畳が茶色く変色したり、ささくれといった痛みが目立ち始めるとリフォームを検討する人も多いはずです。畳をリフォームする方法はいくつか存在し、それぞれ費用が異なります。また、リフォーム時に畳以外の床材に交換できるのでライフスタイルに応じて検討することがおすすめです。そこで今回は、畳のリフォーム方法や費用相場、畳を交換する際の注意点を確認しましょう。
畳をリフォームする方法とをリフォーム時期の目安
畳のリフォームは、施工内容でかかる費用が大きく異なります。ここでは、3種類の一般的なリフォーム方法を紹介します。リフォームの目安時期も紹介するため、畳の交換を検討する人は事前に確認しておきましょう。
【3~4年経過の場合】一般的なリフォーム方法「裏返し」
新品の畳の場合、住み始めてから3~4年が経過すると徐々に表面の日焼けやささくれなど劣化症状が目立ち始めます。このような状況でおすすめなのが、裏返しのリフォームです。畳は長持ちする素材であり、裏と表の両面を使用できます。裏返しは、その名の通り現在使用する畳を裏返して裏面を表向きにするリフォーム方法のことです。
裏面はきれいな緑色なので、表面に劣化症状が出た時期に裏返せば新品同様の状態に戻ります。ただし、畳縁は劣化している場合があるので、その際は劣化した縁だけ新しいものに取り替えることが必要です。
裏返しのリフォーム方法は、畳を裏返すだけなので費用は安く抑えられる傾向にあります。畳の裏返しリフォームの費用相場は1畳あたり3500〜6000円程度です。
【5~6年経過の場合】一般的なリフォーム方法「表替え」
住み始めてから5〜6年経過している場合、表替えのリフォームを検討しましょう。表替えとは、現在使用している畳表面のい草を新しいものに張り替えるリフォーム方法のことです。表替えは畳自体を変えるわけではないため、1畳あたり4000〜9000円程度で比較的安価にリフォームをおこなえます。
ただし、表替えのリフォームは基本的に一度しかおこなえません。表替えをした畳を再度リフォームする場合は、畳自体を交換する必要があります。そのため、表替えはリフォーム費用を抑えたい場合や裏面が過度に痛んでおり裏返しができないときにおすすめです。表替えに適した時期は5~6年ですが、痛みが激しい場合は目安時期より早く対処するといいでしょう。
【約10年経過の場合】一般的なリフォーム方法「張り替え・新調」
住み始めて10年が経過すると、黒カビが目立ったり畳の中が腐食したりなどさまざまな劣化症状が現れます。このような状態が確認できたら、張り替え・新調のリフォームを検討しましょう。張り替え・新調は畳自体を変えるリフォーム方法であるため、畳を一新することができます。
ただし、費用は高く6000~2万円が相場です。リフォーム費用に幅があるのは、畳のグレードや素材によって価格が変わるためです。手頃な畳であれば、6000円程で抑えられるでしょう。逆に高級品であれば、2万円を超える場合もあるので、素材選びは注意が必要です。
畳リフォームを行う際の注意点
畳は使用年数に応じて劣化していくため、その都度リフォームすることが必要です。ただ失敗なくリフォームを進めるには、いくつか注意点があります。ここでは、畳リフォームを行う際に注意すべきポイントをまとめました。あとで後悔しないためにも畳のリフォームを実施する前に確認しましょう。
①畳の種類を確認する
畳は豊富な種類で展開されており、それぞれ特徴が異なります。畳の種類を選ぶときは、特徴をしっかり把握して適したものを選ぶことが大切です。畳の種類には、次のようなものがあります。
【主な畳の種類】
畳の種類 | 特徴 |
国産 | 色合いがナチュラルで丈夫である経年変化による変色を楽しめる |
化学 | 天然和紙やポリプロピレンを採用耐久性が高く変色しにくいダニやカビが発生しにくい |
綿 | 高品質で耐久性が高い色合いが美しい |
糸引き | 比較的安価である耐久性が低い |
麻引き | 綿より耐久性が高く長持ち |
麻W | 耐久性は高いものの高級品 |
縁なし | 比較的高価なものが多いデザイン性が高い |
中国産 | 安く手に入れられる色合いが人工的である耐久性が低い |
一般的に耐久性やデザイン性が高いものほど、費用が高額になることが多いです。また、洋室に最適な縁なし畳は縁あり畳より費用が高くなります。それぞれの特徴を確認して適したものを選びましょう。
人気は「縁なし畳・琉球畳」で和モダンな雰囲気に!
