イモビライザーキーとは、車両盗難を防ぐ高度な電子セキュリティシステムが組み込まれた鍵のことです。鍵に内蔵されたチップと車両のコンピューターが通信して認証を行います。
この記事では、イモビライザーの仕組みやメリット・デメリット、トラブル対処法を詳しく解説します。スペアキーの作成を依頼できる相談先も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
イモビライザーキーとは
イモビライザーキーとは、車両盗難を防ぐセキュリティシステムが組み込まれた鍵のことです。見た目は普通の鍵と変わりませんが、内部にトランスポンダという小型電子チップが埋め込まれています。
このチップには暗号化されたIDコードが記録されており、車に登録された情報と照合され、正しいIDコードがなければエンジンは始動しません。
EU諸国では1990年代から義務化され、日本でも2000年代以降、多くの新車に標準装備されるようになりました。
イモビライザーの仕組み
イモビライザーシステムは、高度な電子技術と暗号化を駆使しています。
エンジン始動時、鍵のチップが車両側アンテナから電力を受け取り、暗号化されたIDコードを発信。このコードはECU(車に搭載されている電子制御ユニット)で照合され、一致した場合のみエンジン始動が許可されます。
IDコードは非常に複雑で、膨大な数の組み合わせがあるため、不正なコピーや解読はほぼ不可能とされています。
イモビライザーキー以外の鍵の種類
そもそも車の鍵にはどのような種類があるのかについて、以下の3種類を挙げて解説します。
- リモコンキー
- スマートキー
- メカニカルキー
リモコンキー
リモコンキーは、キーレスエントリーシステムの代表格です。鍵本体に付いているボタンを押すだけで、離れた場所からドアの施錠・解錠ができます。
一般的に「キーレス」や「ワイヤレスキー」とも呼ばれたりします。
多くの場合、リモコンキーにはイモビライザー機能も搭載されており、盗難防止効果も高いです。電池切れの際は、鍵本体に内蔵されているメカニカルキーを使用できるため、万が一の際も安心です。
スマートキー
スマートキーは、最新の車両セキュリティ技術を結集した高機能な鍵です。鍵を携帯しているだけで、ドアに近づくとセンサーが反応して解錠し、車内でスタートボタンを押すだけでエンジンを始動できます。
各自動車メーカーによって呼び名が異なり、「インテリジェントキー」「キーフリーシステム」「アドバンスキー」などの名称があります。ほとんどのスマートキーにはイモビライザー機能も内蔵されており、高度なセキュリティシステムを搭載。電池切れや故障時のために、内蔵メカニカルキーも備えています。
メカニカルキー
メカニカルキーは、金属を削って作られた従来型の鍵で、鍵穴に差し込んで回すことでドアの開閉やエンジンの始動を行います。シンプルな構造ゆえに故障のリスクが低く、電子系統に不具合が生じても使用できるのがメリットです。
近年の車では、リモコンキーやスマートキーの内部に収納される形で残っていることが多く、電池切れや故障時の非常用として役立てられています。
イモビライザー搭載かどうかを確認する方法
イモビライザーを搭載しているかどうかを確認する方法には、以下の3つの方法があります。
- インジケーターランプで判断する
- 車の年式から調べる
- 取扱説明書を読む
インジケーターランプで判断する
イモビライザー搭載車の多くは、メーターパネル付近にインジケーターランプを備えています。
このランプは通常、鍵のシルエットや車と鍵を組み合わせたマークの形状をしています。エンジン停止時に、このランプが点灯または点滅していれば、イモビライザーが搭載されている可能性が高いです。ランプの表示は「SECURITY」という文字の場合もあります。
また、一部の車種では窓ガラスにイモビライザーステッカーが貼られていることもあり、これも搭載の目安となります。
ただし、ステッカーは後付けの可能性もあるため、他の方法とあわせて確認するのが確実です。
車の年式から調べる
イモビライザーの搭載状況は、車の製造年によってある程度推測できます。日本の国産車では、2000年頃からイモビライザーの標準装備が始まりました。したがって、2000年以降に製造された車両であれば、イモビライザーが搭載されている可能性が高くなります。
