費用
- 工事関係車両の駐車場代金
- 工事の人へのお茶代
たとえば、建物を建てる際に必要な建築確認申請。各種検査が必要なため手数料がかかります。しかし、部屋の壁の一部や設備を交換するような小規模リフォームの場合は、建築確認申請を行う必要はありません。
一方、壁・柱・はり・床・屋根・階段のような、主要構造部の1種以上について過半の修繕・模様替えを行う場合には、建築確認申請が必要です。具体的には、以下のようなリフォームが該当します。
- 外壁の補修
- 屋根材の葺き替え
- 増築(準防火・防火地域外の住宅であれば、10平方メートルを超える場合のみ必要)
- 物置・カーポートの設置
- 大規模なスケルトンリフォーム
ただし、大規模なリフォームでも「4号建築物」に分類されている場合は申請不要。
手数料は自治体ごとに異なるため、申し込みの際は自治体ホームページを確認してみましょう。自治体が指定した民間検査機関にも申請できますが、自治体に申請する場合と比べて費用が高いケースが多いです。
さらに、リフォームにあたって補助金を利用したい場合にも、申請が必要です。リフォーム全体で費用がどれくらいかかりそうか、あらかじめチェックしておくとスムーズに進められます。
ケースによって必要になる場合がある費用
リフォームのケースによっては、以下のような費用が必要になる場合があります。
- 設計費
- 仮住まい用の家賃や引っ越し代金
- トランクルームの利用料
設計費は、部屋の間取りを変更するような大規模リフォームの際に必要になる費用です。一般的には、設計士に支払います。
また、工期が長く自宅で暮らせない場合は仮住まいを用意する必要があるため、家賃や引っ越し代金も必要です。工事期間中に置けない荷物をトランクルームに預ける場合は、そのための利用料もかかります。
【リフォーム内容別】費用を抑える方法とは
リフォームにかかる費用は、工夫次第で最小限に抑えることが可能です。以下のようなポイントを工夫することで、コストダウンを叶えながら満足のいくリフォームを実現できます。
- 設備や材料
- 施工内容
- 見積もり・交渉
- 制度
たとえば、設備や材料を安いものにしたり既存のものを活用したりすれば、リフォーム費用を抑えられるでしょう。また、同じようなリフォームでも施工方法によって費用を抑えられる場合があるので、本当に必要な施工内容を選ぶことも重要です。
ほかにも複数業者に見積もりを依頼することで費用を下げたり、減税制度や補助金制度を利用したりして費用負担を下げることも可能。制度についてきちんと理解し、正しく活用することが大切です。
ここからは、コストカットのために確認すべきポイントを、リフォーム内容別に解説していきます。リフォームを考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
[設備や材料]を安くする方法
リフォーム工事で使用する設備や材料は、格安なものから高級なものまでさまざま。既存の設備を使ったり、設備や材料のグレードを下げたりして、リフォーム費用を抑えるという方法があります。
既存の設備を再利用する
リフォームにおいて、すべての設備や建材を新しくする必要はありません。既存の設備や建材を再利用することで、リフォームにかかる費用を安く抑えられます。
また、必要なパーツだけを残してそれ以外を交換する、という方法も考えられます。たとえばキッチンのリフォームなら、面材をおしゃれなものに貼り替える、コンロのみを交換する、といった方法です。設備や建材を取り替えることなく、現代風で使いやすいキッチンにリフォームできます。
しかし、どの商品や建材を再利用できるかの判断は素人には難しいのが現状です。リフォーム会社の担当者とよく相談してから検討するようにしましょう。
こだわりがなければグレードを落として設備や材料を変更する
設備や材料にとくにこだわりがなければ、グレードを落とすこともリフォーム費用を抑える方法の1つです。ハイグレードな設備や材料を使えば、その分リフォーム費用も高くなります。
とくに、水回りの設備や壁紙、フローリングといった仕上げ材には、機能やデザインに応じてさまざまなグレードがあります。生活に必要な機能や性能を考えてグレードを見直し、必要に応じて変更することも大切。グレードに関しても素人での判断は難しいので、リフォーム会社の担当者に相談し、代替案を紹介してもらうと良いでしょう。