多くある畳の中でも、近年は琉球畳が人気です。琉球畳とは、七島い(しちとうい)を原料に作られた畳を指します。近年では、化学繊維や和紙などで作られた畳も琉球畳と呼ばれることがあります。
琉球畳の最大の特徴は、縁がないことです。一般的な畳はい草を使用して作られますが、琉球畳で使われる七島いは丈夫で加工しやすい特徴があります。
縁には畳の耐久性を高める役割がありますが、丈夫な七島いの場合は縁をつける必要がありません。また琉球畳は特殊な織り方なので、縁がなくても強度を維持できるのも魅力です。琉球畳のサイズは一般的な畳の半畳程度で、自由にカスタマイズできるといった特徴もあります。和モダンな雰囲気に仕上げられるので、インテリアとの組み合わせで室内の印象をガラリと変えられるのもポイントです。
②畳リフォームでのDIYは難しい
リフォーム費用を抑えるために、DIYを検討する人もいるかもしれません。ただし、畳のリフォームは専門性が高いのでDIYでおこなうのは難しいです。単に裏返すリフォームも難易度が高いので、リフォーム業者に依頼することをおすすめします。
また、畳から別の床材に交換する場合も要注意です。床材は自分で用意できますが、段差ができないように張り替えなければいけません。プロの技術が試される部分であるため、DIYでリフォームするのは至難の技です。費用はかかりますが、失敗リスクを抑えるためにリフォーム業者に依頼しましょう。
③マンションの場合は管理会社に確認
戸建てであれば問題ありませんが、マンションの場合はリフォームする前に管理会社に確認する必要があります。管理会社に許可を得られた時点で、畳をリフォームすることが可能です。特に、畳から別の床材に変えるときは大規模な工事になります。
工事中は近隣に迷惑をかける場合もあるため、その点も確認しておくことが大切です。マンションによっては防音性の高い素材を使用しており、建物でその基準は変わります。畳は防音性が高いため、ほかの床材に交換するときは要注意です。どのような床材に交換するのか先に確認しておきましょう。
④洋室へのリフォームの場合は他空間とのバランスを考えて
和室から洋室へのリフォームを検討する場合、全体のバランスを考慮する必要があります。たとえば畳からフローリングに交換する場合、床材を一新できます。ただ、壁紙や天井、ふすまは和室の状態なので全体のバランスが悪くなることも多いです。
そのため、和室から洋室にリフォームする場合は、天井や壁紙など全体的な施工が必要になる可能性があることを頭を入れておきましょう。また、畳からフローリングに交換する場合、床暖房も検討するといいでしょう。畳とフローリングでは温かさが異なるので、交換後に冷たく感じることがあります。
畳リフォームの費用相場
畳のリフォーム費用は、工事内容で変わります。費用目安は、次のとおりです。
【畳リフォームの費用相場】
工事内容 | 費用相場(1畳) | 工事期間 |
裏返し | 3000~6000円前後 | 1日前後 |
表替え | 5000~1万円前後 | 1日前後 |
新調 | 1万~5万円前後 | 2~10日前後 |
ほとんどのリフォームは1日で終わりますが、状況によって多少時間がかかる場合もあります。畳を新調する場合は、交換前の畳を採寸したうえで新しい畳に入れ替えます。リフォーム期間中に畳がなくなるといったことは起きないので安心しましょう。
【床材別】畳リフォームの費用相場
畳をリフォームするにあたって、琉球畳やフローリング、クッションフロアなどほかの床材に交換を検討する人もいるでしょう。交換する床材で費用が変わるので注意する必要があります。ここでは、床材別に畳リフォームの費用相場をまとめました。畳のリフォームをおこなう際の参考にしましょう。
琉球畳
