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  6. 床暖房にリフォームしたい!後付けの方法や費用を確認
2022/10/31 2024/09/30

床暖房を設置するリフォームは、寒い季節でも足元からしっかりと暖かさを感じられるため、人気の高い工事となっています。しかし、床暖房のリフォームにはいくつかの選択肢があり、費用や設置方法について不明な点が多いと感じる方もいるかもしれません。

この記事では、床暖房の種類やリフォームにかかる費用、補助金を活用する方法などを詳しく解説します。床暖房の設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

この記事を監修したプロ
並木 雄一郎 さん

ナミキ工務店株式会社

床暖房を設置するメリット・デメリット

床暖房を取り入れるかどうかは、多くの人が悩むポイントです。ここでは、床暖房の代表的なメリットとデメリットをご紹介します。導入を検討する際の参考にしてください。

メリット:足元から温められる

床暖房の大きなメリットは、足元から部屋全体をに温められる点です。「頭寒足熱」という言葉があるように、頭を涼しくしながら足元を温めることは健康にも良いとされています。

風を使わないため、エアコンのように空気を乾燥させることもなく、埃やチリが舞い上がる心配もありません。適度な温度で均一に温まるので、快適に過ごせるでしょう。

また、基本的には掃除や給油といった作業がが必要ありません。10年に1度ほど熱源機を交換すればよいだけで、メンテナンスに費用や時間がかからず、使いやすいのも大きなメリットです。

デメリット:温まるのに時間がかかる

一方で床暖房のデメリットとして挙げられるのが、温まるのに時間がかかる点です。床暖房はじんわりと足元から温める仕組みのため、スイッチを入れてから部屋全体が暖かく感じられるまでに時間がかかります。

特に、寒さが厳しい日やすぐに暖かくしたいときには不便です。また、設置にかかる初期費用や光熱費も、他の暖房器具と比較すると割高になることが多い点にも注意が必要です。

床暖房の種類

特徴電気式温水式
設置費用安い高い
ランニングコスト高い安い
立ち上がり速度遅い早い
使用用途キッチン
部分的な暖房向き
リビング
広範囲の暖房向き
メンテナンス定期的なメンテナンス必要

床暖房には大きく分けて「電気式」と「温水式」の2種類があります。それぞれの方式には特徴があり、設置費用やランニングコスト、使用目的によっておすすめのタイプが異なります。

電気式:設置工事が簡単

電気式の床暖房は、床下に設置した電気ヒーターや発熱体に通電して床を温める方式です。リフォーム時にも導入しやすく、設置工事が簡単なのが特徴です。電気式には以下の3種類があります。

  1. 電熱線式

電熱線を床下に敷設し、電気を流すことで床を温める方式です。最も一般的なタイプで、部分的な暖房にも適しています。ただし、ランニングコストが高くなる傾向があります。

  1. 蓄熱式

夜間の安価な電力を使い、蓄熱材に熱をためて日中に放熱する方式です。大規模な工事が必要なため、新築や大規模なリフォーム向けです。

  1. PTCヒーター式

PTCヒーターを利用した方式で、温度が一定以上になると自動的に通電量を抑えるため、エネルギー効率が高いです。床の高さを変えずに設置できるため、リフォームに適しています。

温水式:素早く床を温められる

温水式の床暖房は、床下に敷いたパイプに温めたお湯を循環させて床を温める方式です。広範囲の部屋や長時間の使用に適しており、エネルギー効率が高いのが特徴です。温水式には以下の3種類があります。

  1. ガス式

ガス給湯器でお湯を作り、それを床下に循環させる方式です。立ち上がりが早く、すぐに部屋を暖めることができます。マンションでも設置が可能です。

  1. ヒートポンプ式

空気中の熱を利用してお湯を作るエコな方式です。エネルギー効率が高く、ランニングコストを抑えられますが、立ち上がりに時間がかかることがあります。

  1. 灯油式

灯油ボイラーでお湯を温める方式で、ランニングコストが安いのが特徴です。定期的な給油やボイラーのメンテナンスが必要です。

床暖房のリフォーム方法は2種類

床暖房を後付けでリフォームする代表的な方法は、以下の2種類です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

