住んでいるマンションの給湯器が故障した場合、どのように直せば良いのでしょうか。マンションの給湯器を交換する流れは賃貸と分譲で異なるため、事前に確認しておきましょう。
今回は、マンションの給湯器を交換するタイミングや、費用相場や支出を抑える方法などを紹介します。
給湯器交換のタイミングは?
マンションの給湯器を長年使っていると、どのくらいまで使えるのか、交換のタイミングはいつごろか気になることもあるでしょう。交換するタイミングは、次の2つが目安になります。
- 給湯器の故障がみられるとき
- 給湯器の寿命年数を過ぎたとき
給湯器の故障がみられるとき
次のようなサインがあるときは、給湯器の故障と考えられます。これらの不具合を放置していると、ガス漏れや不完全燃焼などのトラブルを起こすリスクがあります。兆候がみられたらすぐに使用を中止して、修理を依頼しましょう。
- お湯の温度が安定しない
- お湯が出るまでに時間がかかる
- 異音がする
- 風呂の追い焚きができない
- 給湯器から水漏れする
- 給湯器から煙が出る
エラーコードが表示される場合、天候の問題で一時的に不具合が生じているなどさまざまな原因が考えられるため、コードの内容によって対処しましょう。
場合によっては修理よりも交換の方が安く済む場合もあるため、不具合の状況をみて判断してください。
給湯器の寿命年数を過ぎたとき
マンションの給湯器の耐用年数は、およそ10〜15年程度とされています。
使用頻度や使い方などによって寿命には差があり、早い場合は使用開始から7年程度で不具合が起こるようになります。10年が経過したら、そろそろ交換を考える時期です。
基本的に、設置してから7年以内に不具合を感じた場合は修理を依頼し、それ以降であれば交換を検討すると考えておけばよいでしょう。
マンションの給湯器交換の流れと注意点【賃貸・分譲の違い】
マンションの給湯器を交換する流れは、賃貸と分譲で異なります。賃貸マンションではオーナーや管理会社に連絡し、分譲マンションは基本的に自分で工事を依頼します。
賃貸と分譲、それぞれの給湯器交換の流れと注意点をみていきましょう。
賃貸マンションの場合
賃貸マンションの給湯器は建物の設備であり、建物の所有者である貸主の所有物です。経年劣化による交換が必要になった場合、費用を負担するのはオーナーになります。
そのため、交換が必要になったらオーナーまたは管理会社に連絡しましょう。オーナーまたは管理会社から、交換をする業者を手配するという流れです。
ただし、給湯器が故障した原因が借主の過失や不適切な使用によるものである場合、交換費用は借主が負担することになる可能性が高いでしょう。
分譲マンションの場合
分譲マンションの場合、給湯器は専有部分にあたり、居住者の所有物です。マンションの構造によっては共有部分となるケースもありますが、ほとんどの場合は専有部分となります。
専有部分に設置された給湯器の交換は、部屋を所有している居住者が費用を負担します。自分で専門業者を探し、見積もりを依頼しましょう。
専有部分の工事ではあっても、マンションはインフラを共有しているため、給湯器の交換工事をする前に管理組合への連絡が必要です。
また、工事前に申請書の提出が必要になる場合もあります。設置できる給湯器の形状が規約で定められていることもあるため、事前に管理規約を確認しておきましょう。
給湯器を交換する際は設置タイプ・機能・号数を確認する
給湯器を交換するときは、基本的に既存の給湯器と同じタイプ・機能・大きさのものを選びます。
それぞれの内容を確認しておきましょう。
設置タイプ
マンションに設置する給湯器のタイプは、主に次の5つに分けられます。
ベランダ壁掛けタイプ | ベランダの壁面に設置され、給湯器の下から配管が出ている |
PS標準設置タイプ | 玄関横のPSに埋め込まれている |
PS扉内・前方排気タイプ | PSの扉の中にあり、扉の上から排気管が見える |
PS扉内・後方排気タイプ | PSの扉の中にあり、排気管は扉の外からは見えない別の場所の排気口から排気する |
屋内壁掛タイプ | 屋内に設置し、室外からは排気管だけが見える |
PSとはパイプシャフト(パイプスペース)のことで、ガスメーターなどが収められている場所のことです。
