ベランダ囲いとは、ベランダやバルコニーの周囲をふさぐ住宅設備です。テラス囲いやサンルームが、ベランダ囲いに該当します。双方とも既存のベランダ・バルコニーに、必ずしも設置する必要はありません。庭や1階の一部への設置も可能です。
戸建て住宅にベランダ囲いを後付けした場合、施工費用はどのくらいかかるでしょうか。この記事では、ベランダ囲いの設置費用や費用削減のポイントなどに関して、ご紹介します。テラス囲いやサンルームの設置を検討中の方は、最後までご覧ください。
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ベランダ囲いとは
ベランダ囲いとは、テラス屋根に側面ユニットをプラスして作るスペースのことです。またベランダ囲いは、「テラス囲い」とも呼ばれています。(テラスは1階に、ベランダは2階以上に設置されることが多い)雨風を気にすることなく、部屋を増設したような感覚で使用できるでしょう。
なお、ベランダ囲いと混同しやすいスペースに、サンルームがあります。サンルームとは、全面ガラス張りでできた部屋のことで、居室スペースとして利用できるほどの気密性や水密性を持っているのが特徴です。
そのため、住宅同様の基礎作りが必要となるため、施工するのに時間がかかるでしょう。ここでは、ベランダ囲いのメリットや利用シーンについて解説します。
サンルームとベランダ囲いの違い
ベランダ囲いと混同しやすいスペースに、サンルームがあります。
サンルーム | テラス囲い | |
屋根材の材質 | ガラス | ポリカーボネート |
基礎工事の有無 | 必要 | なし |
固定資産税の対象 | 対象 | 自治体の判断 |
主な該当商品 | LIXILのサニージュ | YKKAPのソラリア |
サンルームとは周囲をガラスで覆った住宅設備です。LIXILのサニージュやココマなどが該当します。日光が室内に多く差し込むよう、設計されている点が特徴です。サンルームはベランダ・バルコニーに加え、庭の一部を潰して設置するケースも珍しくありません。
YKKAPのソラリアや三協アルミの晴れもようwithなどが該当します。テラス囲いの基礎部分は柱のみで構成されており、基礎工事は必要ありません。また、サンルームと異なり、固定資産税の対象になるかどうかは、自治体の判断に委ねられています。
参考記事:ルーフバルコニーって?ベランダ・テラスとの違いや活用方法とは
ベランダ囲いの設置費用相場
ベランダ囲いの設置費用
1.5間6尺(273cm×178cm) | 約30万〜75万円 |
ベランダ・バルコニーの有無や商品のサイズ、デザインなどによって、工事費用は変わります。
戸建て住宅のベランダ・バルコニーにベランダ囲いを設置する場合、工事費用は30万〜75万円が相場です。テラス囲いのサイズは、1.5間6尺(273cm×178cm)を想定しています。
比較的シンプルな構造の商品を選んだ場合、設置費用は30万~50万前後です。
また、ウッドデッキやタイルデッキの上に設置する場合、110万〜180万が工事費用の相場です。
土台作りの工事が必要となるため、工事費用が高くなります。ただし、メーカーや商品によっては、ウッドデッキの上にテラス囲いを設置できません。
工事の前にベランダ囲いを設置しても問題ないか、必ず確認をしましょう。
サンルームの設置費用
テラス囲いと同様、ベランダ・バルコニーの有無や設置場所によって、工事費用は変わります。戸建て住宅の2階に既存のベランダを撤去せずサンルームを設置した場合、設置費用の相場は45万〜70万円です。
ベランダ・バルコニーがない場合は、2階に土台を作らなければなりません。床工事が必要となるため、20万〜30万円ほど追加で支払いが必要です。また、多くの工事業者はサンルームの設置用途に応じて、オプション工事の選択肢を用意しています。
1階の庭にサンルームを設置する場合、工事費用は50万〜110万円が相場です。タイルデッキやコンクリート床を庭に新設する分、工事費用が高くなります。
工事別の費用を以下の表にまとめました。
工事の種類 | 費用 |