直張り:施工費用が安く抑えられる

直張りは、既存の床材の上に新たに床暖房システムを直接貼り付ける方法です。この方法は施工が比較的簡単で、工期も短く済むため、施工費用を安く抑えることができます。

直張りのメリットは、既存の床材をそのまま利用できる点と、施工後すぐに使用可能になる点です。しかし、床材の厚みが増すことによる段差が発生する可能性があるため、注意が必要です。

全面張り替え:部屋に段差ができない

全面張り替えは、既存の床材を取り除き、新たに床暖房システムとともに床材を張り替える方法です。この方法では、床全体を新しくするため、部屋に段差ができることはありません。

全面張り替えのメリットは、床暖房システムと新しい床材が一体化しているため、見た目が美しく、均等な暖房効果が得られることです。しかし、施工には時間と手間がかかり、直張りに比べて施工費用が高くなる傾向があります。

床暖房のリフォームにかかる総額費用の相場

床暖房を設置する費用相場は、本体費用+施工費用でおおよそ計算できます。また、設置費用だけではなく、ガス代・電気代などのランニングコストも踏まえて検討しましょう。

床暖房本体の費用

本体の種類1畳あたりの費用
電気式5万〜12万円
温水式8~15万円

床暖房の施工費用

施工費の種類費用
直張り5~8万円(1畳あたり)
全面張り8~11万円(1畳あたり)
熱源機の設置工事(温水式の追加費用)25~100万円

直張り工法では、工事費用は1畳あたり約5~8万円が目安です。この工法は既存の床を剥がす必要がないため比較的安価で、短期間で工事が完了しますが、床に段差ができるデメリットがあります。

床を全面張り替える場合には、1畳あたり約8~11万円の費用がかかります。床を剥がして新たに床暖房を設置するため、室内の段差がなくなって、フラットな仕上がりです。家庭内での転倒リスクなども軽減できます。

また、温水式床暖房へ新たに熱源機を導入する際の費用は、25万円から100万円程度となります。「電気」「ガス」「電気とガス併用」などの種類やメーカーによって大きく変動するので、注意が必要です。

上記の金額はあくまで目安であり、敷設率(※「敷設率」とは、設置する部屋の床面積に対して床暖房を敷設する割合のこと)や施工方法、元々の床材の種類、さらに熱源機の設置有無などによっても変わります。設置を検討する際には、現地調査を依頼して、事前に見積もりを取ると良いでしょう。

使用したときのガス代と電気代の目安

床暖房タイプ熱源1ヶ月あたりの費用
電気式電気約3,000〜8,400円
温水式ガス約2,500〜4,500円
電気約3,300円〜3,900円
※8畳の部屋で1日8時間床暖房を利用した想定

電気式床暖房は、ガスを使用しないためオール電化住宅に適していますが、温水式に比べて光熱費が高くなる傾向があります。

一方、ガスを使用する温水式床暖房は、1ヶ月あたり約2,500〜4,500円と比較的安価に運用できますが、設置時に熱源機の導入コストがかかる点を考慮する必要があります。

おすすめの床暖房4選

床暖房の導入を検討する際、どのタイプを選ぶかによって快適さやランニングコストが大きく変わります。ここでは、電気式と温水式のおすすめ床暖房を4つご紹介します。ご自宅の設備やライフスタイルに合わせて、最適なものを見つけてみてください。

電気式

株式会社アルシステム|プリマヴェーラ・ネオ

「プリマヴェーラ・ネオ」は、株式会社アルシステムが提供する電気式床暖房システムです。軽量かつ薄型の設計で、既存の床材の上に簡単に設置可能です。エネルギー効率に優れ、快適な暖房環境を提供しながら、ランニングコストも抑えられます。また、施工が短期間で済むため、リフォーム時にもおすすめの選択肢です。

公式サイトはこちら

パナソニック|電気床暖房 フリーほっと

パナソニックの「フリーほっと」は、電気式床暖房の中でも人気の高い製品です。特徴的なのはその迅速な暖房性能で、寒い冬でもすぐに床が温まり、快適に過ごせます。さらに、フローリングなどの様々な床材に対応しているため、インテリアの制約が少なく、多様な住まいに導入できます。