ただし、車種やグレードによっても搭載状況は異なるため、年式だけでなく、具体的な車種情報も重要です。多くの自動車メーカーや専門サイトでは、車種別のイモビライザー搭載状況一覧を公開しています。これらを参照すれば、より正確に判断できるでしょう。
取扱説明書を読む
イモビライザー搭載車の場合、取扱説明書に「イモビライザー」や「盗難防止システム」といった項目が設けられています。これらのセクションがあればイモビライザーが搭載されていると判断できます。
取扱説明書が手元にない場合は、多くのメーカーがWebサイト上で電子版の取扱説明書を公開しているので、そちらを参照するのがおすすめです。
イモビライザーキーのメリット・デメリット
イモビライザーキーのメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
防犯性能が高い車両が盗難されにくい自動車保険が割引になることがある鍵の複製が難しい | 紛失したときの対応が大変故障のリスクがある対応できる鍵業者が限定される |
イモビライザーは後付けできる
イモビライザーは、車の年式や車種に関わらず後付けが可能です。
特に、後付けタイプは純正品よりも防犯効果が高いとされています。その理由は、システムの判別が難しく、解除方法の研究が進みにくいためです。
後付けイモビライザーの取り付けには専門的な知識と技術が必要なので、信頼できるメーカーや車の専門店に依頼するのがおすすめです。
イモビライザーキーに関するトラブルと対処法
ここでは、イモビライザーキーに関する、よくある以下の3つのトラブルとその対処法について解説します。
- 鍵や電池マークが点灯・点滅している
- エンジンがかからない
- イモビライザーキーを紛失した
鍵や電池マークが点灯・点滅している
鍵や電池のマークが点灯・点滅している場合は、鍵の電池切れを警告しています。イモビライザーキーの電池寿命は約1〜2年で、警告が表示されたら早めの交換が必要です。
一方、車と鍵、または車と錠のマークが点灯・点滅している場合は、イモビライザーが正常に作動中であることを示しています。これはエンジン停止時やドアロック時に表示され、通常はエンジン始動と同時に消えます。
エンジンを始動してもランプが消えない場合は、システムの異常が考えられるため、ディーラーや専門業者に相談しましょう。
エンジンがかからない
イモビライザーキーを使用しているにもかかわらず、エンジンがかからない原因として最も多いのは、バッテリー上がりです。この場合、ジャンプスターターを使用したり、ロードサービスを利用したりして対処しましょう。
また、稀にバッテリー電圧の低下やボンネットスイッチの接触不良によりイモビライザーが誤作動することもあります。この場合、バッテリーの点検や交換、スイッチの修理が必要になるかもしれません。
イモビライザーキーを紛失した
イモビライザーキーを紛失した場合、衣服のポケットやバッグの中、最後に使用した場所など、考えられるすべての場所を探しましょう。
見つからない場合は、立ち寄った施設や店舗に問い合わせるのも良いでしょう。警察に遺失届を提出するのも忘れてはいけません。どれだけ探しても見つからなかった場合は、新しい鍵を作成する必要があります。
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イモビライザーキーのスペアキー作成を相談できる業者
イモビライザーキーのスペアキー作成は、高度な技術と専門的な機器が必要です。
相談できる業者は、以下の2種類です。
- カーディーラー
- 鍵業者
カーディーラー
カーディーラーは、純正部品を使用し、車両のECUに正確に登録できるため、信頼性が高いのが特徴です。
ただし、作成には数日から2週間程度かかることが多く、急ぎの場合には不向きです。紛失時には、セキュリティ上の理由から車両側のコンピューター交換が必要になる場合もあります。
鍵業者
鍵業者は、迅速な対応が可能な点が大きな魅力です。多くの場合、車のある場所まで出張してくれるため、外出先でのトラブルにも対応できます。費用は30,000~100,000円が相場です。
ただし、業者によって技術力や設備に差があるため、選定には注意が必要です。また、車種や型式によっては対応できない場合もあります。信頼できる業者を見つけるには、オンラインのマッチングサービスなどを利用して、事前に対応可能かどうかを確認することをおすすめします。
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