物干し台の設置 | 2万〜8万円 |
日除けの設置 | 7万〜20万円 |
換気扇の設置 | 2万〜4万円 |
LEDライトの設置 | 5万〜18万円 |
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ベランダ囲いを設置する際の注意点
ベランダによっては取り付けられない
テラス囲いやサンルームの設置工事は、エクステリア工事のなかでも比較的難易度が高いです。お住まいのベランダ・バルコニーが、躯体式または屋根置式以外の場合、設置できない場合があります。
躯体式とは、外部に突き出ている面が壁になっているタイプです。(YKKAPのソラリアなど)一方、屋根置式タイプとは柱がアルミ上の屋根を支え、外に突き出している面が格子状のタイプです。(YKKAPのルシアスや三協アルミのテラーネなど)
バルコニーやフェンス、手すりの形状が特殊な場合、ベランダ囲いを設置できない可能性が高まるため、注意が必要です。
住宅保証がなくなる可能性がある
テラス囲いやサンルームの種類によっては、住宅保証の対象外となる場合があります。壁付けタイプの場合は住宅に直接ビスを打ち込むため、故意に住宅を傷付けているとみなされるためです。
保証対象外のリスクを抑えるには、独立型のテラス囲いやサンルームを検討しましょう。
柱と屋根で構成されたシンプルな構造で、設置の際にビスを外壁に打ち込みません。LIXILのサニージュや三協アルミの晴れもようwithなどは、独立型に該当します。
建築基準法違反の可能性がある
建築基準法において、屋根、柱、壁があるものは建築物として取り扱われます。建ぺい率・容積率にあたる面積は、「同一敷地内すべての建物の合計」です。サンルームの設置により、面積が増えると制限を超えてしまう可能性があります。
建ぺい率は地域ごとに設定値が異なりますが、30〜80%の間で定められています。
◾️建ぺい率とは
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合です。保有する土地にどのくらいの規模の住宅を建てられるか、数値として示す指標ともいえます。建ぺい率の算出方法は、建築面積 ÷ 敷地面積 × 100です。
建ぺい率の上限を超えないよう、施工前に必ず工事業者に確認をしましょう。
建築確認申請や建物表題変更登記が必要なケースも
建築確認申請や建物表題変更登記が必要になります。建築確認申請とは、実施予定の工事が建築基準法や条例の基準を満たしているか、確認する手続きです。10㎡以上の増築や改築をおこなう場合、必ず手続きをしなければなりません。
手続きには確認申請書や設計図など、多くの書類提出が求められるため、工事業者に代行を依頼しましょう。また、サンルームの設置によって、住宅の床面積が増えた場合、建物表題変更登記が必要です。
住宅を増築した場合、1か月以内に登記変更を済ませなければなりません。期限内に登記変更が終わらなかった場合、10万円以下の罰金が課せられます。多くの書類を素早く作成しなければいけないため、土地家屋調査士に作業を依頼しましょう。
固定資産税が増える
サンルームを設置した場合は住宅の床面積が増えるため、固定資産税の支払い額が増えます。
【固定資産税の対象基準】
・屋根の有無
・3方向以上が壁やガラスで囲まれている状態
・床~天井までの高さが1.5m以上
サンルームは上記の条件に合致しており、固定資産税の課税対象とみなされます。固定資産税の算出方法は、85,000円×床面積(㎡)×1.7%です。たとえば、東京の住宅で10畳のサンルームを設置したとしましょう。
東京では10畳=16.56㎡とみなすため、固定資産税の支払いが85,000×16.56×0.017=23,930円増えます。
一方、テラス囲いの場合、必ずしも固定資産税が増えるとは限りません。テラス囲いを課税対象に含むかどうかは、自治体によって判断が異なります。
固定資産税の支払いを避けたい場合は、施工前に確認をしましょう。役所の固定資産税課にカタログを持参し、検討商品が課税対象に含まれるかどうか、事前に確認をしておきます。
