「防犯性を高めたい」「光熱費を抑えたい」と考えているなら、窓を小さくリフォームしてみてはいかがでしょうか。外部から侵入されにくくなるだけでなく、外気の影響を受けにくくなるため、快適に過ごしやすくなることがあります。
この記事では、窓を小さくリフォームするメリットやデメリット、おすすめのケースについて徹底解説します。リフォーム費用を抑える方法も紹介するので、ぜひご覧ください。
窓を小さくリフォームした方がいいケース
次のいずれかのポイントに該当するときは、窓のサイズを小さくするリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
- 家具が窓の一部を遮る
- 窓の老朽化を改善し、防犯性を高めたい
- 浴室リフォーム後のユニットバスと窓が合わない
- 窓が大きすぎ、外から見たときのバランスが悪い
窓を小さくすることで断熱性や防犯性を高められますが、断熱性・防犯性を高める方法は窓を小さくリフォームする以外にもあります。たとえば、断熱性能が高い窓に取り替えたり、窓の外側に面格子を取り付けたりすることでも目的を達成できます。窓を小さくするリフォームは窓交換や面格子設置よりも高額な傾向にあるため、他の方法を選択できるときはあえて選ぶ必要はないでしょう。
一方、浴室リフォームによってお風呂場が大きく変わるときは、窓を小さくするリフォームがおすすめです。通常、浴室には換気システムを設置するため、窓を小さくしても換気性能が大きく低下することはありません。
また、大きな窓が外観を著しく損なっているときも、小さくリフォームすることがおすすめです。窓には、家の印象を大きく左右するという特徴があります。おしゃれでバランスの取れた外観にするためにも、窓のサイズや位置、デザインにこだわりましょう。
窓を小さくするリフォーム費用を安く抑える方法
窓を小さくするリフォーム工事の費用相場は以下をご覧ください。
工法 | 費用相場 |
はつり工法 | 1箇所あたり40万~60万円 |
カバー工法 | 1箇所あたり20万~40万円 |
費用を抑えたいときにはカバー工法が最適です。しかし、はつり工法・カバー工法共に安いとはいえず、リフォーム箇所が増えるとさらに費用がかさみます。少しでも費用を抑えたい方は、次の方法を実施してみてはいかがでしょうか。
- 外壁工事と一緒に行う
- 相見積もりする
- 補助金を活用する
- DIYで窓を塞ぐ
それぞれの方法について見ていきましょう。
外壁工事と一緒に行う
近い将来、外壁工事をしようと計画している場合なら、窓のリフォームとまとめて一緒に実施してはいかがでしょうか。出張費や足場代が1回で済むため、別々にリフォーム工事をするよりも費用を抑えられます。
はつり工法でリフォームする場合なら、元々外壁工事も含まれるため、価格面だけでなく時間面でも削減が可能です。経年劣化により外観に問題が生じているときは、ぜひ窓リフォームと合わせて外壁工事も検討してみてください。
相見積もりする
窓リフォームの工事費用は、使用する窓・窓枠の価格によっても左右されますが、リフォーム会社によっても左右されます。ホームページで紹介している事例や費用相場も参考にして、信頼できそうな工務店を選び、相見積もりを取ってみてはいかがでしょうか。
なお、見積書を比較するときは、合計額だけでなく単価や手数料もチェックしてみてください。また、担当者の人柄や問い合わせたときの対応なども比較して業者を選ぶと、より満足度の高いリフォーム工事を実現できます。
補助金を活用する
特定の条件を満たして窓リフォームをするときは、国や自治体の補助金制度を利用できることがあります。制度ごとに条件や申請方法が異なるため、各ホームページを確認し、新しい情報を入手しておきましょう。
比較的多いのが、断熱性能が高い窓に交換するときに適用される補助金制度です。窓の性能や施工業者を指定されることもあるため、リフォーム計画を立てる前に問い合わせておきましょう。
DIYで窓を塞ぐ
窓を小さくする工事をDIYで実施するのは難しいですが、窓全体にパネルをはめ込んで塞ぐ方法なら自力で対応可能です。ただし、窓がなくなるわけではないため、結露やカビが生じる可能性があります。放置すると窓周辺が劣化することもあるため、手間はかかっても、パネルと窓の間に断熱材を入れるようにしましょう。