一般的な畳から琉球畳に交換する場合、費用は1畳あたり2万円が相場です。琉球畳は表面にばらつきが見られますが、使い込むほど柔らかくなります。経年変化も楽しめるので、一般的な畳から琉球畳に交換すれば長く使用できるのも魅力です。
また、カラーバリエーションも豊富であるため、インテリアに合わせて好きな色を選べます。和室はもちろんのこと、洋室でも合わせやすい素材で部屋にうまく馴染んでくれる優れた畳です。和モダンな空間にに仕上げたい場合にも人気な素材です。
フローリング
一般的な畳からフローリングに交換する場合、費用は6畳あたり18万~30万円程度かかります。洋室の床材として主流なフローリングは、掃除がしやすくなるメリットがあります。
また、畳のように虫やダニが発生しづらいので衛生的にも安心です。和室から洋室に変更したい場合も、さまざまな種類が展開されているため家全体の雰囲気にも合わせやすくなります。リフォームのときには予算に応じて適切な素材を選ぶことが大切です。
【フローリングの種類別費用相場】
種類 | 費用相場 |
複合フローリング | 18万円(6畳)22万円(8畳) |
無垢フローリング | 25万円(6畳)30万円(8畳) |
クッションフロア
フローリングとは違い、畳のように柔らかい素材を求めているなら、クッションフロアがおすすめです。クッションフロアはクッション性に優れた床材で、塩化ビニール素材で作られています。
塩化ビニール製のクッションフロアは、耐水性が高いのが特徴です。表面が水に濡れてもサッと拭き取れるので、キッチンや洗面台など水回りにも使用されています。
また、油など汚れがついても布巾でふき取るだけなのでお手入れが簡単なのもメリットです。デザインやカラー展開も豊富であるため、部屋の雰囲気に合わせて自由に選ぶことができるでしょう。費用は畳からクッションフロアに交換する場合、おおよそ6畳あたり10万円程度かかります。
カーペット
和室から洋室に変更する場合、床材はカーペットが人気です。カーペットはデザインやカラー展開も豊富であるため、インテリアとしておしゃれな空間に仕上げられます。さらに、部屋の雰囲気に合わせたリフォームをおこないやすいです。
また、柔らかな肌触りのカーペットは足腰にかかる負担を軽減できるだけでなく、心身をリラックスさせてくれる効果も期待できます。室内で転倒したときの衝撃や騒音を軽減する効果も期待できるため、小さな子どもがいる家庭にもおすすめです。費用は畳からカーペットに交換する場合、6畳あたり7万円程度かかるでしょう。
冬も快適!床暖房を設置するのもあり
畳からフローリングに交換すると、ひんやりした床材が気になることもあるはずです。このような場合は、床暖房の設置を検討しましょう。床暖房を設置するには、次のような方法があります。
【床暖房の設置方法別費用相場】
施工方法 | 費用相場(1畳あたり) |
直張り | 5万~10万円前後 |
全面張り替え | 8万~15万円前後 |
直張りは現在の床に設置する方法で、工事費用を抑えられます。比較的シンプルな施工なので、工期も短いのが特徴です。全面張り替えは、既存の床材を撤去して床暖房を設置して新しい床を被せるリフォーム方法になります。大規模な施工が必要なので、基本的に施工費用は高くなります。
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風合いのある畳は長年大事に使っていきたいもの。今ある畳を長く使うためにも定期的なお手入れは欠かさずに行いたいですよね。また、生活環境の変化から和室を洋室にリフォームする場合にはフローリングの素材からこだわって選ぶことで、より快適なお部屋が作れるでしょう。
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