DIYはデメリットが多い
テラス囲いやサンルームをDIYで設置する方法はおすすめできません。
基礎工事や高所での作業もあるため、施工には専門知識やスキルが必要です。DIYでのベランダ囲い設置は不安要素が多いため、専門業者に依頼しましょう。
ベランダ囲いの設置費用を減らす5つのポイント
ベランダ囲いの施工費用を削減するには、以下6つのポイントがあげられます。
- 既製品を選択する
- 床材の費用を知る
- フェンスを設置する
- シェードやすだれを活用する
- 外構工事専門業者に依頼する
既製品を選択する
ベランダ囲いは、屋根材やサイズを要望に応じて自由にカスタマイズできます。ただし、一からベランダ囲いを製作するため、施工費用の高騰や工期の長期化を覚悟しなければなりません。
既製品から選ぶことで、コストが削減できます。
また、既製品はカタログに商品が掲載されているため、商品価格やサイズを比較しやすいです。設置後のイメージも描きやすく、認識のズレにともなうトラブルの発生を避けられます。
床材の費用を知る
テラス囲いを設置する場合、床材によって費用が変わります。メンテナンスの手間や空間デザインとの相性も考慮して、決めるようにしましょう。
ウッドデッキ
費用(相場) | 25万~40万円 |
メリット | ・落ち着いた雰囲気を演出 ・メンテナンスが楽 ・ペットや子どもがいても安心 |
デメリット | ・湿気によって劣化が進行 ・安価な木材は紫外線や雨で劣化が進行 |
タイル
費用(相場) | 20万円前後 |
メリット | ・高級感を演出 ・優れた耐久性 ・デザインバリエーションが豊富 ・メンテナンスが楽 |
デメリット | ・種類によって費用が高騰 ・ペットや子どもが怪我をする可能性 |
レンガ
費用(相場) | 25万円前後 |
メリット | ・温かみのある雰囲気を演出 ・使っていくたびに表情が変化 |
デメリット | ・防汚性の低さ ・水や衝撃への弱さ |
石張り
費用(相場) | 25万円前後 |
メリット | ・高級感や上品さを演出 ・優れた防汚性 ・掃除が楽 |
デメリット | ・変色の可能性 ・転倒した際に怪我をする可能性 |
フェンスを設置する
プライベート空間の確保を目的に、ベランダ囲いの設置を検討している方は、あわせてフェンスの設置も検討してみましょう。フェンスによって外部からの視線を遮断し、プライバシーの確保と防犯性の向上を実現できます。
フェンスの設置費用は、フェンスの材質や形状、施工面積によって大きく変動します。たとえば、アルミ製フェンスを10m設置した場合、施工費用は10万〜30万円が相場です。
お住まいの庭が比較的広い方、小さい子どもを育児中の方に、おすすめの選択肢です。
シェードやすだれを活用する
賃貸マンションやアパートにお住まいの方は、シェードやすだれの活用を検討してみましょう。どちらも原状回復がしやすいため、賃貸物件でも取り付けられる可能性が高いです。
シェードの場合、商品によっては6万〜8万円程度に施工費用を抑えられます。シェードは断熱性と遮光性に優れている点が特徴です。強烈な日差しや室内の温度上昇を和らげ、夏場でも快適に過ごせます。
一方、すだれの場合、自然素材ならではの落ち着いた雰囲気を演出できます。取り付けもしやすく、DYIでの設置も可能です。DYIの場合は工事費がかかりません。ECサイトではすだれが2,000円前後で販売されており、ベランダ囲いと比べて工事費を大幅に抑えられます。
外構工事専門業者に依頼する
外構工事の専門業者にベランダ囲いの設置を依頼しましょう。他の工事業者と比べて、普段からエクステリア商品を数多く仕入れており、テラス囲いやサンルームの本体価格を安く抑えられます。
また、優れた施工技術や豊富なノウハウを持つ職人が在籍している点も大きな魅力です。予算や要望に対する柔軟な対応に加え、きれいな仕上がりが望めます。サポート体制が充実した業者を選ぶと、施工が終わったあとも安心できるでしょう。
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