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[施工内容]安くする方法
施工内容を工夫することでも、リフォーム費用を抑えられます。まとめてリフォームをしたり、必要に応じてリフォーム内容を取捨選択したりすることも求められるでしょう。
ここからは、施工内容を工夫して費用を安くする方法について解説していきます。
まとめてリフォームをする
個別にリフォームを行うよりもまとめてリフォームを行うことで、施工費用を格段に抑えられます。たとえば、屋根や外壁のリフォームでは足場を組む必要があるのですが、まとめて実施すれば足場代が1回分ですむことになります。
また、水回りのリフォームは配管工事を伴うため、まとめて実施したほうが費用を抑えられるでしょう。
リフォーム会社に相談したうえで、費用負担が少なくなるようなスケジュールを検討してみてください。
上張り工法など、コストダウンできる工法で施工する
同じリフォーム工事でも、さまざまな施工方法が存在します。施工方法によって費用が異なる場合は、なるべくコストダウンできるものを選びましょう。
たとえば、床や外壁のリフォームでは「張り替え工法」より「上張り工法」のほうが費用を抑えられます。
リフォーム会社と相談しながら、なるべく費用を抑えられる工法を選択しましょう。
間取りなどは大きく変更しない
間取りを大きく変更するリフォームは大規模な工事が必要になるため、費用が高くなりやすい傾向にあります。とくに、水回りを移動させる場合は配管工事が必要になるので、どうしても高額になってしまうでしょう。
そのほか、壁の撤去や窓の移動といった工事も構造計算からやり直す必要があるため、費用負担が大きくなります。間取りを大きく変更するのではなく、元の間取りや構造を活かせないか検討するのがおすすめです。
本当に必要なリフォームだけに絞る
リフォーム費用を抑えるためには、本当に必要なリフォームのみに絞ることが大切です。リフォームの優先順位をつけることで、限られた予算内に収められますよ。
設備が故障したり生活上に問題が発生したりと、どうしても必要なリフォームを最優先に。「あれば嬉しいけれど、なくても困らない」というものについては、予算と相談しながら実施するようにしましょう。
リフォーム箇所を絞るためには、見積もりで細かい内訳を確認し判断する必要があります。
工期を短縮できるようにする
工期の短縮もリフォーム費用削減につながります。たとえば、仮住まいに引っ越すほうが費用負担は大きいと考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。家に住みながらリフォームを進めようとすると工事に制限が生じるため、余計に工期がかかってしまうこともあります。
仮住まいに引っ越したほうが安くなるケースもあるため、業者と相談しつつ工期を短縮できる方法を検討してみましょう。
[見積もり・交渉]安くする方法
業者に依頼する見積もりや交渉を工夫することで、リフォーム費用を安くする方法もあります。複数業者に相見積もりをとったり、担当者と交渉して価格を下げてもらったりすることが有効な手段と考えられるでしょう。
詳しく解説していきます。
リフォーム会社の担当者に相談する
コストカットのためには、リフォーム会社の担当者に相談し、入念に打ち合わせを行うことが重要です。素人にはわからないコストダウン方法や、理想的なリフォームの優先順位について教えてもらえることもあります。
リフォームのプロからアドバイスをもらいながら、より費用を抑えられる工夫について考えてみましょう。また、値引きをお願いできる場合もあるので、理想の工事を諦めることなく費用を抑えられますよ。
信頼できるリフォーム会社を選ぶ
限られた予算内でリフォームするにあたり、なるべく安いリフォーム業者を選びたいと思うのは当然ですよね。しかし、費用が安ければ安いほどよいというわけではありません。
悪徳業者に依頼してしまうと、高額請求や手抜き工事といった予期せぬトラブルに巻き込まれる場合もあります。費用だけでリフォーム会社を選ぶと、結果的に損をするリスクもあるため注意が必要です。
信頼できるリフォーム会社を選ぶためには、施工実績や担当者の対応、アフターフォローの充実度などを確認すると良いでしょう。