窓と同じサイズのパネルがないときは、窓部分に断熱材を敷き詰め、その上からべニア板を貼る方法を検討できます。ただし、室内からの見栄えがよくないため、クロスを張るか、カーテンやブラインドを取り付けて目隠しする方がよいでしょう。
窓を小さくする方法
窓を小さくする工事方法には、次の2つがあります。
- はつり工法
- カバー工法
それぞれ施工業者によって工期や費用が変わる点に注意が必要です。また、古い窓枠や窓の撤去費用が加算されたり、建物の2階以上の場所に設置された窓を小さくする場合には足場代も加算されたりするため、予算を上回る可能性があります。
工事スケジュールが決まったときは、近隣にも着工日と完了日、工事内容について知らせておきましょう。騒音や振動で迷惑をかける可能性もあるため、事前に伝えておくことでトラブルを回避しやすくなります。
はつり工法
はつり工法とは、窓サッシを枠ごと取り外し、新しい窓・窓枠に交換する工事方法です。窓サッシを取り外すときに壁も壊すため、内部からだけでなく外部から見ても、まるで最初から小さな窓がついていたかのような自然な仕上がりになります。
そのため、デザイン性や外観の雰囲気にこだわってリフォームをするときは、はつり工法がおすすめです。また、隙間が生じないため、結露やカビ発生を解決する目的でリフォームするときにも適しています。
はつり工法では、窓枠を取り去った開口部に新たに壁と窓枠を作る必要があり、窓・窓枠の設置工事費だけでなく、撤去工事費や内装・外壁工事費、廃材処分費もかかります。2階以上の窓をリフォームする場合なら、足場代も必要です。工事部分や窓の種類・機能などにもよりますが、1箇所あたり40万~60万円程度を見積もっておきましょう。
工事内容が多岐にわたるため、複数の業者が関わることもあります。たとえば、窓の取り替えとクロスの張り替え、外壁工事がそれぞれ別業者というケースもあります。
連携がうまくいかないときは、工事完了までに1週間以上かかることもあるため注意が必要です。工事が長引くときは、「すきま風が寒い」「防犯が気になる」など、暮らしに影響が及ぶこともあります。
カバー工法
カバー工法とは、元々の窓枠に新しいサッシやパネルを取り付ける工事方法です。見た目でリフォームしたことがすぐにわかりますが、その分、工期は2時間~半日と短く、コストも1箇所あたり20万~40万円と抑えられます。
また、室内側から工事できるため、2階以上の窓でも足場を組む必要がありません。仕上がりや見栄えよりも費用削減を優先する場合は、カバー工法を検討してみてはいかがでしょうか。
求める機能によって、適切な窓の種類を選ぶことも重要です。採光確保のために小さな窓を取り付けるなら開閉できないはめ殺し窓、防犯性を重視するならガラスの角度を変えることで通風量の調整が可能なルーバー窓がおすすめです。直接手が届かないような高位置の窓にも、引き戸形式で開閉しないはめ殺し窓・ルーバー窓を検討してみましょう。
窓を小さくするメリット
防犯や暑さ・寒さに対しての悩みは、窓・窓枠の交換で解決できるかもしれません。たとえば、窓を小さくリフォームすることで次のメリットが得られます。
- 遮熱・断熱性の向上
- 防犯性の向上
- 壁面に空間ができ、家具の配置がしやすくなる
いずれも安心・快適な家づくりに必要な要素です。それぞれのメリットについて紹介します。
遮熱・断熱性の向上
窓は、家のなかで熱の出入りがもっとも多い場所です。冬には家の暖気の約半分が窓から逃げ、夏に室内に入り込む熱気の約4分の3は窓由来といわれています。つまり、窓を小さくすることで、外気の入り込みを減らし、家全体の遮熱性・断熱性を高めることが可能です。気密性が向上して熱効率が高まるため、電気代を抑えられるのもメリットです。
冬の寒さ・夏の暑さに悩みを抱えているなら、窓を小さくするだけでなく、ペアガラスなどの断熱効果の高い複層ガラスに換えてみてはいかがでしょうか。複層ガラスは単板ガラスとは異なり2枚以上のガラスが重なっているため、室外温度の影響を受けにくくなります。
なお、複層ガラスには「Low-Eガラス」と記載された種類があります。Low-Eガラスとはガラスの表面にLow-E膜と呼ばれる金属膜をコーティングしたもので、通常の複層ガラスよりも断熱効果が高い点が特徴です。断熱リフォームをするときは、ぜひLow-Eガラスにも注目してみてください。三協アルミや日本板硝子などのメーカーで生産しています。