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温水式

リンナイ|床ほっとE

「床ほっとE」は、リンナイが提供する温水式床暖房システムです。ガスを利用した効率的な暖房方式で、部屋全体をムラなく暖めます。快適さを維持しつつ、エコジョーズとの併用でランニングコストも抑えられるため、長時間の使用にも向いています。さらに、エネルギー効率が高く、省エネ性に優れた選択肢です。

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東京ガス|NOOK,はやわざ

東京ガスの「NOOK」および「はやわざ」は、温水式床暖房の代表的な製品で、ガスを使った強力な暖房性能が魅力です。「はやわざ」は特に迅速な暖房が特徴で、寒冷地でも快適に過ごせるように設計されています。ガス代も比較的安価で、長期的に見るとランニングコストを抑えたい方にぴったりの床暖房システムです。

公式サイトはこちら

床暖房リフォームをおこなうときのコツ・注意点

床暖房のリフォームを行う際には、快適な生活を実現するためにいくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。以下のコツと注意点を押さえて、失敗のないリフォームを進めましょう。

マンションの場合は管理組合などに相談する

マンションで床暖房のリフォームを計画する際は、まず管理組合に相談することが大切です。

共用部分や音、振動など、住民間の問題が生じる可能性があります。事前に相談し、必要な手続きや承認を得ることで、トラブルを未然に防ぐことができます。管理規約に基づく工事の制約やガイドラインも確認しておくと良いでしょう。

電気容量を確認する

床暖房の設置には、相応の電力が必要です。

リフォーム前に、既存の電気容量が床暖房の使用に耐えられるか確認しましょう。容量が不足している場合は、電気系統の増設や配線工事が必要になることもあります。電気容量を確認することで、安全でスムーズな施工が可能となります。

設置場所、設置面積を確認する

床暖房を設置する場所や面積は、リフォームの計画に大きく影響します。

具体的な設置場所や面積に応じて、適切な暖房能力を持つシステムを選ぶことが重要です。また、部屋の形状や配置によっては、設置が難しい場合もありますので、事前に詳細な確認と計画が必要です。

床暖房に適した床材か確認する

床暖房を導入する際には、床材が床暖房に適しているか確認することが重要です。

特に、温水式床暖房の場合は、床材の熱伝導率や耐久性が影響します。適切な床材を選ぶことで、暖房効率が向上し、長期間にわたり快適に使用することができます。床材の選定には、専門家のアドバイスを受けるのが良いでしょう。

建物の断熱性が低い場合は他のリフォームも検討

床暖房の効果を最大限に引き出すためには、建物の断熱性も重要です。

断熱性が低いと、床暖房の効率が悪化し、光熱費が増加する可能性があります。断熱性を改善するために、窓の二重ガラス化や壁の断熱リフォームなども合わせて検討することをおすすめします。これにより、快適な室内環境と省エネ効果を両立させることができます。

床暖房のリフォーム費用を安くする方法

床暖房のリフォームには一定の費用がかかりますが、いくつかの方法でコストを抑えることが可能です。以下に、費用を安くするための具体的な方法をご紹介します。

設置する範囲を絞って設置する

床暖房の設置範囲を最小限に絞ることで、リフォーム費用を大幅に削減できます。例えば、全室に設置するのではなく、主要な部屋や寒さを感じる場所に限定して設置することで、必要な工事の面積が減少し、材料費や施工費が抑えられます。必要な部分だけを重点的に暖めることで、効率的にコストを管理できます。

床の張り替えと床暖房のリフォームを同時に実施する

床暖房のリフォームを行う際に、床の張り替えを同時に実施することで、工事費用を節約できます。床の張り替えと床暖房の設置を一緒に行うと、工事の手間や材料の取り扱いが一回で済むため、トータルのコストが抑えられる場合があります。また、施工業者によっては、セットでの割引を提供していることもありますので、複数の業者に見積もりを依頼し、最もお得なプランを選ぶのも良いでしょう。

複数社に見積もりを依頼する

リフォーム費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取得することが有効です。異なる業者の見積もりを比較することで、適正価格を把握し、最もコストパフォーマンスの良い選択ができます。また、競争によって価格が引き下げられる場合もあるため、見積もり依頼は複数社に行うことをおすすめします。