マンションに設置されている給湯器は、基本的にこれらのいずれかになります。現在の給湯器の設置場所を確認し、交換する際は同じ設置方法を選ぶことが必要です。
戸建てでは屋外の地面に置く屋外設置型も選べますが、マンションでは設置できません。
給湯器の機能
給湯器には次のような機能の種類があり、交換の際は同じ機能のものを選ぶ必要があります。
給湯専用 | 給湯のみで追い焚きができない |
オート | 給湯と追い焚きができ、自動保温などの機能がある |
フルオート | 給湯と追い焚きができ、自動足し湯や配管自動洗浄機能がある |
給湯暖房熱源機 | 給湯や追い焚きなどのお風呂機能がある床暖房や浴室暖房乾燥機などの暖房機能がある |
新しい給湯器に交換するときは機能の豊富なものを選びたいかもしれません。リフォームや配管工事が必要になるため、管理会社や管理組合に相談してみるとよいでしょう。
給湯器の号数
給湯器は、水温+25度のお湯が1分間に出る量を「号数」で表しています。家族の人数による号数の目安は、次のとおりです。
号数 | 人数 | タンク容量 |
16号 | 1人 | 180L以上 |
20号 | 2人〜3人 | 300L以上 |
24号 | 3人〜4人 | 370L以上 |
28号 | 5人以上 | 460L以上 |
号数は、給湯器本体に貼られたシールの品番でチェックできます。数字の最初が号数であり、例えば「GT-160〜.」であれば16号ということです。
号数が高いほど給湯能力も上がりますが、サイズも大きくなります。PSタイプの場合は特に設置スペースが限られるため、大きなサイズへの変更は難しいでしょう。
マンションの給湯器交換にかかる費用
マンションの給湯器交換でかかる費用は、給湯器の機能や号数、エコタイプの有無で変わります。
また、費用を誰が負担するかは、賃貸と分譲で異なります。
マンションの給湯器交換にかかる費用は誰が負担するのか
マンションの給湯器交換にかかる費用を誰が負担するのかは、賃貸と分譲で異なります。賃貸の場合、通常使用や経年劣化による交換をする際は、一般的に貸主の負担です。一方、借主の過失により給湯器が壊れた場合は、借主の負担です。
賃貸借契約によっては、給湯器の交換費用などを借主が負担するという特約がある場合もあるため、契約書を確認しておきましょう。
分譲マンションの設備は居住者の所有物であり、交換費用も居住者の負担になります。
給湯器交換の費用相場
給湯器の交換費用は、合計すると14万円〜28万円程度が相場です。
内訳は、次のとおりです。
- 給湯器本体:2.5〜32万円
- リモコンの価格:約2万円
- 工事費(出張費・処分費などを含む):4〜5万円
金額に差が出るのは給湯器本体で、号数が大きく機能が豊富であるほど本体価格は高額になります。
最も安いのが給湯専用の壁掛けタイプで、最小の16号であれば2.5〜5.5万円程度が相場です。
高額になるのが給湯暖房熱源機のPS型で、最大の24号は30〜32万円ほどになります。
同じ機能・号数でも、給湯器メーカーにより幅があり、最新型の場合はさらに高くなる可能性もあるでしょう。
交換費用を抑える方法
給湯器の交換費用を安く抑えるためには、次の3点を検討しましょう。
- 修理で済むかを検討する
- 複数社から相見積もりをとる
- 見積もりの項目をチェックする
設置してから7年未満で修理すればまだ利用できるのであれば、交換ではなく修理をすることで出費を抑えることができます。
急に交換となると、高額な費用をすぐに用意できない場合もあるでしょう。修理で済むのであれば、少ない支出で給湯器を継続利用できます。
経年劣化で交換が必要な場合でも、依頼する業者によって費用は変わります。そのため、複数社から無料の相見積もりをとって、金額はいくらになるのか比較してみましょう。
交換費用以外の違いも比較検討してください。金額が安くても、他の項目で追加費用がかかるのであればかえって高くつく場合があります。内訳の項目を確認し、追加費用はかからないかの確認が必要です。
製品の保証期間もチェックしましょう。見積もりの金額は高くても、長期間の製品保証がある方が、長期的に見て安くなる可能性がありますし、安心感も高まるでしょう。
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