複数のリフォーム会社に相見積もりをとる
見積もりをとる際は、複数のリフォーム会社に依頼して相見積もりをとりましょう。複数の見積書を比較検討することで費用相場がわかり、適正価格を判断しやすくなります。
リフォーム会社間で競争が発生し、はじめに提示した見積もり額よりも費用を下げてくれることも。会社ごとの対応をチェックし、より安心して依頼できる業者を選ぶことも可能です。
必ず複数の会社に相見積もりをとり、工事内容や提供プランの詳細、担当者の対応などを比較検討してから選びましょう。
[制度]安くする方法
最後に、リフォーム減税やリフォーム補助金といった制度を活用してコストダウンする方法をご紹介します。費用支給や減税を受けるためには、制度ごとの要件を満たさなければいけません。制度について正しく理解し、賢く利用しましょう。
リフォーム減税を使う
リフォーム減税とは、所得税の控除を受けられる制度です。以下のような住居に、一定の条件を満たすリフォームを行えば受けられます。
- 耐震
- バリアフリー
- 省エネ
- 同居対応
- 長期優良住宅化
- そのほか増改築等の工事
リフォーム減税には、投資型減税・ローン型減税・住宅ローン減税の3つのタイプがあります。それぞれの控除要件や控除額などは、以下のとおりです。
控除要件 | 最大控除額 | 控除対象期間 | |
投資型減税 | ローン利用の有無を問わない | 25万円 | 1年 |
ローン型減税 | 償還期間5年以上のローンを利用 | 62.5万円 | 5年 |
住宅ローン減税 | 償還期間10年以上のローンを利用 | 140万円 | 10年 |
耐震・バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化リフォームなど、工事内容によって適用対象が異なります。また、それぞれ減税対象となる工事の内容が詳細に定められているので、詳しくは担当者に直接確認してください。
リフォーム補助金を使う
施工内容によっては、以下のような国や自治体が設けている補助金制度を利用できる場合があります。
- こどもみらい住宅支援事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 次世代省エネ建材の実証支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム補助金
それぞれの制度の概要は、以下のとおりです。
補助金制度 | 工事内容 | 補助額・上限 |
こどもみらい住宅支援事業 | 開口部・外壁・屋根・床などの断熱改修エコ住宅設備の設置子育て対応改修バリアフリー改修など | 対象のリフォームに応じて補助額が決まる 上限額60万円 |
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 | 高性能建材を用いた断熱リフォーム | リフォーム費用の3分の1まで 上限額120万円 |
次世代省エネ建材の実証支援事業 | 外張り断熱リフォーム内張り断熱リフォーム窓断熱リフォーム | リフォーム費用の2分の1まで 外張り断熱:上限額400万円内張り断熱:上限額200万円窓断熱:上限額150万円 |
長期優良住宅化リフォーム補助金 | 三世代同居対応改修工事子育て世帯向け改修工事防災性の向上改修工事など | リフォーム費用の3分の1まで 一定の性能向上が認められる場合:上限額100万円長期優良住宅の認定を受ける場合:上限額250万円 |
ほかにも、市区町村によってさまざまな補助金制度が存在します。補助金制度の内容は、自治体によって異なるのが一般的。利用する際は、必ずリフォーム会社や担当窓口に相談しましょう。
また、補助金・助成金制度を利用する際は、指定のリフォーム会社を選ばなければいけません。市区町村によっては、指定会社で施工したリフォームでないと補助金や助成金の対象にならない場合があるので十分注意してください。
補助金・助成金制度や指定会社の有無については、以下のサイトで確認できます。
参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和4年度版)
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