アルミサッシから樹脂サッシに換えるのもおすすめです。樹脂サッシは断熱性が高く、室内の快適性を高めます。また、小さい窓を設置することで採光性が低くなる点はデメリットといえますが、その分、紫外線が入り込みにくくなり肌へのダメージを抑えやすくなるのはメリットです。
防犯性の向上
窓を小さくすれば侵入されにくくなるため、防犯対策にもなります。また、室内が外から見えにくくなるため、視線を遮り、プライバシー保護にもなります。1階などの人の目線と同程度の高さの窓は、小さくリフォームしてみてはいかがでしょうか。
既存の窓を活かしたい方は、面格子を取り付けるのもおすすめです。防犯性を高め、視線を遮りやすくなります。
壁面に空間ができ、家具の配置がしやすくなる
室内の家具が多く、窓の一部を遮っている場合は、窓を小さくリフォームしてみてはいかがでしょうか。室内からの見た目だけでなく、外から見たときの見た目も改善できます。
また、室内がすっきりと見えることで、開放感のある空間になるのもメリットです。家具の配置がしやすくなり、部屋のアレンジの幅が広がります。家具や壁に飾りたいものが多く、部屋が雑然とした雰囲気になってしまうケースなら、窓を小さくすることで問題を解消できるでしょう。
窓を小さくするデメリットや注意点
窓を小さくすることでデメリットが生じる恐れもあります。たとえば、窓を小さくしすぎることで家全体とのバランスが取れず、違和感のある状態になるかもしれません。後悔して再度リフォームをするなら、費用が2倍以上かかることになるため、窓を小さくするリフォームは慎重に実施することが必要です。
他にもよくあるデメリットや注意点としては、次の点が挙げられます。
- 部屋が暗くなる
- 換気しにくくなる
- マンションや賃貸は確認が必要
それぞれのデメリット・注意点、また、どのような対応をすべきか解説します。
部屋が暗くなる
窓が小さくなると採光性が低くなります。日差しが十分に室内に入らず、一日中薄暗くなってしまうかもしれません。照明を点ける時間が長引き、光熱費が高くなる可能性もあります。
また、日照時間が短い冬は、部屋が暗い時間が長引くだけでなく、寒さが強まる恐れもあります。暖房をつけても部屋の空気が暖まりにくく、光熱費がさらに高まる可能性もあるでしょう。
窓を小さくリフォームするときは、次のポイントにこだわると部屋が暗くなるのを回避できます。
- 光の通り道に家具を置かない
- 白~ライトブラウンの明るい色のフローリングや家具を選ぶ
- 家具は背の低いものを選ぶ
換気しにくくなる
小さな窓では空気が出入りできる量が少ないため、換気しにくくなります。湿気がたまって窓周りに結露がついたり、ダニやカビが発生したりするかもしれません。
換気不足からの結露やカビが気になるときは、次のポイントに注目してみてはいかがでしょうか。
- 24時間換気システムを設置・稼働させる
- 窓を開けるときにドアも開けて風の通り道を確保する
- 冬場は就寝前に窓・ドアを開放して換気する
マンションや賃貸は確認が必要
賃貸物件は基本的に居住者が自由にリフォームできません。窓が大きすぎて部屋が冷えるなどのトラブルがあるときは、一度、大家さんや管理会社に相談してみましょう。状況によってはリフォームをしてもらえるかもしれません。
また、分譲マンションのリフォームも注意が必要です。室内は原則として区分所有者のものですが、窓は共用部分(マンションの所有者全員で共有するもの)とされることが一般的なため、自由にリフォームできない可能性があります。まずは管理組合や管理会社に相談し、リフォームが可能か問い合わせておきましょう。
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本記事では窓を小さくするメリットや費用などをまとめて解説しました。窓・サッシのリフォームは決して安くない費用がかかるため、安心して施工するためにも信頼できる業者に依頼することが大切です。
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