2024年最新の補助金制度を活用する

床暖房のリフォームにかかる費用をさらに抑えるためには、2024年の最新の補助金制度を活用するのも良い方法です。以下に、利用可能な補助金制度を紹介します。

断熱リフォーム支援事業

断熱リフォーム支援事業では、断熱性能を向上させるリフォームに対して補助金が支給されます。床暖房のリフォームと併せて断熱リフォームを行うことで、両方のリフォーム費用に対する補助を受けることが可能です。詳細な条件や申請方法は、各自治体や関連機関の情報を確認しましょう。

参照:公益財団法人北海道環境財団

次世代省エネ建材の実証支援事業

次世代省エネ建材の実証支援事業では、省エネルギー性能の高い建材や設備に対して補助金が支給されます。床暖房のリフォームにおいても、省エネ性能の高い製品を選ぶことで、この補助金制度を利用できる可能性があります。

参照:一般社団法人環境共創イニシアチブ

こどもみらい住宅支援事業

こどもみらい住宅支援事業は、子育て世代を支援するための補助金制度です。床暖房のリフォームに対する補助も含まれている場合があり、子育て家庭が対象となります。支援の詳細や申請方法は、公式の情報を確認しましょう。

参照:こどもみらい住宅支援事業

長期優良住宅化リフォーム

長期優良住宅化リフォームでは、住宅の長寿命化を目的としたリフォームに対して補助金が支給されます。床暖房のリフォームも対象となることがあり、住宅全体のリフォーム計画に合わせて申請することができます。

参照:長期優良住宅化リフォーム推進事業

地方自治体独自の補助金・助成金制度

地方自治体によっては、独自の補助金や助成金制度を設けている場合があります。自分の地域に合った制度を調べ、活用することで、リフォーム費用を抑えることが可能です。地域の行政機関やリフォーム業者に相談することで、情報を得ることができます。

参照:環境局

床暖房のリフォームに関するよくある質問

床暖房とエアコンの違いは?

床暖房とエアコンは、暖房方法が異なります。床暖房は床面全体を均一に暖めるため、足元から暖かさを感じることができます。一方、エアコンは空気を暖めるため、暖かさが上部から伝わります。床暖房は長時間の快適さを提供するのに対し、エアコンは急速な暖房が得意です。

床暖房のフローリングは張り替え可能?

床暖房の上に敷かれているフローリングは、張り替え可能です。ただし、張り替えの際には床暖房システムに影響を与えないよう、専門の業者に依頼することが重要です。適切な素材と施工方法を選ぶことで、床暖房の性能を維持しながらフローリングの更新が可能です。

床暖房の上にものを置いても大丈夫?

床暖房の上にものを置くと、暖房の効果に影響を及ぼす場合があります。特に厚みのある家具やカーペットなどを置くと、暖かさが伝わりにくくなることがあります。できるだけ床面を空けておくことが推奨されます。

床暖房の寿命は?

床暖房の寿命は、使用条件やメンテナンスによって異なりますが、一般的には10年から15年程度と言われています。定期的な点検やメンテナンスを行うことで、長期間にわたり安定した性能を維持することができます。

床暖房の効率的な使い方は?

床暖房を効率的に使用するためには、必要な部屋だけを暖めるようにすることが重要です。また、温度設定を過剰に高くしないことや、断熱対策を行うことも効率的な暖房に繋がります。適切な温度管理と断熱対策で、光熱費を抑えながら快適な生活が実現できます。

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今回は、床暖房リフォームについて床暖房の種類やメリット・デメリット、費用相場や工事の方法などについて解説しました。床暖房リフォームを依頼する際は、信頼できる業者を見極める必要があります。

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監修したプロのコメント

床暖房の導入を検討している方は、床暖房に適さないフローリングがあることも覚えておきましょう。フローリングに無垢材を使用している場合は、温度の変化で木材が伸び縮みして隙間が大きくなってしまうため注意が必要です。

温水式と電気式でそれぞれメリット・デメリットがありますが、床をすぐに温めたい方は、瞬時に温めることができる温水式がおすすめです。電気式では温まるまでに時間を要するので、導入コストや部屋の大きさなどを考慮しながら、どちらを導入するか決めるようにしましょう。

この記事を監修したプロ
並木 雄一郎 さん

ナミキ工務店株式会社

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